忠誠の代償 ~聖なる絆~

chusei no daisho

忠誠の代償 ~聖なる絆~
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神53
  • 萌×235
  • 萌17
  • 中立3
  • しゅみじゃない5

--

レビュー数
15
得点
459
評価数
113
平均
4.1 / 5
神率
46.9%
著者
六青みつみ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
葛西リカコ 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
シリーズ
忠誠の代償 ~聖なる絆~
発売日
価格
¥855(税抜)  
ISBN
9784344823907

あらすじ

辺境を守る皇太子のヴァルクートは、予期せぬ場所で野良聖獣の繭卵を見つけ、成り行きで“対の絆”を交わすことになったが…。
(出版社より)
【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。

表題作忠誠の代償 ~聖なる絆~

23歳,聖獣と騎士の国の末っ子皇子
野良聖獣(位の不明な聖獣)

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数15

発刊順に読めばよかった、この巻が最初です。

発刊順に読んだほうが、シリーズ全体の関連が流れで理解できるので、面白さの深みが増します。
私は、表紙の絵が美しかったので、「聖約の代償」を先に読んでしまった。
それからこの「忠誠の代償」を読みました。
このシリーズの全部に登場する「軸になるペア」が主人公なので、これを後に回すべきじゃなかった。

当代の王命で「ギルレリウスの聖獣リュセラン」の卵が盗まれて、何も知らずにその卵をギルが育てていた仔細を後から知ったので、理解するまでが手間だった。
ヴァルクートは、高潔な人格者で、恨まない人。
森で見つけた聖獣の卵から孵化したキリハは、本来の絆相手のリュセランに嫉妬。
リュセランは、宙ぶらりんな絆に翻弄されて、最期は自死をするような戦死を遂げます。

そして、また生まれてきて、絆を結びなおす。キリハが生まれ変わりを証明します。
これを許した竜の母に感謝、物語がぐっと面白みを増しました。

最後に残った疑問は、聖竜の卵はどの竜が生んでいるんでしょうか?・・このシリーズの解けない謎です。

2

醜いアヒルの子が強く美しい聖獣になるまでの成長物語

あらすじを見たら随分とあっさりとしてますが、繭卵を見つけるまでがいろいろあるんです。
六青さんの不憫で健気な受けの物語は好きで愛読してますが、珍しく不憫な攻めが理不尽に追いつめられていく展開に今に見てろ〜となった作品でした。

主役カップルの一人は誰にも愛され快活で能力のある第4王子。
そんな弟を僻んだ第一王子から卑怯な企てにより辺境の地へ左遷させられます。
自己保身ばかりで非道な父王は愛してくれも力にはなってれくれません。

辺境の地で腐ることなく役目を果たそうと真摯に勤めやがて信用を得ていく過程がおもしろかったです。

ヴァルクートが高位の繭卵(聖獣の卵)から選ばれ、慈しみ成長を見守って来たのに兄により奪われ落胆する姿は哀しく怒りを感じました。
その直後に出会った野良繭卵がもう一人の主役聖獣キリハです。
キリハの自分の力が足りないばかりに主人が蔑ろにされる悔しく思ったり、自分より先に選ばれた聖獣がいたことを知り嫉妬したり独占欲や不安からぐるぐるするのが人間ぽくて愛らしかったです。

6

のめり込めるファンタジー

面白かったです。もう、一生懸命読んでしまいました。
しかも、この一冊を機に、全巻揃えてしまった・・。
何やってんだと、そんな自分を詰りたい気持ちもありますが、とりあえず、この作品を、熱した鉄の如く、練って冷やしてまた練って、ぐるぐるやって、これでもかって鍛錬の結果、素晴らしく切れそうな真剣にして下さった作者様に感謝を。

とにかく一筋縄でいかない設定がいいです。
ファンタジーなら尚更、そこに気をつけなきゃいけない訳ですが、知らない言葉に言葉萌えする私はガッツリ食いついてしまいました。
しかも、騎士とか軍とか王宮とか・・グっとくる。
贅沢なのに贅沢しない人達が、世間の荒波にめげずに愛のために戦う物語。

この逆説にやられるんですよね。

いわゆるツンデレ・・ではないんです。
本心から好きだと思ってるし、愛してるけど、そう言えなくなってしまう不幸がある。
自分の心ひとつじゃ、どうしても素直になれない。
大きなわだかまりがあって、悩んで、悔いて、どうにもできなくなって、やっぱり最後は「愛してる」に落ち着く訳ですが・・、この奮闘が・・切なさが読んでて身に沁みます。
恋愛のぐちゃぐちゃで経験する、迷いや、憤りや、勘違いや、羞恥心。
そういう思い出すのも苦いような気持ちや焦りを、すごく忍耐強く書き出せる作家様だと思います。

淡々と、そしてたくさんの感情を押し殺し、非情に徹しなければ紡げない物語。
また逆に、愛情豊かで、小さな感情の吐露にも事細かな表現が生き生きしていて、心を淡く温かく満たしてくれます。
このアメとムチの重さに、どっぷりと嵌ってしまいました。

あ、ケモミミもすんごくかわいいですよv
そこにいい大人の男が右往左往してデレるのも読んでいてとても楽しかったです。

5

みゅ とか啼くんだもん、たまらんわ

とうとうこのシリーズに手を出してしまった。
私にとっては、長年の憧れであり、最後の砦 的な本。
昨日から何回読み返したか。幸せ はふはふ色で終わった訳ではないが
なんか読み返してる。世界観に浸りたいのかも。
萌2と悩んだけど結局神。

萌2と悩んだ理由:
輪廻の花と似てる設定(訳わかんないやつが攻めてくる)なんだけど
こっちの方が、より戦闘シーンが多く、「この方たち、なんで攻めてくるの?
どっからくるわけ?」といった疑問が大きくなってしまった&
その答えが当作内では得られないため。
BLってよりファンタジーとしての結末が気になっちゃったー
続きの本で、この種明かしってあるんかな?

神にした理由:
攻めさん、受けさん共に好きだから。
攻めさん:王となるべくして生まれたかのような第四王子。
     王たるもの、かくあるべし といった感の人物。
     いや、やることやってるんで、それなりにやんちゃだけどね。
     受けさんを口説き落とす時も、なんか百戦錬磨的・・・
受けさん:明朗、快活、案外性格が男前!
     戦闘シーンでは、すんげー凛々しい!
     また ちびん時の記載がたまらん!!!!!!!!!!
     みゅい とか啼かれた日にゃあ おばさん、果物ジュースもって
     走っていくで!(聖獣は果物と花なんかを食べるらしい)
     なんしか超絶可愛いーーーーーーーーーーーー
     神とする理由8割は、このちびと溺愛する周りの大人たちの記述。

その他、こんな方が出てきます。そう、登場人物 多し。
でも、あんた誰 はあんま無かった。
一つ一つのエピと個性がしっかりしてたからかもしんない。

リュセラン:キレイな聖獣。攻めさんと訳アリ。
攻めさん甥:第一王子の長子。彼もかわいそうな人。第一王子に
      色々ゆがめられた。
攻めさん父:攻めさんのことを溺愛。策士にはなれない単純系らしい。
      誓約を守ろうとし、ひょえーっ なことをしでかす。
第一王子:あんな優秀作品(攻めさん)が生まれる両親やったのに、
     ひねくれもの。攻めさんいじめまくり。
     もうちょっと大人になれよ・・・と誰か諭してよ と思う。
第二王子:物語のキーとなる出来事を経験する。痛ましい王子。
     結果 ちょっと病んじゃったかも。     
攻めさん幼馴染:やわい感じだけど、剣術うまし。攻めさんに付き従い
        割といいたい放題。
攻めさんの侍従:ずっと身の回り世話するおっさん。
赴任先の騎士達:なかなかの曲者、強者らしい。
        一癖もふた癖もあるやつばかりっぽい。
        最初、めっちゃ汚い、だらしない・・・
        攻めさんに懐いた後、受けさんの事はみんなして溺愛。

そう、これだけの世界観、人物を動かそうとすると大変だと思うんだよな。
やっぱいいわー
次、リュセラン(泣)を読もう。

9

人と聖獣の共存

代償シリーズ1作目。ファンタジー作品です。

人間界を襲撃する魔獣と戦うために、聖獣と協力する騎士。
聖獣が人間界で生きるために選ばれし騎士と聖獣は誓約をかわし一対の絆となります。

兄の策略で選定された繭卵を奪われてしまったヴァルクートでしたが、別の繭卵を見つけ誓約をかわします。
その聖獣キリハが本当に無邪気で可愛いです。
そして聖獣の位や自分の立場に捕らわれず、適正な選択ができるヴァルも素敵です。
なかなか力が開花せず周囲から無辱されるキリハは可哀想でしたが、ヴァルの優しさと二人の信頼の方がずっと強かったです。

設定も展開も面白いです。2作目を早くよみたくなりました。

3

王道な主役

モフモフファンタジーが大好きで、このシリーズも一気にシリーズ全巻集めたまではよかったのですが…なかなか手が出せずにいました、長くって(^_^;)
急に意欲が沸いてきて、モフモフワールドへ突入!です。

みんなに愛され、けれど決して慢心することなくまさに『理想の王子様』よろしく育ってきたヴァル。
けれど陽があれば陰もあるわけで…狡猾な兄のたくらみに呑まれ転落人生、けれど持ち前の正義感で物語の主人公よろしく這い上がるお話。

できすぎのお坊ちゃん!と多少思いはするものの、やっぱり主人公はこうでなくっちゃと王道な主役、ヴァル。嫌いではありません。
イレギュラーな形で、けれど運命よろしくヴァルと出会い絆を結んだ、『野良』聖獣・キリハ。
能力は最下層、落ちこぼれのレッテルを貼られ、落ち込み傷つくキリハですが、実はキリハの正体は───。

という、もう絵本さながらの王道展開なので、そこまでハラハラすることなく安心して読めました。

ただ、このお話と対をなすもうひとつのお話、『贖罪の絆』にて主役のリュセランの存在が気になって仕方なかったけれど。
(先に聖なる絆を読みました。もし、贖罪の絆を先に読んでいたら…リュセランの負の感情に引きずられてこっちのお話は楽しめなかったかも)

人と聖獣。
歪んでしまった理(ことわり)を、きっとヴァルは正しく導くでしょう。
どうか人と聖獣が幸せに暮らせますように…。

2

【私見】複雑な気持ちになりました【激辛】

先にも述べられている方がいますが、私も全体的な物足りなさというかまとまりのなさを感じました。所々が淡白で、やりたいことが一杯ありすぎて逆に一つ一つの内容が薄くなってしまっているように思います...。
物語の後半なんてダイジェストでも読んでいるかのように錯覚しました。
シリーズモノの1作目ということですが、とても続きを読む気にはなりませんね...。

その際たる理由ですが、次作「誓約の代償~贖罪の絆~」に登場するリュセランの存在ですね。...はっきりいって、この子の存在がなければここまで酷評することもなかったかもしれません、作中で主人公×彼√の方がみたいなんて思っていなければ...!

今作中で散々主人公達の仲を引っ掻き回す結果になる彼ですが、一途純愛キャラ(主人公に対して)かと思いきや次作で愚兄の息子に寝取られる優柔不断野郎なんですよこいつぁーっ!
(途中でこの子の事が気になり次作の事をある程度調べた)
卵の時に主人公に愛情を注いで貰い、その時の事を覚えているため、卵を横取りされ不憫にも愚兄の息子のパートナーにされても、それでも主人公を想っている的な純愛一途キュンキュンキャラだと思わせて本筋のカポーであるヴァルキリから鞍替えさせるほどだったのに結局こいつぁ寝取られビッチな雌犬だったんですわ!!!

その上彼が不憫に不憫なキャラで、最後も不幸な結果になってしまい、本筋のカップルにあまり感情移入できない宙ぶらりになってしまったんです。だから私は作中で2つ以上カップルが出てくるのが嫌いなんですよ...。

先にも述べましたが、それに加えて最後が駆け足すぎるんです。
結果だけを淡々と書いたかのようなラストスパートで、正直ついていけませんでした。
でも、皆様がおっしゃられるように、本筋カップルはとても可愛かったです。前半は何の苦もなく純粋に彼らの日常を追いほっこりできました。素直でやんちゃな受けが主人公を求める姿は結構キましたね。

だからこそ、後半のソレのせいで複雑な気持ちになったんですが…。
リュセランのそれがなく且つ全体諸々の設定を無視するならば、星3といったところですかね。

※実際、私が↑のようにリュセランが優柔不断ビッ○だと断定してしまったのは、作中で彼の話がうやむやでほとんど語られないせいなんです。
本当は違うんでしょうけど、もう少し補完がほしかったですねー↓

1

トーフチャヅケ

【追記】
それに、次作のほうの設定も気に食わないんですよね...。
いくらファンタジーだからって悲恋で終わったカップルの受けを生まれ変わらせていちゃいちゃさせるなんて、都合がよすぎるんですよ。

同人ですか?...っと。

けもみみBLとしてだったら萌×2

ファンタジーBLというよりも、もふもふな戯れをするためにファンタジー世界をちょっと借りたという印象を受けました。

全体的な物足りなさをとても感じました。
1つ目は、ストーリー展開以外での設定が全て端折られているというか、舞台設定が提示されているようでされていないと感じたことです。
世界を構成している全体像もよく分からないし、ラグナクルス帝国がどういう国なのかよく分からないのです。
土台があやふやなので、架空の世界で様々な人が確かに生きているという実感があまりないように思います。
なので地方都市が魔獣に攻撃されても、犠牲の一言で済んでしまって痛みを感じません。
あとがきでも書かれていましたが、テーマが「モフモフ」なのでそこを突っ込むのは筋違いなのだと思います。
でも設定をもう少し詳しく示してくれていれば、もっと入り込んだと思うし緊迫して読めたと思います。
(…こういうのを設定厨というのだろうか。)

そして攻めのヴァルクート。
溺愛の末貶められた末っ子皇子、という背景を何も感じさせない爽やかな人物像に違和感を感じました。
童話の中の王子様という感じです。
「前向き」と片づけてしまえばいいのでしょうけど、私にはなんだか都合の良い人物に映りました。
だから抜けている性格も、愛すべき欠点というよりもストーリー上で必要なこと、として映ってしまったのですよね。
僻地に追いやられた末っ子が皇帝になるってワクワクすることだと思うのに、大した感慨もわきませんでした。
帝国がどんな国なのかも良く分からないので、皇帝になってもふーんという感じでした。

さんざん文句たれましたけど、BLとして読んだので読後感はわりと満足でした。
素直でのびのび育ったキリハが聖獣として成長していく姿は物凄く萌えました。
聖獣の長としての働きっぷりを見たかったです。
それはこれから見れるのかな。

あとは運命の妙。
”たられば”は意味がないと私も思いますが、誰かの選択が一つでも違っていたら全てが変わっていたのだろうなと思います。
そこからいろいろと想像も膨らんだし、面白いと感じました。

もふもふな戯れ、醜いアヒルの子なお話としては物凄く萌えました。
けもみみBLとしてだったら萌×2ですけど、ファンタジー世界を堪能したいのならかろうじて中立という感じです。

2

ファンタジー好きなら迷わず読んでみて欲しい

モフモフシリーズ1作目。
今では大人気のこのシリーズですが、一番最初に読んだ時はそこまで刺さらなかったというか、読み返す毎にじわじわくるスルメ本でした。
血が繋がっているわけではないですが、赤ちゃんの頃から育てた相手と関係を結ぶので、近親相姦などが苦手な方は受け付けないかもしれませんのでご注意を。

耳付きしっぽ付きのモフモフが堪能でき、さらにそのモフモフを子育てしてるのを俯瞰して楽しむ、ちょっと変わったモフモフ本です。
最近なりを潜めているというか、編集側からストップ掛かってるのか、毎度お決まりのようにかなりのページを割く輪○ン強○ンが入ってないので、安心して読めますが、安心してるとうっかり痛い目あいます、別の意味で。

とにかくこのモフモフな生き物が可愛くて仕方がない大人達の、やに下がった顔がなんとも……。
良い年した大人が大勢で、モフモフしたキリハをひたすら愛でてます。
こどもという生き物の描写が巧みで、本当に可愛い。
小さな手足やぷくぷくした肌、こども特有の甘いにおいまでしてきそうな、かなりリアルな幼児描写には、思わず顔が緩みます。
半端ないくらい母性本能をくすぐるようなお話でした。
読んでるこっちは、堪らずに床を転げ回るレベルです。
光源氏のように、雛から育てた子はそりゃもう可愛いでしょうとも!

ただ、個人的にはギルリュセの方で、最後全部もってかれた感あり。
テ○レア戦記などの世界観が好きな方だったら、結構嵌ると思います。

1

うーん・・・

高評価に期待して読んでみました。

が、正直ヴァルにもキリハにもあまり感情移入できなかった・・・。
理由はリュセランが不憫すぎたから。
どうしてもリュセランに同情してしまって、ダメでした。
ということは、次作はきっとがっつり楽しめるに違いない!とリュセランの幸せな姿に期待が膨らんでいます。次作まで読んでほっとしたら、こっちも違った感覚で読めるのかな?と思います。

ついでにこの作品の騎士&聖獣システム、どっかで見たことあるなーと思ったら、騎士&ファティマの某作品にそっくり。
ランク付けとか存在意義とか、あーアレでも言ってたわー、という言葉が散見されて、正直ちょっとがっかりしました。
BLって二次創作に寛容なジャンルだと思うのでそれもありなのかな?とは思いますが、どうしても設定がかぶりがちな日常が舞台ならともかく、完全ファンタジーでの舞台設定パクリは腑に落ちず。それを上回る感動があればよかったんですけど、それほどでもなく。

ごめんなさい、合いませんでした。

追記:
なんだかんだ言いつつ、シリーズ全部読破しましたら、シリーズとしてはすごく面白かったです!
この一冊かけてのシリーズのイントロダクションだったんですね。
次巻から本領発揮なので、世界観を頭に入れるためにこれは読んでおいた方がいいと思います。かといってこのカプはやはり好きにはなれませんが、そういう位置づけなら仕方ないと納得できました。
続くシリーズを楽しむためには、ここから読み始めることをお勧めします。

1

泣ける。とにかく泣ける!!

騎士と聖獣のファンタジー。
聖獣と誓約を結び対の絆となる騎士。
だけど無理やり誓約させられた者たちは…。
 
聖獣によって立場が決まる、この戦いの場。
それがその国の皇子だとしても位の低い聖獣と誓約を結べばそれなりの扱い。
そして聖獣のキリハはその位も解らない異端な聖獣。
それによって自分の対の絆ヴァルが軽んじられる。
その為に頑張るキリハが超健気で可愛い!!

その結果キリハの位がハッキリして、そんな悩みも解決かと思いきや
過去にヴァルと関係のある位の高い聖獣(リュセラン)も現れて心乱される。
そしてそれは聖獣同士だけでなく対の絆同士でも…
まっ、それは次の巻でということで。

それよりもこの騎士と聖獣。
やはり聖獣と言っても人間の姿が取れるのでそういうシーンはありますが
人間と違って聖獣は発情しないらしいです。
その気にさせるにはいろいろと頑張りが必要なようです。
でもそのラブラブもまた可愛い!!




2

読みでのあるファンタジーシリーズ、陽の第一弾

人と聖獣が特別な誓約を結んで、人類を脅かす魔獣に立ち向かっている……
独自のファンタジー世界を構築しているモフモフシリーズの第一弾。

第二弾の「誓約の代償」と裏表になっている話で、こちらが表。
主役の関係は、同じ皇家のこちらが叔父であちらが甥。
現皇帝の第四皇子である、このヴァルクート皇子の悲劇なくして
甥のギルレリウス皇子と白銀の聖獣リュセランの悲劇も生まれなかったという
因縁の関わりがある。

物語は、ヴァルクート皇子の置かれている陰謀に満ちた状況と、
彼が選定の議を経て出会った聖獣の繭卵を奪われ、失意にくれるところから始まる。
しかし、ほどなく彼は森で新たな繭卵と出会う。
こんな素性の知れない繭卵とは、皇子として誓約を結ぶべきではないと思いながらも
抗がたい思いに突き動かされて誓約を結ぶ。
辺境の砦で荒くれものに囲まれながら、育って行く幼獣キリハ。
そして時は流れ、二人は帝国を揺るがす運命の流れに巻き込まれていく……

太陽のように健康で明るく魅力的なヴァルクート皇子と、野性的で素直で生命力に溢れたキリハ。
すごく魅力的!
でも基本的に陽性なので、切なさという点では二巻「誓約の代償」の二人には遠く及ばない。
でもよくできた世界観の中、魅力的な登場人物と目の離せないストーリーは、読みでがある。

ただ、根本的にこのシリーズには不満がある。
孵化から立ち会って赤ちゃんから育てた相手に欲情しちゃうものなんだろうか?ということ。
いや、個人的な好みとして「若紫」に萌えないっていうのがあるんだけれど。
この辺は趣味の問題としかいえないのだろうけれど。
それから、まだ子どもだからという葛藤はあれど、
聖獣と交わるというタブーは、皆あまり感じていない不思議さ!
もうちょっとその辺で悶えてくれてもいいんじゃないか?と思ったりしますが、
いかがなものでしょう?

と細かいところでもの申したくはなるのですが、お勧めシリーズです。

8

可愛い!!!

1個まえに読んだ、この人の本が、あまりにもえげつなくご無体なお話でしたので、
心構えガッツリ。
この受は、どうやって拉致されて、どうやって陵辱されるのか
そればかり気がかりで仕方なかったんですが。
どんだけ親ばか、めろめろ、ラブラブ、ゴリゴリやねん!!!
見てるこっちが恥ずかしいわ(Ψ▽Ψ*)イヤン♪
可愛い作品でした。こういうの好きです。
最近、受にめろめろで、すきすぎて、本当にどうしようもない攻がツボ。
どんだけ好きwwがつまってる作品でした。
なにより、ファンタジーにくわえてケモミミ。そんでもってお子様。
トリプルプレイか!!!←ナニガ!?

皇子という立場で生まれながらも、もろもろあって偏狭の地へ
自分のものだったはずの半身をも奪われてうなだれるさなか
であった卵は、本当の~なお話。
生まれた小さな存在に、むさくるしい男たちがメロメロで
生まれるまでは、地位のわからない相手など。といっていた攻もメロメロで
とにかく終始べたぼれなお話でした。
つまるところ、親としての愛情、男としての愛情。受がすきすぎるが故の~
オトコマエ台無しww

このあとの、スピンオフもあわせて楽しいお話であります。
幼獣と戯れてるシーン。
受の子供っぽさにいやみがないのがツボですwwかわいいwオススメ

15

心おどるファンタジー

 六青さんは、きっと『パーンの竜騎士』(アン・マキャフリー)がお好きだと思う。
聖獣と騎士をむすぶ絆、精神的な繋がりや、魔獣を迎え撃つ戦いの様に、赤の星から飛来し大地を侵食する≪糸胞≫を焼き尽くすため、大空を舞う竜たちの姿がだぶってみえた。(うれしい、私も大好きだから。)
 ヒーローのヴァルは、〈出来過ぎ〉な皇子さま。見目良く、頭良く、性格良く、私的にはちょっとむかつくくらい・・・。案の定、長兄に我が子の帝位を脅かす存在としてうとまれ、僻地にとばされる。皇子様、苦労しようね!(笑)
 でも、ここからの皇子のふんばりがよかった!尊い身分はうっちゃっておいて、自分自身の才覚、力量で部下を掌握し、辺境に足場を築き冷静に宮廷と己の距離をはかる。肝が据わっています。
 奪われた己の聖獣を案じつつも、運命によって出会った新しい聖獣を真の伴侶とみとめ、慈しむ。やっぱ、出来過ぎやなぁと思っていたら、愛する聖獣キリハをすべてにおいて自分のものにするため、あれこれ頭を悩ませてみたり、なんだかふつうの恋する若者だったり(策略家だけど…)、いつのまにかこの皇子を好きになっていました。
 やんちゃなキリハの愛らしさ、互いに想うがゆえのゆきちがい、第二皇子の悲劇、聖獣をめぐる甥(長兄の子)との確執、そしてついに襲い来た魔獣の大群。ぐいぐいと物語にひきこまれ、本を閉じることができません。(朝になってしまう~!)
BL色はうすいです。でも私はファンタジーとして、より楽しむことができました。
後、魔獣や聖獣の出現する背景をもっと知りたい。リンクスに掲載された、甥の側のストーリーも読みたいです。
葛西リカコさんのイラストもすてき。とっても作品にあってます。

追記、小説リンクスのミニ特集によると、作者は竜騎士シリーズに言及していない。細かな設定を考えるとき、かの名作を御存じなかったのか・・・!
 昔(笑)、中山星香さんが『花冠の竜の国』を描かれたときも「後で知って驚いた」と言われていたから、そんなこともあるのだと思うが、六青先生にも、読者の皆様にもぜひ、お勧めしたい! こちらはSFです。BLにも非ず。竜は、ファンタジーではなく、遺伝子操作によって人がうみだしたもの。が、騎士と竜は魂の伴侶であり、相手を失うと生きる意義をうしなってしまう。地球を旅立ち惑星パーンに入植したひとびと、子孫たちの壮大な年代記です。

12

必然の絆

小説リンクスの2011/6.8月号に「誓約の代償~贖罪の絆」前後編で
掲載されていた小説のスピンオフ篇になっていました。
てっきり掲載された書籍が発行されると思っていたのでびっくり
しちゃいましたけど、合わせて読んで見ると全てがすっきりする
内容で個人的には2倍楽しめた作品です。
雑誌の方は全体的に重苦しいシリアス面の濃い作品でしたが
こちらは聖獣がやんちゃで可愛いらしいので明るめの作品でした。
設定はラノベみたいな感じのファンタジーなんですが
しっかりした設定があるので違和感無く楽しめる内容でした。

物語は聖獣と騎士の国と言う場所で長きにわたって魔獣と戦う国のお話です
昔、魔獣に襲われ人間が滅ぶというときに現れたのが聖獣
そして聖獣は魔を滅ぼす代わりに自分たちの保護を求める
聖獣は人間界は異質な場所で長く留まる事が出来ないのですが
人間と絆を結ぶ事でこの世界でも生きていくことが出来るのです
そしてそれは聖獣が認めた対の絆を結ぶことが出来る人間で
本来は身分に関係が無く聖獣に呼ばれる事で成立する対等な関係。
しかしそれがいつの間にか人間の欲などで昔の約束を人間側が
守っていないことから悲劇が起こり始める。
聖獣にはその強さを表す位があるのですが今回の主役の聖獣は
今までに現われたことが無いタイプで一番弱いとされる聖獣よりも
さらに弱い聖獣なのですが、その聖獣と絆を結ぶのが王国の末の皇子
そして本来王族は高位の聖獣と絆を結ぶとされていたのですが
末の皇子は兄皇子に毛嫌いされて不名誉な言いがかりで王都から
僻地へ行かされるんです、本来絆を結ぶはずだった聖獣の繭卵から離され
挙句、兄皇子から繭卵を奪われる形で永遠に絆を絶たれてしまう。
そんな時に森で見つけた繭卵を見つけ、新たに絆を結ぶことに・・・・
聖獣と人間は本来一心同体なんですが王家の過ちでその均衡が
壊されようとしている、今回の二人はそんな誤った世界を正すために
運命以上のもので結ばれているようなお話です。
聖獣の受け様はやんちゃだけど可愛いんですよね。
そして攻め様は親バカ状態で聖獣の受け様を可愛がるんですが
初めに絆を結ぶ予定だった聖獣の事を受け様に知られ受け様は動揺
そして自分が位が低く弱いせいで攻め様までが皆に侮られることに
切ない思いをするのです。ホント健気なんですよね。
後半で攻め様に対してちゃんと説明して不安を取ってやってなんて
思わず思ったりするほどでしたが攻め様も複雑な思いを抱えてるんです。
ラストの方ではみにくいあひるの子がある日突然白鳥にみたいな
劇的展開も用意してありました!
雑誌の方は泣かせる話だったのですがこちらはより強い絆で世界を
変えるために戦うお話でしたね。BLのL色は薄いかも。
でもなかなか壮大で面白かったです。

9

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