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妖しい男に捕らわれる――。彼はまるで…そう、蜘蛛のよう。吉田珠姫が贈る淫靡で官能的な世界!
aoirokumo
独特の雰囲気に神評価。
そんなバカなと思いながら読みましたよ(笑笑)
こんなの吉田先生しか書けないじゃないかと思うんですよ。
変態チックな誘いをかけてる受けが健気な一途さんとか。呆気にとられながらも妙に可愛げあるもんだから嫌な気分にならないし。
攻めも鈍感ヘタレなんだけど、アホな変態行動で後ろめたさのせいでこんな風になるのかと理解できなくもない。
なんていうかじれったい変態純愛ものです。
生身の尻と蝋の尻間違えないでしょうよ 笑笑
『鬼畜』で良くも悪くも話題沸騰した、何かにつけて話題作を提供してくれる吉田珠姫さんの新刊は、昭和初期の時代背景に、文章も「~たまえ」などという本仁戻さんの『探偵青猫』のような口調。
文体も物語調の第三者視点。
一見ミステリー風かと思わせぶりな題名に、展開に・・・その実は(笑)
とてもツンデレの冴えた、そして鈍感選手権のような(爆笑!)キャラクターが織り成す本作、かなりユニークでしたよ♪
表題はじめ3部構成で成り立っています。
しかしながら、この3部で本当に1作品ですねw
帝都でひらかれている「衛生博覧会」なるものに足繁く通う出版勤務の鉄之助が声をかけられて久々に再会したのは、
華族の家柄で、その美貌に誰もが憧れ、声もかけられなかった大学の同級生・西園寺光春。
実は、鉄之助が博覧会に入り浸るのには理由があり、それはとても後ろめたい理由でもあるのですが、光春はそれを見抜いたかのように次々と暴露していき、
鉄之助が執着したあるモノについても種明かしをされてしまうのでした。
そして居心地悪い別れ際、鉄之助が博覧会で執着したものは、実は光春ではないのかと・・・
という導入部分が表題になるわけですが、
明らかに「おや?」と読者も気がつくあれやこれやが転がっているわけですよw
そして【蜘蛛は糸を吐く】ではなにやらタレ込みにより、連れ込み宿の張り込みをせねばならなくなった鉄之助に、博覧会の件依頼後暗い気持ちがわいて(w)悶々とした気持ちを抱いた光春に偶然再会して、彼が誰かにおわれているということでかくまったところ、接吻・口淫をされてしまうが、やっとここで光春の罠に気がつき
【蜘蛛の純愛】において、それから2週間後、光春が重篤な病であるから鉄之助に来て欲しいと連絡があり向かうと、確かに寝込んでいるのだが医者がくれた座薬をいれて欲しいという光春に怒り出す鉄之助
・・・という具合に「あ、これは!」という展開。
ここで面白いのは、鉄之助のこれだけ誘われているのに、本人も前科もありさらに淫らな妄想までして欲情もしているのに、一歩を踏み出せない超絶ヘタレぶりと、鈍感ぶりとヘタレ朴念仁ぶり♪
それが、光春の素がわかったとたん野獣に豹変する変身ぶり!
そして光春の一見ビッチなような態度は実はツンデレだったという、、、、
このツンデレが実に見事で、やりすぎ!
それが彼は片目を眼帯で隠してるんですけど、その理由でもあるのですがw
どんだけ回りくどいんだ~!!というのもあるのだが、その手法が実に愉快で楽しませてもらっちゃったしwww
こんな豪胆な、金を使うような回りくどい方法を取らなければ鉄之助に振り向いてもらないというのも、哀れだったりおかしいやら~
キャラクターが極端にユニークで、いつものトンチキいっちゃう紙一重ギリギリでとどまった(いや、本当はトンチキいってるかもしれないw)感が絶妙で、かなり楽しいのです。
今回はキャラクターも設定もバランスよくできてましたな(笑)
それを的確に表していたのが巻末の金ひかるさんのあとがきを兼ねた漫画♪
これにつきます!!
小説ガッシュ創刊号に、神官は~シリーズと同時収録2本立てで収録された作品で
昭和の初期、まだ華族制度が廃止される前頃のお話で、会話の独特の言い回しや
推理みたいな雰囲気もある異色な作品でした。
学生時代から近寄り難い程の美貌の受け様に密かに憧れていた攻め様ですが、
左程の接点も無いままに卒業して、偶然街中で再会する事から始まります。
攻め様は朴念仁で真面目で朴訥な青年という雰囲気で、恋愛なんて奥手過ぎて
きっと、自分から相手を探してくるなんて芸当は絶対無理だと思えるタイプ。
そして美貌の受け様と言えば、何処かに毒でも秘めてるような女王様タイプ。
前半部分を読んでいると、攻め様を蜘蛛の糸で絡めとっているように感じるのです。
でも、話が進むほどに、叶わぬ思いに身を焦がす乙女思考のツンデレさんだと
次第に感じるようになります。
互いに思い合っているけれど、互いに自信が無さ過ぎて、奇妙な擦れ違いです。
当時に実際行われたいた衛生博覧会が背景にあるのですが、江戸川乱歩の作品でも
記述があるように、かなり当時にしては異質な展示がされていたようですね。
実際は蝋人形や解剖標本の展示などで、近年で似た物をあげるなら、「人体の不思議展」
かなりグロイ内容で、解っていても、好奇心を刺激された方が多かったのではと・・・
そんな展示展で、淫猥な行動をとってしまった攻め様が、隠し通すつもりの攻め様に
絡めてで暴露させつつ、攻め様の悩みを解決するなんて設定ですが、ホントは更に
困惑の世界へ攻め様をつれさる感じのストーリー。
蝋人形のお尻に興奮して欲情してしまった攻め様の悩みがどう解決するのか?
是非お手に取ってお確かめあれ。
「眼帯キャラ」の紹介という事でトピで教えていただいた作品です。
内容は3部構成。
「青色蜘蛛」blue spider
昭和初期、モダニズム系雑誌の「新青年」ぽい世界観。江戸川乱歩、横溝正史、夢野久作などの雰囲気!そして1作目の「青色蜘蛛」のテーマは「衛生博覧会」です。
…と言われてもわからない人の方が多いと思うな。私でさえ伝聞でしか知りませんが、人体の模型、内臓、病変の患部というマジメ系もあるにはあるけど、結局性病絡みやら妊娠の神秘やらというどこかエログロ系、要は「秘宝館」や「見世物小屋」の融合のような。
そこに展示されていた「男性の臀部」(!)が忘れられずに衛生博覧会に通ってしまう渡部鉄之助。
そして急に現れた大学時代の友人、公爵家の血筋、妖艶な佳人・西園寺光春。(←眼帯くん)
君のしてること、知ってるよ…
さあ、あの尻は、誰の?
「蜘蛛は糸を吐く」the spider spits thread.
博覧会の一件から数ヶ月。また突然鉄之助の前に現れた光春。聞けば警察に追われていると言う。
見つからないように電柱の陰で恋人の振りをしてくれたまえ。
と言いつつ抱きついてきて、ボ○キした鉄之助にお礼をしてあげるよ、と吸茎。キュウケイ⁈
はて、この辺りから私はギャグの香りを感じ始めましたよ。
光春は思いっきり誘っているわけです。が、鉄之助はどうしょうもなく鈍感で、的外れで、読み手としては「もうッ、そうじゃなくて!違う違う!」と突っ込みながら読み始めるように。
「蜘蛛の純愛」true love of the spider
あれから2週間。下町の貧乏一家渡部家に、公爵西園寺家より迎えのハイヤーがやってくる。
どうやら光春が病気で、鉄之助に逢いたいと言っているらしい。急いで西園寺家に赴くと、光春は胸をはだけた寝間着姿で本当に憔悴していて…
この章はエロ章でございます。そして同時に2人とも超絶にヘタレで勘違い野郎で鈍感で…要するに「いい加減にしろー!」
もうここまでくるとギャグですよ。笑える。(いい意味。面白いです。)
結局ハッピーエンドですので安心して読んでOKです。私的には萌えるというか笑えました。
異色、ちょっと怪奇、懐古調、この辺りにピンとくる方、おすすめです。
大学の頃の同級生って接点しかない、朴念仁な鉄乃助と佳人、高嶺の花と称される程の侯爵家出身の光春が繰り広げる倒錯的な性を暴き出すような関係、のようだが…
まるで秘〇館のような公衆衛生博覧会なる場所にて、一つの尻の展示物に魅入ってしまい、あろうことか欲情したのを偶然再会した光春にズバリと暴かれて焦る鉄乃助。
戸惑いの原因を探り出してもらい、垣間見た特殊な性的嗜好に身震いする鉄乃助だが、ふと、自身が欲情した尻は光春のものだったのでは?っと実感したのだった。
この話は、昭和初期の時代背景に江戸川乱歩を彷彿とさせる文章で、不思議な雰囲気は目を惹くものがある。
始終官能を刺激されるかと思いきや、意外と純情な二人のすれ違い、両片想いを見せつけられた内容で、光春がツンデレ美人受けだったのは思いがけない収穫だった。
光春が鉄乃助への一目惚れから猛アタックをしていたにも関わらず想いの丈がちっとも伝わっていなかった為に、相当に回りくどい仕掛けで誘惑するに至った訳だろうが、その努力がどう見ても斜め上に向いている、としか思えない。
(だって、お尻とか、恋人逢瀬のふりした抱擁からの○○…とかさ…)
苦労した甲斐あって、鈍感な鉄乃助がいざとなると猛々しく変貌した末に、光春を熱烈に貪る濃厚な濡れ場が成就したのはいいが、やっぱり最初の独特な雰囲気を保ち続けて欲しかったって気持ちも残っている。
ちなみに余談だが、最初の公衆衛生博物館でのシーンを読んだ時は、今もまだ全国何ヶ所かに残る〇宝館に行ってみたくなったのは内緒なのだ…
(*ちっとも内緒になってません(;´∀`))
とりあえず、まず言っておきます。
めちゃくちゃ分厚いです……
これこそ、旅のお供に連れて行けばよかった……と思うレベルの分厚さでした。(すぐに読み終わってしまうので)
物語は、家柄もお金もある美男子から求愛を受けているのに、まったく気づかない鈍感男の話。
ラブコメでこういうのあるよねー! っていうのがBL小説になった形です。
しかし、ラブコメみたいに絵で誤魔化したり、テンションで誤魔化したりしにくいので、これされるとかなり残酷なんだなあ……というのがぐさぐさ刺さる感じで、面白かったです。
ただ、結局ぐるぐる同じところを回っているだけなので、もどかしいのが苦手な方にはオススメできません。
もどかしすぎて残酷な分厚い恋愛話を読みたい人にはオススメします。