たまゆまま
manatsu no pants matsuri
まず困ったのはこの表紙。
色々なパンツの写真で埋め尽くされているので、中には普通に真面目に生きていると出会わないパンツなどがあったりします。
水壬さんなので、そんな過激なモノではないですが。
しかし今まで水壬さんの同人誌は表紙がそんなにインパクトのあるものはなかったため、普通に家で読めていたのですが、今回は気を使いました。
「花降楼シリーズ」綺蝶×蜻蛉
水揚げの済んだ綺蝶と新造時代の蜻蛉のころのお話です。
綺蝶からお腹を冷やすといけないからと手編みのカシミヤの毛糸のパンツをプレゼントされて、それをつける蜻蛉…、という内容で綺蝶は本当に器用で何でもできますよね。
綺蝶の蜻蛉に対する独占欲がみられてパンツはやはりそういう意図があったのね、という裏がありました。
蘇武×忍+椿の話もありました。
それぞれのパンツ事情とでもいいましょうか。
花降楼の時はパンツを着けるのは禁止されていた為、ここで育った忍はパンツをはく習慣がない、しかし身請けされた今、蘇武が買ってきてくれたパンツをはくことになりすごく恥ずかしいという内容でした。
「森羅万象シリーズ」はみんなでアウトレットモールにお買い物に出かけて、そこで発覚する妖怪のパンツ事情でした。
そりゃ、河童にパンツはいらないよね。
人の時ははいた方がいいみたいでしたね。
「エスコート・シリーズ」では丁度、時期としては「ダミー」の後くらいでしょうか。
巽さんに報告に榎本が行くのですが、そこで色々あり榎本のパンツが使い物にならなくなりノーパン状態に。帰る途中で真城とデパートへパンツを買いに…、という内容でした。
榎本が大胆というより、巽さんが誰の影響からかエロオヤジ化してきているような…。
最後の方で新たな依頼人が登場して、その人が下着会社の人で男性下着はかなり高級路線・セクシーさをウリにしているということ。
その依頼人の担当は真城ということで、そういう下着をその人の時は着けなければいけないということで頭を抱える真城。
また、その会社を調査したのはどうやら環さんらしい。
水壬さんのことだからその裏話をどこかで書いてくれないかなあ。
ちるちるで存在を知ってからずっと欲しいと思っていた同人誌。2013年の【J.GARDEN 34】で手に入れることが出来ました。
鈴木あみと水壬楓子の合同誌で、タイトル通りテーマは【パンツ】。全4編の商業誌番外短編集です。「ぱんつの思い出」(花降楼シリーズ)・「温泉とひもパンと俺たち」(男の結婚)は鈴木あみ筆、「カッパのパンツはいいパンツ。」(森羅万象シリーズ)・「お気に入り」(エスコートシリーズ)は水壬楓子筆となっています。
既読なのは花降楼シリーズのみなので、「ぱんつの思い出」だけ読みました。
登場人物は6人。
まずはシリーズ第2巻『愛で痴れる夜の純情』・第8巻『愛しき爪の綾なす濡れごと』の主役カップル、綺蝶と蜻蛉のお話。時間軸で言えば綺蝶の水揚げは済んでいるけれど、蜻蛉はまだ新造の頃です。第7巻『白き褥の淫らな純愛』収録の「愛で痴れる夜の純情・前夜」のアフターストーリーとなっていました。
娼妓は襦袢の下には何も穿いてはいけない決まりなのに、蜻蛉はこっそり毛糸のパンツを穿いています。なぜなら綺蝶が編んでくれたパンツだから。しかし客からのセクハラで決まりを破っていることがばれそうになって……。綺蝶と綺蝶の上客・東院に助けられます。実は綺蝶には蜻蛉に贈ったパンツにある意味を込めていて……。
次に登場するのはシリーズ第3巻『夜の帳、儚き柔肌』の主役カップル、蘇武貴晃と忍。おまけで椿(第3巻の脇役にして第4巻『婀娜めく華、手折られる罪』の主人公)も登場します。こちらのお話はわずか2ページ半しか頁が割かれていないので(綺蝶×蜻蛉のお話は13ページ)、蘇武×忍カップルが好みでそれ目当てに同人誌を買った人には物足りないかも。
蘇武に身請けされて蘇武邸に暮らす忍。しかし遊郭で育った忍はなかなか外の世界に慣れません。特にパンツを穿く習慣には。一方、椿は順応しているのでした。
短編ですが、大好きな花降楼シリーズを読めて満足です。