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nakittsura ni kiss
野原滋先生の既刊作品は拝読させて頂き、今作も作家買いさせて頂きました
個人的、各項目5段階で
意地悪 4
包容力 3
しんみり 2
エロ 2
な感じだと思います。
諒一さん×翠くんのカプです。
美大生の翠くんは、姉の結婚相手の兄である諒一さんと親族顔合わせの時に口論になってしまう。翌日、翠くんに謝りに家を訪ねて来た諒一さんに泣き腫らした顔を見られてしまうが…。
物語り序盤こそギスギスしていましたが、翠くんに謝りに来た諒一さんに泣き腫らした顔を見られてからは、2人の間の雰囲気が変わっていきます。
元々の性格でもあるのか、翠くんに対しての意地悪な言動はあるにはあるのですが、それでも諒一さんが翠くんに対してかける言葉や行動が明らかに柔らかく優しくなっていくので、諒一さんのさり気無い包容力にドキッとします。
受けの翠くんはある過去の罪悪感を抱えている為、あまり自身を大事にしておらず、更には絵を描くのに没頭すると人の話も聞こえなかったり、食事をすることをすぐに忘れてしまったりします。そこで、更に諒一さんの世話焼きや甘やかしに拍車が掛かります。
しかし、人の話が聞こえていないなどから、まさか告白のやり取りが噛み合っていなかったことには、少し新鮮でしたが、振り回されていた諒一さんにはちょっと気の毒でしたね。その後で、これでもかと翠くんに意地悪していたので、諒一さんのSっ気具合が良かったです。
最初こそギスギスでどうなってしまうのか心配だった諒一さんと翠くんですが、厳しくも優しい諒一さんの意地悪な包容力に徐々に惹かれていく翠くんと何気に翠くんの言動に翻弄されている諒一さん。しんみりする描写もありますが、それも包み込んで甘やかす歳の差物、是非とも読んでほしいです。
ところどころ萌えはあるんだけど、最後まで攻めに対して、何かと上から目線の説教おやじというイメージから脱却できずに終わってしまいました‥‥。
攻めがオカン気質というよりも親父、小うるさいお父さんって感じで、あまり好みじゃなかったので、最後まで読み通すのがなかなか辛かったです。
なんせ冒頭の食事会の印象が強烈すぎました。
いくら姉の為とはいえ、ほぼ初対面の年上相手に食ってかかる受け。
それをへし折ってやる気満々で応戦する攻めの大人げなさ。
そのやり取りを手遅れになるまでたしなめずにいる受け姉と攻め弟。
みんなまとめてなんなの、こいつら……と思ってしまった……
その後は、土偶顔に心撃ち抜かれた攻めが何かと受けをお世話するようになるんだけど、やっぱり何かしら説教くささが鼻につくんですよね……。
でも途中で、受けが「攻めが来ないから!」と完全に八つ当たりする箇所があるんだけど、それを「そうか。それは悪かった」と受け止めるところがあるんですね。
そこは、おっ!たまには懐深いところ見えるんだなと萌えました。
電子書籍で読了。挿絵有り。
理想的なパトロンだーっ!
だって、経済的に支えてくれて、ご飯を食べさせてくれて、朝起こしてくれて、心の傷を黙って聞いてくれて、更に素晴らしいのは絵が解らないから作品に口出しをしないんですよっ!おまけにフィジカルな面も含めて愛してくれる訳ですし。最初の印象の悪さなんて吹っ飛んじゃいます。
そうなんです。後半になればなるほど、諒一が『攻め』ではなく『パトロン=支援者』に見えちゃって。
もう一つ、私の知っている絵を描く人には天然さんは多いけれど、翠くんみたいに儚げな人っていないのです。広い世の中にはそういう方もいらっしゃるのかも知れませんが、私の周りには皆無なので想像できません!
お話自体は好みなので本当ならもう少し高い評価が出るはずだったんですけれど、この2つが邪魔をして萌えきれませんでした。
うー、残念というか、もったいない。
あ、私自体が絵を描く人であったなら、ひょっとしたらメチャメチャ萌え転げていたかも知れないです。創作活動をされている方、ドリームがここに!
よく出てくる受けを甘やかし世話しまくる話を読むたびに思うのですが、いつまでも依存していけるものなのかな?
今回は受けがまだ学生で攻めがかなりの年上で社会人で養ってやるって言ってくれてるけど。
そういうジャンルというのかもしれませんがもうちょっと受けがしっかりしてほしいな。でも攻めがそれを阻んでるのか。
甘くてじんわりして幸せでいいお話だなあと思いますが、ついいつまでこのままで続くのかなと心配になります。
でも包容力のある年上攻めってやっぱりいいですよね!
受の子(主人公)が最後までどーにも好きになれませんでした。姉にも攻(義兄=姉の結婚相手の兄)にも頼り切っている自覚があり「これじゃダメだ」と言いつつ、結局甘えてばっかりでイラッとしました。21歳ってこんなもんでしょうか。義兄に当たり前のように食事の世話をさせるってどんだけ依存体質なの…。
お兄ちゃん気質で世話焼きな攻と甘えっ子の受だからこそ成り立つ関係を描きたかったのでしょうが、年の差があると言ってもストレートの男性同士なんだし、もっと対等な関係で居てほしいな~と思いました。最初の食事会のあと、二人が二人とも態度を急変させるのもよく分かりませんでした。そもそも食事会での言い合いは二人とも浅慮な気がしてモヤモヤ…。
BL作品を読んでいると両親を早くに亡くした主人公(主に受)ってよく見かけるので感覚が麻痺しているのかもしれませんが、妹の話…受の抱える贖罪意識ってこのお話に必要かしら?思い出したようにそのことがちょいちょいインサートされていて、最初の攻の言いがかり(何か隠している本心が…)も妙にこじつけ感があって、私はあまり必要性を感じませんでした。
まー…この手の話は受を「可愛い」と思えないとしんどい。っすね。
三十路半ばの屁理屈男が、一回り以上年下の、のんびり美大生に骨抜きにされていく話です。
攻がべろっべろに甘やかしまくるんですが、受にも一応過去のトラウマ的なものもあって、ただののんびりさんとは違います。
絵を描き始めると、取り憑かれたようになって日常生活もままならなくなってしまう受を、甲斐甲斐しく餌付けする攻が、なんとまぁ……にやにや、という感じ。
内容も野原さんらしく、お涙頂戴がしっかりと入ってますが、割とライトな読み口で重すぎないところがいいです。
絶妙に笑いのツボに入る所があり、ともすれば暗くなりがちな展開に歯止めが掛かって読みやすい。
ただ、個人的にイラストがイメージと全然あわないというか、正直微妙だな……と思ってしまったのと、桃色シーンの受の喘ぎがあんあんしすぎてて興ざめだったため、萌2には至りませんでした。
野原さんの初読み作品でした。
受けの翠は幼い頃に両親と妹を事故でなくし、姉とふたり暮らしの美大生。
その事故で心に傷を抱えているのですが、誰にも打ち明けられず苦しんでいます。
攻めの諒一は翠の姉の婚約者の兄。
こちらも兄弟ふたりで、弟をまるで父親のように見守ってきた独身のリーマン。
体面を重んじ融通のきかない性格のため、親戚の手前上、式は盛大にさせたいと考える頑固者。
翠が姉の婚約者との食事会で初めて諒一と顔をあわせます。
翠、仰天!
諒一は以前翠が美大仲間と飲んだ際に隣席で、話題が下品だと叱責された相手だったんですね。
そのことを諒一もシッカリ覚えていて、食事会中ことあるごとに悪意ある言葉を投げつけたり、弟の結婚式に口を出したり…まあ嫌な男なのですね。(弟さんももっと強くかばって欲しい。わたしならこんな人じゃ結婚不安だよ…)
そのことを後日、翠の元をわざわざ訪れて詫びるので良い人風ですが、本当に良い人なら事故で家族を亡くし親戚も数えるほどの翠の姉に披露宴を強要するかなと。
新郎新婦で出席人数の偏りがあることは気にするなというスタンスですが、釣り合いがとれず恥ずかしいのは「あんた側じゃないよ!」と読みながら突っ込んでしまいました。
「サラリーマンしてりゃ、わかるだろ」とすっかり嫌な奴としてわたしの中にインプット(苦笑
こんな風に読者へとことん感じさせるのが作者さんサイドの狙いだったのなら、しっかりわたしには成功してますよー。
ただ、その後に良い人に変わるのは…ちょっと突然。
どうしても嫌な奴の印象が強烈過ぎて、好きになれずじまい。
反対に翠にはメチャクチャ感情移入しちゃいました。
食事会ではつねに姉の幸せを思い我慢し、こっちの方がまるきり大人じゃんという感じです。
事故のことがあってよけい、姉の幸せを一心に願っているんですよね。
事故の原因を密かに自分のせいと思い込み、押し入れに隠した妹の形見に泣けます。
ああ翠、良い子です。
こんなに諒一が最初嫌な奴じゃなかったら、自分の評価はもっと上でした。
読み返すにしても諒一の嫌なところを通過しなければならないので、読み返したくないですし。
結果的に諒一は翠を理解し大切な存在になりますが、口に出してしまった言葉は簡単に消えたりしないってことを大人なんだからもう少し重要視している辺りを描いて欲しかったなー。
初めて読んだ作家さんでしたが、とてもよかったです。
レストランでの諒一の態度には、なんて大人気ないんだ!と、イラッとしましたけど…その後はそんなこともなく、心穏やかに(笑)読み進めることができました。
まぁ、多少大人気ない言動はあるんですが、レストランでの言動以外は翠を想うが故のことですから許容範囲です。
可愛いと思ったのは、時間を忘れて梅花空木をスケッチしていた翠に諒一が餌付けをする場面。翠は自分で食べると言ったのに、両手を塞がせてまで自分で食べさせたがった諒一さん可愛すぎでしょ(笑)
過去に囚われて人に甘えることが出来ない翠でしたが、諒一はそこのところをとても上手に甘えさせてました。
トラウマは簡単には克服できないだろうけど、諒一がそばにいてうまく甘やかしてくれてるから、いつか自分は幸せになっていいんだと思えるようになるといいですね。
大きな事件があるわけではないけど、じっくり読ませてくれるお話だったと思います。
私はとても好きです。
あと、若葉が産んだ赤ちゃんの名前は出てこなかったけれど、もしかしたらあの子の名前だったりするのかな?
翠、すっごい叔父バカになりそうですね(笑)
ちらりとネットの評判を見たところ、贖罪意識を持つ受け主人公って、この作者さんの小説にはよく出て来るみたいですね。
過去に罪を感じる主人公――萌えるけど、読んでてかわいそうだったな。
最初の出会いがとにかく最悪で、たぶん自分が読んできた中で最も険悪な出会いだと思いますw
泣きすぎて目が腫れすぎて土偶状態とか、切なすぎるし。
攻めも受けも、性格設定がすっごく重厚なのが心に残りました。
受けは内向的かと思いきや積極的だったり、すっごく明るくなったと思ったら急に落ち込んだり(いろいろ伏線はあるわけですが)。
攻めは高飛車でいばりんぼで、だけどいざというときは異常に優しくて、「好き」みたいな言葉が絶対に言えそうにないシャイな格好良さがあって。
美大生の受けが主人公なだけはあって、梅見(ちょっと違うけどw)の時の写実的で情感のこもった――恋心丸見えの描写が、すっごく素敵でした。
終盤に過去を告白して姉に詰め寄られる?シーンとかも好きですね。
あらすじとして意識しちゃうと、なんかヘビーな(重苦しい)雰囲気を一瞬感じちゃうんですが、攻めが異常に優しくて甘々なこともあり、結構ところどころにくすっと笑っちゃう描写もあったりします。
読後感はほんわかと、爽快でした^^
濡れ場が予想以上に濃厚なのは少しびっくりw
あと、受けはもともとゲイだって書いている人が結構多いのですが、このお話の場合はちょっと違うんじゃないかな。
好きだと感じたのは同性だけ、という趣旨の記述が一瞬だけ出て来るんですけど、前後の文脈からしても、主人公の反応から見ても、諒一が初めてのちゃんとした恋、だと思うんですよね。
恋をすることさえ恐れていたっていうか。
だから、この小説に限って言えば、攻め受け両方ノンケだと思います。
うーん受けはノンケというより、「無性愛者」に近かったんじゃないかな。
トラウマも作用していると思うけど。
風景描写もきれいで、とてもロマンチックなのでおすすめです。
まずは、あらためて自分がいかに歳の差(年上攻め)大好きかを思い知りました。
いい歳した大人の男が、天然の可愛い男の子に振り回されるのって、いいですね♪
諒一は、説教たれて威張りながら世話を焼いて甘やかすという、斬新な攻めです。
翠の土偶のような泣き顔を見てからずっと、家に通い続けて好意を示しているのに、激しく鈍い翠からは奇特で親切な人としか思われてなくて、大変不憫でした。受け視点なのに、攻めの気持ちの方がよくわかるって、不思議です。
思えば最初から、おまえ一人くらい養ってやると、プロポーズめいたことを言っているのに、翠には全く伝わってませんでしたね。鈍すぎる翠には、はっきり好きだと言わないと伝わらないのです。
思い余って、強引にキスを奪ったあとの、「まな板を洗え」には笑いました。照れ隠しかも知れないけど、こんなときに言うこと~?
諒一がいちいちお父さんみたいなので、生活感ありまくりで、そこも面白かったです。
諒一が粘り強く頑張ってようやく気持ちが通じたあとの、「おまえが自分を大事にしないなら、俺がする」って、帯にある言葉なんですが、すごく素敵なプロポーズだと思いました。
翠は家族を事故で失くしたことで辛い思いを抱えて生きてきたけど、これからは大きすぎる諒一の愛に包まれて、幸せになって欲しいです。