パラスティック・ソウル -はじまりの章-

パラスティック・ソウル -はじまりの章-
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神28
  • 萌×26
  • 萌4
  • 中立4
  • しゅみじゃない3

--

レビュー数
5
得点
180
評価数
45
平均
4.2 / 5
神率
62.2%
著者
木原音瀬 

作家さんの新作発表
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イラスト
カズアキ 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
シリーズ
パラスティック・ソウル
発売日
価格
¥1,000(税抜)  
ISBN
9784403220654

あらすじ

新書館発行のコミック&ノヴェル誌、小説ディアプラス、ウィングス、小説ウィングス、カグヤ、ディアプラスをすべて渡り歩いた話題のシリーズがついに単行本化!!

舞台は近未来。
とある天才科学者の作った願いの叶う薬から始まる、五つの"愛"の物語――。

【収録作品】
プロローグ
第1話<fake lovers>
第2話<dear brother>
第3話<eternal friend>

(出版社より)

表題作パラスティック・ソウル -はじまりの章-

高級官僚の息子,24歳
犬耳尻尾を持つビルア種,24歳

同時収録作品dear brother

同時収録作品eternal friend

その他の収録作品

  • eternal friend and more…

レビュー投稿数5

コノハラ流、残酷なファンタジー

姐さんのおすすめをいただいて読みました。
木原流ケモミミ、と言ってしまうには余りにも壮大。

「プロローグ」
ある老人ブロイルスの死、使用人?のライヴァン。ライヴァンは「ビルア種」という犬の耳と尻尾のある人種である。
ブロイルスの葬式に4人の人間が参列する。その4人が、この叙事詩の登場人物、ビルア種の八尋、芭亜斗、ミア、ニコラス、である。
ライヴァンはこの4人に「何でも望みが叶う薬」と言って真珠のような粒を2つづつ渡す…

「fake lovers」
切ない系BL展開。
傲慢なジョエルと、ビルア種の八尋。嫌い合っていた2人だけどライヴァンの薬で運命が変わる。
薬の作用で八尋に恋焦がれるジョエル。復讐でつれなくするつもりが、自分もジョエルを好きになっていた八尋。八尋はジョエルと別れようとする。

「dear brother」
テロリスト(の末端)芭亜斗・荒木。組織への上納金が払えず、死んだ兄祁壜(ケビン)が父の遺産の隠し場所を知っているはず、とライヴァンの薬を使って生き返らせようとする。
生き返った?兄の視点で、兄が元々孤児だった事、それを知って何も知らない弟と距離を置いた事が語られる。弟芭亜斗はいつでも兄を慕っていたのに…遺産の鍵について口にした途端、2度目の、そして永遠の死が訪れる。

「eternal friend」
超高IQの老犬ジョンの視点。ジョンは超高IQだが、犬なので人間の言葉は話せず、犬としての寿命が迫ってきていた。
ジョンと暮らす低IQ人間ニコラスが何故か研究所の人間から命を狙われ、2人で逃げる。その時ニコラスが「のぞみがかなうおくすり」を出してきて…
ニコラスと共にいたくて人間になったジョンに恐ろしい真実が知らされる。
『人間は罪だ』全てまやかし。とめどなく泣くジョン。

1人の老人の死を起点にして、何組かの人間たちのドラマが展開される。それぞれの物語がお互いにリンクし合っている。
舞台は近未来で、人類滅亡の危機を救ったワクチンの副作用でケモミミのビルア種が誕生する。そして、ビルア種の中でも、5才頃から超高IQを発揮し、30才で記憶と知能を失う運命の「ハイビルア」が存在する、という世界観。
第3話「eternal friend」で、ニコラスとジョンの真実を知った瞬間の衝撃!このままこの物語を読み進めるのが怖くなった…
この残酷な物語、「おわりの章」でどう収束するのか、ハイビルアの謎、望みが叶う薬の謎、謎が深まる「はじまりの章」でした。

6

願いの叶う薬がもたらすもの・・・

なんとも不思議な読後感です。
はじまりの章を読む限り、愛の物語だけれどBLとはちょっと違う感じがします。
ま、木原さん=BLというのも乱暴な話なのかも・・・。
物語は、ブロイルスというひとりの老人の死から始まります。
屋敷にブロイルスと一緒に暮らしていたと思われるビルア種のライヴァンはブロイルスの葬儀に参列した4人を「最後の晩餐」に招待し個人の形見分けとして「願いの叶う薬」を二粒ずつ渡します。
ブロイルスとライヴァン。
「願いの叶う薬」をもらった4人の物語が始まります。

はじまりの章には3つのお話が入っています。
登場人物は、それぞれの思いの中で「願いの叶う薬」を使います。
古今東西、この「願いを叶える」というアイテム、使った人に至上の幸福をもたらすことは非常に少ないです。
幸福は、そんなにたやすく手に入るものではないということなのだと思いました。



2

モフモフ

この本は何度も読んでいるのですが 何度読んでも
人間の幸せとはなんだろうと考えさせられます。
コノハラ先生のとんでもない発想が 毎回度肝を抜かされます。
モフモフですよ~。しっぽがたまらなくエロチック。
人間の世界と 
人間とイヌを掛けあわせたワクチンによってできたビルア種の世界があります。
もしかしたら未来はこんな事が起こる可能性だってありえますから。
読み始めたら止まりません。
単品3話あるのですが すべて1冊に繋がっているのです。
ミステリーです。
謎を解く楽しみがあります。
私は個人的に悲しい話の2話が好きでした。
兄弟のすれちがいがたいへん萌えます。
ぞくぞくします。
「おわりの章」と一緒に一気に読みましょう。
そのほうが面白いです。

1

関係性に萌える

「BLとは関係性に萌えるジャンル」
木原さんの作品ほどこの言葉を自分に強く
実感させてくれるものはないかもしれません。

良い関係も悪い関係も連鎖し変化して
胸に痛く痛く刺さり深く迫ってくる。
色々考えてグルグルして迷走してしまう
物語のなかの人物たち
物凄く身近に感じて
とてもとても愛してしまう
そのそこにある関係性を…。

正直あいたたたたたたってことも頻繁ですが
その痛みさえ木原作品の中ででは萌えにならなくもなく。
(たまに萌えじゃなく劇薬ですが。。。)

今作は少しずつベールがはがされていくように進む物語なので
(雑誌で途中から入ってしまった方には残念な構成だったかも)
ネタばれを見ずに順番通りに読めば非常に楽しめる作品です。

関係性を楽しむのがBLならば
この小説はまごうことなくBLですが
広範な意味でのラブ方面です。
恋とえちを求めて読むと裏切られます。
でもこの方面が好きな人にとっては萌えの宝庫です。
(と、断言しておいていいと思えます)

木原さんらしい残酷さと優しさに胸元までつかって
色々物狂おしく妄想を個人的には迷走させつつ…
(あの人とあの人はどうなってしまうのかと心配しつつ)
「おわりの章」を待ちたいです。
(三月順延は全然待てますが、それ以上延びませんように!)

自分は雑誌で1話のみ既読だったんですが
ものすごくものすごく萌えたんです…。
ほかの人はそうじゃないようなので
超少数派のようですが…
しっぽ!しっぽと耳!特にしっぽ!
1話のしっぽ、禿げるくらい萌えたんですよ…!

普段しっぽ属性のない人のほうが萌えるのかも
あのしっぽ…。
実に木原さんらしい使い方だと思いました…。

書下ろし小冊子の為だけにCDも買ってしまいそうなくらい
一話に萌え萌えでしたが、単行本になってまとめて読むと
たしかにほかの話のほうが良く出来てると思えるミラクル…。
(3話にやっぱり一番胸打たれてしまいました)
本当にうまい構成です。
雑誌で途中を読まずに我慢しててよかった…。
何度も書きますが、とにかく順番通りに読むべきお話。
少しずつ開かれていく世界のありとあらゆる側面に
読み返すたびに別の景色が浮かんできそう…
個人的には滅多にみない傑作だと思ってます。
(ここまでの未完状態でも自分にとっては充分です)

3

皮肉な運命に翻弄される愛の模様

オムニバス形式で描かれているストーリーなのですが
作品に登場する全ての主人公たちは複雑に運命が絡み合って
いるんです、そしてキーマンが天才科学者のブロイルスで
そのブロイルスが作った薬によって運命が大きく動き出す。

近未来を舞台にした人間の傲慢さがにじみ出ていたり切なくて
涙が溢れてくるような話だったり人間の愚かさをこれでもかって
思い知らされるストーリーもあり、あっさり読めるような作品では
ないって言うのが最初に感じた事なんですよね。
プロローグで出てくる人物たちの意外な接点に読み進んで行くと
かなり驚かされるんですよ。
1話目のストーリーが恋愛的な要素が1番濃いめの作品になります。
近未来では犬の耳と尻尾が生えている人間が人口の10%程
存在しているのですが、ビルア種と言われる新種族なんです。
近未来で猛威を振るった病のワクチンによる副作用の産物です。
普通だと耳や尻尾があると萌えになるところがこの作品では
あまりにも普通のことである為に萌えにならないんです。
単に人種の違いくらいの感覚なんですがその設定も面白いです。
2話目は兄弟もので家族愛的なストーリーだと思いますが
この内容はホントに切なかったです、弟の悔恨の思いが痛々しい
そしてこの弟が次回の終わりの章に繋がるような感じです。
第3話目は・・・
人間と犬との友情物語とでも言いますか、最後にびっくりする
展開があってとても胸が締め付けられる作品です。
次回の終わりの章でどのような展開で全てが明らかになるのか
非情に楽しみでもある作品になりました。

5

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