タナトスの双子 1917

tanatos no futago

タナトスの双子 1917
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神21
  • 萌×25
  • 萌8
  • 中立3
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
12
得点
152
評価数
37
平均
4.2 / 5
神率
56.8%
著者
和泉桂 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
高階佑 
媒体
小説
出版社
大洋図書
レーベル
SHYノベルス
シリーズ
タナトスの双子 1912
発売日
価格
¥860(税抜)  
ISBN
9784813012085

あらすじ

「欲しいのは憎悪だけか…?」
オルロフ公爵家の嗣子として、皇帝に仕える近衛師団の大尉として知られていたユーリだが、自らを犠牲にしながらも愛する者の裏切りに遭い、生きる意味を見失っていた。副官のヴィクトールはそんなユーリに屈辱と服従を与え、憎しみを糧に生きることを強要した。一方、生き別れていた双子の兄であり帝政派の敵であるミハイルは、幼馴染みのアンドレイと共に、ロシアを離れたユーリを追い詰めてゆく! 憎しみと裏切りが錯綜するなか、ふたりが手にしたものは……
(出版社より)

表題作タナトスの双子 1917

副官ヴィクトール
軍人 ユーリ

同時収録作品タナトスの双子 1917

ミハイルの幼馴染アンドレイ
ユーリの双子 ミハイル

レビュー投稿数12

激動の時代でハラハラさせられました・・

上巻の1912は厳しめのレビューになりましたが、今巻1917の方は、各登場人物も生き生きして、想いも伝わりやすく、作品として完成度が高く感じました。物語の構成上、上・下巻をまとめて読破した方がいいように思いました。
耽美的な文章なので、読んでいて心地良かったです。

今巻はロシア帝政の末期の激動の時代を舞台に、運命の双子の波乱に富んだ生き様が愛憎を絡めて描かれていました。ユーリとミハイルの双子の行く末に涙するシーンも多々ありました。斜陽がテーマであり、しかもロシアものですので、全体的に重苦しい雰囲気が漂っていました。その中で救いであるかのような双子のそれぞれの対照的な愛の描写がとても良かったです。ユーリのカップルもミハイルのカップルも両方萌えました。ドラマティックなストーリーに時代が時代だけに悲恋的なムードを漂わせたBLが自然に上手く絡まっていて、余計に盛り上がりを感じました。
それにしてもメインカップルのユーリとヴィクトールという名前には反応してしまいます(笑)ロシアでは、よくある名前なんでしょうねww

先行きに暗雲が込められていて、先に進むのが怖い気持ちになりつつも、最後まで目が離せませんでした。最後の一行をどうとっていいものか・・。何度も最後あたりを読み返しました。余韻を残す終わり方ですが、希望を持ちたく思いました。

作家さんの「筆がのる」事が実感できる巻でした。作家さんが描きたかったものがダイレクトに伝わってきました。一般小説も読みますが、作家さんの萌えも大きな原動力であるBL小説は、作家さんが夢中で描き切られた時に読者として突き動かされるものが大きくて、一般小説にない良さがあるなーと痛感します。


1

もう少し救いが欲しい・・・

ひゃーな所で終わった「タナトスの双子1912」の続き。1912で書き損ねましたが、裏表紙と表表紙は1枚の絵になっていて、裏にはそれぞれの攻めがいる構図になっています。

1912では、1912年、1913年のエピソードが書かれ、当巻では1914~1917が という時系列になっているお話。後半になるにつれ甘くなるんじゃないの という予想を裏切り、最後の最後まで、どえりゃーシビアなお話で終わってしまい、普段でろ甘を好む私には、やっぱり冬に読むんじゃなかった という印象です。

1912の印象そのまま続き、双子の憎悪、愛情、お互いの攻めへの愛情、近すぎる故の憎しみ等入り乱れて、そうそう、人間ってこんなもんだよね、説明つかない感情なんていっぱいあるーとすごーく納得。当事者は渦の真っただ中にいるし自分の事だから割り切ってもらうとしても、傍から見ている第三者にとってみれば、おいもうちょっと何とかいい方向に転がるように、工夫せんかい(怒)という気持ちでいっぱい。せつない というより「空しい」です。

最後はいいんだか悪いんだか どちらにも取れる終わり方。小冊子があるそうですが、他の方のレビューによると「その後」のお話ではないとのこと。ああああ・・・なんかで救われたかった(泣)
ずんどこまで落ちてもいいや という気分の時に、お読みいただいた方がよいと思います。
耐性少ないので、申し訳ありません、中立で。
中表紙のミハイルは超々々美しく、うっとりするんで、それを見て自分の癒しにします。

1

欲しいのは、憎悪だけか?

いやあー。もう切なかった。久しぶりに読み終わりたくないと思った作品だった。

ビクトール!!私の想像をはるかに超えるいい仕事っぷりだった。下巻は、上巻をはるかにしのぐエロさ。それもこれも、ビクトールの鬼畜っぷりが発揮されたおかげ。 そのせいといっちゃあ、なんだけど、その餌食にされるユーリが気の毒といっちゃあ、気の毒だった。「いかせてください」「口でしてください」というところなんか、もう鼻血もの。

それにしても、上巻とは打って変わって、ミハイルとアンドレイがラブラブあまあまなのは面食らった。ミハイルよ、マクシムのこと、忘れるの早すぎよ!!ユーリとビクトールのセックスが痛いから、ミハイルとアンドレイのセックスが甘すぎて、‥(゜Д゜;≡;゜Д゜)てなった。

ユーリは、ビクトールと二人で逃げられたはずなのに、どうして最後の最後でミハイルを呼び出したんだろう?生きていてほしかった。ユーリもミハイルも。ビクトールが必死になってユーリを生かそうとしていたのに、その思いがユーリには届いていなかったのかな?
読んだ後はすごく哀しくて切なくなった。

4

巻頭カラー!

美麗な表紙の本、前から気になってましたがやっと読むことができました。高階さんの絵が最高です。特に上巻の巻頭カラーのミハイルの表情が切なすぎる!でもストーリー的には好きなのにユーリの方が抱いてもらえなかったんだからユーリも切ない?私はあの可哀想な顔をしてる方がミハイルだと思い込んでしまいましたが。マックス、罪な男です。

その割に下巻では双子はお互い別の男といちゃいちゃしまくってましたが(笑)いいんですそれでこそBLです。運命に翻弄された双子ならではの愛憎うずまく感じがたまらない壮大なお話でしたが、なんといってもこの本は挿し絵が美しすぎます。高階佑さんはBL界の宝と言える人の一人だなとつくづく思いました。最近小説はイラスト買いより、作家買いの方が多いんですが、高階さんは自分の中では別格で持っている本の中でも一番多いイラストレーターさんです。(どの表紙も芸術的に美しすぎて手放せないのです)

3

詰め込みすぎた感はあるけど、凄まじい重厚さ

タナトス1912の下巻に当たる今巻。
読んでからだいぶ経ちまして、再読しました。
重くずっしりとしたお話。冷たいロシアの風景を感じるのは前巻同様。
1912にて飛び交っていたそれぞれの愛の形が、終結しました。

レビュアーの皆さまがおっしゃるように、いろんな要素が散りばめられている読み応えたっぷりな一冊です。↓ネタバレレビュー。

一番印象的だったのは、やはりヴィクトールの愛し方でした。
歪んだ愛情表現としてしまえば、そうなのですが、愛するがゆえに自分は憎まれても、ユーリに生きる意味を与えるという無償の愛。
自分が愛されなくともいいから、ただ愛する人に生きていて欲しい。
そう語るシーンで、その純粋な想いに涙しました。
恋愛は相手に好かれたいと思うものという概念をふっ飛ばされました。
ガツンと頭をやられた感じです。
どうしたって、好きな人に好きになってもらいたい。そう思うものだと思っていたし、いろんな作品を読んでいてそこをほじくることはほぼなかった。
でもヴィクトールの愛はそれすら飛び越える次元を超えた想いのような気がして、、、共感はできないキャラなのに、報われようとは欠片も思っていない孤独かつ強い彼に胸を撃たれました。
んー。やられました。そうくるかと。

そして双子特有の愛憎ストーリーも読ませてくれました!!
ユーリとミハイルのそれぞれの個性を活かした展開の素晴らしさ。
二人が絡まった過去の因縁から解き放たれるための選択肢は、まさにクライマックスで、ゾクゾクしました。

いろいろ語りたいところが満載すぎて書ききれないというのが感想でもあります。。。
ロシア革命下に生きるキャラたちの生き様を見届けるという感じでした。
時代的には難しそうなイメージがありますが、とてもわかりやすく読みやすく書かれていると思います。

すごいのは……
【双子もので踏んで欲しいポイント】
双子が離れ離れになってしまう。
双子の一人が記憶喪失。
双子で同じ人を愛してしまう。相手を寝取ってしまう。
双子が敵対してしまう。
双子であるがゆえに、味方から敵勢力のスパイだと誤解をうける。
双子で殺し合わなければならない。
双子が和解。

というポイントを2冊ですべて含んでいるところです。
そこにさらに、調教エロ。敬語言葉攻め。下剋上。幼馴染。主従。メガネ。などが入ってくるという詰め込み具合w
よくぞ詰め込めたというくらいのネタ量。
ずっしりお腹いっぱいになります。
重めのお話を頂きたいときにぜひに2冊を♪
ラストシーンは評価分かれるかなーと思いますが。
余韻の残し方が私は好きでした(>_<)
愛すべき美しき双子たちが幸せでありますように。

下巻の表紙も扉絵も挿絵も素晴らしかった!!!!!!!(*^_^*)
高階先生の絵…秀麗すぎます(ToT)
何回も魅入ってしまいます!!!!!好き過ぎる。

4

巻頭カラーのイラストには「神」一票。

↑美味しい並びでした、と言いたいです。

後編に山場であるドラマチックなシーンがあり、そこはとてもハラハラさせられました。あれは映像でみたいなー!という印象。CDで期待してまうのだが実際どうなんでしょう?
その一方、若干もったいないなと思うのが、ユーリにとって割と多分重要な出来事が身に起こったんですが、それが結構唐突で書き込みが少なくて・・・できたらもうちょっと前後詳しく描いて、ベタな内容でもいいのでもっと書きこんで欲しかったなという感想。
あとは良かったとこといったら、双子の●●シーン。
双子それぞれの愛しい人間との愛を育む過程もいいんだけどこの作品の醍醐味はやっぱ双子っていう何者にも、何があってもどうにも出来ない絆と情っていうか・・・ほんと半身なんだよね!!片割れ!!二人で一つ!!死ぬ時は一緒!離れていても僕らは一緒だよ・・・
っていう極上の萌え要素が凝縮された二人のそのシーンですかね。
最後が、絶対誰が読んでも不完全燃焼。読みながらページ数のなさに若干焦りました。読み終えて私の読み方が足りない?放心状態・・・・
終盤何回も読み返したけど悪い想像と良い想像どっちも出来てしまう。
それを狙っていたのかもしれませんが。
でも・・・できたら最後もうちょっとはっきりさせて欲しかったです。
切実に番外編を・・・と思った矢先に出た小冊子でのお話は「その後」ではないようです。

3

比良裏

レビューをありがとうございます。
多分、「その後」がないからです。だって、双子がもういないですから。家族だとしても、一緒にこの世に生きられない二人に対してぴったりな結末だっただと思います。

あと少し欲しかった・・・(辛口注意)

受けも攻めも魅力的で、2巻楽しく読めた。
話に出てくる材料(立場、世界感、情勢)が良かっただけに、もっと話を広げられただろうとも思ってしまう。終盤、英雄ではなく、歴史に追われた人になってしまったのも勿体ない気が。
追い詰める側のユーリが優しさが残っていて、追い詰め合う双子という悲劇性が薄い。もう少し鬼になって欲しかったような・・

作者は好きですが、あとひと味欲しかった気がしました。
勝手なことばかり言ってすみません。

甘いシーンもエロシーンも適度にあり良かった。EDの曖昧感は私はありだと思います。というか脳内ではハッピーEDにしてしまっています(苦笑)

2

ぎっしり読み応え充分!

双子の愛憎。
その双子それぞれに、違った形で寄り添うアンドレイとヴィクトール。
双子の運命に、半ば自分から飛び込むようにして巻き込まれ、翻弄されて、それでも決して手を離さなかったこの2人がとても好きでした。

アンドレイ~!ミハイル連れてそのまま逃げちゃえ!って、何度思ったかしれません。
私は「国を変えたい」と思うほどの情熱もないし、革命が起こるような不安定な国で暮らしたこともないので、どうしてもどうしても、「やめちゃえよ」と思ってしまいます。
親とかを人質にとられる前に逃げてって、何度も思いました。
逃げた本人たちの知りようのないところで家族を殺したって何の報復にもならないわけで、そんな無駄なことはやらないだろうし。
だから、人質とかとられる前に逃げちゃえば良かったのに!って、心の底から思いました。

ヴィクトールは…。
なんてまぁ、不器用な……。
このお話の登場人物のなかで、唯一考え方を理解できる人だった気がします。
「ただ生きて欲しかった」と告げた瞬間、胸がぎゅ~~~~~っとなりました。
理由はそうだろうと漠然と感じていましたが、それをこうもまっすぐでシンプルな言葉で言われて、泣きたくなりました。
我がままに付き合わせただなんて…。本当だったら人として当然の望みなのに。
たったそれだけのほんのささやかな望みのために、彼がどれだけのものを犠牲にしてきたかと思うと……うぅ~><


要所要所でミハイルもユーリもさまざまな決断をするわけですが、その決断に「やだ!なんでそっちに行っちゃうの?」と思ってしまうのは、きっと私がその時代に生きていないからです。
ロシアについてまったくの無知ですが、お国柄のようなものが思想の根底にあるのも感じました。

おなじ時代物でも、これが日本の武家とかのお話なら、いくら家族が大切でも思想に走りそうな気がするんですよね。
息子を切腹させてみたり、娘を敵方に嫁にだしてみたりって歴史のある国だし。
守るものが「国」と「組織」の違いってのはあると思うんですが、それを差し引いても「家族」というカテゴリーの位置づけが違うように感じました。
だから、純粋に好きな人のためだけに生きるヴィクトールの気持ちだけは、きちんと理解できたんだと思います。

壮大でとてもはまり込んで一気に読んだけど、やっぱり相容れない部分はあって、けどそれもこの時代のせいなんだとちゃんと納得しながら読めたから、一層切なくなりました。

最後は…どうなったんだ?
最後のシーンの直前の過去話から察するに、ミハイルだけ死んじゃったのかな?と思わなくもないんですが…。
あ、けど、ミハイルも足に怪我してたから…。ユーリがヴィクトールと待ち合わせしてるって言ってたし……。
ヴィクトールがあまりにも幸せな妄想をしていたので、逆にどうも最後の足音がユーリじゃない気がしてならないんですが…。どうなんでしょう?

これはもしかすると同人誌なんかで解決してるんですかね?
私はもわもわっと読み終えましたが、二人とも生き残っていたとしてもご都合主義に過ぎる気もするし。
けど、ここで死んだことにしてしまえば、これから追われることもなく暮らしていけるんだよなぁ……。
どこかできっと……、そういう余韻を楽しみなさいよということなんでしょうね。
私は、気になりすぎて、楽しめない~~~><

それにしても、やっぱり、高階さんの絵は「神っ!」でしたっ!!!

4

ごくろうさまでした

一冊目よりはマシだったけど、ややメインが、もともと好きなセイガンジの次男の類型的なカップルだったから、それが楽しめただけかもしれない。

結局、新書二段の二冊もかけて、双子がどちらも、自分から愛した相手より、自分を愛してくれる相手を愛するほうが幸せ、という結論になるのが残念。

好きな時代や設定、さらに力の入った美しいイラストがついた本でも、ここまで残念感ただようのも珍しい。
和泉さんは好きな作家さんだけに、本当に残念。

2

5人の男たちの愛のカタチ。

双子を再びめぐり合わせた男 マクシム
双子に愛された男 マクシム
双子を引き裂き憎しみ合わせてしまった男 マクシム
マクシムーっ!!!

あれ・・・マクシムってそんなにいい男だった?(´д` )

マクシムへの気持ちを双子が“愛”と呼ぶけれど
私には“恋”だったような気がしました。

ミハイルをまっすぐな愛で支え続けた幼なじみのアンドレイ。
ユーリを歪んだ愛で支え続けたヴィクトール。
アンドレイもヴィクトールも、双子に魅了されながらも
ほかの男どもとは違い、全てが欲しいために
じっとそばにいて自分を見てくれるのを待っていたんですよね。
なんという欲張りさんw

ヴィクトールの愛情の歪みがどこからはじまったのかも
この巻であきらかになり、そのきっかけがものすごく子供っぽくてw
大人が拗ねると本当に大変なことになるんだなw
しかしヴィクトールは、本当にややこしい男で
主従、下剋上、敬語、眼鏡、調教、幼馴染み、軍服、貴族、年の差
というキーワードをすべて展開してくれましたよ。すげぇw
ヴィクトールあっぱれ!
大変読者を楽しませてくれました。大好きです。
この人の仮面が少しずつ剥がれたときちょっと泣いたよ。

双子はマクシムと決別し、愛される喜びを知ります。
無二の存在であった双子は互いへの想いよりも
自分を愛してくれる男を選ぶところは
やっと兄離れ、弟離れをしたんだなって思ったのに
ラストの運びは、どうにもすっきりしませんでした。

愛する人を抱かない愛 マクシム
青い鳥を見つけた愛 ミハイル
実はドMだった愛 ユーリ
愛されぬなら憎んでもらおう愛 ヴィクトール
愛されぬなら愛されるまで待とう愛 アンドレイ

5人の愛のカタチ。
ロシア革命前後の殺伐とした世界で
ミハイルとユーリが選んだ愛は多少生きるための打算もあったと思う。
自分を一番愛してくれて守ってくれる人を選んだんだもん。
最後は、もっとずるい道を選んでくれてもよかったよ。

どの愛のカタチに共感するか読者によってさまざまじゃないでしょうか?

5

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