ココナッツ
sSummer tune
『雪よ林檎の香のごとく』の同人誌です。
わたしは『林檎〜』の同人誌の中では、このお話が一番好きです。
志緒の両親が法事で、妹の千夏を志緒がりかと一緒に子守りするというお話なのですが、そこに今の時代実際にあってもおかしくないことが起こります。
志緒がそれに対して熱し、その行動に駆けつけた桂先生が叱るんですが…なんとも志緒らしい潔癖(綺麗好きとかじゃないですよー、若い時って色々許せないことって多いので)さで抗議するんですよね。
志緒は変わってないなあ、キラキラ輝いているなあと嬉しい気持ちになります。
きっと桂先生もこういう志緒が眩しいんだろうな。
こうやって読者が「うんうん、きっと志緒ならこういう反応するよな」って感じることができる作品てすごいですね。
ただ、わたしは桂先生との方が断然歳が近いので、彼の心配で口うるさくなってしまう、叱る気持ちがわかるんですよね。
さみしー。
えっちもありまして、とっても良いです(笑
シチュエーションが、このカップルには無理だよねと思っていたので。
『林檎〜』が好きな方はぜひ入手してみてください、わたしはオークションで買いました(苦笑
『雪よ林檎の香のごとく』同人誌10冊目。
このシリーズの同人誌も、いよいよ2桁の大台。続いてくれている事が嬉しいな、と、じわりじわり感じます。
もし。
もし大事な人が、盗撮されたかもしれない状況だったら――?
決して穏やかではない出来事が、志緒の大切な妹と幼馴染に降りかかります。
何も考えずに無鉄砲に挑む姿は、一見男らしく見えもしますが、実際はとても危険で怖くて真似できない。
そしてそれは、周りの、その大切な人々の心配事にもなり得る。
けれど志緒にとっては、悪いことをしたとは決して思えないからこそ、謝罪する気持ちにもなれないし、それ以上に逃してしまったことを悔やんで仕方ないのだと思うのだけれど…うん、やっぱり怖い。
どうしても、とげとげが生えたような緊張感のあるオーラが志緒から出てしまって。
それを敏感に察知する美夏が居て。
ただただ、守りたいだけなのにね。
桂も、絶対的に志緒が悪いだなんて思って居ないのでしょうけど。
志緒のその姿は、時々本当に恐怖さえ感じるのかな、と。
読めない志緒をまた好きで、けれどそれは状況にもよるというか、もしそこに危険なことに立ち向かう彼の姿があれば、思考や行動が読めないのは恐怖以外の何者でもないと思うのです。
もしかしたら、自分が志緒を守る事が出来ないかもしれない。
そう考えると、桂だって冷静じゃいられないでしょうし。
そうする行動の思いの行く先はただ一つだけれど、その本質に辿り着くのは実は難しいのかなあと思えたお話。
そして、玄関での、いつも以上におびただしい興奮が存在した、桂と志緒のセックス。
肌を触れ合わせたのが久しぶり、というのもあるでしょうけど、非日常的なことを経験したあとのそれ、というのも一つの興奮材料だったのかしら、なんて思ってしまった。
「自分で蓋してろよ」なんて先生ってばもうもう…。
これから先、不幸なことは絶対起きて欲しくないなんて、当たり前の願い。
口に出さずとも、お互いそれは通じ合っているんでしょう。
志緒の妹が成長したな~というのが、先に来てしまいました(笑)
本編では、まだお腹の中にいて産まれてなかったのですが、
年の離れた兄妹となることを志緒が気にしていたのを
思いだします。
志緒はきっと妹思いなお兄ちゃんなんだろうなと
しみじみしてしまいました。
今回は、志緒の両親が数日不在で、志緒と妹で
過ごしている様子です。一軒家に2人だけでいることを
桂はとても心配します。
そんな矢先、志緒の庭で妹とりかがプールで遊んでいたところを
盗撮されるという事件が起きます。
桂の頼れる姿を嬉しく思います。
また、BLで登場する女性って、何故か鼻につく方が多いのですが、
この作品のりかはしっくりくるのがいいですね。
夏休み、遠方の法事に出かけた両親の留守の数日間。
大学生になった志緒は、幼稚園児の妹・美夏と二人で過ごすこととなる。
美夏はお兄ちゃんが大好き、
両親の留守も「しーちゃんがいるから平気」と言ってくれるが、
幼児と二人の慣れない生活はなかなか疲れるものだ。
猛暑の昼下がり、庭にビニールプールを広げて美夏を遊ばせていると
丁度差し入れを持って りか がやってきて、水着になって一緒に入るという。
怪しい男がそんな二人を盗撮していた気配を感じ、反射的に飛び出していく志緒。
小1時間後、結局つかまえる事は出来ずに帰宅した志緒を待っていたのは、桂。
帰って来ない志緒を案じた りか の連絡を受けて、駆けつけて来たのだ。
心配のあまり怒る桂に、自分は間違っていない!と主張する志緒。
不安でピリピリする志緒、志緒の張りつめた様子が伝染して情緒不安定な美夏。
台風でフライトが欠航し、両親の帰宅も予定より遅れることになる。
そんな中、かねてよりの約束だった神社のお祭りに出かけた二人だったが、
ふとした瞬間に志緒は美夏を見失ってしまう…!
潔いというか、頑なだというか、志緒くんはいつも余分を削ぎ落とした志緒くんで、
そんな志緒くんが必死になるのに空回りしている様子や、
小さな美夏にもちゃんと彼女の世界があって、一杯考えたり感じたりしている様子や、
そんなあれこれがいつもながら、確かな実感を持って丁寧に描かれている。
それは「萌え」とは違うけれど、心の襞を刺激してキュウッと胸を締め付ける。
結局は美夏も無事に見つかり、警察からも盗撮犯が捕まったという連絡が入り、
ほっと息をつく夜。
草臥れ果てた美夏は浴衣のまま沈没…
そして、緊張が解けたあとの昂り!
性急にどうしようもなく求めて求められて。
命あることの有限、愛するからこその不安、それを燃やすような交わり。
(ここは、「萌え」ますよ!玄関先ですよ?)
夏の夜の祭りの後、そこはかとない寂しさの余韻もあるおしまいでした。
林檎は本編もすごく好きなんですが、こうして高校生だった志緒が大人になっていき、
変わらないところは変わらず、でも成長するところは成長している様を見られることは、
読者としてすごく幸せです。
追伸;
笑ったのは後書き。
アヒルちゃんが沢山浮いている可愛いビニールプールの表紙は、
いつもの通り竹美家せんせのお作なのですが、一穂先生が注文を出したところ、
せんせ「栫くんはいないの?」とおっしゃったそうで(爆)
注)栫=「meet,again」の攻め、
あまりに似合わないというか、一周回って似合うというのか、あー可笑しい。
この度の桂×志緒は萌えを堪能するというより、
お子さんがいらっしゃる方ならわかっていただける筈ですが
もう心配で心配で心配で…!!
ハラハラしました。
というのも、志緒の両親の不在中、
志緒が美夏の面倒を見る事になりまして、
庭でプール遊びをしている時にりかがおかずを差し入れに来てくれます。
美夏のお誘いで、りかも水着に着替えて来て一緒に遊ぶと
カメラを持った不審者にりかが気づき…。
志緒は丸腰で、一人で犯人を追いかけ問い詰めますが
逃げられてしまいます。
小一時間も帰って来ない志緒を心配して、
りかが桂を呼んでいたのに驚きます。
りかを心配させた事と、もし万が一何かあったらどうすんだと怒る桂に
自分は悪くないし間違っていないと主張します。
相変わらず志緒だなぁって思ってしまいましたが
桂は怒ったまま帰ります。
両親が帰ってくる予定日に台風の為飛行機が飛ばず、
電話で話すと美夏は「早く帰ってくんなきゃやだ!」と駄々をこねます。
いつもなら素直に聞いているはずが、
不審者の事でぴりぴりしている志緒の様子が美夏にも伝わっているようなのです。
出来ればどこにも出したくはないのですが
近所の神社の夜店に行く約束をしていたのを破るわけにもいかず
美夏に押し切られでかけます。
人混みの中、あれだけ気を付けていたのに、美夏を見失ってしまう志緒。
社務所を訪れてもいない、どうしようと不安に押しつぶされそうになり
桂に電話を入れます。
すぐ行くと言ってくれた後も、何度も何度も探しますが見つかりません。
すると、美夏を抱いた桂が現れ…。
美夏は、最近志緒がすぐ家に帰ろうと言うから、家の前で待っていたんですって。
はぁぁぁぁぁ、良かったぁぁぁぁぁ(泣)
安心して帰ろうと言う時、警察から志緒に電話がかかってきます。
例の不審者が別な件で逮捕されたと。
気になって仕方なかった写真は、庭とかプールの端っこが写っていただけの様子。
電話を切り、安心した志緒の目から涙がこぼれ、
それを見た美夏は自分がわがままを言ったせいだと、これまた号泣します。
こちらも泣かずにいられません!!
疲れた美夏は浴衣のまま眠ってしまいますが、
志緒は玄関で桂に抱きしめられ、そのまま。
それまでずっとR18の雰囲気が無かったので、
桂の志緒への想いが伝わってきて、じんわり来ました。
ゆっくりの交合では無いけれど、尚更それがいやらしく
艶っぽく感じました!!
本当にひやひやしました…。
何事もなくて良かったですけど、もしこんな事があったらと
もう気が気じゃないです;
それでも二人の愛は不変なので、「萌×2」で。
いまだに桂×志緒を書かれるあたり、
よっぽど思い入れのあるキャラなんでしょうね…♪
あと、表紙がとてもかわいらしいです!!