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koisuru kioku to amai toge
せっかくの(?)年の差年上攻めなのに。
年上攻めの過保護なまでの甘やかしは、ニヤニヤしながら読めたのですが、その過保護が上滑りというか。
うーん。
それというのも、3年前の記憶に戻ってしまった涼は、自分の身体と周囲の状況は19歳の大学生なのに、心は16歳の高校生のままなんですね。
それって不安でしょうがないと思うんですよ。
外部からの認識と本人の認識との差がありますもんね。
同一人とはいえ、涼としてはその認識が交わらない限り、記憶がない間の自分は他人でしかないんです。
しかも消えた記憶の間に、片思いしていた功一郎とは恋人同士になっているし。
3年前は恋心を封印しようとしていたのに、ですよ。
思うままの言動の裏側に、記憶にはない以前の自分がいる。
比較されちゃう。
幼くてワガママだと思われちゃう。
不安でしょうし、複雑でしょうよ。
読んでるこちらからしたら涼の感情が理解できるのですが、年の離れた従兄であり、恋人である功一郎は、そこわかってるのかな。
なんだか落ち着かない気持ちで、読み終えました。
恋人なんだからさ。
ずっと見守ってきたカワイイ従弟なんだからさ。
涼の複雑な感情を理解した上で、抱きしめてあげてほしかったです。
朴念仁、っていうか、想像力のない人、かな。
悪い人じゃないんですけどね。
涼は気持ちに折り合いをつけたようですが、このままだとまた同じような悩みを抱えそうです。
記憶喪失ものは好きなので楽しみに読んでみたものの・・・
読後感がこれまたストンと心の中に落ちてくれませんでした。
読み応えはこれ以上ない!ってくらいあるんだけど。
なんだかモヤモヤ感でいっぱいです。
記憶を失った期間の自分と今の自分への違和感に嫉妬し苦しみ悩む涼
行き着いた先は、愛する功一を幸せにしてあげたいということ。
読み手の受け取り肩次第なのかもしれませんが
一見ハッピーエンドなんだけど、はたして本当にそうなのか?
それともアンハッピーなのか。。。。
特にSSを読むと特にそう感じてしまいました。
定番中の定番とも言える記憶喪失ものですが、アプローチがちょっと独特でしたね。『記憶喪失→紆余曲折の末に記憶が戻ってハッピー』っていうのが、多分一番よくあるパターンでしょうが(他に『記憶喪失→記憶が戻らないまま、一から恋を始めよう』っていうのもありますね)、でもこの作品はどちらとも違いました。
記憶喪失で記憶が戻ると、逆にその間のことを忘れてしまう、というのもよく聞きますが、まさにそれです。
涼(受)は、記憶がなかった3年の間にあこがれの従兄の功一郎(攻)と恋人同士になってるんです。記憶喪失だった3年の間の自分は、『ハリネズミ』にならざるを得なかった体験の記憶がないため、今の涼とはまさに別人格で、『天女さまのよう』と評されるほどだったんですね。
功一郎が恋をしたのは、今の自分とはまったく違う『天女』の涼だったという事実に、どちらも自分なのにもかかわらず、まるで三角関係のような状況になってしまうんですね。『自分』に嫉妬するという不毛な事態なんですが、涼にはどうしようもないことですから。
それにしても、功一郎の鈍さは並じゃなかったですね。涼本人が戸惑うほどかけ離れているのに、『それでも同一人物なんだから』って、本心から言えるのはすごいです。いや、でもこれはもう別人だよ?大丈夫なのか!?と老婆心ながら思ってしまいましたよ。
『ハリネズミ』の方の涼が、(私は)正直好きではなかったこともあり、あまり感情移入できなかったからなのか、ちょっと展開(心の変化?)がわかりにくかったように思いました。
ただ・・・最後のSSがなんとも複雑でした。これ、ハッピーエンドですよね?気づいてしまった功一郎の気持ちの先はどこに行くんでしょう。本編をあの形で終えるのなら、この功一郎視点はとってつけたかのように余計というか半端で、モヤモヤが残ってしまいました。
事故で、1年間の記憶を無くしながら、3年間が過ぎたとき
無くした1年間の記憶を取り戻した。
けれど、記憶を無くし生活していた3年間の記憶を無くした。
3年間のうちに、昔からあこがれ、好きだった従兄(攻)と
恋人関係になっており、
記憶をなくしていたときの自分に嫉妬する受。
また、記憶を無くしていたときの自分と、今の自分の性格GAPにも
違和感を感じる。
攻にとっては、どちらも受であることには変わらないと
認めてくれている。これが救いになってるかな。
記憶喪失ネタはよくあるのですが、違う視点から書かれた物語という点が
おもしろかったです。
王道的テーマの記憶喪失ものラブストーリーでしたが、黒崎先生になると一味違った
テイストになっているようなお話だったかもしれません。
父を亡くし、多額の遺産を受け取った為に起こるトラブル、欲の塊のような親戚に
母親は心労で弱り受け様は母親を守るように一人気を張り詰めていたのです。
そして子供の頃から大好きだった従兄弟の攻め様に助けの手を差し伸べて貰っても
あまりに人を信じる事が出来なくなってハリネズミの棘のように疑心感で過ごす事に
そんな時、事故に遭って父親を亡くした時まで1年間の記憶が無くなってしまい
父親の死を2度も悲しむような事態になり、心配した攻め様は身体の弱い受け様の
母に代わり受け様の面倒を見る事に、そして3年が過ぎたある日、受け様はその今までの
3年の記憶を忘れると同時に無くした過去の1年分の記憶が蘇るのです。
しかし、19才だった受け様はその為に16才の記憶を無くした頃に戻っていたのです。
無くしてしまった3年の記憶は攻め様と恋人同士として暮らした日々が・・・
記憶の戻った受け様は浦島太郎状態なんですよね、ホントは大学生なのに記憶は高校生
攻め様との恋人同士の記憶なんてもちろん無いけれど、昔から好きなのは変わらない
そして記憶を無くしていた間の自分が攻め様と恋人同士だったと知り、
記憶を戻した受け様も攻め様を好きな事を告げ、再び恋人同士に・・・
記憶を取り戻した受け様と3年分の記憶を持って消えた受け様、同じ人物だけど
違う性格の人だと、普通なら攻め様の方が戸惑うけれど、このお話は受け様が
自分が自分に嫉妬する、変則の三角関係みたいな内容なんです。
不幸中の幸いはどちらも攻め様が大好きだったという事ですね。
受け様が自分の知らない自分の事に戸惑い、嫉妬し、そして負けたくないと・・・
同じだけれど、同じ人物じゃ無いってほんとそうだよね、って共感します。
記憶を共有していない訳だから不安なんて言葉で治まらないですよね。
でも、攻め様が・・・とにかくニブイ!!朴念仁さんなんです。
細かいところが解からない無神経とでも言うか、大らかとでも言うのか
でもこの攻め様だからこそハッピーな展開になるんだろうと思いました。
本編で攻め様の鈍さにある意味救われたように思っていたのですが
書下ろし部分で攻め様がやっと記憶を無くして別人格と言う本当の意味を理解して
しまうのです・・・個人的にはこの書下ろしはいらなかったかも
攻め様は鈍いままでいて欲しかったなぁ~なんて思ってしまいました。