恋愛の系譜

本当の願いとは

今回はヤクザの組長の私生児であるＩＴ企業社長と
攻様の父の関連企業の社長秘書のお話です。

攻様視点で二人の出会いからまとまるまで本編と
受様視点で回想を交えた後日談を収録。

攻様は大学在学中に友人に誘われ
デジタルゲームの販売会社を起業します。

時流に載って次々とサイトを立ちあげた結果
十年たった今、攻様の会社は
大きなとは言えなくても業界内では
ソレなりに名の通った会社となります。

社長業にも箔が付いた攻様ですが
仕事が軌道に載って金回りが良くなった結果
金絡みの間関係に嫌気がさした攻様は
恋愛からも遠のく生活を送っていました。

そんな時に攻様を訪ねて
攻様の父の経営する金融会社で
社長秘書をしている男がやってきます。

男なのに美人と言わしめる美貌を持つ
この社長秘書こそ今回の受様になります♪

受様は
攻様の父親が脳溢血で倒れたので
攻様を迎えに来たというのです。

ホステスをしていた攻様の母は
店のなじみ客だった男と懇ろになり
攻様を身ごもりますが
ヤクザの組長だった父は
金だけで母を捨て会う事をも拒みます。

その為攻様にとって父とは単なる精子で
興味も関心も無い赤の他人で
会う気も無いと断りますが、

攻様の父を恩人だという受様は
攻様を連れていくのだと引きません。

正攻法での説得が通用しないと知ると
ヤクザ絡みの金融機関である自社を使って
嫌がらせを仕掛けてきたのです!!

ココまでする受様に興味がわいた攻様は
父の真意と受様の過去を知る為に
受様に知られない様に父の病室を訪ねます。

血縁関係も無い父と受様の関係とは?
そして2人の真意はどこに?!

ヤクザの父を持ちながらも
自身の道を自分の力で歩み事が出来た攻様と
攻様の父と関わった事で
人生が歪んでしまった受様の恋物語になります。

受様の前では
父と会った事も無いと語った攻様ですが
実際は祖母の死をきっかけに
知人程度の付合いをしていた為に

攻様は後継ぎとして
望まれていない事を知っていました。

それでも後継ぎにという受様と
ソレを受様に依頼した父の真意がどこにあるのか?

攻様は
受様と父親が真に臨んでいた結果を
導く為の引導役を担っていたのですが

攻様が受様を手に入れるまで
2人の駆け引きはもちろん、
父親の思惑も絡まった展開は
とっても面白かったです♪

続編は受様視点なので
本編の攻様視点と逆バージョンで
2人のその後が描かれています。

火崎作品はほぼ一人称なので
逆バージョンが入っていると
本編の裏事情も散見していて楽しさ2倍♪

最近の火崎勇作品は
ヤクザ絡みのお話が多いのですが
レーベルが違うので関連作にならないのが
すっごく残念なのですよね!!

それでもまた次作に期待するのは
もうフリークだからかな(笑)

今回はヤクザを背負ったままの攻様のお話、
火崎さんの『さよなら優しい男』をお薦めします。