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御曹司×身代わり婚約者のあまふわ蜜月ライフ!
himegoto wa osuki
『王道』というか、いかにもありがちなストーリーなんですが、キャラクターが好感が持てるタイプなので、意外と面白く読めました。
『女装して偽婚約者を演じる』とか『(受が)ウリをやってると勘違いしてた』とか、いちいち目新しくもなんともない設定のわりに、吉哉(攻)が分別も思いやりもあるキャラクターなのがよかったです(抑えきれずに手は出してしまうんですが、無理矢理じゃないし)。遥(受)も、本質的に常識のある真面目な子ですしね。
弟の病気に関わる部分は、ちょっとベタベタすぎでしたが、弟の養父を『悪人』にしなかったところが、ある意味拍子抜けではありますが(私が不純なんでしょうか?つい悪い方へ見てしまうんですよね。そのほうが好みというわけでもないのに)、みんないい人というところがストーリーに上手く融合していて、かえってよかったです。
綺麗な前向きな受ちゃんですが、一人で頑張ってきて来た彼。
攻は自分で言ってますがかなりの早とちりでお互い色々誤解の中、お話が進んでいきます。
黒崎さんらしいほのぼのな可愛らしいお話でした。女装にエプロンとかなり頑張った?んでしょうか?
遥の女装シーンから始まります。
事の始まりは・・・、遥は高校の時に母親と二人暮らしだったのに、突然事故で亡くしてしまいます。
生活自体はなんとかやってこれていたのですが、どうしても大金が必要になったのです。
そんな遥に同じ寮に住んでいる先輩がいいバイトがあるから紹介してくれると連れて行かれた先が、AVの撮影だったのです。必死の思い出逃げ出す遥を、追いかけてくる男たちなのですが、表に出たところで男の人を見つけて、遥は直感でこの人なら助けてくれる!と思い彼の胸に飛び込みます。
そして助けてもらい彼の仕事先である画廊に連れて行かれます。
なんと彼は知り合いの働く画廊のオーナだったんです。そこで何故大金が必要だったかと本当のことが言えずに、嘘をついてしまいます。
留学詐欺にあったと言った遥に助けた男・吉哉は深く追求もせずにお金がいるという遥にバイトをしないか?と誘います。1年を期限で自分の偽婚約者になって欲しいと言われます。
500万円即金で払ってくれるという吉哉にもちろんOKします。
そして女装をして吉哉の母親が主催するパーティに婚約者として出席します。何故か?母親である美華子には男だということがバレてしまったのですが、そこは全然追求されずにものすごく友好的な扱いを受けます。異母弟の隼人 は全然気づかずに、吉哉の元彼の恭子との二人の関係を聞きます。
もちろん自分は ニセ者だからその話を聞いてちゃんと心に置いておかないと!彼女が帰って来た時に嫌な思いをさせないようにと・・・。心に決めます。
そして何故、遥が大金が必要かというと・・・。遥の父親は大分前に亡くなっているのですが、その時に母のお腹の中には弟が居たんです。それを糧に二人で頑張ってきたのですが、生まれて来た弟は先天的に心臓に疾患があり、どうしても育てていくお金がなく、育ててくれる養父を探したところアメリカに住む折原夫妻が快く育ててくれたのです。そして小さい頃から何度手術を繰り返して元気になりつつあった弟の悠(ゆう)がまた手術をすることになり、その手術代の半分を出したいと思ったところから始まったんです。
今のところ悠は兄の存在は知らないんです。生まれたてで引き取られましたから、周りには実子だと思われていますので、あまりにもそっくりな自分が近づけば養子だとばれてしまいますので、近づくこともありません。
そして当のカップルですが一緒に住んでいます。前向きな遥をかなり気に入っている吉哉です。吉哉は表情が乏しくて大抵の人に怖がられるのですが、遥は最初から胸に飛び込んできてくれたのとその容姿に一目惚れですが、ひとつ勘違いしています。彼は身体を売る人間だと思っていることですね・・・。そしてその500万円のバイト代の中にはその分も含んでいるつもりだったのです。
でも誤解だとわかり、あっさりと?手を引いた吉哉に自分では気づいていないけれど、遥も吉哉に惹かれていっているので、ちゃんとお金の分は働きます!といって身体を差し出します。
といってもこの二人全然お金が絡んでの関係には全然見えないなので悲壮感はまったくないです。
ただ、二人ににお互いの気持ちの認識がないだけではたからみればいちゃいちゃカップルですね。
なので読んでいても可愛らしい二人にこちらは楽しく読めました。
後、元カノ?恭子との関係もちゃんとわかりますし、彼女にストーカーして吉哉に恨みを持っていた男が遥を誘拐したりと色々あり、かなり楽しめた1冊でした。