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zwei
凄く良いですね、寮つながりで甘い水や天使のささやきにもチラ出ている山下が主役。
お相手は高校時代から仄かな思いを寄せ合っていた受け様。
友達と言うには親し過ぎて親友と言うにはどこかに甘さを漂わせている二人。
これが男女なら簡単にくっ付いているのに、同性だからあと一歩が踏み出せない。
そしてその曖昧ながらも甘い雰囲気のままに攻め様が言った同じ大学に行きたい、
二人で検察官を目指そうと、二人でいるとどこまでも飛べると思ったなんて言葉が、
その先にある試験や頭の出来具合で、うまくいかなくなる。
そして攻め様は優秀な受け様にいつしか引け目や、もっとレベルの高い大学へも
いける受け様が自分が願った為に進路まで変更していた事を後に知り、罪悪感にも似た
感情を持て余すようになり、自分から受け様と距離を置いてしまうようになる。
でも受け様は攻め様との約束を着実に堅実に守るように、一足先に前に進む。
受け様の気持ちは高校時代から何一つ変わらなかったのに、攻め様が逃げてしまう。
そして、数年後刑事と検事になった二人が再会するが、そこでの攻め様の反応は最悪。
わが身を顧みずに受け様が仕事で疲れ切っている姿を見て、学生時代に見惚れた
受け様の姿とかけ離れた年相応の姿にがっかりしちゃうのです。
受け様は素直に再会を喜んだのに~~って思いましたよ。
でも、攻め様の善人でも悪者でもないいわゆる普通の人で、仕事や立場に疲れ
やさぐれ具合も、30過ぎの公務員だなぁ、なんて妙なリアルな雰囲気もあって
受け様との再会から徐々に近づいて行く様子が攻め様が仕事へ前向きになっていく
感じと同じ具合で受け様への思いも強くなっていく、まるでくたびれた攻め様が自身が
受け様を見る目を濁らせていたのではないかと思える程でした。
それでも一旦受け様を裏切るような形で離れた攻め様を受け様が信じきるのは難しい
受け様は攻め様との新たな関係に、何も期待していないような感じで、それが逆に
攻め様が受け様を過去に傷つけた事を自覚するようにも見えます。
この二人の関係と、攻め様を取り巻く警察内部の疑惑や事件、知らずに巻き込まれる
感じになっていく攻め様、それでも受け様が傍にいる事でどこかふてくされていたような
攻め様が、だんだんいい男になっていくんです。
書下ろしでの二人の後日談的なストーリーが甘さを堪能させてくれるし、
人間の弱さや明暗、心の闇、自分の信じる正義など、かなり骨太で楽しめます。
かわい先生、こういう薄暗いというか…灰色なトーンのお話、さすがお上手です
『天使のささやき』『甘い水』に続く警察モノ・平河寮シリーズ(?)ですが
今回の主人公のひとり山下(攻)は寮生活に馴染めません。
彼は、捜査一課から組対に異動になったことを不服に思っていて、やさぐれて荒んでいます。
そんな、疲れきった仕事中ふとしたきっかけで、高校時代の親友、須和(受)と何年かぶりに再会します。
この、再会に対する山下の感想がヒドイ。
学生の頃、互いに好意を持っていたが言い出せずにいた…中性的で整った容姿でキラキラしていた須和が、
くすんで冴えない疲れきった三十男になってしまった…会いたくなかったと後悔するのです。
(会いたくなかったのには、また、複雑な事情があるのですが)
そんな山下の落胆に薄々気付きつつも純粋に再会を喜ぶ須和。須和は大学時代から段々と疎遠になってしまった山下が今でも好きで…という、なんとも歯がゆい冒頭
キャラクターの心理描写に定評のあるかわい先生。今回は須和がまたとても魅力的。
再会直後、山下には散々に言われている彼ですが…
人当たりがやわらかく、ふんわりとした雰囲気の奥に強さと聡明さを合わせ持ち(司法試験合格→検事なので頭脳明晰)
仕事や生活に疲れ果て、孤独で何もかも諦めてしまってどこか病んでいる素敵な31歳。
山下の裏切りも仕方ないと、何もかも許して、失った後を考えてしまうような
なんかもう、切ない
幸せになってほしいと願ってしまう人です。
なので、後半恋愛スイッチ(?)が入って須和を甘やかす山下の別人ぶりに笑いつつ
なんだか嬉しくなってしまうのです。
荒んだ状態で再会した二人が、お互いに高校時代の鮮やかな感覚を取り戻すお話。
グレースケールが青空になるような感じ。
平河寮シリーズ(時系列でいうとzwei→天使→甘い水)なので、やんちゃしてたころの峯神、篠口、宮津らも出てきますがいつもの和気あいあいした感じでは無いです。
次の天使2で私の大好きな遠藤がチラッとでもいたら嬉しいなと思いつつ…。
「饒舌に夜を騙れ」の橋埜が「逃げる男」だとしたら、本作の須和は「追わない男」です。
情が薄いわけでも、想いが軽いわけでもない。むしろ、高校の時からかれこれ15年も、変わらぬ強さでずっと一人の相手に恋している、いちずな男なのに。親友と呼ぶにはあまりに密な、でも互いの若さゆえに一線を飛び越える勇気を持てなかった高校時代。すこしずつ距離が離れて行った大学時代。そして須和は検事に、想い人の山下は警視庁へと別々の道を歩み、三十路も過ぎたいまになって偶然の再会。かつて越えられなかった一線をようやく越え、これから本当のつきあいが始まろうとした矢先だというのに。
須和に突然、時季外れの広島転勤命令がくだる。淋しく笑って手を振るだけ、約束も、誓いの言葉も何ひとつ求めようとしない須和の姿に、山下は思い知る。「須和は自分に、何の期待もしていない。広島に向かった時点で二人の関係が終わっても仕方ないと思っている」と。それがこんなにも虚しくてやりきれないものだとは・・・
須和が、永遠に続く愛情や絆を信じられないのは、幼いころからの両親の不和などもあってのことだけど、山下は自分を責める。一緒に検事になろうと強引に同じ大学に引っ張っておきながら、優秀な須和への劣等感から次第に距離を置いたのも、群がり寄る女子たちとのお手軽な交際に逃げたのも自分。でもその時でさえ、須和は山下の不実をなじりもせず、追いすがってくることもなかった。
自然消滅を恐れるあまり、普段の不遜な俺様路線はどこへやら、本気で焦る山下に、絶妙のアドバイスをくれたのは平河寮の先輩、峯神弟(「天使のささやき」の攻め)でした。「相手が待ってた時間の倍、こんどはお前が信じて待て」
新幹線で片道4時間、決して近いとは言えない距離を、激務の合間を縫って、山下はひたすら須和の任地へ通い詰めます。そして2年。お蔭で最後のショートは、平河寮シリーズ内でも歴史に残る甘いものになりました。山下が決意をこめて須和に贈ったプラチナのリングのお返しも指輪。「そろそろ、首に縄を付けてやろうかと思って」
あの「追わない男」の須和にこんな台詞を吐かせたあたり、山下の粘り勝ちといえましょう。仕事の方でも峯神には的確な指針になる言葉をもらってたし、一生足向けて寝られないね。峯神も、主役の「天使のささやき」の時はハイスペック傲岸オトコって感じでいまいち好きになれなかったのですが、こちらではいい仕事してます。
イラストはやまがたさとみさん。初めましての絵師さんでした。表紙も口絵も挿絵も、小綺麗にまとまってはいるんだけど、なんかこのお話の中身にはいまひとつしっくりこないんだよな、甘すぎるというか軽すぎるというか・・・そんな不満だらだらで後書までたどりついてしまい、いちまいページをめくって絶句・・・私が思い描いてたまさにそのものの、須和と山下がいるではありませんか! 東京の空をバックに、見つめ合うでも抱き合うでもなく、少し離れて正面を向くスーツ姿のふたり。ややヤサグレたオスの色香漂う山下、怜悧な中にも芯の強さを感じさせる須和。空に浮かぶ屈託のない笑顔は、「お前とならメッサーシュミットに乗ってどこまでも飛べる」と思っていたころのふたりでしょうか。雑誌掲載時の扉絵だそうですが、そのまんま映画のポスターにでもなりそうな、素晴らしいお仕事でした。タイトルの意味が最後までよくわからなかったという点を差し引いても、評価は作家さんおふたりの合わせ技一本で、「神」を捧げます。
『上海』でかわい先生の書かれる文章に惚れこみ、その後何冊か購入してこの作品はその中で三冊目に読んだものです。まとめ買いして最初に読んだ2作品は、ストーリーも文章も私は引き込まれることができず、結局途中で読むのをやめてしまったのですが、この作品はよかったです。時間を忘れて読んでしまいました。
この純文学のような文章が本当に好きです。そして、今回はイラストも素敵でした。文章からイメージされる須和と山下のビジュアルと完全一致でした。
ストーリーは、須和の初めて男相手をしたときの苦い経験によって、山下相手の初めての時にも少し逃げ腰になってしまうというのが最初の方にちらっと出てきたけれど、結局それを山下が知ることもなく、二回目からはスムーズに進行していたのが、個人的にもう少し掘りさげても良かったかなと思いました。
あと、どうしても事件と同時進行なので仕方ないのかなとも思うのですが、事件解決後のふたりの結末までが少しかけ足だったかなと思ってしまいました。過去のせいで須和が山下を信じきれないところを、山下は須和が自分を信じきれるようになるまで過去の分も自分が須和を信じていなければならないといいながら、何回か遠距離でお互いのもとを通っただけで須和が結構すぐに心を開いてしまった感じがして、もうちょっとそこに時間がかかればさらにロマンチックだったかなと思います。
でも、全体的に不自然さとかはなく、恋愛面だけでなくて事件もすごく面白かったし、文章もイラストも素晴らしいしいい買い物でした。まとめ買いでまだ読んでいないのをこれから読んでいくのが楽しみです。
平河寮シリーズの一冊ですが、シリーズの中でも…いや、かわい先生の作品の中でもかなり好きなお話。
高校時代、お互い淡い想いを抱いていたにも関わらず、一線を越えられないまま疎遠になっていた二人の再会モノで、こじらせ系や両片思いが好物な自分にはドンピシャでした。
グッときたのが、大人になって再会した二人がはじめて身体を繋げるまでの流れ。
お互いを意識していたのを薄々わかっていたのに、一步踏みこむ勇気がなかったあの頃。
親友として大切にしていたからこそあの頃できなかったことを、大人になった今は、酒を呑んだ流れでやすやすとできてしまうもの哀しさがなんとも言えず切ない。
高校時代の受けは、攻めに壊れもののように大切に扱われていたのにも関わらず、今となってはロマンチックのカケラもない、簡素な官舎の自室でなし崩し的に抱かれることになるという…。
こういうことができるようになるのが、大人になるということなら、大人の恋愛なんて所詮チープでつまらないものなんだなあ…という哀しい気持ちで読んでいくと、後半の攻めの変化に驚かされて。
個人的に「受けが大好きなのに想いがうまく伝わらなくて焦れる攻め」というのがツボなので、この後半の流れもすごく良かったです。
Kindle版は表紙絵あり、挿絵なしでちょっと残念でした。
墨雪からスタートした私の平河寮シリーズローラーの終盤戦です。
寮生活があまり好きでない繊細さんたちのw、薄暗い恋模様が好きなんですよね、結局。”天使のささやき”と”甘い水”はマインドも”せっ”も体育会系、墨雪と本作は文芸み強め、とても情緒的という印象でした。
外国人の組織犯罪、そして不正が疑われる同僚という不穏なインシデントと並行して進行する穏やかな再会愛です。攻受の心理描写が秀逸な名作だなと思いました。
学生時代に互いの気持ちに気づきながら、その感情を持て余して成就させることなく別れ、長い年月を経て刑事と検事として再会する攻受なのですが、同じ事件を担当するわけではないので、それぞれが抱えるお仕事が別立て、攻受の視点が交互にくるので心境も別立て、っていう構成が面白いです。また、その分、前半では離れてしまっていた気持ちの距離感が伝わってきて、それが徐々に近づいていく様子がわかりやすい気がしました。
社会に出て諦観を知り、容易く傷つかない図太さも身に着けた大人の二人が、過去に越えられなかった一線を軽々と越える、自然でさりげない流れに萌えました。須和の気持ちに手ごたえを得て行動に移す山下の狡さが、大人っぽくてwたまりません。何気ない会話から親密な空気を醸し出す、かわい先生の筆力、キレッキレだなと思いました。
ぐいぐいな山下に比べて須和の消極的にも見える態度が肝!というか、切なさがあるんですよね。過去のトラウマに加えて、自分の気持ちを背負わせたくない、重くなりたくない(気持ちは圧倒的に重いけど)という雰囲気、、殊勝すぎてしんどい部分がありました。それにしても、”エイ”っていう呼び方がエロいし、なんだかんだエロい受でした!すんごい好きなのに、なかなか信じてもらえない(当たり前だけど…)っていう攻の焦燥感にも萌えます。
事件とラブを通して、山下のなかに”信念”のようなものが生まれる、本当に大切にしたいものがわかる、という展開が尊かったです。これもっと読みたいな…。
峯神さんがやさぐれてるし、篠口さんが寮にいるあたり時代はちょっと前なんだよな。クロサワさんは墨と雪に出てくる感じか?今回はちょっと毛色が違う話でしたね。山下と須和高校、大学の同級生で偶然再会して一気に距離が縮まるけれど…とにかく須和が切ないね…。山下がんばった
平河寮シリーズで未読だった最後の一冊。読み終わってしまった…寂しい( ; ; )
組対の刑事・山下 × 検事・須和。幼馴染で再会ものっていうのは、シリーズでも唯一かな。
他作品のようにハリウッド映画のようなドカーン!バーン!という銃の撃ち合いや、凶悪事件の現場に踏み込んで…などがない分、ちょっと地味にも思えるかもしれないこちらの作品。好みは分かれそうかな。
事件面では確かにちょっと物足りない気もしたけれど、その分、高校時代には叶わなかった二人の恋愛の続きがじっくり見られ、個人的には大満足の一冊でした◎
育った家庭環境の事情もあり、「ずっと続く愛」というものを信じておらず、どこか諦めている須和。そんな須和を「今度こそ!」と追いかけ続けて離さない攻め・山下が良かった〜!!
かわい先生が後書きでも書かれているように、この山下という男が、ワンコ系でも溺愛系でもいい人でも悪い人でもなく、”どこにでもいそうな普通の人”なのが良かったな、と。
キャラがぐっと身近に感じられたし、そんな”普通の男”が最後の最後、指輪を須和に渡して…というシーンがもーめちゃくちゃ良くて感動して、ため息が出ました。
そして、なにより平河寮にいるメンバー!シリーズ他作品のキャラがいろんなところで見られたのが嬉しい❤︎
サンタのコスプレした不機嫌そうな篠口さん、荒れてやさぐれてる峯神(胸ぐら掴んできた山下を逆に締め上げるの、格好いい…さすがSP)、そして寮のメンバーではないけど黒澤まで出てきて、その後のお話を知っているからこそなんだかじーんとして感慨深かったです。彼らにもこんな時代があったんだな〜…
シリーズは読み終えてしまったけれど、お気に入りのものからもう一度、またじっくり読んでみようと思います。
本当に大好きなシリーズ✨
「天使のささやき」「甘い水」に続く、平河寮シリーズ。
捜査一課から外国人犯罪を扱う二課に飛ばされた山下は、
ある日、検事となった高校の同級生・須和と再会する。
二人は昔、一線を越えることはなかったが秘かに思いあう仲だった。
同じ大学に進学したものの、すれ違うようになって10年、
久しぶりに会った二人が、さらにカッコ良くとか、ますます美しくとかじゃなく
それぞれに仕事で疲労し摩耗し、くたびれた30代になって登場するのがまずいい(笑)。
いけすかないキャリアから、内密に先輩刑事の内部調査を命じられて葛藤する山下…
鋭いようなどこかとぼけたような持ち味で、自分を受け止めてくれる須和。
距離の近づく二人…
須和の、10代からずっと本当は山下だけが好きで、
体を繋いだ後も多くを望期待しないように自制している感じが、ツボでした。
仄暗い雰囲気の中、事件を絡めながら進む物語。
高校時代の白いシャツや紙飛行機のイメージとのコントラストも綺麗で、
破綻もなく面白いのだけれど、ちょっとボリューム不足だったかなー。
全体にもう少し書き込んで欲しかった感じがあって、サラッと終わってしまったのが
ちょっともったいない。
後半の短編は微笑ましい位甘く。
読んでいて照れて笑ってしまいましたよw
絵師のやまがたさとみ先生。
漫画も未読で、挿絵でも今までご縁がなかったのですが、大変素敵な絵でした。
久しぶりに絵でキュンとする作家さんに出会いました。
奥付の後ろに雑誌掲載時の扉絵が載っているのですが、
この絵がまたすごーくよくて、嬉しい余韻の中で本を閉じました。
刑事の山下と検事の須和の物語。
高校からの同級生。淡い恋心を秘めつつ親友以上恋人未満の関係を大学時代まで続けた二人。
同じ道(検事)を目指そうと山下が熱心に口説いたのに、自分だけが脱落し、そこから二人は疎遠になっていく。
山下は敗北感?罪悪感から離れていくんですが、須和はそんなことを気にするよりもただずっと彼を想いつづけていました。
再会してからは、山下は過去のそんな思いから須和にとてもやさしくするのけれど、須和は受け入れているようでいつか終わりがくるとどこか諦めてもいて、もどかしく感じる。
付き合い初めてもそんな須和の気持ちが切なくて、甘いシーンでもちょっと胸がつまります。
山下はそんな悩みを同じ寮に住む先輩の峯神に打ち明け「相手が信じてくれるまで相手が待っていた倍ぐらいかかっても待つしかない」とアドバイスを受けて、須和に対して揺らがない気持ちを行動で示していきます。
そしてその想いは…
(峯神は「天使のささやき」の攻です。受の名田との話以前の彼のエピや山下とのちょっとしたいざこざや兄との確執も知ることが出来ます。先に「天使のささやき」を読んでいたのでとても面白かったです。)
長かった平河寮シリーズ(個人的に)幕が下りちゃいました。
シリーズの読み順としては逆でしたが、BL歴浅いワタシとしては初めての“あるシーン”を読むことが出来て「Zwei ツヴァイ」を最期に読んで良かったと思いました♪