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jain no chi
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
やくざの血を抑え込み、人との深いつながりを避けて生きてきた凪人。
そんなの中にず凪人の中にずかずかと踏み込んできた角能。
忌み嫌っているやくざの父親からまわされたボディーガードと知って拒絶ずる凪人でしたが、彼の姿に惹かれ目が離せなくなります。
意外に強気に抵抗する凪人が可愛かったです。
そして凪人を4代目組長にするために刺青をいれさせた角能も凪人の中に隠れている妖艶な力強さに心を奪われます。
とにかく凪人の豹変っぷりがすごかったです。
体に流れる血が目覚めた感じでしょうか。
匕首を義母兄に突き付けている姿にはしびれました。
すごく面白かったです。続編が早く読みたいです!
ちなみに八十島SSの折原もいいキャラで癒されました。
ー凪斗(受)が敵の首元に匕首突き立て「俺に角能さん(攻)ください」ー
ーそれを聞いた角能は、凪斗に己の全てを捧げる決意を固めるー
終盤のこのシーンにもうどれだけハゲ萌え転げたことか!!
凪斗はヤクザの組長の隠し子でありながら、一般人の母親の元で、裏社会とは無縁の平穏な人生を送ってきました。
しかし跡目を狙う異母兄からたびたび脅迫を受けてきたため、巻き込んでしまうことを恐れて恋人も親友も作らず、寂しさを抱えて生きてきたのです。
そんな凪斗が唯一気持ちを吐露する手段だったのが絵を描くこと。しかしその絵が父である組長の目にとまり、凪斗のうちに秘めた気性を見抜かれ、後継に望まれてしまいます。
平穏な生活を望んでいた凪斗が、ボディーガード兼組長になるための教育係についた角能との共同生活の中で恋に落ち、極道の家を継ぐ決意をするまでのストーリーが紡がれていくのですが、この過程がなんとも切なく淫美で堪能させられました。
凪斗が最後まで家を継ぐことに抗い、角能や入院中の祖母を守ろうと独りで足掻いていたのがとても良かったです。
恋心を自覚していても、告げずに墓場まで持っていこうと決め、その思いとともに刺青を入れることを承知するというのも本当に切なくて切なくて・・・
角能の方も、最初は傲岸不遜な振る舞いをしていましたが、凪斗の内に秘めた素質に気付いた時から惹かれていきます。
でも角能の方にも、凪斗との関係に深入りできない理由があるのです・・・
互いに惹かれ合いながらも、気持ちを伝えられないまま体だけ重ねていく、その焦燥感を伴う二人の生活と、刺青入れる描写が切なくてエロくて素敵でした。
そして紆余曲折を経て冒頭で述べたシーンに繋がるのです。
いや〜本当に面白い作品でした。久しぶりに夢中になって読み耽ったと思います。
二人が「愛してる」と口にすることは最後までありませんでしたが、それでも互いをなくてはならない存在として固く結ばれたのは充分に伝わってくるので、すっきりと読み終えることができました。
沙野先生のエロチャレンジみたいな?シーンもあって面白かったですし。(後書き読んで、そこかー!と唸ってしまいました(笑))
続編があるようなので、楽しみに読みたいと思います!
ところで。
初版はもう十数年も前の作品のようで、本を探すのが大変でした。
できれば電子化か増刷をぜひお願いしたいです!
沙野先生のねちっこいエロが大好きで、毎回のエロテーマを楽しんでいる読者です。
本作品は、実際には縛りはありません。ありませんが、幼少から受けちゃんは、やくざ組長の父親から受け継いだ激しさと、その父を魅了しつつきっぱり絶縁した母から受け継いだ違う激しさを、自主的に念入りに抑制して堅気の生活を守ってきました。誰も近寄らせず、平凡な若者として日常に溶けこんで、唯一、日本画を描くときだけ、自分の内面の求めるままに任せます。
そんな受けちゃんの内面に渦巻く力が一際打ち込まれた作品が出来たとき、その絵のあまりの迫力が受けちゃんを世に知らしめて、運命が動きます。
跡目襲名騒動に巻き込まれて平穏な日常が崩れると同時に、自分が必死に留めてきた内面を力ずくで暴く男に出会います。「初恋」と呼ぶにはハードで生々しくいきなり実弾戦です。
そしてこのあたりずっと闇の中でのように暗めの雰囲気で話が進みます。その闇の中で受けちゃんは必死に恋をして、妖艶に脱皮していきます。
絵心がある受けちゃん目線で語られる攻めの肉体のかっこよさ。
場数踏んでるはずの攻めが、受けの肉体に嵌まっていく描写もエロいです。惹かれつつ、ほだされつつ、(エロだけでなく)がっつりやることはやる攻め様、むっつりとエロいです。
圧倒的強さと人望でスパダリ感のある攻めですが、癒えていない傷があります。が、受けちゃんの想いによって、終盤でその克服も含めて再生していきます。
このあたりから話全体が明るくトーンがかわり、最後は甘々も楽しめます。
とにかく刺青の辛さとエロを絡めて細かくかかれているので、お好きな方オススメです。
また実際には緊縛ありませんが、受けちゃんが強引に暴かれて抑制から放たれるインパクトには、SM作品の緊縛に似た萌えがあり、その趣味が満たされたのは予想外の満足でした。
個人的に、モブ姦紛いの設定にも、沙野先生ならではの細かく丁寧なエロスを感じられ、さすがです!となりました。
ラピス文庫だった旧版の新装版になります。
当時の奈良イラストがそのまま採用され、カラーも後書きのラフイラストもそのまま掲載されています。
内容は、多分全く加筆修正されておらず、旧版のままでした。(引っ張り出して比較しましたとも!)
新たな点は、書き下ろし「あたたかな輪」がついていること。
そして、発行現在の段階で、次に発刊される「蜘蛛の褥」の復刊の2冊がそろうと記念フェアの小冊子全員サービスに応募できるという特典が♪
実はその為にだけに購入してしまった人も多いのでは?www
レビューは旧版でしてあるので、本編については割愛しようかと思いますが、改めて読み直して、やはりこれは続編の「蛇恋の禊」があって初めて凪人が完成する、そして角能との関係も確固たるものになるだと思われました。
初めて読んだ当時は、本当に面白くのめり込むように読みましたが、ちょっと間を置いて改めて読むと、角能がだんだんと凪人にのめり込んでいく、優位から従う人になっていく過程がはっきりと見えました。
当時は、何でいきなり襲うんだ?いきなり身体の関係へ行くんだ?とつっこんだりもしましたが、改めてレビューにも書いてなかったこととして、
角能は、凪人の平凡な人の中に潜むヤクザの蛇の血を見たいと試していたのだなーと、感じなおした次第です。
『あたたかな輪』において、凪人がもう今までの普通の生活は送れないと改めて認識させられる、そして自らそれを断ち切ろうとする出来事が。
そして、角能の自らを受け止めてくれる存在認識も新たにすると言う、気持ちの面でも、ヤクザの道へ踏み出したお話だったのかな?と思います。
これを初めて読んだ時の純粋に作品を愉しんでいた当時の自分が懐かしい(遠い目ww)という意味合いでも当時の評価をそのまま残そうと思います。
大人しい画学生が、目を背け続けてきた忌まわしい極道の世界に巻き込まれ、ついにその身の内の血を覚醒させる、という物語。
同時に、信じ心酔していた人の裏切りと死を目の当たりにし、人間不信と共に「組織にも人にも固執しない」と死んだように生きていた攻め、角能の、恋と再生の物語でもある。
ノンケの2人がなぜセ○クスすることになるのか、酷い男だと思っていた角能に凪斗が惹かれていくさま、沙野風結子先生の筆力なのでしょう、何の破綻もなく納得の展開です。
そして自分を好きになってゆく凪斗に『刺青を入れたおまえは、きっと、すごく綺麗だ』と囁いて。いや〜萌えますね…
双頭の黒蛇をその躰に巻き付けるような刺青を纏って、それでもまだ4代目になる覚悟の持てない凪斗。
でもここで事件が起きます。凪斗を組長の家に送る時に襲撃され、角能が撃たれる!撃たれた角能も意識不明のうつつの中で、凪斗を、凪斗だけを護ってやると自覚するのです。
自分と共にいると殺されてしまう、と一度は角能との別れを決めた凪斗、宿敵・腹違いの兄辰久の元に1人乗り込み……ああああヤバい!危機です!この辺りの緊張感あふれる描写、ページをめくる手が止まりません。
大勢の男たちに犯されそうになったその時!そう。凪斗の蛇淫の血、覚醒です。冷めた視線で辰久の喉元に匕首を突きつけて、駆けつけた父・組長に静かに告げる…
『俺は、岐柳組4代目になります。だから、俺に角能さんをください』
キタ〜ッ!
その言葉を聞き凪斗の眼を見て、攻めとしてこれまで若い凪斗を抱いて翻弄していた角能に変容が起こります。『ああ、そうか…。俺はこいつに、すべてを捧げるのか。』
このねじれ、というか逆転劇、というか。鮮やかすぎて。
角能が凪斗にひざまずいて、お前を護らせてくれ、と懇願するような。そんな幻影が見えた…。
今までの何もかもを失ってしまったとも言える凪斗。でも失えば得るものもある。角能を得るために捨てたのかも。そしてラスト、凪斗の最後の拠り所とも言える絵を描くこと、それすらも手放すかもしれないことが示唆されている。絵も手放すとしたら凪斗は次は何を得ていくのだろう、そんなことを感じながら読み終えました。すごい充足感です。
書下ろしを追加して新装版になっての再登場作品ですね。
あらためて読んでもかなり奥深い作品でグッときます。
因果な極道の血をその身に隠し、平凡な暮らしを
ただ、自分でも分からないうちに隠しているものが
受け様が描く絵となって現れる。
その禍々しいまでの妖艶で妖しい激しさを嫌悪する凪斗
ボディガードの角能に思いを寄せてしまったことから
思いもよらぬ己の気持ちに気づく。
卵から孵った蛇に赤ちゃんが惚れた男に出会うことで
脱皮を繰り返し成長する、そしてそんな子蛇に魂を
奪われてしまう男。
う~んやっぱり奥深いですねぇ~
既に続編も出てますから合わせて読みたい本ですね。
普通の平凡な生活から一変突然爆弾は送りつけられるは
傲慢なボディーガードが現れるわでてんてこないな日々を送ることになる受け様
絵を描いてる時だけが唯一自分でいられる。
描きたい絵はあっても誰にも見せてはいけないし見せられない。
ほしいのはあの男。
普通のふりをして生活していた受け様が攻め様を交わるごとにその血をどんどんと開花させていくなんとも切なくそれでいて愛しくなるお話です。
BL展開で薬をもられてHになってしまう受け様を攻め様が相手をするところから二人の距離がぐっとちかくなります。
たがいに魅かれあいながらも立場や状況などから離れる決意をする二人だけど
ラストのどんでん返し?の受け様がかっこよかったです。
攻め様の過去と現在では間逆な職種につくところがいいですね。
どちらも好きです(笑)
獣シリーズが気に入って、レビューからこのシリーズを選んで読んでみました。
堅気に育った組長の妾腹息子が、極道に引き入れられていくお話かぁ、とよくある世話係ものかと思っていたら、シチュエーションはそうだけれどよくあるお話にはなっていなくて、面白く読めました。
何がすごいって、まったくそんな関係になりそうもないところから出来上がるまでの過程がうまい!よくある設定なので、そこがうまく書けるかどうかで作品の価値が決まると思うのですが、これはなかなか高得点だと思います。
絶対に極道にしたくないという母の想いを忠実に守って、自分を抑制してきた凪斗。人と距離を置き、自分の想いは絵の中に閉じ込めて、母の想いを大切にしてきた凪斗が、極道の世界に素直に入るわけもなく、二人は遠くはなれた平行線からはじまります。
そこから薄皮をはぐようにだんだんと近づいていく二人の様子が非常においしい。距離感が重ねられた層を破りながら縮まっていくように表現されています。そして、その「層」が薄く細かく重ねられているところが、この作品の読みどころだと思います。
そうしていくつもの層を突破して、ついに同じところにたどり着くのです。
それって恋愛ものの基本で王道で、書きつくされたその部分をごまかさずにこれほど読ませてくれたことが素晴らしいと思います。
小道具の刺青に惹かれた部分が実は大きかったんですが、良い意味で期待を裏切られました。
平穏な日々が突然崩れ去った。
自分に半分流れる、血。
それによって望まぬまま跡目候補と持ち上げられ、そして命を狙われてしまう凪斗。
警護を任されたと目の前に現れた男・角能に翻弄され抗っていたが、いつしかその想いは変わっていって──。
最初と最後の凪斗のギャップにやられてしまいました。
「普通」の学生だった凪斗。
自身に半分流れる血を忌み嫌い、普通であろうと必死になるのは母のためだった。
抑圧されたものが角能の出現、そして跡目候補として自身に襲いかかる出来事に、だんだんと本性が露わになっていきます。
まさに脱皮を繰り返す蛇のごとく、一枚また一枚と凪斗の本質が暴かれるたびに、ゾクリとしました。
自身の生い立ちから円の内側には人を入れなかった凪斗。
その内側に入れてしまった角能の存在が、凪斗を強くした気がします。
「角能さんを俺にください」のセリフには痺れました!
『樹の林檎』、『初恋』そして角能。
凪斗が想いを込めて描いたそれらをこの目で見てみたいです。
ヤクザの息子(しかし婚外子)が平凡な美大生として暮らしていたのに、実子がアホだったために円城凪斗はヤクザの四代目組長になるべく、教育係&護衛が付くことに。それが元SPの角能。
アホ兄に襲われたりと危険な目に遭いながら、角能に守られ、そしていつしか凪斗は角能への気持ちに気づく。角能の方も、SP時代の辛い思いからもう誰も信用せず期待せずと世捨て人的に生きてきたが、凪斗と暮らすうちに本心から守りたいと思うようになる。四代目を継ぐのなら「角能をお前にやる」と言われてぐらついていたが、凪斗は角能が撃たれたために、離れようとする。。。しかし、アホ兄に拉致られ、知らない男たちに犯されたことにより、組長になるもならないもどちらでももう過去の平凡な生活には戻れないとさとる。最後に組長に凪斗が出した答えは「角能を下さい」だった。
いやぁ、小蛇ちゃんの誕生までのストーリーになっていますが、角能がカワイイ。早いとこお役御免になって自由になりたいとか言いながら、実はみう気持ちが凪斗に行っちゃってますよね。
なんだかんだで、返せない盃を交わしちゃうのも角能の策かな。
作中に出てくる刺青は本当に凪斗に似合ってるんだろうなぁ。カラーで見たい!