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身寄りのいない主人公ケントが、実は英国貴族の血を引いていて、後継ぎとしてイギリスから迎えが来る・・というお話です。
主人公が公爵に見初められるタイプのシンデレラストーリーでなく、公爵の跡取りになる、というお話でした。
公爵の使いでやって来て、ケントの面倒を見てくれるリーは、堅苦しい雰囲気なんですがとても真摯です。
イギリスについてあれこれ苦労したり跡取りと認められないような大変な日々が待ってたら…なんて思ったんですが、ほとんどがイギリスに向かう船の中でのお話で、イギリスに着いたら終わり…というものでした。
登場人物もほぼ、ケントとリーの二人だけ。
シンプルで読みやすかったです。
最初、リーはちょっと意地悪なことも言うので嫌な人だなあと思う部分もあるのですが、それはケントを嫌っているわけではなく、理由があるのだと分かってきます。そしたら何と言うか、ケントもかわいらしい性格なのですが、ケント以上にリーを可愛くいじらしいと思ってしまう箇所が多かった。日本語がたどたといのもいいです。飾った言葉や余計な言葉がない分、逆に真実味がありました。
二人が距離をつめていく様子はほほえましかったので、中盤まではラブストーリーとしてとても萌えたのですが、最後が色んなことがあっさり終わった感じがしたのでもう一押しあればよかったかもと思います。
オチもストーリーを揺るがすくらい大きなオチなのに、予想がつきやすいものだったので。
それと一つ難があるとすれば、文章がケントの一人称なのですが、ケントが歳の割に幼い感じだったので文章が子供ぽく思えました。
完全に話し言葉なのが個人的にちょっとあわなくて、文章をブツ切りにしたような箇所に「。」がくる文体が多様されてるのも違和感を感じるタイプなので気になってしまいました。
しかしおそらく気にならない人は全然気にならない箇所だと思います。
ストーリーは全体的には満足できたお話でした。
全体には、スラスラと読める可愛い本。
両親をなくし天涯孤独に貧乏生活を送る健斗の前に現れた英国からの使い。
実は彼は公爵家の推定相続人だったのです!
イギリスまでの道中(訳あって船旅)、貴族になる為のレッスンを受ける健斗。
迎えに来た家令のリーを最初は冷たいと思ったものの、
共に過ごし彼の優しさや孤独に触れるうちに惹かれていき……
お約束のお家騒動絡みの事件ももちょこっとあり、
イギリスについてからの(十分想定内のw)どんでん返しもあったけれど、
最後はめでたしめでたし。
……で、何が気に入らないのか?と言われれば、イージーさかな。
最初に、公爵として最も重要なことは世継ぎを残す事と言ったんだから
その言った張本人のリーは、健斗と結ばれることに
もうちょっと葛藤があってもいいんじゃない?
とそのあたりは個人的には不満ではあるのですが、
昔の少女漫画のような甘いシンデレラストーリーをお楽しみあれ!
両親亡き後、天涯孤独になり、生きる為に高校を中退しアルバイトで生活している
受け様は、更に友人に騙され、生活がひっ迫していとき、祖父の生家からの使いだと
言う攻め様と弁護士に会い、自分が次の公爵候補だと言われて、家族が出来ると
喜んだのもつかの間で、攻め様の傲慢に人を見下す態度に反感を覚えてしまう。
しかし、それは急遽日本に受け様を迎えに来ることが決まって覚えた日本語の
ニュアンスの違いだと思うようになる。
そして攻め様と祖父の生家で、父の憧れだった英国に二人で旅立つことになるのです。
しかし、その行く手で何やら妨害工作がされている不穏な出来事があったりして不安を
覚える受け様ですが、攻め様に必ず守ると言われ、攻め様の言葉は信じられると・・・
それからは、船旅に切り替えながら貴族としての勉強や言葉を教えられ信頼してる
リーの為にも頑張ろうと健気に努力する受け様。
始めは傲慢で、冷たいと思っていた攻め様の優しさや、育った環境の為に
誰も信じる事が出来ない攻め様の苦悩を知ると、受け様は余計に惹かれてしまう。
すれ違いや誤解をしながらも二人は徐々に好意的な関係になり、あるトラブルで
二人の思いが通じ合う展開に、でも攻め様は受け様に隠している事があって・・・
王道的なラブストーリーで、人を信じられない王子様が健気なお姫様に癒され
生まれて初めて人を愛することを覚え、それに家督問題を入れて、身分など関係なく
本人を愛してるって言うお話です。