壁際のキス

madogiwa no kiss

壁際のキス
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神0
  • 萌×22
  • 萌7
  • 中立3
  • しゅみじゃない2

--

レビュー数
7
得点
32
評価数
14
平均
2.6 / 5
神率
0%
著者
椎崎夕 

作家さんの新作発表
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イラスト
高星麻子 
媒体
小説
出版社
大洋図書
レーベル
SHYノベルス
シリーズ
壁際のキス
発売日
価格
¥860(税抜)  
ISBN
9784813012122

あらすじ

「信じろ。俺は、あんたには嘘をつかない」
信じていた人間の裏切りに傷つき体調を崩していた中室哲は、療養のため叔父の別荘で暮らしていた。そんなとき、哲はひとりの青年と出逢う。不遜で、どこか人を醒めた目でみる羽島雄生だ。彼は別荘の庭先から怪我した腕を突き出し、哲に手当を要求したのだ。初対面の印象は最悪のふたりだったが、いつしか一緒にいることが楽しみになっていた。けれど、雄生が人気のある俳優であることから誤解が生まれ……
人嫌いの青年と人から裏切られた青年。友人でもない、恋人でもない、曖昧で脆い関係が行き着いたのは?
(出版社より)

表題作壁際のキス

学生で芸能人、21歳
無職で静養中、26歳

その他の収録作品

  • ささやかなジェラシー

レビュー投稿数7

萌えと残念な点が入り混じった感覚

2010年刊。
一冊読み終えた後は萌えと残念さが入り混じった感覚だなってのが率直な感想だった。

まず、裏表紙のあらすじに載っている"最悪な第一印象"よりも、受け・啓(さとる)の壊滅的な家事能力の無さと、攻め・羽島の世話焼きぶりに目がいった。
ここから二人のやり取りで共通している性格は、独自のこだわりの強さなのかな?と伺えたのだけど…
"合わない性格のようでいて噛み合っている二人"ってのを読み進めていけるかと思ったが、その後の展開がちょっと残念だった。

羽島とサエコさんって女性とのスキンシップは啓に誤解されるのも無理がない。
実は啓は一見人に丸め込まれそうに見えるが、真っ当な事をきちんと主張できる性格だ。
そんな一端を羽島を敵視しているマサミチや、啓を陥れた元同僚の女性に見せているのに、肝心の羽島がそんな啓を後押ししないでどーすんのさ!?
羽島のほうも啓を強引に押し倒してしまい、"誤解した挙げ句にすれ違ってしまう"シチュエーションに突き進んでしまう。

攻めが強引でも許せる場合と、一方的な押しの強さにうんざりする場合とに別れるが、羽島に関しては前者だった。
まぁプライドが高そうだねー、と感じつつもそれが彼なりの良さだったのに、終盤ではそんな小生意気さが薄れてしまった感が惜しい。

でも、"誤解を経て一時別離してからの再会"ってシチュエーションも結構好きだから、まずまずの着地点に落ち着いたかな。
甘々な後日談も楽しめるが、そこは最初の頃のように不器用すぎて料理が散々な啓と、意外なマメな羽島ってのをもう一度見たかった。

1

年下の俺様が愛を乞うまで

ストーリー展開自体は、突っ込みどころも多いと感じましたが、どこが萌えどころかなぁと考えてみると。
ルックス良しでCMで名の売れ始めた20才の芸能人(俳優)、羽島。彼の、若さゆえ?の自分勝手さ、強引さ、つまりは子供っぽさ。同時にイケメンの贅沢な悩みとも言える自意識過剰と、他人の賞賛を馬鹿にして自分を過小評価する態度。
そんなところをズバッと意見してきた哲に、俺様かつ懇願の入り混った複雑な恋心を抱いて一人もがく、というところでしょうか。
受けの哲がなんとも理屈っぽいカタブツで、色恋に全然疎くて羽島の懐き具合にも自分の感情にも気づかない。
ストーリー的に少々強引なレイプ展開があって、ここは哲には酷だと感じましたが、不感症的な哲は、逆に会わなくなってから羽島の記事をスクラップし始めたりの執着心なども見せつつ。(これでもまだ自分の心に気付かない)
1年後、再会の時。羽島はもう俺様でも強引でもなく、たった一人哲だけの愛を乞う恋する男。攻めが受けの愛を乞う姿。コレは好物。

「ささやかなジェラシー」
羽島視点。哲と恋人になって9ヶ月。(誰にも極秘!しのぶ恋)
映画の宣伝?用の共演女優とのゴシップにヤキモチの哲。哲も随分人間ぽくなってきましたね。

1

キャラが好きです

内容としては、う~ん・・・悪くはなかったです。突っ込みたい箇所はいくつかあるけれど、話としては一応まとまっています。ただ、インパクトというか、これ!というものは私的にはなかったです。内容よりも椎崎さんらしい素敵な文章表現の方に目が奪われる感じでした。情景描写も感情描写もエロ描写も素敵でした。ほんと、この方の文章って好きです。

それからキャラが良かったです。この攻めと受けは『不器用な策略』と『不器用な告白』のキャラの元祖ともいえる感じです。攻めの羽島雄生は、年下で長身の美形で年齢よりも大人びていてモテモテで遊び慣れていて醒めていて手先が器用で料理が上手で好きな相手には全力で懐くタイプ。受けの中室哲は、真面目で公平で平等で分別があって感情に走らなくて鈍くて抜けたところがあって見た目に気を使わなくて年齢の割に老成しているタイプ。

そんな彼らが人口密度の低い別荘地で出会って、人を上辺だけで判断しない誠実で真面目な人柄の哲に、他人を信用せず自分を安売りしていた雄生が惹かれていき、毎日のように哲の別荘に通って懐いて何とか自分だけを見てもらおうと必死になって2人が楽しい時間を過ごせるようになった頃に、雄生が役者仲間の集まりに哲を連れて行ったために2人の仲がこじれることになって、その後お互いの気持ちがすれ違ったまま哲が叔父さんの別荘を離れてしまい、2人が離れること1年。哲が会社の同僚と雄生の舞台を見に行ったことで再会して、その日のうちに互いの気持ちを伝え合うことができました、という話です。

タイトルの「壁際のキス」というのは、気持ちが通じ合うまでの2人は、いつも哲が背中を壁で押さえられている形で一方的に雄生のキスを受けいれていたことからきています。

2

なんだか、まったりしてて、もったりしてた。

なんだか、ぼや~っとしたお話だった気がします。
う~ん、上手くいえない。皆さん上手にレビューされるなぁ……。
ホント、「ぼや~」で「まったり」で「もったり」な印象なんです。

互いにすれ違ったり戸惑ったりはあるんだけど、取り立てて波乱も無く、ビックリな展開も無く、ドンデン返しも無く……、人様の恋愛をぼーっと眺めてた感じです。

ツッコミどころは色々とあるんですよ。
「生垣で怪我したら手当てしろ」と脅して自宅にまで上がりこんじゃうなんて、攻めは隠れるように田舎に引っ込んでるくせに、そのヤクザみたいな絡み方は目立って仕方ないでしょうよ、って思ったり。
知り合いと切り離されたくて雲隠れしている割には、散歩中にバッタリ知り合いにあったりするし…。
まあ会わなきゃ話が次に進まないわけで、なんだか設定と展開がかみ合ってなくて、裏切りあってる感じがしました。

受けも、裏切りにあって世捨て人みたいに引きこもってる割には、警戒心は薄いしこれといって傷ついてる風でもないし。
「誰も知らない遠い土地の温泉宿」とかじゃなくて「おじさんの別荘」ってあたり、受けもまた逃げ方が中途半端っつうか…、逃げ切れてないじゃん?って気もするんですが。
実際いつまでもぼんやりしてちゃ金が底をつく!ってあたり、妙に現実味や生活感があって、逃避行ってよりもリフレッシュ休暇みたいな感じだったのかな?

けど、その分ドタバタ感はなく、ほんのりぼーっとしたいときに読めば、色んなツッコミどころも気にならなくて、雰囲気を楽しめそうです。
少なくとも、「俗世の垢を落としたい」って雰囲気は伝わりました。田舎って良いね~☆
私は実際ぼけーっと読んだので、概ね楽しみました。

攻めは「やんちゃでちょっと強気なワンコ」を狙ってるのかな?
「罪の無い自己中」にしか見えなかったので、ちょっと残念でした。
けど、このくらいじゃなきゃ、受けの関心を引くことは出来なかったかな?

1

芸能人×若隠居(笑)

信じていた人間に裏切られた哲は療養のため、叔父の別荘で一人暮らしている。
そんな彼の前に突然現われた青年、羽島は不遜な態度で哲の静かな生活をぶちこわした。
初めただただ迷惑に思っていた哲は、いつの間にかこの青年と過ごす時間を楽しみに思うようになる。
しかし、羽島が売り出し中の俳優であることがわかり、すれ違い始める二人だったが……

芸能人×若隠居(笑)
不器用な二人がお互いちょっとずつ変わっていく過程や、攻に惹かれながらぐるぐるする受は切なくてさすがの椎崎さんだと思った。
ただ最初、羽島が出会ったばかりの哲に執着する理由が最後まで明かされなくて、そこだけ消化不良な感じがしました。
ある程度近づいてからの、自分をごく普通に扱ってくれたから好きになったっていうのはわからなくもないんだけど、出発点がね。
哲の家の生け垣で怪我をしたから治療しろと上がり込んできたのが始まりです。だけど、羽島はそこまでの俺様キャラじゃないしなあ。
この出会い自体にちょっと違和感があるのかもしれません。

1

切なくなくて物足りない・・・

椎崎さんは安心して読める作家さんなので、楽しく読めました。が・・・
これはあんまし好みじゃないですね・・・

芸能人ネタだから?かどうかは定かじゃないですが、あまり恋愛的にはどう?っていう感じです。
まず攻めが強引すぎる・・傲慢じゃないんです、強引なんです、それに受けが流されている訳ではないんですが、
何故か?そんな感じで始まる二人の関係・・・

最初は結構、二人のやり取りは面白かったんですが・・それに恋愛要素が混じってくると・・
なんかイマイチなんですよね~・・攻めがガキすぎる・・ガキの独占欲で相手を傷つけても構わないって感じがちょっと合わなかったかなぁ~・・好きなら何しても、何を言ってもいいのか?的な感想ですね・・

またこの受けの哲も恋人や親友?に裏切られて、会社を退職しても、そんなに傷ついている様には?あまり感じられない・・で、結局羽鳥に、傷つけられてもそれをあまり感じさせない・・

様は切なくないんです!!終始、平淡な感じに思いました。

文章的には椎崎さんなので、結構楽しく読ませて頂いたんですが、内容は・・そんな感じでしょうか?

1

不器用・頑固が何故モテる?

「壁際のキス」ラストに至るまではいつも追いつめられているから”壁際”なんだな、っていうそんな押しの強い年下攻めと、押される年上。
作家さんは「いつもより華やかに、別荘で二人きり」というシチュ目標があったらしいですが、まぁ、華やかっていえばそういう業界も出てきますがいかんせん主人公が地味で(苦笑)
まだ26歳設定なのに、やけにおっさん臭い真面目で固い地味受けが結構好みでしたww

主人公の哲は、人にはめられて人が信じられなくなって別荘にひきこもっている。
そこへ手入れのしていない生垣でケガをしたから何とかしろ!と飛びこんできたのが雄生。
雄生は、劇団に所属して売れてきている芸能人だったんですが、哲は世捨て人のような生活をしているし、全くそういったメディアに関心がないので彼が誰だか知らないのです。
雄生は、結構自分勝手で我を押し通し、他人を受け入れるということをほとんどしない人なんですが、哲が雄生が誰だか知らなくて、そして不器用で余りに真面目で、色目も欲目もなく接するのが気に行ったのか、怪我を理由に哲の別荘に毎日通ってくるようになります。

全く外へでない哲を無理に外へ連れ出して、途中で出会った劇団の仲間に哲がけなされたのが悔しいのか、哲を変身させて、劇団の集まりに連れて行って、、
そこで哲は不愉快な思いをして一人で帰ってきてしまう。
少しは雄生を良く思っていた矢先に、彼は本当は自分のことなんか全く何とも思っていなかったと、また雄生も哲は周りの人間と同じで哲は目的があって自分に近づいたのだと、そういった勘違いで、最悪の別れをしてしまうのです。

雄生は若者らしく、一方的に自分の感情のおもむくまま発言したり行動したり、大人と子供の両方を兼ね備えた人間です。
大人の哲がいさめると、ちゃんとあとで誤ったり訂正したり、でも”好意”という感情の元では二人とも冷静ではいられなくなるのですね。
雄生は自分が気に入った人だからと哲の事を色々と知ろうとするのですが、哲は二週間一緒にいたのに、雄生のことを全く何も知らない、知ろうとしなかった事を反省するのです。
そこに哲の性格の一端とトラウマの深さが見えます。

しかし、そんな哲と雄生に全く共通点はないし、哲は真面目で堅くて頑固で、どうしてそんなに気になる存在で好きになるのか、その点はちょっと無理があるかな?と言う気もしないではないです。
しかも別れて1年も経っても哲が好きで、哲の為にと仕事への態度まで変えるくらいの変貌を遂げさせたという、そこが???
つきつめれば、哲が業界の人でなくてミーハーで世俗に疎いからいいのか?ということにもなりかねない、だとしたら哲でなくてもいいのでは?
頭がクエスチョンマークで埋め尽くされて最後を迎えます。

要は、「不器用がかわいい」でいいのか?
・・・またクエスチョンマーク・・・


1

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