ラブ・ブラッド -テンペストの悲劇-

ラブ・ブラッド -テンペストの悲劇-
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神0
  • 萌×21
  • 萌3
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
3
得点
13
評価数
4
平均
3.3 / 5
神率
0%
著者
五百香ノエル 

作家さんの新作発表
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イラスト
楡野ユキ 
媒体
小説
出版社
プランタン出版
レーベル
プラチナ文庫
発売日
価格
¥590(税抜)  
ISBN
9784829625446

あらすじ

性具有で男の精により飢えを癒す杏理。使命をおびて諏家に居候するが、杏理に心酔し精を捧げるふたりの騎士も追ってきて……。

(出版社より)

表題作ラブ・ブラッド -テンペストの悲劇-

ケリュケイオンの騎士 ソリストス/クリサリス
吸血鬼を狩る両性具有のクルースニク 青ノ彌杏理16

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数3

メモ 「原案は、スラヴ神話」

粗筋は先に投稿があるので、割愛。

あとがきに3巻発刊の予定があると記載があるけれど、この巻が最後。未完のまま亡くなったので、これで終り。残念ですが、敵の吸血鬼の本体が分かってきたところで終わっているので、それなりに読めます。
吸血鬼の「原案は、スラヴ神話から」と書いてありました。
今まで興味が無かった「スラヴ神話」を調べたのでメモ。

---
▶スラヴ神話とは:
スラヴ人の神話、多神教神話。神の名前だけ残り神話物語を失伝。神の本当の名前を呼んではいけないというタブーがあった。
★文献資料に乏しく、神々の名前と簡単な設定しか残っていないスラヴ神話は、引用/応用しやすいため、「吸血鬼」で現代のラノベや漫画に使われるネタ元としては屈指の存在。栗本薫の「グイン・サーガ」にも、スラヴ神話の引用がある。

▶女性の豊穣神、男性の豊穣神
女神:「マーチ・スリャー・ゼムリャー」。「母なる湿潤の大地」地母神
男神:「イアリロまたはヤリーロ」若く美しい男性の姿で、左手に麦の穂、右手に人間の頭を持っている「死と再生」「戦争」の神。
バレエ「春の祭典」は、イアリロの祭礼に奉じる生贄の娘を描写したもの

▶「吸血鬼」:
スラヴ圏の庶民の間に信じられていた「精霊」や「吸血鬼」
ヴァンパイアの名で呼ばれるようになったスラヴのアンデッド伝説
アンデッドの「蘇る死体」は、「獣(狼)へ変身」するという。
「ドラキュラ」は、「ドラゴンの子」「小さなドラゴン」を意味する。


・・・スラヴ神話を元ネタにして、随分淫靡な両性具有の小説を創作したもんだなーと、感心しました。
ヴァイキングは商を主にしていた部族・・今頃知って、自分の無知の再確認をしました。
参考資料「ヴァイキングの経済学―略奪・贈与・交易 (historia) 熊野聡著 山川出版社」

1

憎しみと嫉妬の元に悪がある

「ファンタジーラノベのエロゲ風味で脳内アニメ化」と評した1作目の続編。
主人公の運命の相手である騎士達がやってきたことで(1巻の終わりで日本に向かう姿が描かれてましたね)前の巻にはなかった恋愛要素が若干出てまいりましたが・・・
もういちど、この本の人によっては地雷となるべき点を挙げておきましょう
・主人公が12歳で成長のとまった両性具有で、その要素は女性器部分が強い。
・主人公自身も吸血鬼であるため月の満ち欠けで淫乱になり体を求めずにいられない設定
・カタカタが多く、それは日本設定であるが、肩書から名前までずらーっとカタカナ
・人物関係があるので、たぶん1冊目を読んでないといろいろわかりづらいものが?
今回は、スプラッタやアクションシーンはないので、その点は安心を(?)

杏理が善き吸血鬼=クルースニクとして覚醒するときから彼の最初の相手となり、一生添い遂げると心に誓い合った騎士のクリサリス。
熱烈に杏理を慕いながらも、一番になれなかったもう一人の騎士であるソリストス。
今回は杏理がクリサリスへの強い思慕を持ちながらも、ソリストスに不用意な言葉を言って取り繕うことから始まる。
ソリストスとの性交を・諏家の次男・ジェリクに見られ、また両性具有であることも知られて、彼に抱かれるようになることがジェリクが杏理へのめりこむことでの、ジェリクの彼女の嫉妬を呼び、それが、前回も顔を見せたクドラク(悪の吸血鬼)の出現につながるのです。

本来はクリサリスを唯一に思いながら淫蕩な体を鎮めるためにそれ以外の人と交わることを二人とも仕方ないとあきらめていないか?とも思うのだ。
ソリストスは、全くワンコであるのだが、
クドラクの出現は、嫉妬という感情の元にある。
彼のその感情はひょっとして?という危惧を感じさせる。
もちろん、杏理への何等かの感情を持つ人々はみなそれに巻き込まれるようにできているのだろう。
クドラクの正体については、もうわかるだろうwww

いよいよに愛憎物語になってきたこの話。
前作ほどのアニメ風なイラストはちょっと少ないのではあるが十分にアニメとして今回も脳内展開されましたw
いろいろ複雑なのかとおもっていましたら、案外に単純で簡単だったのかも?
続編が楽しみです。

3

無垢エロ杏里再来

前作で、黒諏三兄弟の末弟がホムンクルスの血を狙う杏里と敵対する邪悪なクドラクに
狙われ、杏里と杏里と共に戦うトリグラフたちと黒諏家の末っ子を救い出した後に、
杏里の為だけのケリュケイオンの騎士二人が、日本へやってくるような展開で終わり、
今回はその二人が杏里の元へやって来たことで、騎士同士の微妙な苦しみや、
杏里の唯一無二の相手である、ケリュケイオンの騎士クリサリスとの間ですれ違いが
出てしまうようなちょっと切ない雰囲気の内容でした。

邪悪な黒い羊膜にくるまれて生まれた吸血鬼クドラク、聖なる白い羊膜に包まれて生まれた
善なる吸血鬼杏里、この二人の戦いを描いたSFチックなファンタジーなのですが、
それにエロエロ淫乱をプラスしたかなりマニアックな作品ですので、万人受けするような
作品ではないとは思うのですが、個人的には大好きですね。

杏里をだけを守るケリュケイオンの騎士達は上から下まで絶世の美形揃いで、
杏里の為にいつでもセックス出来て、何かあれば身を挺して杏里を守る事だけをする騎士。
その騎士とは違い、杏里と共に戦うトリグラフたち、この両者は杏里を巡り相いれない
関係になってしまう事も多々あるのですが、今回登場した騎士二人は騎士の中でも
特に杏里に愛されている存在なので、トラブルにもなりかねない感じです。

そして、騎士同士でも、ソリストスとクリサリスでは、教団の中でも立場が違う。
クリサリスは、杏里以外とは肉体関係を許されていない特別で、更に初めて杏里が
吸血鬼として覚醒した儀式で、互いに立場以上の強い思いで繋がっているが、
同じ騎士のソリストスも杏里に対する気持ちは誰よりも強いと思っているが、
杏里とクリサリスの特別な関係や、黒諏家の人間と杏里が抱き合う事にも嫉妬する、
恋情に振り回され、騎士としては、罰に準ずるくらいに感情がダダ漏れになる展開。
騎士としての信仰以上に心を揺れ動かす騎士の苦悩も今回は切ない感じでした。
さらに、邪悪吸血鬼クドラクの正体がわかってしまう今回は、いよいよ本格的に
戦いが起きる事を予感させる内容で、次回作が凄く楽しみで待ち遠しい内容です。

3

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