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図書館で偶然見つけて、武蔵野、とかあやかし、などのワードに惹かれて借りて以来、この世界観にすっかりはまってしまい、日本家屋に憧れて引っ越すことまでしてしまった。BL とか、男同士ということが全然わかってなくて、それでもこの話が男女の恋愛だったら、ここまで素晴らしい作品にならなかったと思います。
主人公の桜蔵をはじめ、父の柾(血が繋がってない)、その他の男たちや女性の登場人物、全てがもう、魅力的で時に幻想的で、いい意味で戸惑います。
もう、100回位読んでると思います。旅行行く時は必ず携帯していきます。情景描写や人物像が素晴らしく、すぐ左近の桜の世界観に引き込まれます。
でも、BL 設定じゃないと成り立たない、つまらなくなる話だと思うので、私的には絶対BL バイブルなんです。
この作品に出会えて大変感謝なんです。
続きの、さくら、うるわしが早く刊行されないかと、ずっと心持ちです。
長野まゆみ先生、どうぞ最新刊が読めることを、心よりお待ちしています。
舞台は「情宿」
儚い美少年・桜蔵(さくら)
彼を翻弄し通り過ぎていく、美しく強引で淫靡なひとではない男たち
「女」として扱われることを、最初は躊躇いつつも、徐々に順応していく桜蔵
どこか懐かしく、美しい。
作品全体に散りばめられた、美しく趣き深い言葉たち。
まるで、作品全体が宝石箱のよう。
一話一話のタイトルも丁寧につけられている。
「空舟(うつおぶね)」
「白雨(ゆうだち)」 「梅花皮(かいらぎ)」 (咲くや、この花より)
など。
純粋と魔性が共存した、淡いようで濃い桜色の物語。
幻想的にしてほどほど耽美。文章のキレがよく、不思議な物語なので、つい繰り返し読んでしまいます。
数度目の再読で、ふと気になったワードをググってみたら、
……え!?
こ、これは……!?
まじか!?!?!?
謎のワードの意味をひとつひとつを調べていくと、驚きの答えが浮かんできます。
これ以上言うとネタバレになっちゃうので言いませんけどw
既読の方で、単行本や文庫本をお持ちの方は、ぜひ調べてみてください。あー!! ってなりますよw
長野まゆみさんらしくない妖しい一篇。
和製ホラーが好きな方にもお勧めしたいです、独特の湿り気のある雰囲気でいつものキラキラした世界観は控えめ。
好きな方には物足りないかもしれませんが、より心理描写に重点を置いた作品になっていると思います。
短編集のような内容で様々な登場人物が訪れては消えてゆくストーリー作りなのでラストまで飽きずに読みきれます、初めて長野作品を読むような方でも抵抗無く読めそうな作品です。
角川文庫版を読了。久しぶりに長野まゆみさんの作品を読んだら、文章が変わっていて驚いた。初期のインパクトが強すぎて。
醸し出す雰囲気には情緒があり、世界観にどっぷり浸かれる心地良さは健在で良かった。
ほんのりホラー風味な短編集。1章から12章までは同一の世界線で、1章ごとに何かが起こる。特に1章が魅力的で、一気に引き込まれた。
古風な風景の描写と謎の男と少々流されタイプな主人公。期待しない方が無理、と言いたくなる始まり方。
主人公の桜蔵は、毎回男にいろんな目に遭わされる。章を追うごとに、そのエピソードに遠慮がなくなっていく。後半はほぼヤられていたような……。
印象に残っているのは9章の終わり。相手は人ならざるものだけじゃないのか、という衝撃と、ふわっと表現した後に次章(柾のセリフ)で決定打を与えてくれるスッキリ感。内容はさておき、こういう匂わせが読みたかった!
次々起こる不思議なことは、理由が分かるもの分からないもの等さまざま。そもそも桜蔵がなぜ頻繁にソレらを引き寄せるようになったかも分からないまま終わるので、全体的にふわふわしている。独特の空気をそのまま感じ取るだけで良いのかな。
付き合っている彼女も幻夢(?)の世界に引っ張り込まれる展開があり、その境界線は超えないで欲しかったと思った。夢か現か、を彷徨う桜蔵にとって、真也は現の象徴のようなキャラであった方が読みやすかったな、と。
残念だったのは、最初に惹かれた羽ノ浦があまり活躍してくれなかったこと。後半はほぼ名前しか出てこない。読み始めから期待を煽られ、気になるキャラだっただけに、物足りなさを感じた。
ストーリーより、作者の作り上げた世界そのものを楽しむ作品という感じ。長野まゆみというジャンルを確立してしまいそうな、唯一無二の味わい。
さらっと書かれた会話の中に、羽ノ浦の背景につながりそうな興味深い点があったため、さらにここが深掘りされることを期待して次作も読みたいと思う。
長野まゆみ先生の作品は「猫道楽」を始めとし何冊か読みましたが、本作の解釈は中でも難しいなと感じました。
男同士が忍び逢う宿の息子桜蔵が主人公で、桜蔵は人でないものを惹き寄せるチカラがあり、その人ならざるものにいつのまにか裸にされ…という和風ファンタジーなお話です。
明らかにあやかしとの交わりはあるのですが、詳細には描写されていません。あくまでフンワリ。
あやかしに口付けられ、意識が遠のき、気がついたら裸で居た…みたいな事が数回。
桜蔵のあやかしに対する気持ち、交わった後の感想などは無いので、BL目線で楽しむお話ではないかなぁという感想です。
古い屋敷の宿の風情、季節感などが感じられ雰囲気はとても好きです。
あと、桜蔵の弟・千菊の存在に癒されました。
高校生の主人公・桜蔵は男同士の逢瀬に使われる宿を営んでいる家の息子で、自身も死者や妖の雄を呼び寄せ毎度体を奪われてしまうという体質。
純日本風の旅館の淫靡な雰囲気や、大好きなホラー要素も満載だったけどいまいち乗りきれなかったのは、ちょくちょく出てくる桜蔵の彼女の存在。ノンケなのに父やその友人から「お前の本質は女だ」と事あるごとに言われて可哀想でした。あと妖に犯されても記憶も感触も残っておらず…というのはBLファンからしたら物足りない。一般作とはいえいかにもホラーBLという設定は揃っているだけに不完全燃焼です。
本人は無防備というか学習能力がないというか、何度も妖の男を拾ってきては騙され、唇を奪われ裸に剥かれて記憶を失い、目覚めると何事もなかったように元通りというのを何度も繰り返します。本人も全く快感が無いわけでもないようでしたが。やはり受けは最初はその気じゃなくとも体は快感に身を任せ最後はノリノリな感じじゃないと性的虐待なだけになってしまうので。
この子も将来的には父と同じく女性を妻にしつつ男遊びは続けていく、という未来もなんとなく見えてしまうのでそれもなんだかなーと思う所がありました。設定や雰囲気はかなり素敵でしたけども。
ラノベとは一線を画する流麗な文体とマッチしています
一方で『白昼堂々』みたいな完全な現代モノになると「こんな男おらんやろ」状態になって変なんですけど……
私は「男(女)が好きなんじゃない『お前』が好きなんだ」信者なので
「女」、「女」言ってるのが気になりましたが
それでも結構好きです
でも長野さんの書く女の人―特に遠子―ってなんでこんなにウザいのかな
相手は人間ではないとはいえ、未成年のレイプを黙認するなよ!