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sotsugyoushiki
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
なんというか、本当はもっと真摯で真剣な気持ちで読めたんだろうなあ……と思いました。
当時、これの前作である「答辞」を読んだ時には相当なショックを受けて、すごくいい!! ってなって。
慌てて続編である「祝辞」を手に入れて、むさぼるように読んだ覚えがあるんですが……
当たり前ですが、最初、というのは一回しか存在しなくて、その一回目の感動は一回しか存在しないのだ。
本当に申し訳ないけど、感想を書くまでに時間がかかりすぎてしまった。
あの時の気持ちで感想を書いたらもう少しピュアな真剣でキラキラした感想が書けたんだろうけど、残念ながら過去が遠すぎて言葉が出てこない。
むしろ、答辞の内容が思い出せなくて、大変、申し訳ない。
もう一度、読んだらあの最初に読んだときのキラキラした気持ちも思い出せたのかもしれないんですが……
という私の悔恨はさておき。
物語は、「答辞」の主人公が通っていた学校の養護教諭とその同級生。
そして、答辞の主人公の同級生で生徒会の会計と、先生。
更に答辞の二人のその後も入っていますので盛りだくさんな内容だと思います。
読むときは私のようにならないためにも、是非、「答辞」とセットで読むことをオススメしておきます。
「答辞」では生徒同士のカプ3組が書かれていましたが、
「祝辞」では大人同士、先生と生徒、「答辞」のメインカプのその後の話と
若さだけで突っ走れない大人の事情がもどかしくもあります。
中でも「卒業証書」が良かったです。
先生と生徒の前に家が隣同士で弟のように過ごしてきた二人。
卒業式後結ばれる二人のお互いの気持ちを伝えるシーンが
好きです。いくら卒業したといっても、
教室は(しかも教卓って)・・・やばいんじゃないでしょうか?(笑)
『卒業式~答辞~』に続き2巻目。
それぞれ別のCPを主人公にした3編+1編目のCPのその後が収録されています。1巻目はすべて高校生でしたが、こちらは大人メインですね。
全部は書ききれないので、2編目『卒業式~卒業証書~』。
シリーズ2巻の中でこれが一番好きだし、いろんな意味で私にとってのインパクト大でした。
5CPのうち唯一の『先生×生徒』CPです。また2人は、それと同時に隣同士に住む幼馴染でもあり、9歳違いの『年の差CP』でもあるんですね。もう、私の好みを詰め込んだかのような設定なんですよ。
もうとにかく、この直匡(攻)がなんとも言えないキャラクターでした。嫌いとまでは行かないんです。別に嫌なヤツでもないのに、好きになれない。
直匡は、稜(受)が生まれた時から本当の弟のように可愛がってて、稜も慕って懐いてる。
でも、稜が中1の終わりに、大学卒業間際だった直匡がキスをしてしまう。当然、稜は動揺して、反射的に逃げてしまうんですね。
卒業後、直匡は黙って家を出て、1年後に戻って来て母校の高校の教師になります。稜は、突然のキスの意味を考え、物理的に離れたこともあって『直匡が好きなんだ』と気付く。
中学生だった稜が、突然のキスにびっくりして、無意識にでも拒絶するようなそぶりを見せたからって(それが当然だと思うけど)、一方的に距離を置くとか、教師と生徒になったことで、よりきっぱり線を引いてしまうとか。
とにかく、直匡からの言葉が一切ないんで、稜にしてみればまさに『わけがわからない』状態だと思いますよ。『(最初の)キスはなんだったのか』『意味なんてなかったのか』とぐるぐる悩むのが可哀想。
『教師と生徒だから』特別扱いはできないのはわかるし、それを徹底する直匡は『大人』なんでしょうけどね。本当に何もないままだったら、もちろんそれでいいと思うんです。でも、たとえ『教師と生徒』になる前だったとしても、直匡は既に手を出したんだから、少なくとも、『やってしまったこと』に対する何らかの言葉は、絶対必要だったと思います。そうでなければ、もう完全に諦めてしまうか(自分は一方的に距離をとっておきながら、『クラス編成では真っ先に稜を取った』って・・・勝手すぎるだろ、と引きました)。どっちにしても直匡からの言葉なり行動がなかったのが納得いかなかったですね。
せめて『卒業までは特別扱いはできないから待っててくれ』とでも言うべきだったと思うんです。結果的に稜が待てなかったかもしれないし、それ以外でもどうなったかわからないけど、中途半端なまま放り出すよりはずっといいんじゃないかな。
稜が付き合った(当て馬の)上屋はホントにいい男でしたよ。もういっそこっちにすればよかったのに!と思ったくらい。結局、稜の初めての相手は上屋だったわけで、私は普通なら『(攻以外の)ほかの男となんて!』って思うタイプなんですが、これに限っては満足です。そう思うこと自体が異例で、我ながらビックリです。
私は、そもそも基本的に好みの受かどうかで作品を選ぶので、必然的に受に感情移入することが多いです。だから、自分の好みはさておき『受の幸せ=(どんなにダメなヤツでも)攻との相思相愛』なら、それがなによりのハッピーエンドと受け止めます。そう、攻がどんなにロクデナシだろうと、どんなに素敵な当て馬がいようと。
私はやっぱり『一途な受』が好きなんですよね。別に受のタイプとしては奔放でもわがままでも、結果的に『攻一途』ならそれでOKなんです。だから、たとえ一時的にでも、当て馬と付き合って関係してっていうパターンは歓迎しないんですよ、普段なら。でも、今作ばかりは『よくやった!』と思いましたから。
いや、でもなんだかんだ言っても好きなんです。シリーズ2巻の中で、この話だけ読み返すこともあるほど。『ハッピーエンド』だってことにも異論はありません。どんなダメ男だって(直匡がダメ男だとは言いませんが)、受が好きならしょうがないっていう、私にとっての大前提は変わらないんですが、何とも微妙なものが残るんです。上屋が魅力的過ぎたから?いや結局は、私が直匡に魅力を感じなかったからなんでしょうね。『ヘタレ』は大好きだけど、これは『ヘタレ』っていうより『卑怯』だと感じちゃったので。
とにかくこのシリーズは、水壬さんの作品の中では『異色』と言えるんじゃないでしょうか。水壬さんはもともと高校生もの自体がそれほどないですからね。
とにかく、とても清々しい作品集でした。イラストの高久さんも、イメージぴったりです。
ぜんふは語りきれないので、「卒業証書」について。先生×生徒です。ここへ来てやっと学園物の最大手がお目見えしましたね…!私はこのお話が、シリーズ中の5カップルの中で一番に好きかもしれません。
伝説カップル (定着?) の代で会計だった市川くんのお話です。相手は、先生と生徒である以前に、市川の生まれたときからのお隣さんで幼馴染で現在担任のなっちゃん。
視点はずっと市川で、語り口調が高校生にしてはやや幼稚なんですけれど、それが逆に大人と子供の隔たりを強調するかのようで、切なさが倍増なんです…。
中学生の頃から確かに感じたなっちゃんへの恋心や、同じ想いの片鱗をみせたくせに知らん顔をするなっちゃんへの憤りがすごくいじらしい…。
冷静に考えると、「なっちゃんどれだけショタなんだよ」 って感じなんですけれど…っ
市川がいざ自分の教え子となると一切の私的な感情を排除したなっちゃんは、さすが☆ 真剣だからこそ、けじめもすごく強いんだと思います。
もしも…、なっちゃんが中学生の市川にはっきりとなにか伝えていれば、市川も待っていられ………
ないかなぁ? 寝込み襲っちゃうかなぁ!? ←
何気にモテ男子だったようだし、誘惑しっぱなしになるのかな!? うん…、言わなくて良かったんですよね。 (自己解決
やっぱり、市川が自分の義務の中から出て行った時に総てを…っていうのは、すごく大人でしたね。
そのせいで市川のバージンは他の輩に取られちゃったけれども!それは中学生の市川に本気の恋を教えてしまった罰だよね。中学生に大人のキッスを教えてしまうだなんて、恐ろしい人でしたよまったく。
いい気味いい気味♪
当て馬キャラの上屋くんは、BL特有にキチガイキャラではなく、意外にふつうの好青年でうっかり惚れました…。個人的に、ほんとうに申し訳ないですが…柔道部主将でがっちりした上屋くん×市川のエチを見たかった。美女と野獣大好きです。だから…このカプもけっこうたぎります…!
それにしても…教室でエチは駄目だとおもう!しかも教卓って!思わず、クラス全員着席状態の中でというシチュを妄想しました。(ばかもの!
結局あの卒業式で、計4カップルもが学校でエチしていたのか。
恐ろしい高校ですね…っどこも迂闊に歩けやしない…っ
何かからの卒業といえば「この支配からの」卒業と答えたくなりますが(笑)
そんな「卒業」をテーマにしたオムニバスの2冊目。
『祝辞』
県庁職員・竹政一哉(27)×養護教員・秦野雅臣(27)
高校時代同級生だった2人。
ある理由で実家から遠く離れた高校を選んだ秦野に一番最初に声を掛けてくれたのが一哉で。
それからは一哉のおかげもあって友達もでき、順風満帆な高校生活を送る。
そして、ある日、2人は一線を越えてしまうのだが…。
確かに想う気持ちがあったはずなのにうまく噛み合わなくて。
不安というか負い目というかそういうのが自分の中にあるせいもあって。
うまく言葉が出ずに擦れ違って散っていく想い。
それでも、心の中に残るものはあって。
忘れられない想いはあって。
最後の一押しをその年の卒業式でもらって。
ようやく7年後にちゃんと向き合えてよかった。
『卒業証書』
担任・八代直匡(26)×生徒・市川稜(18)
お隣のお兄ちゃんとそれを慕う弟のような存在。
その思慕がそれだけのものではないと気付かされたのは直匡が仕掛けたキス。
けれど、その後すぐに教師として向き合うことになった直匡は一生徒としての距離でしか見てくれなくなり…。
年の差もあってか最初にキスをした時、稜が幼かったせいもあってついびっくりしてしまって。
それから自覚していくことになるのだけれど、会いたいと思う時には直匡はいなくて。
そのキスの意味もわからないまま。
決死の思いで告げた言葉もうまくかわされて。
実はあのキスに意味なんてなかったんじゃないかとも思ってみたり。
ぐるぐるぐるぐるとそれでも生徒としてはずっと傍にいることになり。
忘れようにも忘れられないような状況で。
思い直そうと思うこともあったりしてもやっぱり最後に残る想いは直匡への気持ちで。
途中、稜と恋人になる上屋がかなりいい人でした。
彼にも是非幸せになって欲しい…。
まあ、役得?もありましたが。
『式歌』
箕方(25)×志野(25)
「答辞」から7年後。
それぞれの道に進み離れて暮らしながらもなんとか一緒にやってきた2人だったけれど、志野は箕方について何も知らないことに悩み不安を覚え。
仕事の上手くいかない苛立ちも募って八つ当たりをしてしまう。
少しずつ気持ちの離れ始めた2人はやがて別れることに…。
気持ちなんて時間が経てば変わってしまうもの。
そう思って自嘲してしまう部分がありつつも、つい「3月1日」という思い出の日に思い出の場所に立つと当時のことが思い出されて。
当時の気持ちも思い出されて。
本当に大切なものは何か。
忘れかけていた、焦りや不安を取り除いた、もっとまっすぐな大切な気持ちを思い出して。
その思い出の場所で2人が偶然のように再会するのは決して心が離れていなかったからの証明でしかなくて。
ほかの何を失くしてもプライドを捨てて縋ってでも伝えたい想いが真実。
途中、志野と秦野が言葉を交わす場面があるんだけども、それぞれの歩んできた「7年」の捉え方が印象的。
だから7年という設定なのだろうな。
『謝辞』
竹政一哉(34)×秦野雅臣(34)
「祝辞」から7年後の2人。
7年前から一緒に住み始めた2人。
些細なケンカはあるけれど、毎日楽しい生活が続いていて。
そんな中、秦野は一哉の変化に気付いて…。
どこか箕方×志野組と対比されるように書かれてるような気がします。
少し違うけれどある状況にあって、その後どうして行きたいか。
素直に言葉にするにはもう大人になり過ぎていて。
けれど、気持ちは同様。
いや、それ以上に積み重ねてきたものは大きくて。
だから、少しズルイ方法で未来まで見据えて。
2人で幸せになれる方法を選ぶのには変わりない。
普段の水壬さんの作品とは違ってしっとりとというかピュアな印象の作品でした。
『答辞』と『祝辞』、2冊まとめます。
10年前に出た『答辞』と『送辞』を再編集した新装版。最初、1冊に3組もカップルいるから話が短くて物足りない~、と思ってました。が、ある年の卒業式を描いたオムニバスで、しかも2冊目もあると知って激萌えになりました。だって、同じ日に校内のいろんなところでカップルが出来上がってるんですよ(普通の学校なら当たり前のことかもしれないけど)。学生ものに必ず出てくる逢引場所がずらりと。おいしいものを一度に味わえるのっていいですね!
『答辞』素行不良の副会長×品行方正な生徒会長。生徒会室。
『送辞』陸上部エース×幼馴染みの次期生徒会長。体育館。
『記念品』次期副会長×バスケ部の先輩でマネージャー。部室。
『祝辞』母校に来た県知事秘書×同級生だった養護教員。保健室。
『卒業証書』数学教師×教え子で幼馴染みの生徒会会計。教室。
以上、5カップルと『答辞』の2人の7年後『式歌』がメインです。書き下ろしも含め、全部受視点。
それぞれ学生生活を送っていて、相手に片想いしてたりされてたり、他に好きな人がいたり、ずっと忘れられなかったり。各々の時間の積み重ねがあって、それがその年の卒業式の日に花開く。忘れられない卒業式になる。
ちなみにこの学校は共学です。あとは図書室と屋上が定番の場所だけど、さすがに卒業式の日は立入禁止かな。