上海

shanghai

上海
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神46
  • 萌×213
  • 萌16
  • 中立3
  • しゅみじゃない1

208

レビュー数
24
得点
333
評価数
79
平均
4.3 / 5
神率
58.2%
著者
かわい有美子 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
竹美家らら 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
価格
¥571(税抜)  
ISBN
9784344818446

あらすじ

幼い頃、天涯孤独の身を拾われたエドワードは、英国貴族の子息・レイモンドへの秘めた想いを胸に、主人に忠実な執事、そして兄弟のような幼なじみとして彼に仕えていた。
しかし、歴史の歯車が二人を激動の渦に否応なく巻き込んでゆく―。
東洋の魔都と呼ばれた大戦前夜の上海を舞台に描かれる珠玉の恋、書き下ろし短編を加えて待望の文庫化。

表題作上海

レイモンド・C・レノックス,上海で貿易業を営む英国貴族の子息
エドワード,伯爵家に拾われ使用人として育てられた中国人孤児

その他の収録作品

  • 歌姫
  • China Rose(書き下ろし)
  • あとがき

レビュー投稿数24

史実に基づく究極の純愛

1939年、上海租界。
国籍が入り乱れ、魅惑的で独特の熱を帯びた街。

名家の子であるレイモンドと、天涯孤独の身を拾われたエドワードは、幼い頃から共に育った間柄。

でも時は残酷で、レイモンドは名家の後継である以上、然るべき教育を受ける必要があって。

抗えぬ国籍と身分の違いや、忍び寄る戦禍。

様々なものがふたりを巻き込み・・・。


エドワードのひたむきな愛に、何度も涙が流れます。

淡々と精細に語る文章によって、様々な情景がありありと浮かんできます。

まるで映画を観ているようでした。

名作です。

1

大恋愛だけど絡みは少なめ

身分差あり、戦争あり、幼少期からの成長あり、と時代背景としても時間軸としても壮大なスケールで描かれており、ストーリーはすごく面白かったです。この時代をテーマに扱った一般作品は暗い話になりがちですが、本作はBLらしくレイモンドとエドワードの大恋愛を柱としていたのでその点では暗い気持ちにならずに読めました。
ただ、内容が濃いので仕方ないのかもしれませんが、二人の関係性の成熟に関してもさらっと描かれていたのが残念でした。レイモンドとエドワードのHシーンもさらっとしていて、二人が両想いになってどんな関係性を築いていたのかもっと知りたかったなぁと。展開は面白かったですが、BLらしい男同士の絡みという意味で物足りなかったのでこの評価としました。

1

來自上海人視點的comment

總體來說就像是那種上世紀的民國愛情劇,不得不說日本作家都好擅長把那個時候上海描繪成豪華絢爛的魔幻都市。我本身是吃不太下主人x從者這類關系的人但這篇小說竟然讓我吃下去了,主要是Edward這種なんだかんだ頑張る的性格我還挺喜歡的。最喜歡的篇章是短篇“歌姬”←因為比起單純描述主角兩人的戀愛更喜歡看第三者視點的描述。

但是有個非常在意的點,只有這一段讓我感覺非常的微妙:最後的CHINA ROSE裏面Raymond說要來日發展的時候Edward那段對日本人的印象是否邏輯上有些奇怪(考慮一下那個時代和背景的話)

1

名を持たない少年の帰るところ

かわい先生禁断症状激しく、過去作品探索中。1998年他社さんで発表した作品を2009年に書き直しされたもの。主従ものがもともと好きなのと、時代の激しさと二人の密やかな思いとの対比がぐわーっと来て、とても良かったので神にしました。受けの想いが大好きです。本編210P超+途中、香港部分のお話40P弱+書き足された二人の後日談20P超+あとがき。主従ものがお好きな方でしたら是非ご検討ください。

上海で貿易商を営む次期リッチモンド伯の屋敷で、使用人二人が駆け落ちし、5歳の子供が一人置き去りにされます。名前も分からず、英語はろくに話せず、栄養状態も悪い様子。引き取り手のないその子を不憫に思った夫妻はその子をエドワードと名付け、屋敷で面倒を見る事に。夫妻の一人っ子レイモンドはその子を遊び相手としてすっかり気に入って・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
チャールズ、コニー(攻め両親)、ウォレス(執事)、ルーシー・ハミルトン(攻めの婚約者)、他、使用人少々。小編の方でも少し登場人物はいます。

++良かったところ

受けが密やかに慎ましやかに攻めのことを想う、その気持ちが好きでした。幼い頃屈託なくたっぷりと、人としての暮らし、子供らしい遊びを教えてくれた攻めさんを想うのは「すりこみ」では?とは思うのですが、出発点がなんであれ良いのです。本当にひたすら攻めのことだけを想う、それが心地よい・・・。

「それだけ惚れてもまあいいか」と思う程度には、攻めさんが出来た人物だから良いですが、それより、そこまで想うことが出来ること自体に憧れます。恋愛という情念より、思慕という印象の方が強いです。相手にどう思かれるかという事より、「ただ側にお仕えできればそれだけで幸せ」という感情を強く感じました。

世界大戦という時代の大きなうねりの中、巻き込まれていくのですが、それを乗り越え、しかも最後、何の力も持たない受けの方が自ら切り開いて、攻めの下に到達する!!!!受けが「お側にいたい」「一目会いたい」という一念だけで、どれだけの事を乗り越えたことか。それを想像するだけで泣いちゃいます。

名を持たなかった少年が自らの帰るところに自ら到達する。その安堵感、幸福感で、読み終えてからも何度も読み返しをしてしまったお話でした。もう少し二人のお話を読みたいので、同人誌を探します。かわい先生、お話、本当に本当に有難うございました。

0

大戦前後の上海と英国が舞台のドラマ

粗筋は、他のレビューが先に出ているので感想だけ。

あとがきを讀めば、著者がどれほどこの作品に入れ込んで、沢山の資料を集めて、きちんと書こうとしたのか伺えます。特別に愛着を持っている作品のようです。
電子版を買いましたが、紙本も買いました。イラストがあると、盛り上がり度が違う、ドキドキします。

なるべく史実に沿うように書こうとしたらしく、時代背景の説明が細かかった。
かけおちした実母に置き去りにされたエドワードの視点を軸に、走馬灯のように色々なできごとが綴られていきます。激動の時代の沢山の出来事があっても、淡々と綴られる流れは、逆に抑え込まれたエドワードの内面の強い想いを感じて、読み手のほうが熱くなってしまいます。

印象深かったのは、英国行きの船に主のレイモンドだけ乗せて「私はここから先は行けません」と固辞する場面で、とても辛くなった。本当は一緒に行きたい、でも渡航証を持たない、戸籍すらない自分には無理があると考えて、手を解いて別れる。
そして「指輪を返す約束」を守るために、上海から香港へ移り、仕事をしながら資金を作り、チャンスを待つ。
身よりもなく、帰る家も無いエドワードの幸せは「愛する人の笑顔を観たい」それだけだとしたら、エドワードの精神性の高さと孤独さに、振るえてしまう。

あとがきに、資料集めで得た情報の一部が記載されていて、【「高貴なる義務」を誇りにする英国貴族は、息子たちの招集を拒まず戦地へ送り、貴族の男子が約半数戦士、後継者を失った貴族の断絶があった】ことが書いていました。

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★こんなことをここに書いても、訳わかんないだろうと思うけど、メモ。
「高貴なる義務」
これは日本にも有って、「【太平洋戦争秘史】意外に多かった皇族・華族の戦没者」に記事にされています。

一部の皇族・華族・軍人が承知していたことですが、あの大戦は、豆粒ほどの日本が、列強から、植民地を解放することが目的の戦争だったので「勝って、解放する為に負けなければいけない戦い」でしたから、日本も多くの犠牲を払いました。
多くの植民地を失った英国から見たら、日本は殖民地を奪った憎らしい国だろうと思います。でも、今も日本人は英国が大好き・・とても皮肉。

それと、史実に沿って言うなら、真珠湾攻撃の前に、中国は米国と組んで日本に奇襲をかけていたので、国際法に違法しているのは、中国です。
「フライング・タイガースFlying Tigers」を調べたら良く分かると思います
偽札印刷で財を成し、戦闘資金を作った宗家の三姉妹を調べても面白いです。毛沢東を支援して、習さんで現体制を終わらせることまで、お金持ちの御婆さんたちは計画しています。

色々な理由と訳が支配階級に有ったとしても、流血の惨事、戦争ではない方法で解決してもらいたいです。
息子を戦いで死なせるために生んで育た、という母親はいないんじゃないのかな?

1

主従BLの名作

再読です。こちら、1998年に発行されたノベルズを改稿・修正・加筆した文庫版となります。
主従・身分差BL小説の名作ではないでしょうか。

舞台は、"東洋の魔都"と呼ばれていた1920年前後の上海。
中華民国の1部でありながら、外国人が租界(外国人居留地)という名の自治権を有し、自由貿易都市として名を馳せる…
東洋と西洋とが入り混じった、他に類を見ない怪しげな魅力がある街。
何度読んでも、熱に浮かされたような混沌としたこの街で暮らす人種様々な人々の熱気、じっとりとした湿度の高い空気が身体中に纏わり付くような、当時の上海という街の、エキゾチックでどこかノスタルジックな情景描写が巧み。
そんな世界大戦前後の激動の上海で、時代の渦に飲み込まれながら生きる2人の青年の30年程に渡ってのお話です。
歴史ものがメインではなく、主従関係である主人公2人の人生に焦点をあて、"2人の歴史"を丁寧に描いた作品。
なので、小難しくはなく、歴史に詳しくなくても問題なく読めるかと思います。

貿易商を営む英国貴族・レノックス家の豪奢な御屋敷では、朝からひと騒動が起きていた。
屋敷で働く中国人メイドと中国人運転手が"置き土産"を残し駆け落ちをした。
置き去りにされた、戸籍も名前も無い5歳の中国人男児を哀れに思ったレノックス夫妻は「エドワード」と名付け、屋敷で引き取り使用人として育てる事に。
彼が今作の受けですね。

子供的な無邪気な気まぐれから、遊び相手としてエドワードの手を取った、夫妻の息子・レイモンド。
それはまるで兄弟のようで、幼馴染のようで、先生のようで、親のようで。
新しい世界を見せ、初めて自分を愛し、慈しみ、母親代わりにキスをくれたレイモンド。
次第に幼いエドワードの小っぽけな世界の全てがレイモンドという人間で満たされていく。
この頃が「人生で1番幸せな時期」というエドワードのモノローグが切ない。

時は流れ、幼い頃は曖昧だった主人と使用人という2人の身分や立場の違いがはっきりとして来ます。
レイモンドが学校入学のために本国へ行き、幾ばくかの空白の時を経て上海での再会。
その間に刺激的で新しい世界を知ったレイモンドにとって、大学を卒業するまで1度も帰省する事がなかった上海の街に置いて来た幼馴染の使用人は、気が付けば遠い記憶の中の存在となっていた。
一方、離れていた間にも彼を慕う気持ちは薄れる事なく、いつしかエドワードの思いはもっと深い別のものへと変化していた。
帰国後のレイモンドが数多の令嬢と浮名を流しても、令嬢と婚約をしようとも、彼に対するエドワードの気持ちは揺るがない。
あまりにもいじらしく、あまりにも健気。
その想いに押し付けがましいものはなく、恋の成就なんてものは願ってすらいない。
想いをひた隠し、ただレイモンドの側に居たいだけ。それだけなのです。
業績が悪化しても、婚約が解消となっても、彼のレイモンドへの思慕と使用人として献身を貫く姿だけは不変であり続けます。

やがて、エドワードが無条件に差し出す愛情と一途さに、唯一心安らげる人は彼だったのだとようやく気付いたレイモンドの感情が動き始める。
正直、やっと、やっと来たかと思う。
エドワード視点を読んでいると、どうしてもレイモンドの今までの無意識下での残酷さを思ってしまうけれど、この物語の時代背景も考えると、それなりに人生を歩んで来た中でエドワードの手を取ったという所に大きな意味があったのではないかと。
エドワードの愛し方が静ならば、レイモンドは情熱的。
ここの2人の対比も良ければ、あくまでも主従関係のままで、関係性が無理矢理恋人へと変化しないところも良いのです。
具体的な性描写が詳しく書かれていない事も、作品全体のしっとりとした雰囲気を邪魔しません。

次第に時代は更に大きく揺れ動き、上海の街は戦火という荒波に揉まれ、どうしようもない運命に引き裂かれながら再会を誓って別れる2人。
まるで映画かドラマのようなワンシーンで、ここでようやく想いの大きさが対等になったような気がします。
この後のラストと、その余韻が本当に素晴らしいのです。
ぜひそれはあなたの目で。

同時収録の「歌姫」と書き下ろしの「China Rose」がまたとても良い。
恋情だけでは説明が出来ない、もっと深い部分での愛や繋がりを感じる短編2作です。
こちらもぜひ。

かわい先生は本当に文章の上手い作家さまだと思いますが、個人的には今作や「猫の遊ぶ庭」シリーズなど、やや淡々とした文章で書かれた初期作品には特に味や深みのようなものがある気がします。
読めば読むほど良いというか、魅力的で手放せない本が多いというか。
今作も、エドワードという「不変」なものを描きながら、その裏での激動の時代に翻弄される人々、そしてレイモンドの心情の変化を上海の情景と共に静かに丁寧に、そしてドラマチックに描いています。
2人と共にこの時代を走り抜けた感覚に陥るほど素晴らしい描写の数々でした。

時代に荒波に翻弄されながらも、一途に、ただ1人の人だけを静謐に思い続けた1人の中国人の青年。
こんな風に人を愛す事が出来たのならと思う。
読み終えた後、今は無き当時の上海の街に想いを馳せてしまう作品。

2

China rose

とてもとても胸がギュッとなる話でした。
映画1本見終わったあとの心臓のドキドキと同じものを味わってます。


とにかく、エドワードの健気さに涙、涙です。とにかく読んでいて辛かった……。
1章最後の、『人生で一番、幸せな時期といえたかも知れない。』この1行に込められています……
一途に思い続けたレイモンドとの再開では一方的にかすかな失望をされ、女性と結婚直前までいき、自分を捨てた母に重ねられ……。
エドワードがレイモンドとダンスするところもなんとも言えない気持ちになります。レイモンドは完全なる気まぐれ、そんな事わかっている。でも、ただ嬉しい……。エドワードが健気すぎて心痛みます。泣けます。

健気受け小説によくでてくる性格の悪い攻めじゃなかったのが好感度高いです。

いろんな方のレビューでもあるように、2人の別れのシーンが辛いんです。
あるだけのお金をコートのポケットに……大事な大事な指輪を託す……もうこれがレイモンドの心を表してますよね……。

最後、2人の再開は、もう手放しで嬉しかったです。

その後の、「歌姫」が私はお気に入りです。
エドワードにとって、幸せな瞬間は全くと言っていいほどない香港生活、レイモンドとただ会いたいと言って泣くエドワードに心痛みました。
でもとても心に残るエピソードで、読んでよかったと思いました。


「China rose」という話は、作者の方がタイトルとイメージをエンヤのChina roseからとったとあとがきに書かれていたので、聴いてみました。
曲を聴いて、なるほど、、、と。
歌詞は見てないのでよくわからないですが、曲全体がやわらかく包まれているような感じなんです。これはもう、エドワードのレイモンドに対する愛みたいだな、と個人的に勝手に解釈しました(笑)


もっと早く読んでいればよかったと思えるお話でした。読んでいない方がいればぜひ読んでください!

1

blらしい歴史もの 手放したくない一冊

かわい有美子先生は、bl小説を本格的に読み出すきっかけとなった大好きな作家さんです。小説では唯一、作家買いをしているくらい大ファンです。

先生の作品が安心して作家買いできる理由は、なんといっても魅力的な文章にあると思います。いい意味でライトノベルらしくない、正確で時に詩的な美しさもある表現や言葉遣いをされていて、読後は重厚な一般小説と同じくらい満足感と達成感があります。何冊も作品を出されているので、当然その中で個人的に好みに合わない雰囲気やストーリーのものもありますが、それでも先生の素晴らしい文章を楽しむことができるので、他の個人的に好みに合わない作品とはいつも、ひと味違う読後感になります。

さて、今回の作品ですが、私がかわい先生のファンになったきっかけでもある最初の一冊であり、かつ今まで読んできたかわい先生の作品の中で12を争うくらいよかったです。エドワードがとにかく健気で、でもよくある弱っちい受けではなく、常に自分の役目をしっかりと果たす男らしさもあり、うまく言えませんがその強さとひたむきさもあるからこそ、より健気だなあと思って応援したくなるというか・・。時代背景や主従関係など困難も多くありますが、最後はそのエドワードの強さがあったからこそたどり着くことができたハッピーエンドだと思います。歴史ものそして海外ものということで、説明的な部分や描写も多く、そういった所でよりかわい先生の文章センスが光っていて、世界観にひき込まれました。

ずっと手元に置いておきたい作品のひとつです。この作品がいいなと思う方には、かわい先生の他作で2巻完結の「東方美人」もおすすめです。東西冷戦時代のベルリンを舞台にしたソ連や各国のスパイ達のお話です。個人的にかわい先生の文章はこういう歴史物だとよりその的確さと美しさを感じるので、もしよければ読んでみてください。

3

健気受け作品の個人的ナンバーワン

エドワードが本当に健気でした。健気受け作品で時たま見かける女性的なうじうじした感じではなくて、攻めの結婚が決まりそうなときでさえ、自分のやるべきことを見失わずにひたむきに攻めに尽くしていたり、戦渦を一人で生き延び、待つのではなく自分で海を渡って攻めに会いにいくのもとてもよかったです。こういう強さというのは男性らしく、blだからこそのお話でした。

戦時中という特殊な時代背景、身分や人種の違いなど、二人を阻むものが強大だったからこそ、胸をぎゅっと掴まれるような切ないメロドラマになっていて、映画を観た後のような満足感がありました。

そして、ストーリーもさることながら、かわい先生の文章の書き方や表現に非常に引き込まれました。ライトノベルでありながら、まるで純文学のような確かで秀逸な言葉撰びと瑞々しい透明感としなやかさのある表現で、今まで読んだbl小説とは個人的にそこが特に大きな違いだなと感じました。

戦争の影が近づいてその雰囲気が変わっていく度に作中で何回か出てくる、かわい先生による当時の上海という街についての描写がとても素敵で、西洋と東洋の文化が入り交じったそのどこか妖艶な当時の上海を訪れてみたくなりました。

かわい先生の文章で書かれたblがもっと読みたいと思ったので、レビューを参考にしながら自分の好みに合いそうな作品を片っ端から買いあさりました。届くのが楽しみです。

5

エドワードが泣ける

長かった…。壮大な物語でした。30年間くらいのお話でしょうか。
映画を一本見たか大河ドラマを見たようなスケールの大きさと物語の中の時間の長さがありました。

まず主役の二人の名前がどうしても覚えられず似て見えてレイモンドとエドワードはどっちがどっちだっけ?と何度も混乱しました。

長かった。疲れた。でも良かった!
時代と人種と生きた街の影響が大きいですね。大人になってからのレイモンドを途中までは好きになれませんでした。
そしてここまできっぱりとした主従物は初めて読んだかも。
レイモンドが上海に戻ってからは悲恋の予感しかしなくて、その後は再会できるかわからなくてハラハラしました。

攻めが他の女性とお付き合いし結婚直前までいくのは読んでいて辛かったです。まさか破談になるとは。そして二人が結ばれてからもレイモンドが残酷で。初恋のエドワードの母と比べたり。
でも情の篤い男ですからエドワードをずっと愛してくれました。エドワードが可愛らしくて仕方がないって。一心に慕ってくるエドワードにほだされた感もありますがエドワードに心底惚れたのでしょう。良かった!

戦況が悪化し上海の埠頭で別れ戦後必死にエドワードを探すレイモンド。でも見つからない。ページはまだまだ残ってるしどうなるの?とハラハラしました。そしたらエドワードが指輪を届けにイギリスのお屋敷まで現れてなんとか無事に再会できました!良かった!でももっと再会後の話が読みたい!
そうしたら歌姫のお話が始まりえー!関係ない?と思ったらエドワードが6年間コツコツとイギリスへの渡航費用を貯めるお話でしたね。
指輪を返したい一目だけでも会いたいと同僚に語る所に感動しました。

そして無事に再会後の話がChinaRoseで読めます。
二人はまだまだ一緒にいられます。跡継ぎも決まってレイモンドのお仕事も順調そう。

最後まできっちり主従でしたね。エドワードが弁えてるのがいいようなもどかしいような。

エドワードが自分の帰るところがないというのが切ないし、エドワードにとってレイモンドが全てでレイモンドの側にいたい、居られればそれでいい想いがジーンときました。人生をかけてますね。執事だからこそずっと側にいられるとも言えますね。エドワードの幸せがずっと続きますように。

3

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