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作家さんの新作発表
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まず、あらすじに
「生粋のゲイだという斎藤狙いの男たちが、そのレンタルオフィスの中に沢山いて…。
」
とありますが、全然沢山いません……
一人バイだと公言する人が狙っているくらいでしょうか。あとはさらっと女性。
さて、この物語は冒頭ですんなり二人がくっつくところから始まります。
斉藤(攻)はかなり蟻田(受)に尽くしていますねぇ。
蟻田を独立させるために出資したり、レンタルオフィスへの移動をすすめたり。
レンタルオフィスへの移動は下心も多分にあるのですが…
しかも、1年もお付き合いをしていて先っぽしか挿れていないという……!
とある理由があって、かなり理性を働かせているようです。
「きっと最後の恋人」で我慢している様子が分かりますw
蟻田は細っこい見た目に反し、「男であること」にかなりこだわりを持っています。
なるべく斉藤によりかからないように、と頑張っているのです。
あまりに頑なで、「あなたたち恋人同士なのに…」と思わないでもないのですが、
でも基本的にはノンケの男性なので、この考え方はとても共感でき、斉藤ならずも応援したくなります。
とにかく問題は斉藤。
神谷という男性との間を疑う蟻田に小さな嘘をつきます。
誤魔化せると踏んでいたようなのですが、これがやがてとても大きな誤解に発展します。
この物語は、この斉藤の言動の捕らえ方によって感想が変わってくるかな、と思います。
この小さな嘘を、
「過去を知られたくないがために嘘をついちゃって、可愛いやつめ」
と思うか、
「つかなくていい嘘をついて弁解の余地もあったのに嘘を突き通して、臆病なやつめ」
と思うかで変わってくるのかなぁ、と。
実は私は後者でして……
「萌」としたのは、蟻田の男気と努力を買っての事ですね。
最終的には蟻田も斉藤によりかかる覚悟が出来たようで、丸く収まりましたー。
今回はオフィスビルをいくつも持つ会社経営者と
設計から設置までする照明デザイナーのお話です。
受様視点で初めてのお付合い(笑)に関する紆余曲折と
攻様視点で本編の裏事情を収録。
受様は
ある設計事務所で照明担当をしている時に
クライアントとして攻様と出会います。
攻様はオフィスビルをいくつも持つ経営者で
別のクライアントのリフォームを見て
受様に仕事を気に入って自宅の
照明リフォームを依頼してきたのですが
見積もり段階から趣味も合って予算も潤沢で
受様にとってこの仕事はとても楽しいものでしたが
リフォーム終了時に攻様は
受様の仕事の腕を買っているからと
独立資金の提供を申し出た上、
個人的なお付き合いも申し込まれてしまうのです♪
攻様はカッコよくてお金持ちで
人の話もよくきいて仕事に妥協も許さない人で
受様も付合いが続けば良いなと思っていた為
とりあえずはお友達からと
当初は戸惑いが多かった受様ですが
一年後には行くとこまで行った
甘々な恋人関係になります(笑)
しかし
受様の中で攻様が出資者である事が
引っ掛かりになっていて
受様は攻様に対して微妙なジレンマを
抱えていました。
なかなか同居に頷かない恋人に対して
攻様はせめて仕事場を近づけようと
自身が新しく手掛けた
廃校をリノベーションした賃貸事務所への
移転検討を促します。
住環境としても申し分なく
攻様の近くにいられる事もプラスとなって
受様は事務所を移しますが
何気ない日常で
攻様がとっても持てる事を体感して
ヤキモキする事になってしまいます(笑)
その上、受様の隣のスペースに
入居したインテリアデザイナーの
美人な男性アシスタントと攻様の間には
何やら訳有りな雰囲気が!!
こみあげる不安と戦う受様ですが
思い切って問いただした関係を否定され
ますます疑惑が募ってしまいます(苦笑)
攻様と彼は本当に無関係なの?!
至ってノーマルな受様が
誰から見ても極上な攻様に惚れられて
始まった恋物語の顛末になります♪
だいたいの恋物語って
2人がまとまるまでが主流ですが、
本作は口説かれた受様が
徐々に攻様にのめり込んできたところで
攻様の浮気疑惑でヤキモキする
すれ違いを楽しむお話になります。
受様に惚れて口説いて攻様ですが
恋人は構い倒したい質なのに
過去の恋愛での失敗から
受様にはほどほどを心がけていました。
しかしそんな攻様の努力は
当たり前ですが受様には見えずな上
偶然攻様と再会した元カレが
受様と今カレに内緒で色々と動いた結果
嫉妬と疑惑が入り乱れてしまいます。
受様の誤解解けて大団円を迎える最後まで
受様と一緒にドキドキ満載で
とっても楽しく読めました♪
攻様視点の続編は
受様視点では判らなかった
本編での攻様の葛藤をメインにした
回想&後日談になります。
恋愛慣れした攻様なので
最初から独占欲を見せた方が
上手く行ったのでは?!と思わなくはないですが
何もかもパーフェクトでは
そもそもすれ違わないでしょうしね(笑)
余談ですが
本作の攻様は他作の攻様と親戚でして
同人誌でコラボなんかもしております。
後書きのアブナイ温泉旅行も企画も
とっても気になっていますけど
商業誌ではムリそうですよね?!
うーん、残念!!
今回は本作同様、
口説かれた攻様に翻弄される受様で
火崎さんの既刊『強引な嘘と真実と』を
ご紹介作とします。
先月から今月にかけての火崎作品の作品発売本数、すごいですね!
割りとコンスタントに出てもいるし、どんだけ引き出しがあるのかと、すごい作家さんだな~と改めて思います。
これだけ出ると、いやがおうでも火崎さんの小説の展開特徴が見えてしまって、そのパターン化にちょっと飽きがくるところですが、それでも読ませてしまう力量にまたまたすごい、と思うのです。
このお話もまた、ラストまで攻め様の気持ちがわからずに、一体どこに真意があるのか?受けちゃんの描写から推し量る展開になっております。
ノンケだけど、惹かれて友人から少しずつ丁寧にステップアップしていった恋人同士の会社社長・斉藤と、フリーの照明デザイナーの蟻田。
この蟻田の、一人の大人としての態度はすごく納得がいくものです。
金も地位もある斉藤だけど、頼り切ってしまいたくない。
自分できちんとやっていきたい。
そんな態度は仕事だけでなく、エチの朱鷺でさえ現れてしまって、全てを斉藤へゆだねることができない。
そんな彼が、仕事をとるか恋人をとるかで悩むのではなく、モテる斉藤を心配し、少し嫉妬もしながらも懸命に斉藤と対等になれるように仕事を頑張るという姿勢に好感が持てるのですよ。
ちょっと不器用で、もっと素直に我儘になってもいいとは思うのですが、「男の矜持」を保つ姿というのは嫌いじゃありません。
逆に、斉藤が不親切かな?と思うのです。
最初は、蟻田の気持ちを汲んで見守ってやっている、もっと色々してあげたいと思っているけれど、無理に押し付けないからイイ人だなと思うんですが、余りに蟻田が仕事を優先しちゃうのに、全然しびれを切らした風も見せないので、この人、本当に本気なのか、蟻田でなくても疑いたくなっちゃう。
蟻田の隣に入居したインテリアデザイン事務所の手伝いの神谷という、健気なかわいらしい男性が実は曲者だったりするのですが、
それについて蟻田に弁明する時も、斉藤はちょっとウソをついたりして、この人以外に臆病?と思わせる部分も見えたり。
そんな攻めの性格が一体どんな人なのか、想像するのが楽しかったですv
本編終わってみて、斉藤というのは本当は好きな人には何でもしてあげたい、尽くしたいタイプで、しかも欲張り。
でもそれで失敗をしているから、ノンケの蟻田と恋人になった時は過去の轍を踏まないように、気を付けて気を付けて、あまり気を付け過ぎて蟻田をグルグルさせちゃった。
でも、本音を暴露したとたん、本当はどくせんよくが強い部分を丸出しにして獣に変身するという、良くも悪くも大人の男という部分が魅力だったかな?と思います。
書き下ろしで、バカップルに成り下がって(?)いたのに、思わず吹いてしまいました!
蟻田のキャラクター好きだな、、、この人面白いかもwって思ってしまったですよ。