理性なんて、最初からなかった

天才外科医の憂鬱

tensai gekai no yuuutsu

天才外科医の憂鬱
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神1
  • 萌×24
  • 萌6
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
4
得点
39
評価数
11
平均
3.5 / 5
神率
9.1%
著者
春原いずみ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
乃一ミクロ 
媒体
小説
出版社
フロンティアワークス
レーベル
ダリア文庫
発売日
価格
¥571(税抜)  
ISBN
9784861345524

あらすじ

オペ室に現れたのは、人形のように美しい夜叉だった??。働き盛りの外科医・矢代は大学病院から追い出され療養型の病院に移ってきた。落ち込む矢代だったが、そこで外科医長として紹介されたのは、憧れ続けてきた美貌の天才外科医・香野だった。優しげな雰囲気の香野に惹かれていく矢代。しかし、手術室で目にしたのは、無表情でメスを持ち、誰も必要とせずオペをする香野の姿で??!?
(出版社より)

表題作天才外科医の憂鬱

矢代美樹,29歳,大学病院から引き抜かれた腹部外科医
香野智尋,攻様の上司で療養型病院の外科医長

レビュー投稿数4

弾かれた天才達がが集う王国

この作家さんが描く医者者がかなり好きなんですが、今回も良かったです。
個人的な感想なのであてにならないですが(笑)

出身大学と違う働きにくい医局に遭えて進んだ攻め様である矢代は大学病院での
派遣医師を続けていて、半年ぶりに医局に戻ってみたら、自分の席は既になく
戻ったその日に新たに医局を出される事に決まっていて、出向いた先は
長期療養型の病院で外科医の自分では役にたたないのではと思ってしまうが
そこは、新設された病院で、全てが綺麗、挙句にはこの手の病院には不釣り合いな
程の最新鋭の器機が全てそろっていることに度肝を抜かれる矢代

そこの医局で上司として紹介されたのは、矢代にとっては驚愕の人物
矢代の医者としての運命を変えてしまった人物に出会えた瞬間だったのです。
夜叉姫と呼ばれる美貌の天才外科医の受け様である香野は攻め様が偶然見た
神業的な公開オペを行った人で、心臓外科医の兄の後ろを追いかけていた
攻め様の進路を当人は知らずに変えさせた人だったんですよね。

男前でモデル並みにスタイル抜群の攻め様ですが、中身はチワワワンコちゃん並に
控えめで、言いたい事も言えないようなタイプ
受け様は、普段は天使みたいな微笑に優しい雰囲気を持った人で、でもオペ室に
入ると性格が一変して夜叉姫と言われるような鬼神的で、他者を寄せ付けない
何から何まで一人でこなしてしまうような天才外科医なんです。

前半は受け様の助手的な立場で前立になるのですが、ホントに立ってるだけで
何もさせてもらえない、する事は受け様の神業を見てるだけなんです。
憧れの受け様とやっと同じ場所にいる事が出来るようになった攻め様ですが
受け様の為に何も出来ない自分にヘタレ感全開でした、その姿はワンコです。
でも、受け様はわざとじゃないんですよ~無自覚なんです。
それは受け様が過去に負った対人関係でのトラウマみたいな感じです。

そして気まぐれなネコちゃんみたいな受け様とワンコ攻め様は以外にも
共通点がありました、それは子供の頃は虚弱で病院から離れられられなかった事。
受け様が攻め様を初めて医者として認識する様子は天才は天才を知るみたいな
設定で、そこからワンコ攻め様の頑張りはホント頑張ってる感じです。
思いが通じ合ってこれから甘々なラブがなんて思っていたら、お邪魔虫が登場
小動物みたいな看護師が大トラだった設定もあり最後まで楽しめました。
受け様の身体の事で切ない感じもあるのですが、続編でも出たら攻め様の
兄上が助けてくれるかも知れないなぁ~なんて想像が尽きないストーリーでした。

2

やっぱりお仕事ガッツリは素敵だ!

作家さんが医療系のお仕事をしていらしたせいか、かなり専門的に踏み込んで専門用語もいっぱい出てくるんですが、それが不思議と難しくない。
お話の上で”天才外科医”という言葉と設定は病院を舞台にした作品にはそれこそあまたありますが、このお話はその天才と言われる理由が実に解りやすく言葉だけでない、
そして、天才といえば優遇されていたり多少性格に難があったりは付きものだったりするけれど、それを大学病院の学閥の問題にも絡めて優遇されない天才達という設定にしたのが、何とも現実味があって、かえって身近に感じるのです!

そんな医療系のお仕事がっつり展開の中、まるで猫のような少し多重人格傾向のある”夜叉姫”と呼ばれる受けである外科医の香野は年上で、
対する主人公・矢代は、この外科医にあこがれて傍にいたいと願っていた大きな体に似合わずワンコちゃんな攻め。
そして、いい働きをする情報通でひょうひょうとした感じの麻酔医・久能に、久能に狐か狸といわしめた副院長の連城。
後々トラブルの火種となる香野信者(もしくはストーカー)の梅原。
それらのキャラクターもとても魅力的で、主人公達の恋愛と仕事にうまく絡んで読ませます♪

年上の兄を尊敬して彼のようになりたいと兄の出た大学で兄と同じ科を目指していた主人公が6年の時に見た衛星中継のオペ。
その執刀をする医師の技術と容姿に心奪われ、医局はその医師の所属する大学病院に入り、その医師の専門である腹部外科へ転向した主人公。
しかし学閥が違うため、せっかく入ってもぞんざいな扱いをされ派遣から戻ると、自分の席は無く、いきなり放逐となり、健生会メディカルセンターへの就職の辞令をもらうことに。
しかし、行った先のメディカルセンターで、主人公は憧れだった外科医の香野がおり、彼と一緒に仕事をできることとなったのでした。
過去に見た術中の姿からは想像できない柔らかさを持った香野ですが、オペが入ると事前の機材準備も全て一人で行い、人が変わったように鋭い手さばきで看護師や自分さえも補助の手を出すことなく手術は終了してしまう。
そんな彼の豹変から院内では香野を”夜叉姫”と呼んでいると言う。
そんな時、香野に心酔する梅野というオペ専の看護師がやってきて、誰も手だしができなかったオペ中に見事なサポートをみせるのですが、それによって主人公は、自分にできることはないのか、傍に居させてほしいと願うのでした。
しかし、香野が熱を出した日に入ったオペで矢代が抱合を行ったその技術が素晴らしく、それによって、矢城が前の大学病院で”リークゼロ”と呼ばれていたことが証明され、矢代は香野に一歩踏み出すことができるのです。

この香野が、とってもユニークなキャラクターでした。
オペになると人が変わるのも、過去のトラウマのせいだという事を自分で理解している。
彼が優秀であるのに、疎外されているのはそのスピードに周りが付いていけなくて自分がやったほうが早いみたいな、ある意味協調性がないという部分なんだけど、それは彼が仕事に対して肩を安心して預けられるパートナーがいないって言うことだったんですよね。
だから矢代の見事な抱合を見て、彼となら一緒にやっていけると安心できる部分もあったのか、と、仕事を通して彼を認めるというのは、お仕事がっつりモノにおいては重要なポイントだと思うのです。

それがまた、矢代が偏屈でも傲慢でもなく、若干ヘタレが入ったとても優しいワンコなんで、その部分も公私ともに香野にとっては必要で離れがたい人物であると。

最初なんか香野から誘ってますww
どっちかというと香野がリード気味で♪
矢代といる時は膝枕なんかしてもらって、まるでペルシャ猫とかシャムみたいな雰囲気をかもして、上手く甘えて、
でもそっけない面を見せるとか言うのではなくて、大人な事情もちゃんとわかっている人ですから冷静な部分も持ち合わせていて、
そしてオペになると鋭さを見せる。
色んな表情が見られる魅力的な医者でした。

お話の佳境は、矢代がまた元の病院に戻る要請が来た!?一体どうして?という部分になります。
これが実は、、梅原が関係することだったのですが、
まさかよもや!梅原と久能が・・・?ひょっとして彼等で続編ありですか?
な意外性をもった人間関係、そして現実の医療問題も考えてこんな学閥にとらわれない理想の医療が広がったらいいのに、という割と現実も踏まえた理想の円団をもって治めている点に、恋愛だけでない社会の部分が込められている点に、満足度が増すのでした。

連城先生と、香野の件もちょろっと触れられていて、この当たりも親切でしたよ♪

やっぱりお仕事がっつりはとても魅力的なのです!

2

わんこ×にゃんこ

かなりお仕事方面(オペ室内)を詳しく書かれたお話です。
聞きなれない言葉もちゃんと括弧付きで説明もされてるので、意味不明なままお話が分からなくなる…なんて事はありません。

このお話は、なんと言っても「攻めわんこ」のキャラがとてもいいと思うんです。
まさにワンコ。
物語中でも「でっかいわんこみたい」「犬のほうがわかりにくい」なんて言われていますw
対するにゃんこ。途中まで性格付けがイマイチ掴めず、???となるかもしれません。
トラウマ持ち故の軽い障害をお持ちです。

だけど、この障害がですね…個人的にはちょっとどうかな…と…
所謂、BL的にはありがちな(かな?)なトラウマなんですが、
加害者も被害者もお医者様で、次の日は執刀があって、その手術室で、ってのはちょっとなぁ…という感じでして…
患者さんを蔑ろにしてる感じがするなぁとか、加害者は医者のくせに!とか思いだすと
ちょっと冷静ではいられません。
でもまぁ場所は絶対だったからこれしかなかったんでしょうか…

でもこの部分以外はとても読みやすくて、少しオペ室の中を覗き見れたような気分になるお話でした。
あ、トラブルメーカー君は小物すぎていまいち存在感が無いかも??

1

こちらよりも…。

書店で見かけてフェア帯に釣られて購入。
そのフェア帯の文句に釣られたのですが、どうやらその文句はこのCPのことではなかったようで…。
しっかりあらすじとか読んでおけば良かったのかもしれませんが、思ったものとは違うものを手にすることになりました。

が、だから面白くなかった。
とかそういうわけではなく。
外科医のお話ということで医療系専門用語みたいなのがたくさん出てきて説明もついてたりするんだけど若干わかりづらいかなと思う部分がなかったわけではないんですが。
それでも、なんだか読み進めていくと面白くなっていきました。
最初は「夜叉姫」と呼ばれる香野の感じがなんだか謎すぎてちょっと「?」ってなっちゃいそうになったんですけど。
それでも、そんな香野に対しては退くことなくそれまでの積み重ねてきた思いを育てていくような矢代がわんこのように慕っているのが見てとれて。
そして、次第に香野との距離も縮まって。
これまで香野が抱えてきたものが今までの香野を形成しているっていうのもわかって。
そういう過去のトラウマとかごと大事にしてもらえる人が見つかってよかったなと。
もう、わりと早い段階でくっついてるような印象だったので、その後は久能がバカップルというような感じもよくわかります。
同じ医局であんなにデレられたらちょっと…ね?(苦笑)
そして、そんな久能が一番気になる人物かもしれない。
ラストの匂わせるようなあれはきっと彼のことなんだろうけども。
こちらよりもそちらのCPの方が気になるかなー。

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