もしもおまえが逃げるなら――全て奪ってやる

さよなら優しい男

sayonara yasashii otoko

さよなら優しい男
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神3
  • 萌×27
  • 萌13
  • 中立3
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
5
得点
85
評価数
26
平均
3.4 / 5
神率
11.5%
著者
火崎勇 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
木下けい子 
媒体
小説
出版社
ムービック
レーベル
LUNA NOVELS
発売日
価格
¥857(税抜)  
ISBN
9784896017885

あらすじ

ヤクザの海江田は、おとなしいけれど凛とした篠原に一目惚れして以来、彼を大切にしていた。そんな時、二人がある事件の敵同士だと発覚する。未練もみせず、もう逢わないという篠原を、海江田は陵辱してしまい――!?
(出版社より)

表題作さよなら優しい男

元ヤクザの不動産会社社長,三十代
運命の出会いをした弁護士,26歳

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数5

欲しいものは自分で奪いにいけ

いい意味で期待を裏切られた作品でした。

簡単に内容紹介すると、下記のようなお話です。
◇とあるホテルで偶然出会った二人。
なぜか出会った瞬間、篠原(受け)は海江田(攻め)を見て泣いてしまう。一方、海江田はそんな篠原に一目で惹き付けられ、二人はお互いの外での顔を知らないまま、いわゆる茶飲み友達として仲良くなっていく。
しかし、ある売買物件のトラブルにあたり、悪徳不動産会社の社長(元ヤクザ上がり)と弁護士という敵対関係に立ち、お互いの本当の顔を知ってしまう。

◆まず、二人の会話が面白い*
特に海江田の話が非常にウィットに富んでいて、時たま理屈っぽい。
元ヤクザさんなのに、弁護士の篠原より弁護士っぽい気が。
もし海江田が(真っ当に)弁護士なら勝率高そうです。

◆普通と視点が180度変わるのが面白い*
中盤、海江田はトラブル案件を盾に篠原に無理矢理関係を結ぶので、そこは完全に海江田=悪者なんですが、何せこのお話、全て攻め視点で綴られているので、段々海江田を憎めなくなるんです。
「(強引かつ一方的だけど)約束は守るんだよね」とか「篠原もハッキリしない」とか海江田目線に立ってしまえば、もう負け。

海江田が、追い出そうと画策するホテルの店子さん達に、「てめぇの欲しいものはてめぇで掴む努力をしろ」と恫喝する場面では、苦笑いしながらも思わず頷いてしまいました。
普通、こういうお話って、正義の弁護士側に気持ちが依るんだけどなぁ・・
でも、いい意味で期待を裏切られたし、違う視点に立てたという意味ではとっても面白い作品でした。
一応、トラブル案件は無事?お互いにいい形で解決するので、そこはちゃんと安心できますよ。

反対に弁護士の篠原があまり活躍しないので、海江田に魅力を殆ど持っていかれているのが残念ですが、攻め視点のお話なので、こういうのも良いかと。
最後、作者さんのあとがきを見てから、タイトルを再度見ると面白いです。

2

タイトルに惹かれて・・

執着攻めとタイトルに惹かれて購入しました。
本を読み終わった後、「タイトルの意味はこういうことだったのか!」と思ったら、
作者様のあとがきで「更にそっちだったのか!?」と改めて知り、木下先生の綺麗なイラストとタイトルをまじまじと眺めてしまいました。いい意味で振り回して頂きました(笑)

海江田(攻め)は、元やくざで不動産業をしているのですが、社員の結婚式の会場ホテルで篠原(受け)と出会います。篠原(受け)は、海江田を見た瞬間に突然涙をボロっとこぼします。
海江田も言っていましたが、その瞬間がとても印象的でまるで映画の一部の様に、その世界を切り取ったかのように、二人だけの空間が生まれ・・・海江田の一目惚れから始まります。

そして、だた好みの顔とかではなく、自分の素性を知らないとはいえ、周囲に一目置かれている自分に臆することなく話しかけてくれる態度。物欲の無い、今まで自分の周りにいなかったタイプの存在に惹かれていきます。元ヤクザさんなので、普段は欲しい物は奪うぜ!気質ですが、彼に嫌われないように必死に時間を掛けて距離を縮めていこうと、わりと必死な健気な攻め。

しかし、不動産業のホテル買取の件で、篠原(受け)と対立することになります。そこから彼の素性。何故、ホテルで初めて出会った時に涙を流したのか・・・全てのことが明らかになっていきます。
それでも、攻めは受けの事が諦められない。身体だけと襲いますが、心が欲しい・・・と思う姿は切ないです。

攻めの海江田視点だけで話が進むので、篠原(受け)の各所に出て来る重要そうな発言は、本当は何を思っての発言なのか、攻めと一緒に悩んでしまいました。

受け本当の気持ちが分からないので、ハラハラしながら読んでいきましたが、彼の本音を聞いた時に、そうだったのか。と彼は過去の出来事で、前に進む事が出来ないのだなぁ・・・と誤解が解けていきます。何と言うか強引さを含めた海江田(攻め)だからこそ、篠原(受け)は、上手くいったのだろうなぁ。と思いました。

個人的には、攻め視点と受け視点を混ぜて書いて頂きたかったで・・す。途中で、受けに「何を一体考えてるんですか?本当に。」って問い詰めたくなるので(笑)受けの気持ちが分かった後に、もう一度最初から読み直すと新鮮かもしれません。

一方的に与える優しさは、相手の気持ちを考えてる様で考えていないのかもしれないなぁと今回のお話で思いました。何となく理解出来ているつもりが、全然出来ていないくて、人の気持ちは、複雑で難しいものだなぁと考えさせられました。

過去に悲しい思いをした篠原は、ちゃんと自分を必要だ!と言ってくれる思いの優しさと愛でいっぱいになって欲しいですね。二人にとっては、これからやっと始まるという感じなので幸せになって欲しいです。

5

タイトルが素敵

タイトルに惹かれて購入しました。
受がイマイチ好きなタイプではないかな~と
強く、男前受なんですが、奪われることを求めている感じがしました。
奪われたい受というのが、苦手かな?と
ちょこっと思ったりしましたが、楽しく読めました。

ヤクザの海江田は、偶然会った篠原に一目惚れをしてしまう。
ヤクザということもあり、荒っぽい男であるはずなのに、
篠原には終始優しくしてやりたいという想いがあり、
強引にすることなく、篠原の気持ちを尊重します。
ところが、ある日、仕事での敵であることを知ります。
それを知った篠原が、海江田との関係を絶とうとするのを知り、
激してしまい、手荒く抱いてしまいます。

海江田視点で進んでいくのですが、
篠原を大切にしようとしている様子とジレンマと悩みが
何ともかわいらしく感じられました。

1

求められていたモノは

今回は実態はヤクザだが表向きは不動産会社社長と
攻様が一目惚れしたおとなしそうな弁護士のお話です。

偶然に知り合った二人が有る物件を巡って
対立しながらもまとまるまで。

攻様は今から五年前に
今後の事を考えてヤクザを解散し
不動産会社を立ち上げます。

とは言っても
会社の組織も構成員も変わらずで
やっている事も
昔でいう地上げ屋もどきだったのです。

そんな攻様が新たに手を付けたのが
新会社にしてから雇った営業マンが見つけてきた
駅近ながらも老朽化したビジネスホテルで

所有者の最後の砦だったらしく
抵当権もなく売り急いでいるという物件。

何かが引っ掛かりながらも許可した攻様ですが
この一件が受様との関係を大きく変えるとは
思ってもいませんでした。

そもそも攻様が受様に出会ったのは
部下の箔ためにと出た結婚式の
行われたホテルでした。

仕事を理由に途中退席した攻様は
そこで完全に好みの顔の男に出会います。
彼が今回の受様になります♪

受様はなぜか攻様の姿を見て
驚きに目を見開き一筋の涙を零したのです。

その瞬間、
攻様は受様に運命を感じてしまい

強引ながらも普段の攻様したら
信じられない位の紳士さで
受様にお付合いを承諾させたのです。

お互いの素性も知らないまま故に
受様との時間を楽しんでいた攻様ですが

件のホテルに飲食店が残存し
攻様の会社ともめる事になり

相手方が立てた弁護士が受様だった事から
攻様は今後の付合いを断られてしまうのです!!

怒った攻様はホテルの所有者として
猶予と引き換えに強引に受様を奪うのですが
それでも受様を諦めきれません。

果たして攻様の恋は成就するのか?
ホテルの案件はどちらに軍配が上がるのか?!

ヤクザでもある攻様は
SMやスカトロが趣味という程
俺様で傲慢な男なのでしょうが

自分を一目で魅了した受様のために
彼の望む誠実で真摯な男を演じます。

しかし
受様の素性を知らずにいた事で
知らずに受様の地雷を踏んでしまって
別れを切り出された事から
優しい男でいる事を捨てて
本来の俺様思考で突き進むという展開なので

ホテルを巡っての対立関係の決着と
攻様の恋の折り合いがドコでつくのか
二人がまとまるまで
ハラハラ&ドキドキで面白かったです♪

優しい男をやめた攻様と
強引ささえ嬉しい受様なので
相性はバッチリっぽいし(笑)

本作はフェア店で購入すると
書き下ろしのペーパー付きで
ラブラブな二人もうちょっと楽しめますよ。

今回は本作同様、
俺様な攻様が惚れた相手のために右往左往する
火崎勇さん『らしくない恋』はいかがでしょう?

2

優しくない男はとっても尽くす人でした

何だか、すごく甘いお話でした!!それがとっても意外。
本当は全然甘くないんですよ。
地上げの不動産屋と店子の依頼で動く弁護士ですから、その利害関係から対立するはずのお互い。
攻め様が、本当は俺は優しく何かないんだぜ!
とか言いながら、その実受けちゃんにメロメロなのがまるわかりなので、やっぱり甘い。
ゾッコンなのがわかるから、受けちゃんの為に何でもしてあげたいと思っているから、本人が思うほどヒドイ男になってないのwww
だから読み終わると、そのストーリー展開に反して雰囲気はあまあまだったのです♪
木下さんの絵の雰囲気も優しい感じがするので、だからかな?
思わずニヤニヤしながら読んでいました。
この攻め様、好きなタイプですv

付き合いで出た社員の結婚式会場で運命の出会いをした元ヤクザの海江田と美しい男・篠原。
ゆっくりと愛を育むかに思えた二人は、ホテル物件の店子の立ち退きの件で、買い取った不動産会社と交渉相手の弁護士として対立する立場で顔を合わせることになってしまうのです。
二人の恋と仕事を割り切ることが出来ない為、本来の自分でない優しい男を辞めることにした海江田は、仕事の件を盾に篠原を無理矢理抱くのですが、篠原は海江田を避けるようになり、
篠原を手放したくない海江田は、篠原の過去を知ることになるのでした。

思わず魅了されてしまった、この海江田という男。
冒頭でSMやスカトロが趣味だと言ってます(!?)
下心ミエミエで物をねだる女にうんざりしていた海江田が、惚れた篠原には何でもしてやりたいと思う。
落としたいからマメに贈り物攻撃をするようですが、そうではなくて、好きだから何でもしてやりたい。
自分は金持ちだからモノを送ることしかかんがえつかないという、貢ぐ君体質な海江田に何かほほえましいものを感じてしまったのです♪
篠原が、海江田を避けるからそれまでのいい人の顔を捨てて、本来のヤクザな面=優しくない人になろうとするのですが、どうにも篠原を優先しているようで、非道になりきれてないんですよ。
強姦はするけれど、それでもやっぱり・・・
惚れた弱みですよねv

今回の火崎さんの描写は攻め視点なんで受けの気持ちがよくわからないような風にしてありますが、でも、何か予想できて見えてくるんですよね。
元々海江田を嫌いではない。
彼の優しさは嬉しい、でも過去のこだわりが自分を素直にさせてくれない。
仕事が関係あるかといえば、彼等が今回関わった仕事に関しては恋愛は余り影響ないような気がします。
彼は、色々なモノを与えたがる海江田をことごとくモノはいらないと遠慮しますが、本当はモノより貪欲なんです。
何と言っても一番欲しいものは、ずっと自分を愛し続けてくれるという「心」が欲しかったのですから。
一番簡単なようでいて、それは難しいのかも?
でも海江田はすごく自分に自信のある人間なんで、うっとうしい程の愛を篠原に与えることは間違いないでしょうねww

今回彼等の間に持ちあがった仕事というのが
数年前、品川駅前のホテル売却でニュースになった事柄をほうふつとさせます。
ひょっとして、それを下敷きに発想されたものかもしれませんね。

俺様なようでいて、受けちゃんの愛の虜(?)の攻め様。
いいじゃないですか☆☆☆

3

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