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keishicho jyusankai no wana
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
「警視庁十三階にて」の続編。
すでに、上司の警視正・瑞木と新たに公安に配属された綾瀬は恋人という関係になっている。
さて本作の事件は、公安の職員名簿という究極のマル秘資料がネットに流出、そんな事ができるのは正に公安内部の裏切り者の犯行だ…
…という冒頭。
はっきり言って前作の小さいスパイ事件よりもぐっと面白くなった!
疑われたのは瑞木班の重要メンバー・笹倉。
当然瑞木は怒り狂い。
そんな風に瑞木に認められている笹倉に激しく嫉妬してしまう綾瀬!
笹倉に嫉妬するほどすっかり瑞木にメロメロになっている綾瀬の可愛らしさが何とも面白い。
本作は一般社会における犯罪行為が行われているわけではなく、非常に高次な防諜レベルでの情報犯罪戦のストーリーな訳で、リアルに考えれば一般社会生活には何も関係ない次元なのです。
その中での情報戦争的な、正に「インテリジェンス」な攻防があって、スパイを追い詰めていく公安、漏洩を突き止める頭脳戦、キレ者ばかりの登場人物の心象風景が語られ、なかなかにスリリング。
相変わらず何でそんなに綾瀬に執着してるのかよくわかんない瑞木と、カラダから屈服させられて今や自ら瑞木にメロメロの綾瀬はがっつりラブラブ。
ロシアやスパイよりも組織内の軋轢、男の嫉妬感情に絞った本作は前作よりも面白かったと思う。限りなく萌x2寄りの「萌」で。
前作「警視庁十三階にて」は瑞木警視正の強引ぶりに愛を感じないわーなんて、ちょっと渋い評価をしてしまったのですが、外事課の仕事としてはリアルを感じて好きな分類ではあったのです。
前作で”愛”なんて甘っちょろいものにこだわってしまったからいけなかったんですね。
今回2作目を読んで、この作品の、そして主人公の魅力にはまりました!!
「抱きたいから抱く。壊したいと思うから抱く」瑞木警視正のその態度は変わりません。
でもそれは綾瀬限定なんです。
憎いからとかそういうものじゃなくて、以前はサイボーグみたいな感情を表わさない綾瀬の顔を崩したい乱れさせてみたいという、それは欲情とも呼ぶものですけど、それだけじゃなくて綾瀬が瑞木内に秘めた熱の鎮静剤の役割をしているような感じもします。
綾瀬も、「抱かれたいから抱かれる。壊されたいから抱かれる」瑞木に巻き込まれた部分もあるものの、それは決して嫌じゃなくてその快感を認めている。
はっきりとした形で愛が見えないと嫌!という方には、この二人の関係はもやもやするものかもしれませんが、体も心も、存在そのものが瑞木の一部になっていく、たくましい片腕になっていったそんなお話だったと思います。
今回の事件は警察内部でも重要な秘匿事項である外事3課の情報がネット流出したことが発端です。
それが、4課の頭脳・笹倉を人身御供にするような処分になったり、しまいには4課が追っている狸穴のスパイに関する解決事項へ繋がったという面白い展開を見せてくれました。
淡々と、派手な動きもなく進行していく様は前編同様にハラハラするものと緊張感を与えて、臨床感があります。
前作より綾瀬が進歩したな、と思う点は、瑞木が笹倉の処分とあらぬ疑いを掛けられた時に、笹倉の為に本気になって怒り、そして体を張って抗議した姿に、笹倉への嫉妬を感じてしまうと言う部分でしょう。
それは多分に恋人としてというのではなく、自分も笹倉と同じように仕事の面において信頼され重用される部下でありたいと願う理想の部下の姿でもあるのかもしれません。
また、今回も瑞木の兄”辻斬りの陸”が何気に登場して瑞木ラブなブラコンを見せています。
彼の登場はなんだか意味深で、ついつい深読みしたくなっちゃうんですよねv彼の事務次官との関係は一体どうなんだ!?(つい、ホモにしたくなっちゃうw)
この作品、とてもとても魅力的なのでまだシリーズ化して見せてほしいなとか思います。
淡々とした展開が宮本さんのイラストにまた合っているんだ!