条件付き送料無料あり!アニメイト特典付き商品も多数取扱中♪
toshiue master wo otosutame no ikutsuka no manner
待鳥は、神楽坂にあるBird’s Barで雇われマスターをしている。
待鳥は妻とうまくいかず、離婚をし、資産も全て失って、行き倒れ寸前のところを、大学の先輩だった並木に拾われ、並木の経営するバーのマスターを任せられたのだった。
そんな待鳥に秋波を送るのが、店の常連である橘川。
エリート
銀行員である橘川は、待鳥に秋波を送るけれど、待鳥はそれをことごとく受け流す。
しかしながら、ある日、橘川に千載一遇のチャンスがまわってくる。
という話でした。
少し年下だけれども、年上趣味の包容力ある男が、難攻不落の年上マスターを攻略する話……だと思いきや、マスターは割とふわふわなので、懐に潜り込んでしまった男を追い出すに追い出せずに、結局ラブラブになりました! ってお話でした。
年上とか年下とかよりもぼんやり受けが好きかどうかが大事なような気がします。
新刊チェックの時は特典が無かったので、古本で購入しようと
思っていましたが、いつもの書店で特典つきフェアがあり、
その機会に新本で購入しました。
読む前は、年上のマスターを手に入れるために、幾つかのマナーに則って
紳士的に行動してモノにしていくのかな?と想像していたのですが、
実際はマナーなど無く、少々強引かなと感じる程度に攻めが受けに
精神的に攻め込んでいました。
しかし、それでも基本的には紳士的でした。
良い印象を受けるか、嫌悪感を覚えるか、微妙な匙加減で
どちらに転ぶか分からないのが天然のキャラクターだと思いますが、
受けの待鳥さん、こういう天然はとても好きです。
待鳥さんの口調は、読んでいてどうしても35歳とは思えず、
40代後半から50代前半くらいにしか思えなくて、
設定されている35歳ではなく、脳内で45~55歳くらいに
変換して読んでいました。 f(^^;
あとがきによると、
「かなり枯れてるふうに書いたので、
みなさんがオイシイと思う年齢に脳内変換して
読んでいただければと思います。」
と書いてあったので、読んでいる間じゅう、
勝手に脳内変換をして申し訳ないと思いながら読んでいたのですが、
あとがきを読んでホッと一安心しました。f(^^;
ところで、この待鳥さんの名字について、作者さんが独自に作ったのか、
もしかして実際に名字があるのか、軽くインターネットで調べてみました。
そしたら、なんと実際に待鳥さんの名字が存在していて、
驚きと共に感慨を覚えました。
今回の受けの待鳥さんは、主を待つ鳥のようで、
名字と人柄が見事に当て嵌まっていると思いました。
名字と人柄がとても調和していて、とても和み、
雰囲気がとても伝わってきて、とても癒されました。
攻めの橘川さんは、あまりにも懐が広くて深くて、
かえって良い意味で信じられなくなりました。
読者の立場だと解かっていても、
読んでいて、幸せすぎて怖いと思ってしまったくらいでした。
それでも橘川さんのような人が欲しいと思いました。
待鳥さんの恋愛傾向などについて、橘川さんの分析するソファの例えが
とても解かりやすくて感心しました。
他にも、待鳥さんを苦悩から解放させたり、最後に待鳥さんを説得させる
台詞の数々は、理に適っていると思い、納得しながら読みました。
待鳥さんのお義父さん的(お兄さん的)存在の並木さんのことを
「お義父さん」と思わず呼んでしまったりするなど、
橘川さんと、並木さんの掛け合いがとても面白かったです。
これからも、もっと二人の掛け合いを見てみたいです。
その場で待鳥さんが可愛く困っている姿が目に浮かびました。
脇役でバーテンダーの町田さんが気になっています。
待鳥さんに対しても、橘川さんに対しても、
常に的確なアドバイスやフォローをしていて、
好印象を受けました。
並木さんは挿絵にも登場してきますが、
町田さんは挿絵で描かれていないので、その分、余計に
どんな人なのか挿絵で見てみたいと思いました。
今回の評価は、「萌×2」と「神」で少し悩みました。
待鳥さん、橘川さん、並木さん、町田さん、それぞれ4:4:1:1の
割合(の印象)で満遍なく登場人物の視点が割り振られていて、
脇役の心理描写まで書かれているのが読みやすくて良かったです。
物語の展開や人物設定など、たくさん萌える所があり、
また、シリアスな部分と面白い部分が適度な割合で書かれていて、
楽しく読むことが出来ました。
新本で買って良かったと思えた作品で、
読み終えた後は古本で買わなくて良かったと思いました。
ただ一つ、残念に思ったのは文章の書き方でした。
視点が切り替わる時に1行から数行 空けるか、区切りの印があれば
良かったのですが、それが無く立て続けに書かれているので、
視点の切り替わりに注意しながら読まないといけないのが
引っかかりました。
何ヶ所か空白の行がありましたが、それでも場面や視点の切り替えの
回数に対して割合が非常に少なかったです。
もっと酷い書き方をしている作品に遭遇したことがあり、
それに比べると随分と読みやすかったのですが、それでも読み辛かったのが
気になってしまい、この一点だけで評価が下がってしまうのは申し訳ない
思いがありますが、今回は「萌×2」評価にしました。
前半はかなり暗めの展開があり、受けである待鳥の今日をただ1日生きているだけの
覇気のない暮らしが、待鳥の過去の結婚と離婚が彼を重苦しくさせている原因で
その日暮らしをしていた待鳥を探して自分の経営する店のマスターに人手がいないと
嘘だと解る理由を付けてまで保護したのが学生時代からの親しい先輩で既に身内がいない
待鳥にとっては家族同然の先輩。
この先輩が相手役かと思ったら、なんと雇われマスターになった店の常連客で
7歳も年下の橘川が攻め役で読んでるこちらも勘違いしましたが、攻めの橘川も
二人の仲を誤解して始めから待鳥の先輩を恋敵の視線で牽制しています。
橘川はイケメンで勝ち組と言われる外資系企業のエリートでありながらゲイの
フケ専嗜好なのですが、待鳥に一目ぼれしてから店に通い詰めて口説くようになるが
結婚で失敗した待鳥は二度と恋愛はしない出来ないと思っているので躱しまくる。
でもそこで諦めないのが橘川の凄いところで紳士かと思ったら若さを侮るなみたいな
かなり強引なやり口で送り狼になりそうになります。
それは待鳥と先輩との仲を愛人関係だと誤解し嫉妬したからなんですよね。
そして酔っていた待鳥はその誤解を酔いながらも払拭するけれど、酔って橘川に甘え
腕枕までさせて就寝してしまうなんて事態になります。
強引な橘川ですが、年下なのに仕事柄なのかよく見ていて待鳥自身でも解らない
事を、苦しんでいた事を無理やり聞き出し待鳥が受けた傷を丸ごと受け入れるような
年下男のくせにかなり包容力がある男前でもありましたね。
初めの印象から次第に甘えたコミカル路線になっていく待鳥も可愛かったです。
オジサンだと自分で連呼するけれど単に可愛く見えてる言動だと読んでるこちらも
思ってしまう天然さもあって良かったです。
男女の区別なく、甘えたい方と甘やかされたい方、頼りたい方と頼られたい方、
この簡単なようで結構難しい相性が今回のお話のメインだと思える感じでした。
でも驚愕なのが、17才の時に40歳の男を口説いて初体験した橘川くん。
筋金入りのフケ専だったのだと笑わせてもらいました。
ラヴァースの高岡ミズミ作品も35でおじさん設定だったが、この作品も35でおじさん。
いや、35じゃぁおじさんじゃないから!!!
どんなにもっさかろうが、超絶美形だろうが、やっぱり40超えてないとだめだとおもうよ。
でも、この作品については自分を「おじさん」と呼ぶ理由があったのです。
この作家さん実のところ好みでない作家さんだが、山田シロさんが好きなのと「オジサン」に惹かれて購入の本です。
待鳥はバーの雇われマスター。
実は結婚していたのだが、妻と上手くいかず心身共に破たんをきたして日雇いにまで落ちて木賃宿にいるところを大学の先輩・並木と出会って、この仕事にスカウトされたのです。
マスターなのに酒が作れない待鳥だが、年相応の落ち着きもなく、かといって子供っぽいのではなく、端麗な容姿はアンドロイドのようだが、穏やかで優しい微笑みを浮かべ見るものを虜にする(???)ということで、このバーではマスター目当てで通う客が沢山いる。
いつも週2,3回通ってくる外資系銀行のエリート社員の橘川もその一人で、盛んにモーションや誘いをかけているのだが、ことごとく断られている。
なのに、時々くる並木にだけは親しくしているのを見て(オーナーと知らない)激しい嫉妬を抱いている。
実は待鳥は妻との事でトラウマがあり女性が苦手なのだ。
それを察知した橘川は、待鳥に近寄る女性を上手く撃退して、待鳥に強い酒を飲ませて強引に送り狼になるのです。
流される待鳥は、橘川が優しいセックスをしてくれたのと、自分が出来たことで彼に傾いていくのだが、並木が年下の男なんて、と注意を入れた為に橘川を避けるようになる。
この待鳥、超受け身です!
流され侍もいいところで、発言も天然かというくらいですが、あまり主体性がないですね。
それが不能も含めて枯れ果てたおやじ、という雰囲気を出しているのだとは思います。その外見に似合わないという。
パンツなんかトランクス派ですし(白ブリーフじゃないのかw)
可哀相っちゃ、可哀相です。
結婚はしたけど、妻になるひとから寄られて童貞で結婚。だけどいちゃつくのはできるのにいざ本番が出来ないと言う。
それで妻が壊れて行って、待鳥もプレッシャーと負のスパイラルで、その時の妻の取り乱しがトラウマになって女性が苦手になってしまっているのです。
それを初めて知った橘川は、待鳥は多分バイなんだと思うと。
そして受け身の人で、甘やかしたいより自分が甘えたい、守りたいより守られたい人なのだと分析するのですが、それにナルホドーって思っていくんですよ。
甘やかしてくれる男だったら・・・と考えると、ひょっとすると並木がもし独身でそういう気持ちを待鳥に抱いていたら、並木とくっついたのかも?という予想もできなくもないほどの主体性のなさ。
なんで、待鳥の気持ちというより、まるで親のような並木と橘川の、「御嬢さんを嫁にください!」「許さん」みたいな、そういう問題が一番障害であったわけですよ(笑)
橘川は元々ゲイですから、守りたいと思う弱い女性のような男性が好きってわけでもないとは思うのですが、待鳥に庇護欲は抱いたかもですね。
結構、待鳥の抱えるトラウマって重たいと思うけど、天然なんでカラっとしてます。
コメディに分類されるのかな?
それにしても、やっぱりおじさんは40以上にして欲しいデス