メイク・ラブ

make love

メイク・ラブ
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神14
  • 萌×24
  • 萌10
  • 中立3
  • しゅみじゃない3

--

レビュー数
9
得点
119
評価数
34
平均
3.7 / 5
神率
41.2%
著者
芹生はるか 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
円陣闇丸 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
発売日
価格
¥552(税抜)  
ISBN
9784576006239

あらすじ

崩壊した家庭で孤独をかかえて生きる高校生、千尋…。恋人の死以来、かたくなに心を閉ざす外科医、諒一…。一夜限りの相手を求めるための街で出会った二人は、互いにプライベートを明かさぬ約束で、4ヶ月間だけの恋人契約を結んだ…。偽りの関係だとわかっていても、ぬくもりを知ってしまった千尋は次第に諒一にのめり込まずにはいられず…そんなある日、思いがけない事件が起き、二人の関係は一変する…。胸かき毟られる珠玉のピュアリーラブ。

表題作メイク・ラブ

29歳,恋人を亡くした外科医
17歳,高2

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数9

切ない……

腐友さんから「泣けた」とお聞きしたので読んでみたけど、ほんと切ない……。
切なさが爆発しまくりでした。

29歳の医師と17歳の高校生という年の差カプですが、どちらも埋められない孤独を抱えている二人という点が共通しています。

攻めは四年前に恋人を亡くしていて、彼の事は愛していたけれど、世間体を気にする余り恋人らしい事をしてやれなかったという後悔を抱えています。
そして受けは両親から放置されて育ち、抱きしめられる事も愛される事も知らない子。
そんな二人が夜の街で出会い、4ヶ月の恋人契約を結ぶんです。

攻めがズルい大人なんですよー。

攻めにとって、受けは亡くした恋人の身代わりにすぎないんです。
亡くした恋人にしてやれなかった事を、受けを代わりにあれこれ恋人らしい事をしてやり、胸の奥で燻り続けている後悔を少しでも軽くしたいというだけ。

受けは愛情に飢えている子なので、あれこれ優しく接してくれる攻めにそりゃあ夢中になりますよね。
本当に自分を愛してくれているのではないか?と錯覚しそうになるけれど、期間が過ぎたらポイされて、その後は再び一人ぽっちの生活に戻ることは避けられない。
だけど人の温もりを知ってしまった今、あの寂しさに耐えられるだろうか……と思い悩む受け。

切ないです。

とある事件が起こり、予定期間よりも前に恋人解消をすることになるのだけど、自分は攻めの懺悔のための代用品でしかなかったという残酷な事実まで知らされて……。
なんでこんないい子が、そしてこの子は何も悪くないのにこんな辛い思いしなくちゃいけないんだ、攻めこんにゃろー!!お前がきっちり責任とれ!!という気持ちになる。


私は攻めが大人としてどうよ?と思ってしまう点が幾つかありました。
というか、時代を感じさせるというのかな。

まず17歳の子に躊躇なく手をだしちゃうところ。
一回りも年下なのに、一切の葛藤がない。
今の時代なら、淫行じゃないの?と思ってしまいますが。

あと、未成年の受けと友人を相手に、ちょいちょい飲酒を進めるところ。
ここも時代なのかなぁと。

そして受けと別れた後、何をしても受けの事が思い出されて仕方なくなる攻めなんだけど、
「亡くした恋人の顔を思い出せない自分がいた。その声も遠く、もう姿さえもはっきりとは覚えていないのに、後悔から逃れたいばかりに千尋を傷つけてしまった」と後悔するんです。
え?たった四年間でかつて愛していた男の顔を忘れちゃうの??と。
生前も愛してると言ってもらえなかったし、死後も数年で顔を忘れられちゃうなんて……となんだか死んだ元恋人が不憫になってしまいました。
もう受けは元恋人の身代わりでは無いよと言いたいんだろうけど、忘れる必要はないよね……

腐友さんから、受けの子が17歳なのに中学生かってくらい幼い喋りをする、「なんだよぉ」のように「ぅ」や「ぉ」が入るのでそこが気になるかもと言われてたけど、そこは問題なかったです。
初対面時はまともな喋りをしていたし、恋人契約をしてから攻めの前限定でそういう話し方をするようになるので、今まで誰にも甘えてこれなかった反動というか、目一杯甘えてるんだろうなぁと思えました。



ーーーーー
シーモア:アプリ限定 ブラウザ読み不可 挿絵がやたら小さくて拡大不可。

4

手放せない大切な一冊

だいぶ昔に購入した小説になります。
他の方も書かれているように、受けである千尋の言動が子供っぽいとは感じますが、それは攻めの諒一の前がほとんどなので諒一の前では甘えられて、本来の千尋の姿が出せるほど身を委ねられる存在なのかな?と私は感じました。
諒一の前以外では落ち着いた少年といったイメージ。家庭内での辛い境遇。甘えられず育った千尋のなので、子供っぽいところくらいあっていいじゃない、むしろギャップがあっていいじゃないですか!と前向きに捉えています。

諒一は諒一で恋人を亡くしているという辛い過去があり、特定の恋人を作らず一夜限りの相手を見つけては関係を持っており、千尋との出会いもその延長線上にあります。

そんな2人が期間限定の恋人となり、そこから紆余曲折を経て結ばれるまでのお話でした。
紆余曲折の中で、2人が期間限定の恋人を解消するあたりで大泣きしました。
何年経っても、何回読んでも同じ所で涙が溢れてきます。泣きたい時には本棚から引っ張り出してきて読む一冊です。購入してから10年以上経過しましたが、未だに手放せない大切な一冊です。

1

受け様が少し引っかかりましたが

円陣さんの挿絵目当てで買いました。
この作家さんの作品は初めて読みました。
読みやすい文章だったのですが、私も他の方がレビューされているように、受け様の言葉遣いやリアクションが子供っぽくて気になりました。
受け様の家庭環境が少し冷たい状況なのですが、そのことが何度も繰り返し描写されていて、「可哀想な子」というイメージを読者に与えるような手法も個人的には気になりました。
ただ、攻め様の描写は割と好みでした。
初めから割と甘々な雰囲気なんですが、それだけで終わらず、切ない展開もあったのがお話にメリハリを付けていると思います。
基本的には甘々で、年上大人な攻め様x可愛い系受け様がお好きなら一読してみてもいいかもです。

0

亡き恋人を忘れられない外科医と孤独な高校生の苦くて切ないラブストーリー

初出から15年以上たっている作品ですがあまり古さは感じませんでした。
ただ、高校生が当たり前に携帯を持つ以前であったり、初めての場所に行くときに地図アプリじゃなくて手書きの地図というところくらいでしょうか。

榊原はずるい大人です。
付き合っていた年上の恋人が事件に巻き込まれ亡くなるまで、体の関係ばかりであまり優しくできなかったし欲しがっているだろう言葉も与えてあげられなかったことを悔やみ、事あるごとに思い出しては落ち込んでワンナイトラブを繰り返す榊原。
何にも知らない寂しそうな子供に話をするだけといってまんまとホテルに連れ込みいざとなったら強引にと下心満点。
親からはネグレスト、親友への初恋が破れたばかりで寂しい気持ちを聞いてくれて嬉しかったから抱いていいよとまでいっちゃう健気な千尋。
丸め込んでベットに連れ込めばこっちのもんだと思っていた榊原にしたらラッキーな展開です。
体の相性も都合もいいから期間限定で付き合おうという大人の口車に乗ってしまう千尋。
大人の包容力と甘やかしてくれる優しい完璧な恋人に溺れて行かないわけがありません。

榊原は恋人にしてあげられなかったことや言ってあげればよかったと思う言葉を代わりにすることで償うことを自覚的にしているから余計酷いです。
亡き人も代わりに他人を優しくしているのを喜ぶわけないし千尋だって悲しい、榊原の自己満足以外何ものでもない行為に腹が立った。

千尋が恋心を自覚し残りの月日をカウントしながら付き合っていく心情が切なすぎる。
笑顔をみると元気が出るとか千尋が居るから仕事が頑張れると千尋を喜ばせる事を簡単に言ってしまう榊原は残酷です。
初めから利用して期限で別れるつもりならこんな無垢で素直な少年を選んじゃいけないでしょうに。
誰にも愛されずに育ち我慢ばかりしてきた千尋がかわいそうでかわいそうで…

榊原は何度同じことを繰り返しても全然わかっていないのですね。
前の亡くなった恋人も榊原は研修が終わったら帰国して別れていくことが決まっているのに何も言ってくれない、期間限定の恋人だから多くの望まずに何も求めないまま亡くなりました。
千尋の寂しげな何かを諦めたような表情を見て、恋人だった人が最後の頃にみせていたの表情に似ていたことを思い出してもまだ自分の罪の深さに気が付かない身勝手な男です。

そして榊原はだんだん千尋に惹かれていくことに亡き人への断罪に似た気持ちから罪悪感を覚え千尋の笑顔が辛くなった時、無理して付き合ってくれていると感じた千尋は期限までひと月を残して別れる決意をして思い出に遊園地に行きさよならするというシーンが一番切ないです。
けれどその思い出作りの時によりにもよって榊原は死んだ恋人への懺悔のために身代わりにして大切にしていたんだと千尋に告白してしまいます。
大切にしたい思い出まで壊すのか、好きでいる気持ちすら奪うのかと悲しむ千尋の気持ちが痛いほど伝わってきます。

気持ちが通じあっての親友カップルとのダブルデート 編はとても良かったです。
溺甘な榊原にめいっぱい甘えてラブラブな様子。
千尋の両親の離婚後は一緒に暮らす約束で大学生生活も楽しめることでしょう。
きっと幸せ愛されオーラ&フェロモンだだ漏れ状態で余計な虫にも集られたり嫉妬されたりするかも?そんな妄想を浮かべつつ二人の幸せな未来がみえるエンディングが良かったです。

円陣さんの今とはちょっと違う画風のイラストもとても素敵でした。

4

泣けるBL! 古い作品ですけどオススメしたいです‼

何回も読み返している作品なんですけど、毎回、自分の涙腺どうしたのか、と思えるくらい号泣してしまうんです。
パッピーエンドが見えていても、人間の孤独、純情、愛情いろんな感情に胸が締め付けられる泣けるBL…読ませてくれるBLだと思います。
芹生先生お得意の痛いくらいせつない恋の物語です。
円陣先生のイラストも淡い雰囲気がでていて好きです。
自分では、BLの中で忘れてはいけない一冊だと思っています。それくらい大好きな作品です。

内容は、医者の榊原諒一×高校生の藤井千尋の期間限定の恋人から始まる、ピュアな年の差もののお話です。

過去に恋人を失った諒一と、家族にも愛されず、孤独を抱えて生きる千尋。
今時の高校生とは思えないくらい千尋がピュアで、一途に愛情を求める姿がいじらしくて切なくてたまりません。
お互い孤独な気持ちを埋めるかのように始まった、4ヶ月間という契約つきの、期間限定の恋人。
諒一がくれる愛情は、契約に基づくものだと千尋も分かっている…けど、千尋には、些細なことでも、言葉で行動で、細やかな愛を与えてくれる諒一に魅かれていきます。始めて知った愛される喜び! その愛をくれる諒一のことを好きになっていきます。

二人だけの携帯、2人のだけのマンションの部屋、2人だけの秘密の時間、特別な事が増えるたび、楽しくて幸せな時間を過ごせば過ごしていくほど、だんだん別れが辛くなっていきます。
いくら身体を繋げても、心が繋がってないと虚しい…。
お互いに魅かれているのは間違いないのに、契約の恋人というのが2人を縛ります。
ある事件がきっかけで、お互いの素性が知れてしまい、二人の間に微妙な変化が起き始めます。
距離をおこうとするする諒一と必死で繋ぎ止めようとする千尋!孤独で寂しがりな千尋の思いがせつないんです。だんだん強がっていく千尋の姿が健気で泣けます。
それから、辛くなる前に、楽しくて幸せだった日々を思い出にこれから過ごして行こうと決心する千尋。契約より一ヶ月前に別れることを決め、最後に誕生日に過ごすはずだった、ディズニーランドへ2人で行きます。
でも、諒一の信じたくない告白で、千尋は自分の気持ちを我慢できずに泣きながら告白し訴えてしまうんです。カラダをつなげても、心が微妙に繋がりあわない2人が、せつなくて諒一が腹立たしくて涙が止まらなかったです。

忽然と千尋が去ってから、毎日頭から離れず、健気で愛おしかった千尋ばかり思い出す諒一…そんな時、事故で18歳の少年が運ばれ、助けられずに亡くなってしまうんです。両親や恋人が彼に縋りながら泣いているのを見て、千尋が重なります。
どうして、あんなに愛おしい千尋を、恋人と重ね身代わりだと思っていたのか…千尋自身を必要としているのは、本当は自分だったことに気がつくんです。
この自分の過去のこだわりをふりきり、千尋を失いたくない、愛でたいとたたみかけるようなせつなさに、胸が痛くなります。
そして、千尋を迎えに行き告白シーンを読んで、また大泣きでした。
いつもスマートな大人の諒一が、なりふり構わず必死でつなぎ止めようとする様が逆によくて、嬉しくて、千尋の今までの気持ちを考えたら号泣でした。
完全に感情移入して読んでますよね(笑)

カップル後は、本当にあまあまラブラブで、幸せなそうな2人。千尋の友人カップルと、再び訪れるディズニーランドのお話も、ほのぼの雰囲気で、今までのせつなさが一変して、幸せいっぱいな気持ちが伝わって好きです。何より幸せいっぱの千尋が読んでいて温かな気持ちにさせられます。
諒一が、真剣に2人の将来のことを考えている所も感動でした。

千尋の言動が諒一の前では、どんどん乙女語みたいになっていくんですけど、愛情を知らなかった反動だと思えば、気になりませんでした。逆に諒一の前だけの行動が、千尋の不幸な生活環境を感じられてせつなくもなり、可愛らしくもありでした。

2人の視点で書かれているんですけど、私は何回も読んで慣れているから気にならないですけど、始めての方は、視点が入り混じっている書き方なので読みにくいかもしれません。

細やかな愛情表現やHの艶やかさ、感情のすれ違いがとても丁寧に書かれているので、読んでいていろんな場面で萌も感じられました。ストーリー性も高い泣けるお話だと思います。
もし、読まれたことがない方には、ぜひ読んで頂けたら嬉しい作品だと思っています。

3

惜しいというか悔しいというか勿体ないというか…

惜しいというか悔しいというか勿体ないというか…そんな気分です。
泣けたんですよ。
ものすごくキュンキュンしたし、恋人契約から本当の恋人へと変わっていくその過程に胸が熱くなりました。
本当にいいお話だと思います。
それだけに、受けのキャラが…!あまりの女の子っぽいしゃべり方が惜しいというか悔しいというか勿体ないというか、その言葉遣いにいちいち萎えてしまうのがなんともかんとも…。このあたりkakasiさんとまったく同じ気持ちです。「~だもん」「~なんだからぁ」「~だよぉ、だ」みたいな言葉遣いはとにかくヤメレ!と思いました。
受けの行動も好きなんですよ。
ひねずにまっすぐ甘えていったかと思うと、身を引くときは潔い。もちろん心の中での葛藤はありますが、その葛藤を行動として出さないよう努力するタイプの受けは好き。

不満は受けのブリッコぷりだけといってもいいです。
全編、「普通の男子」な喋りかたに変えてくれたら、神評価にしたと思います。そのくらい、ストーリーそのものは大好きでした。

あ、ただオマケっぽくついてた最終ストーリーの『WITH LOVE』は、蛇足だと思いました。ひたすら変な唾が出ました。
親友の前であんないちゃつき方するのはやめてほしい。引きました。

1

ストーリーは好きなんですが...

どうにもこうにも、主人公の千尋のセリフや行動が耐えがたかったです。
「もう、~なんだから」とか「~ですよぉだ」とか「~なんだもん」
おまけに、頬膨らませてピョンピョンジャンプしたり、何かと甘え声で
しゃべったり、えへへと笑ったり、拗ねて舌出したり、これっていつの
時代の少女マンガですか~!?
親に甘えられなかったから甘えたいってのはわかるんですが、
女がやってもウゲッってなるような態度のオンパレードに呆れました...
ストーリーと円陣さんの絵が好きなだけに、もう少し17歳の男の子
らしい設定にして欲しかったです...

榊原は話の中盤まで千尋を好きなのだと自覚できず、表面上の千尋への
優しさとは裏腹に、心の中では結構冷たい男でした。
千尋が榊原の病院に入院した時も、ここぞとばかりに甘い言葉をかけて
励ますのだとばかり思っていたのに、意外にも自分の仕事を知られて
しまったことでこれ以上関わりあいたくないと迷惑がり、
それ以降千尋を避けてしまう...
すんなり2人の中がうまくいかない話の展開に切なくなりました。

別れを切り出し、榊原が寝てる間に何も告げずに携帯と部屋のキーを
置いて去って行ったのが千尋の方だというのには意外でした。
2人で過ごす最後の夜に昔の恋人の身代わりだったと告白された千尋は
かわいそうで、なぜこのタイミングで言うかなぁ~?!と榊原を責めて
やりたくなります。
でも、千尋への思いに気付いてからの榊原は必死で、やっと千尋を
つかまえて告白するシーンにはジーンと感動しました。

最後の章では、千尋の過去の想い人の祐とその彼女とダブルデート。
彼らの前で「あ~ん」とチョコを差し出す千尋...ウキー!無理です...
私がこの年だから受け入れられないだけでしょうか??
友達の前で「あ~ん」はないでしょ!?
榊原の千尋に対する愛情がハンパなくてキュンキュンするし、祐の友達を
奪われた嫉妬もかわいくて好きなんですが、人前はばからずベタベタする
2人がなんとも...
でも、祐と2人で語った榊原のセリフはどれも愛情溢れ、これから一緒に
暮らし、ずっと一緒に生きていくと決めた2人が幸せであるようにと
祈りたい気分になりました。

4

泣ける泣ける

家に帰っても誰もいない家。
千尋が何をしても、干渉しないと言うか、目もくれないというか。
普通ならぐれちゃって手がつけられなくなってても仕方がないのに、「ぐれても心配してくれないし」と、することがないから勉強をしているという千尋。

アメリカへ留学中に指導医だったアメリカ人医師と恋仲になったものの、病院内の銃乱射事件に巻き込まれ帰らぬ人に。
それ以降、恋心を閉ざし一夜だけの関係しか結んでこなかった外科医・榊原ですが、千尋と知り合ったことが、榊原を変えるきっかけとなります。

こんなふたりが結んだ期間のある恋人契約。
その期間が終われば別れが待っています。それをわかっていて、千尋はどんどんと榊原に気持ちを持って行かれます。ダメだとわかっているのに……。
そのあたりの気持ちが、もう痛いほど伝わってきて可哀相で可哀相で。
もちろん、境遇すらも可哀相なんだから、泣けて泣けて。
疎まれるくらいなら、その前に別れてしまおうと思った千尋は、自ら身を引き、ようやく自分の気持ちに素直になった榊原。

いろんなところに気を遣って、幸せとは縁遠かった千尋と、上手く愛することが出来なかった榊原がちゃんとハッピーエンドになってよかったです。

4

涙腺崩壊

あらすじ
崩壊した家庭で孤独をかかえて生きる高校生、千尋…。恋人の死以来、かたくなに心を閉ざす外科医、諒一…。一夜限りの相手を求めるための街で出会った二人は、互いにプライベートを明かさぬ約束で、4ヶ月間だけの恋人契約を結んだ…。偽りの関係だとわかっていても、ぬくもりを知ってしまった千尋は次第に諒一にのめり込まずにはいられず…そんなある日、思いがけない事件が起き、二人の関係は一変する…。胸かき毟られる珠玉のピュアリーラブ。

一人で淋しくて、誰かに傍に居て欲しい千尋と、亡くなった恋人にもっと
恋人らしく接してあげれば良かったと悔やんでいる諒一。
とある事で、出会った二人が、お互いの足りないものを埋めるために、
4ヶ月限定の愛人契約を結ぶところからお話が始まります。

プライベートは一切明かさず、逢瀬を繰り返すんですが、
千尋の甘えっぷりに諒一の甘やかせっぷりは一見ラブラブです。
ただ、千尋がどんどん諒一に惹かれて行ってしまうので、
その関係もどんどん切なくなってきてしまいます。

ある1件で、諒一のプライベートを見ることになり、その抱えている傷などが
発覚してからは、千尋は悩みに悩んで、契約を解く事を提案して・・・。

泣ける1冊としては、一押しです。
千尋が少し幼いかなと思った部分もありますが、
それは千尋が今まで誰にも甘えずにきた反動。
更に諒一を考えて我が儘を言い過ぎないようにしようとする千尋にまた切なさを煽られます。

最後はちゃんとハピエンなので、まだ読まれたことが無い方はぜひ読んでみてください。

9

この作品が収納されている本棚

レビューランキング

小説



人気シリーズ

  • 買う