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作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
電子書籍版を購入。
「七月七日」「 五月五日」「 十一月十一日」「 三月三日」「 九月九日」「 一月一日」、あとがきに加えられたSS「 六月六日」が収録されています。
いいものを読ませてもらったなというのが読み終わっての感想。
それぞれの日にちにまつわるエピソードが過去、現在を織り交ぜて描かれています。
特に大事件が起きるという訳ではないのですが、それぞれのエピソードの中で2人のお互いを思いやる気持ちが滲み出ていて、じんわりと温かいものが胸に広がります。
私の語彙力が乏しくて、この作品の良さを言葉で説明するのが難しい……。
どう説明したら、伝わるのかなぁ。
そう、同じような良さを感じた作品がありました。
一穂ミチ作品の「off you go」
全然、違うのですが、同じように読後にじんわりと温かい気持ちに包まれました。
けして、万人受けするわけではないです。
でも、私は素晴らしい作品と感じました。
この感動を伝えたくて、うまく説明できないと思いながらもレビューしました(汗)
デビュー前にサイトでアップされていた作品、「七月七日」「九月九日」の二編に
大幅改稿&大量書下ろしを付けて1冊に仕上がった作品だそうです。
これがデビュー前の作品だとは思えない程、主役二人の心理描写や設定が良くて、
とても素敵な1冊になっていたと思いました。
ぞろ目月に沿って、二人が出会い共に歩き、このまま別れてしまうのか?なんて
出来事がありながらも、やっぱり離れる事など出来ない二人を描いています。
攻め様は、一貫して受け様への思いを貫いているようですが、人を愛し愛される事
そんな当たり前の事が物凄く幸運なことのように捉えている。
それは、もしかしたら攻め様の両親の事が拘りになっているのかも知れない。
そして受け様は、攻め様への思いが友情なのか恋なのか、身体の関係はあっても
同性同士という、常識から外れた関係を受け止める事が出来ないで足掻いている。
でも、攻め様はそんな受け様を責めるどころか、今までが幸運だったのだと必死で
自分の心を押さえつけ、受け様の為に笑顔で送り出す。
なんだか読んでると受け様の身勝手さに苛立ち、攻め様の思いが切なくなります。
でも、受け様の常識の中にいなければならないと言う不安や焦燥も伝わるのです。
そんな二人が過ごした、イベント的日にちをピックアップするような形で描かれる、
それが切ないくらい、心に染み入ってくる内容でもあります。
偽りの結婚生活を続け、そして年越しが近くなり、心から愛する人がたった一人で
新年を迎える姿を想像する時、受け様の心が悲鳴を上げる。
思わず、よくぞ決意してくれました受け様!!なんて思ってしまう。
たとえ常識から外れる関係だとしても、心を偽って生きる事が出来ない、そんな思いが
読者に伝わってくるような作品でした。
奇数が重なる日をタイトルにした章が連なり、
その時々のエピソードが綴られながら、二人の10年愛が描かれる。
そういう描き方もあって、いわゆるBL小説とはひと味違う作品。
個人的には、非常に好きだった。
大学受験の日に知り合い、その後身体の関係が出来た親友同士の
佐久間と流田。
地主の息子で今や肉親もおらず、家政婦の清さんと邸に二人、
卒業後も働く事なく悠々と暮す流田。
一方、ごく普通の家庭に育ち、ごく普通に就職して生きる佐久間。
常識的に生きようとする佐久間は、20代も後半になって結婚するのだが、
何故か流田との関係は続いているようで……
そういう意味では不倫話なのだけれど、ドロドロしたところがなく
私には純愛話と読めた一冊だった。
甘さはあまりないのだけれど、流田の覚悟のあり方が愛おしく切ない。
佐久間の葛藤も見方によっては狡いのだろうけれど、
イヤな気持ちになるよりは可哀想な思いが強く、
淡々と進んだ話の最後の決断は、ジワッと熱く涙が出るようだった。
遠慮のないやりとりをする、親友同士という感じもツボ。
憎まれ口を聞いたり、意地悪をしたり、甘えたり、思いやったり。
「神」にしようかと思ったのだけれど、挿絵がイメージと違うのがマイナス。
高星さんの絵は華やかでとても好きなのだし、
「互いの天使」というモチーフには合っていなくはないのだけれど、
この二人はもっと静かで大人なムードで描いて欲しかった。
※オマケ
奇数は陰陽道では陽の数字。
この奇数の重なる日というのは縁起のよい日であるのだが、
奇数が重なると偶数が生まれ、偶数は陰の数字である為、
その邪気を祓う為に行なっていた行事が、五節句の始まり。
ドロドロしてない、激しくない、淡々とお話が進んでゆく不倫モノでした。
でも二人の絡みはしっかりと。
不倫モノですが、妻は最後の方に少し登場するだけでほとんど作中に絡んでくることもないので、不倫の背徳感というものはあまり感じませんでした。
ただ、この関係を二人はいつまで続けていくのだろう、どのように終わらせるのだろうということが気になって、文章の読みやすさもあって一気に読んでしまいました。
流田は常に余裕で佐久間に接しているように見えましたが、実は心の内は違っていて、佐久間のいない所で笑顔の練習をしていたなんて…
健気というかなんというか…
いろいろと廻り道もして、佐久間のバカバカ〜!と思いましたが、二人にはいつまでも仲良しでいて欲しいです。
電子書籍は挿絵がなかったのですが、文章がとても良いので表紙の雰囲気のまま最後まで読むことができました。
寧ろ、なくて良かったかも。
ショート番外編で清さんの「家政婦は見た」みたいなお話も読んでみたいなと思いました。
二人のことをどれくらい知っていたのかがすごく気になったので(笑)
高星先生の挿絵狙いでget。
短編7つで1冊になっている本でした。
うち「七月七日」「九月九日」は2003年に
デビュー前に個人サイトに載せておられた作品(大幅改稿・加筆)、
その他は全て書きおろしだそうです。
ノンケの葛藤が大好きで、それを静かにあぶりだしているように感じられて
じんわり染み入る作品でした。何年か前に読んでるはずなのに、
今改めて読んで、あらやっぱり好きだわ、これ と再確認。
萌2でお願いいたします。
同級生でずっと一緒にいた二人が、何年もたってから本当に幸せになるお話。
登場人物は
攻めさん:地代収入だけで食べていける人。
孫がいる年齢の家政婦さんと二人暮らし。静かに一途。
受けさん:大学入試時に攻めさんと知り合う。
当時は女の子のような可愛い顔立ち。
無色透明、いたって普通な人 な印象。
清:攻めさんの家政婦さん。いい味だしてる。汚れたシーツも洗っちゃう。
あと、当て馬的な男子(受けの幼馴染)や女子が一人出てきます。
時系列通りに並んでいるお話ではないですが、「え、今いつ?」などと
混乱することなく、すんなり読めます。
クライマックスは最後から2話目の「一月一日」。
清さんが病に倒れた孫たちを救済に、田舎に帰ってしまって
攻めさんが一人で年越し としった受けさんが行動を起こすお話。
ええお話やーと 単純な私はうるうるしましたが
そもそもあんたが悪い!と受けに怒る人も
きっと多数おられるに違いない・・・
こんなに攻めが健気だ と思った作品は、ないかも です。
押す ということを知らない ひたすら健気な攻め でした。
せつなかった。。。
ずっと気になっていた作品でしたが、ようやく読めました。
サイトに掲載されていた「七月七日」と「九月九日」以外は書き下ろしらしいです。
書き下ろしの「五月五日」「十一月十一日」「三月三日」「一月一日」があることで、この作品は完全な形になったと思えました。
流田側からでは無い佐久間視点があって初めて、佐久間の愚かさや佐久間の流田への純粋な愛情を知る事が出来ました。
淡々と進む構成が秀逸で、今の愁堂れな先生のスタイルとはちょっと違いますが、私はとても好きだと思いました。
攻めの流田の健気さがとても切ないです。そして佐久間の逃げや怯えも決して嫌悪するほどでは無い匙加減がとても良い作品です。
愁堂れな先生の違う魅力を知りたい方にお勧めします。
実際に、ひょっとしたら、佐久間のように偽装婚は多いのじゃないかな
佐久間と流田の二人の間の思いやりのすれ違い。なんとも切ない。
大学入試で知り合った二人。
試験会場で、消しゴムを忘れた佐久間に、消しゴムを割って渡した流田。
流田の好意に、涙を流して感謝する美少年の佐久間。
流田は、受かれば行こうと思う程度だったのに、佐久間と一緒に学びたいと、真剣に受験する。一目ぼれだった。
それから、最初は友人として、そのうち恋人として交際が続く。
資産家の跡取り・流田の将来を慮り、佐久間は結婚をして交際に終止符を打とうとする。
だけど、一昨年に佐久間が結婚しても、二人の逢瀬は続いている
・・という場面が冒頭。
マットウを理想とする佐久間の呵責。別れようとして、また求めてしまうフラフラ。
自分流を押し通せる環境を持つ流田が求める佐久間の真心。
二人の想いは、かみ合わない。
働きバチの佐久間には、不老収益を持つ流田の感覚についていけない所があるのだと思う。
焦れる葛藤がこの作品の醍醐味だと思うけど、苦かった。
2012年刊。
一部は2003年頃に作者の個人サイトに掲載されていたらしいが、肝心の二人の転機となる部分が大幅に加筆されている事で、ようやく一本の話として完成された形になっている。
世捨て人のような攻め・流田と、流されるままに他の女性と結婚した受け・佐久間。
二人は大学受験の試験日当日に互いに惹かれて以来、身体の関係まで発展したものの、恋人同士とは言い難く腐れ縁のような関係が続いている。
TVドラマのような劇的な展開はないので単調になりそうな内容だが、『五月五日』『十一月十一日』といった形で章を区切ってあるおかげで分かり易くなっていた。
それぞれの章の日付には特別な意味は込められていないと思うが、最後の『六月六日』は”雨降って地固まる”に通じる気がする。
流田か佐久間のどちらかが「何かを変えなければ」と積極的に行動を起こしている訳でもないのに、月日に流されるまま身を委ねていても何となく上手く収まったな…という不思議さがある。
佐久間が既婚者なのに二人にとって居心地のいい関係がズルズルと続いているのだが、オブラートに包まれているような感覚からか、さほど苛つく事なく読めた。
元々が感情の起伏を刺激しない話だが、淡々とした中で苛つきだけでなく焦りや不安、憤りといった負の感情も呑まれたかのような一冊だった。
さぼ
はじめまして。
コメントありがとうございます。
私も両作品、とても好きなのです。
レビューでは、うまく説明出来なくて歯痒く感じましたが、snow blackさんと、この感動を共有できて大変嬉しく思います!
素敵な作品に巡り合うのもいいことですが、それに共感もらえるというのは、とても嬉しいことですね。
コメントありがとうございました。
snowblack
さぼさま、初めまして、snow blackと申します。
この『七月七日』は、あまり評判にならない作品ですが
個人的には神にこそしなかったのですが
大好きな作品、振り返って神でも良かったかな……と
思っているような作品です。
そして、『off you go』は、My 不動の神作品。
一番好きな作品といっても過言ではありません。
確かに、典型BLとはひと味違う長い親友同士の
味わい深い心にしみる純愛ということでは、共通ですね。
その二つを並べてあげていらっしゃるのを拝見して、
思わずコメントさせて頂きました。