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きみの笑顔の隣で生きていきたい。
パン職人さんと、パン屋の店主さんとのお話です。適当にパン屋を経営する子持ちの「受」は、いろいろと訳ありな様子。そのパン屋に、パン職人の「攻」がやってくるというお話で、先の見える展開ではありますが、好きな設定でもあるので、たのしくよむことができました。
投げやりに見える「受」が、人間的にも成長していく様子がしっかりと描かれていて、おもしろいとおもいました。どうして、「投げやり」になってしまったのか、ということも、描かれているところが、いいとおもいました。
再読。
初読時は、悪くはないんだけど、なんか感想書きづらいなぁ……と思ってそのまま放置。
「平凡だからこそ愛おしくて幸福な時間って、きっとある。
日常と恋を優しく描く月村奎の原点、ラブ増量&書き下ろしアリで復活!」
とあらすじにはあるけれど、この文章から想像するような日常を慈しむ視点に満ち溢れた作品というわけではないんですよね。
というのも、受けの太一が両親を失望させることに血道をあげてきたような青年で、投げやりに生きている。
お前らの望むようないい子ちゃんにはならねーよ!ザマーミロ!!という親への当てつけで、好きでもない子持ち女性の亜美と結婚し、仕方なくパン屋をやっている。
パン屋の床には綿ぼこりが転がってるし、店内は太一が吸うタバコの煙で満ちている……と、パン屋としてあるまじき惨状。
おまけに、名ばかりの妻である亜美は超弩級のフリーダムな女で、双子を太一に押し付けて、恋多きカメラマンとしてどこかへ撮影に出向き消息不明……。
とまぁ、目をパチパチしちゃうような状況続きです。
太一が、めーーーちゃくちゃ素直ではないうえに可愛げが1ミリもないので、読んでてあんまり楽しいものではないというか……。
ラブを楽しむというよりもそんなクソめんどくさい太一の成長物語って感じでしょうか。
もちろんそこには攻めの長谷部の存在もあるんだけど。
「パン生地の発酵と同じで、タイミングってあるよね」という言葉が妙にしっくりきました。
先生買い。2011年作。受けの性格がなかなか辛かったので(同族嫌悪)ぎりぎり萌です。最後は頑張って良い方向に向いたので、なんとか救われたのですが、途中キツカッター。本編220Pほど+後日談23Pほど+あとがき。
やる気ないながらも、どこかに行ってしまった妻の実家である小汚いパン屋で冷凍生地のクロワッサン等を焼いて、なんとか双子の息子を育てている太一。ある日、この店を買いたいと見に来たのは、高校の同級生だった長谷部で・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
千里・万里(亜美の子、双子、小3)、亜美(受けの妻)、香恵(不動産屋)、牧野(香恵の婚約者)、受け父ぐらいかな。
++辛かったところ
受けが過去に色々あって、意地っ張りが過ぎるというか素直じゃないというか。
期待した路線から外れた息子に対する親の非難から逃れようと、高校時代に安定路線から逃げ出し、18の時に子持ちの亜美と好きでもないのに勢いで結婚。
亜美は亜美で、とにかくフリーダムな方で、お子様二人を受けに任せてふらっとどこかに行ったっきり音信不通という・・・・なんじゃこの環境。
「母性本能があると決めつけるのがおかしい」といった感じの発言をしてくれるところはとても嬉しいのですが、それにしても産んだからには責任持とうよ・・とやっぱり思うのです。
面倒見ている受けには有難うと思う気持ちはあれど、いざ子供が母親のところに行くかもしれないと思ったら「行きたかったら行けば」というような態度しか取れないところが嫌い。そう育ってしまったのは分かるけど、ほんとにそうなったら困るでしょ?君!と、暴れそうになりました、ここ。
色々辛かったんだと思うのですが、自らを守るため?どんどん逃避していく受けが、なんとか攻めの前むきな姿勢により、少しずつ前を向いて、良い結末を迎えられたことに、本当にほっとしたお話でした。
ラブ面より、受けの生きざまの方にめちゃ目がいってしまった1冊です。素直になれなくて辛い目に遭ったことがある方は、きついかも。
主人公は、流されるようにしてパン屋になってしまった人ですが、そんな主人公が長谷部と出会い変わっていく様子が素敵でした。主人公は、ひねくれていますが、そんなところが人間らしくて、上手く生きているようなキャラクターや、まっすぐとしたシンデレラ体質のキャラよりも好きです。
恋愛だけではなくて、家族愛が書かれていてじんわりとしました。
そして、長谷部がイケメンすぎました。一番ドキドキしたシーンは、長谷部が太一に押し倒して無理やりキスをするシーンです。温厚な猫のような性格の長谷部がいきなりそんなことをしたことに驚くと同時に、ときめきがとまりませんでした。
妻の連れ子である双子を抱えて生活する太一の前に現れた同級生の北川。
不運がつづき人生に投げやりになっている太一をそっと後押ししていく北川の優しさがあふれている作品。
太一と双子ちゃんとの親子愛もかわいさあり、せつなさありで心あたたまります。
BL作品の要素はあるのだけど、どちらかというと家族愛がメインのお話に感じました。
そこに少し物足りなさはありましたが、作品としてはとてもあたたかく、絵もマッチしていてよかったです。
BL初心者にはお勧めです
月村さんの小説って、時々無性に読みたくなります。
今回も読後はとても温かい気持ちに包まれ、
このタイミングで読めてよかったなぁと思いました。
コチラは新装版ですが、
挿絵が木下さんに代わり、
攻め視点の描き下ろしが付いて、グッと魅力が増しているんじゃないかしら。
描き下ろし部分で、初めての挿入シーンが描かれていますし、
受けの父親とのその後の様子も見れて、より満足感のある1冊になったかと☆
主人公は、
男と出て行ってしまった妻の連れ子(カワイイ双子の男の子)を1人で育てながら、
小汚いパン屋をやる気な~く営んでいる24歳の太一(受け)。
この本はBL成分よりも、
高校受験に失敗し親に反抗し、すっかりいい加減さと意地っ張りが身に付いた太一の、
遅ればせながらの人として父としての成長を、見守り楽しむ本という印象です。
最初は、
魅力のない主人公だなぁ~と太一(受け)のことを思っていたのですがw、
いい所もチラチラと見えかくれして、
(父性愛なんてないと言いつつ、
血の繋がってない生意気も言う小3の双子に、ちゃんと愛情を注いでいるとか…)
ちょっとずつ変化していく様子に好感が持てて、
(これには攻めの人柄と仕事への姿勢の影響が大きいけど、
攻めに頼ってばっかりじゃないところが、とてもよかったな!)
いつの間にか惹き込まれ、睡眠時間をかなり削って読みきってしまいましたw
攻めは、
派手さのない落ち着いた普通っぽい感じの、頼れる大きな人。
高校の同級生で、
その時に受けが恩を仇で返してイジメていたという過去があるけれど、
それを全然根に持つことなく、受けのパン屋で働くことになり、話は進みます…♪
木下さんの挿絵のラフがとても素敵だったということで、
この本、攻めが時々メガネをかけるように加筆修正されているようです☆
攻め・長谷部のメガネ顔も木下さんに描いてほしいから、ということでw
そんなところも、なんかツボな1冊でした~
木下けい子さんのイラストでしたのでもう迷わず買いましたが、
この作品は1999年に他社より発行の新装版ということです。
人生投げやり気味な太一は高校受験の失敗から転落人生を歩んでいる。
受験の失敗の際の実親の対応や家庭環境に同情はするけど、まだ24歳。
基本的に頭は悪くなさそうだし、修行したわけでもなくパンが作れてしまう位なんだから(笑)押し付けられた妻(家出中)の連れ子だけど小3の双子もいるんだからもうちょっと頑張って欲しいなぁ。
そんな時、高校の同級生でパン職人の長谷部が店を買いたいと現れて、店で働き出し
投げやりだった太一が少しづつ変わっていく。
最終的に長谷部と結ばれ、気持ちは通じ合っているけど、
太一は結婚したままで離婚してないけどその辺りはいいのだろうか?
それにしても、初めてのエッチの時いちいちパンに準えるのが可笑しかったです。