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hatsukoi cinderella
これはなんて言ったらいいか分からないくらい甘々で王道シンデレラなんだけど
思わずベタだぁ~なんて思いながらも読んでしまうお話なのですよ。
日本の法律も改正されて同性婚が認められるなんて出来事もあって
きちっり完ぺきお幸せになるような夢のようなお話なのですが・・・嫌いじゃない!!
BLのお幸せ王道は和みの世界だと思いながら純粋に楽しめる作品。
余りにも現実とかけ離れて、子供だましなんか読んでいられないってお方はイラつく?
なんて思ったりするけれど、たまにはこんな甘いだけのお話も良いものです。
それにこの作品の出だしから、受け様は世界○作劇場の愛少女ポリ○ンナ?なんて
思わず突っ込みを入れたくなるような幸せ探しをしてる受け様で健気も云いところです。
母親に捨てられ施設で育ち、18才で工場に就職したが倒産、それからクリーン事業の
派遣としてビル内のお掃除をしてる。
少ない給料から未だに施設に寄付をして月一でお菓子片手に施設訪問。
そんな受け様が公園で手作り弁当を食べている時に知りあうのが攻め様で
その日から短い二人だけのランチタイムが始まるが急遽ビル内の掃除の担当が
社長室なり・・・そこで見たのは攻め様!攻め様はそのビルの持ち主で社長なのです。
何処までも王道路線を裏切らないストーリー構成でいっそ爽快なのです。
攻め様の強引&熱烈なアプローチに攻め様を好きな受け様は身分が違うと1度は諦め
逃げようとするけれど、敢え無く捕まり二人は同居。
幸せをかみしめる受け様に、攻め様は家族に紹介をすると・・・
そこでもかなりあっさり認められて国内初の同性婚カップルとして入籍しちゃう。
でも、そこからかなりマスコミに騒がれて、有名人になった受け様はその為に
トラブルに巻き込まれる。
そのトラブルも受け様の優しさと思いやりで回避して攻め様と再びベッタリ。
何処までも幸せな結婚をして、誰よりも今までの不幸におつりがくるくらい幸せに
なるストーリーにまったり安心して読める1冊に仕上がっていました。
流石コバルト文庫だと思える乙女チックな作品でした。
一応『花嫁シリーズ』9作目になります。
ただ、いつものシリーズとは違って『女装なし』で番外編の位置づけだとか。
『花嫁もの』というよりはタイトル通り『シンデレラストーリー』です(確かに『花嫁』でもあるんですよ、限りなくファンタジックに。むしろある意味では他の女装・花嫁もの以上に『花嫁』だった)。
相変わらず王道ド真ん中で薄くてご都合主義の極みです。その分甘くて可愛くて、でもそれはそれでいいんです。
このシリーズ自体が浮世離れしてるというかあり得ないことだらけなんですが、私はそんなのは最初から納得ずくで、むしろ『あり得ないあまあまらぶらぶ』を堪能するために読んでるくらいですから。
このシリーズは基本的に(あくまでも初心者向けらしい王道っぷりで)出逢って恋が成就するまでを描いているので、Hはラストにあっさり1回が大抵のパターンです。全部じゃないですが。
でも、こちらは結構すぐにそういう関係になってしまいます。だからと言って身体先行というわけではないんですけどね。
でもそれとは関係なく、とにかくキャラクターが好きになれなかったんですよ。
私は『不幸・不憫な健気受』はそれはもう大好きなんですが、この澄斗(受)のわざとらしさにはどうしてもついて行けませんでした。こういう行き過ぎた(もちろん私の個人的感覚で)いい子ちゃんはダメだ、シラケる。
あくまでも『設定があり得ない』からではなく、キャラクターの言動やストーリー展開がいちいち気持ち悪くて寒気しました。
特に『幸せすぎて信じられない・・・』が繰り返されるのがもうダメ。すべてが空々しくて目が滑りました。というより読むのがツラかった。
とにかく、(シリーズ他の作品でも感じたことがあるんですが)このシリーズはラブ以外にあれこれ詰め込まないほうがいいと思うんですよ。申し訳ありませんが、少なくとも私はこのシリーズにそんなもの求めてないんです。
こちらも、まあ『同性婚の法制化』もですが、何より誘拐騒ぎとそれにまつわる事情がもうダメでした。いくら『様式美』とはいえすべてが上っ面だけで寒過ぎる。
シリーズでも『身代わり花嫁・女装は標準装備』の方は個人的に女装も花嫁も特に好みじゃないのに、心の中で突っ込みながらも意外とすんなり読めるんですが『女装なし』番外編のこちらの方が躓いてしまうのはなんでだろう・・・
『女装・花嫁』の方が現実離れし過ぎてて、いっそ『これぞBLファンタジー!』と開き直れるからか!?
いえ、今回はもっと(同性婚のあたりが)BLファンタジーではあるんですが、ヘンに現実に融合させた設定は余計に感じました。
それならまだ『うわあ、ありえねぇ~』とあっさり笑って流せる通常運行(女装ありの花嫁シリーズ)の方が楽しい。
このシリーズ自体はなんだかんだ言っても好きなんですが、残念ながらこちらはどうしても無理でした。 ゴメンナサイ。