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wagamama tengoku
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
等身大の関西人の日常を描かせたらピカいちの久我さん。「たまには派手なものを」と気合を入れなおして挑んだのが本作とのことです。
攻めはアイドルグループの一員で、歌や踊りだけでなく俳優としても引っ張りだこの映一。確かに華やかです。一方の受けはマネージャ―の雄大。こまやかな気配りを見込まれて、わがままな稼ぎ頭にあてがうべく大手芸能プロにスカウトされてきた。これまで何人もマネージャーを退職に追い込んできただけあって映一の要求はとどまるところを知らない。「メシ作れ」「肩もめ」「アイロンかけろ」「人と余計な話すんな」ー
受けて立つ雄大は、「これからはこのぐらいできんとおムコに行けん」母の有難い教育方針の下、26歳にして家事万能に育った、男子の皮をかぶったオカン。理不尽な要求にはピシッと教育的指導を入れながらも、基本的には自分で応えられるものはすべて与えてやろうとする。
幼いころから芸能界にいて、売れればちやほや、そうでなければ人として扱わないような業界の二面性とか、行き過ぎたステージママだった母親との関係とかに神経をすり減らしてきた映一。自分に近づく人間には、まずわがままを言って、どのくらい受け入れてくれるかで愛情を量るくせがある。気に入れば気に入るほど、激しいわがままで振り回してしまう。そのからくりに気づいてしまった雄大は、彼のどんなわがままも愛しいとしか感じられなくなってしまい・・・
久我さんの思惑通り、この作品が派手でゴージャスなものになったかというと、残念ながらノーだと思います。なにせ雄大が大阪のオカンなもので。映一も、雄大のそういうところを愛しちゃってるので。セレブのくせに雄大におねだりするのはいつもオムライスとか、グラタンとか、ホットケーキとか、泣けてくるほど庶民なメニュー。それで殺し文句が「オマエの作ったメシ以外食べたくない」ですからねえ。雄大もやられるよなぁ。
きっとこの2人なら、無人島に流されても雄大の巨大な4次元ポケット(オカンバッグ?)から次々必要な物資が出てきて、不自由なく映一のお世話ができるんじゃないかな。
俺様芸能人とかわいいマネージャーのカプで思い出したのが、火崎勇さんの「最後に好きと言ってやる」。こちらは受けが帰国子女で、実は素人じゃなく凄腕のギョーカイ人だったりしたので、かなりテイストが異なります。
こちらの方が断然スタイリッシュ。
セレブな業界を描いてもどこか垢ぬけず、所帯じみてて、地に着いた足がどうにも離れないところが久我さんならではだと思います(褒めてるんですよ)。このところ結構続けて読んでますが、やっぱりせつなくしっとりした路線より、カラッと能天気な方が久我節は冴えてます(褒めてるんですってば)
残念なのはイラスト。読者層に合わせてるのだろうから仕方ないのかもしれないけれど、表紙および口絵の2人の顔を見た時点で、久我作品じゃなければ棚に戻していたと思います。受けが到底26歳社会人にはみえない。
居酒屋でバイトをしているところを、トップアイドル・鷲津映一のマネージャーとしてスカウトされて以来、彼に振り回されっぱなしの雄大。
実は、映一は相当なワガママで、年上の雄大を呼び捨てにし、「あれが食べたいお前が作れ」と言いたい放題。
ところが、彼の才能は素人目に見ても、本物で悔しいけれどカッコよくて、ついつい雄大でさえも見とれてしまうことが多々。
文句を言いつつも、世話を焼いていた雄大だったが、ある日、映一のワガママが『好きな人』だけに限られているものだと知った雄大は……
という話でした。
雄大はなるべく映一のワガママには答えるようにしていたけれど、決して甘やかさず、見放さず、一生懸命マネージャーとして家族のように接していたら、思いの外映一に懐かれてしまい、懐かれすぎて逆に、あれこれワガママを言われる立場になってしまう。
でもそれが好きの裏返しだと気づいた雄大は、才能溢れる雄大の傍にこれ以上いたら迷惑がかかると思い、距離を置こうとする。
けれど、それに失敗して、結局はハッピーエンド。
料理のできない映一が、何か雄大に食べさせようとして「ゆでたまごつくり器」で、ゆでたまごを作る描写があるんですが、それがまたかわいい。
普段、意地っ張りな年下が何とかして優しくしょうとする姿って癒されますよね!
おおっ久我先生がアイドル!? 変化球で攻めてきたか?
と思いきや、やはりいつもの久我作品でした(笑)
このお話の萌えツボはズバリ、卵茹で機です。
これが良い場面で出てくるのです。癒しの小道具ですね。
攻めの映一は、かまって欲しい病の大きな子供。どれだけ我が侭を許してくれるかで、相手の愛情をはかる困った奴。
対する受けの雄大は、文句を言いながらも我が侭を受け入れてしまう、まさにオカンです。
こんな可愛いげの無い子供嫌だ~と思っていたら、たまにデレが来ます。これってツンデレ攻め?そこの所はいまいちハッキリしなかった。
後半は、ツンが激減して少し大人になった映一との甘々なお話が読めます。
「ワガママ~」と「海より深い愛はどっちだ」を2冊続けて読み、より関西人っぽい方にレビューしました。だって「海より~」の類のような綺麗系攻めなんて大阪には生息しない。(偏見です)
久我作品といえば関西弁ですが、関西圏以外の方が読んでも違和感ないものなんでしょうか。
私は生粋の大阪人ですので、その習性も判りますが…。
例えば作中に出てくる、本人ツッコミのつもりが、いちいち文句を言われているように感じる―とか。
攻めが受けに身の上話をして欲しいと言っても、話すような面白いネタ無いと言われたり。
日常会話のノリ・ツッコミ、話の基本は起承転結+落ち、ダラダラ続く落ちの無い話を聞くのは3分が限界、身内の恥は美味しいネタ。
関西弁も方言ですよね、自分自身が他府県の方言が使われた文章を読む時、その言葉の持つニュアンスの違いに戸惑う事があるので、話の正確な意図が伝わらないと勿体無いな、と思いまして。
関係ない話をしてスイマセン、いつも疑問に思っていたんでついつい書いちゃいました。
同じ一組のCPで、中編2編と短編1編が収録されています。
「わがまま天国」
わがままを言い放題の人気アイドル・映一の無茶振りを、関西弁でツッコミながらもグッと耐えている現場マネージャーの雄大。
冒頭の映一のわがままは本当に酷くて、読んでて「何コイツ⁈」感ハンパない。
ただ、映一の周囲が「あいつは気に入った人ほどわがままを言う」から見捨てないでね、みたいに言ってくるので、雄大は段々見方が変わっていってわがままも何やら可愛く見えてくる。
そんなある日、映一が『おまえ、いい加減分かれよ』とキスしてきて…
映一のゲイ描写は全く無かったので、読者的にはかなり唐突。
その後、雄大がマネージャーを辞めようとしたりの一悶着の後収まるところに収まるのですが、映一の雄大に対する独占欲とオレ様ぶりは変わらず凄いです。
雄大には素直じゃない所が可愛く思えるらしいけど。恋のなせる技ですねー。
「ラブラブ天国」
恋人同士になって半年後。
映一のオレ様は相変わらずだけど、本当は雄大無しでは夜も日も明けぬ、なのです。
そんな映一がなぜか最近優しくなってきた…何か俺に隠してる?
ということで、映一のちょっと可哀想な過去話が明かされ、より一層2人の絆が深まるというお話。
エロもなかなか濃厚です。
本編の終わりの方で映一が『俺、女に興味ねぇ』と言っていました。元々ゲイだったようです。
「天国の日常」
映一と雄大の4年目の大晦日。
映一が雄大をいかに好きか、信頼しているか、感謝しているか、が映一視点で描かれます。
でも言葉で言えない映一はぶっきらぼうに指輪をプレゼント。
それは左手の薬指用ですよ、もちろん。めでたしめでたし。
何事にもブレない常識人が、ひょんな事からアイドルの現場マネージャーになって、うっかり胃袋を鷲づかみにして落としてしまうお話。
これも年下攻め。
映一の理不尽な我が儘放題にちゃんと言い返しながらも尽くしてしまう雄大は、年下だけど才能あふれる映一の仕事ぶりを認めているから。
だが、映一の我が儘は、どこまで自分をゆるしてくれるのか、甘えたい気持ちの裏返しなのであった。
この作品、とにかく雄大の真っ当さが好ましい。
地味めで目立たなくてもかわいくて、芯の強い子、で尚かつ、料理上手、家事上手。
オマケにエチの時は快感に素直でエロエロ。
もう、最高の恋人!
これが女だったら、逆に嘘くさすぎて、ケッてなもんだけど、関西弁の男性だと素直にアリだって納得してしまうのがBL脳の為せる技なのか?
いや、そこはやっぱり、久我さんの筆力でしょう。
ただ、挿絵の雄大がちょっとベビーフェイス過ぎなのが、ちょっと残念。