条件付き送料無料あり!アニメイト特典付き商品も多数取扱中♪
大御所の文章に魅せられた1冊です。
タイトル通り、また英田先生もあとがきに書かれていましたが、ヤクザもスパイも出てこない、普通の男たちのお話です。
それなのに引き込まれます。
一気に読み終えてしまいました。
先生と元教え子。
過去の傷により臆病で頑なになっている先生。
まんべんなく愛せるけど恋に狂ったことがない棚橋。
恋心を自覚するも、それぞれが1歩踏み出せない。
棚橋が踏み越えてからも先生の頑なさと言ったら…!じりじりしました。
が、ただの男たちの葛藤が丁寧に書かれていて
すごく良かったです。
小山田あみ先生の絵も言わずもがなの美しさ。
読み終えてからしばらく余韻に浸ってしまいました。そしてまた最初から読み返したくなりました。きっと、これから何度も読み返すと思います。
わりと身近にありそうなラブストーリーですが、言語化しづらいところの恋愛の本質が見事に描かれていました。英田先生の他の作品に比べたら、事件もイベントもなくて地味なのかもしれないんですが、この偉大なる地味!日常の細部にこそ見過ごせない真実があるのではないでしょうか…!(笑)
ままならない恋の緊張感を追体験してしまいました(引っ張るぅ~)。”いつか終わる恋のために”は攻(棚橋)の一人称・僕がとても新鮮です。前半の棚橋は一見いい人そうだけど、計算高くてまぁまぁ嫌な男だなと思いました。が、そんな社会的優等生が、元担任・水原を好きになり計算ができなくなって感情で動いてしまう。順風満帆に周囲が望むような人生を歩んでいた男が、”どうした俺?”とコントロール不能な恋の沼に落ちていく過程にワクワクしました。一緒にいるとしっくりくる心地よさというのは、まさに”相性”なんだろうなと。なんで好きになった?(5w1h)をきちんと説明できる客観性は恋に必要ありません。(なので棚橋は正解)恋敵・大竹の言葉でスイッチ入る棚橋の行動が怒濤すぎて萌えました。
タイトルの”恋ひめやも”は受視点。この一冊で攻受両視点って本当に佳き!水原ってそもそも恋愛体質なんですよね~(奪う体質で奪われたがりww)。大人になればなるほど、経験が行動の枷になるので、水原が若い恋人の出現に戸惑って動けなくなるのは、自分の両親の事情とあいまってとても自然なことなので、若い棚橋に誠意(と根気)と情熱があったということが、この2人にとっての僥倖だったし、運命だったんですよね。そして、(やっと)初めてのスケベでの水原の魂の叫びは、声に出して読みたいくらいいいんですよ!
恋はいつか終わるのかもしれないけれど、始めないまま終わる虚しさを抱えるよりは、終わった後の喪失感を抱えたほうがいいし、2人で見た景色や一瞬一瞬を積み重ねることで、また違う関係性に発展できるはず!(特に水原、頑張って…。)と気分が高揚するようなラストでした。
サスペンスなし、日常あるかもしれない状況設定での恋愛小説。
各章の小タイトルは内容を掴みやすい構成。分かっているのに、読みながら心を掴まれてしまうのは、著者の巧みな文章力のせいなのかな?
「いつか終わる恋のために」・・棚橋の気持ちが軸
「恋ひめやも」・・水原の気持ちが軸
---
かつての教え子・棚橋が同窓会で担任教師だった水原と再会する。
水原の外観が変った事から関心を持ち、読書好きの棚橋は水原と本の貸し借りで交流しだす。
ある日、水原のマンションに向かうと、情事の後らしい水原の姿を見てしまう。
増えすぎたら古い本を棚ごと一気に棄てるのに、不倫相手との関係を清算しきれない水原。
好きな本は何度も読み返す棚橋は、水原の過去を知るにつれ放っておけなくなり、気持ちが心配から恋に変わっていく。
棚橋は、本嫌いで結婚願望高い友梨奈と結婚を約束していたが、水原への気持ちを押さえられなくなる。棚橋は悩んで、友梨奈へ土壇場にきてやっと自分の気持ちを伝える。
「コイメヤモ」
冒頭で、「生きめやも」の解釈についての会話がある・・「めやも」は水原の逃げ口実になっていそう。
一見一方的に惚れているのは棚橋に見えるけれど、実は逆なのではないかと思う。モダモダ年上男に年下の世話やき執着男が、肉体関係なしにモダ男に心をからめとられていく展開。
水原のようなダメモダ男を魔性と言うのかもしれない。
実は水原の運命の蜘蛛の巣にかかっちゃった棚橋。
二人の恋は読者の涙をそそるような焦れ焦れに展開していく。
これでよかったのか‥?読後モヤモヤ。
ホントで購入した電子書籍には、イラストがなかった。この作品は紙版の購入をお勧めします。
モダモダは苦手なので萌2.
---
万葉集
額田王、
【あかねさす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る】
額田王の歌をうけて皇太子(大海人皇子)がお答えになった歌
【紫草のにほへる妹を憎くあらば人妻ゆゑに我恋ひめやも】
--
タイトルと内容の原案は、万葉集の大海人皇子と額田王との詩。
かつて恋人同士だった二人が別れた後、当時の恋人・天智天皇も同席する宴会で、ふざけてかつての恋人に額田王が歌を送る。その返歌。
個人的にはとてもよかったです!
英田先生の作品として考えると、物騒な事件が何も起きないので地味と感じる方もいるかも。
元生徒×高校時代の教師
本気の恋をした事がなかった男が、感情を抑えられないほど人を好きになってしまう。
これは恋なのか、なんなのか。
恋人がいて結婚を考えていたのに、揺れる感情。
相手が異性だったら結婚をやめて気持ちに素直になるのに、惹かれているのは同性で脈なんてない相手。人生の決断。
女の子の立場になったら溜まったもんじゃ無いのですが、人間の感情の複雑な揺れ動きに引き込まれます。
絵が綺麗すぎて受けである先生があまり地味に見えなかったくらいで、後はほんとうに凄いの一言。
BL小説好きなら読んでおく一冊だと思いました。
ちょっと厳しめの中立。
これはなんというか、ある意味英田さんということで買ってしまったようなものですが、習作かな?と思うほどの作品でした。
あとがきで書いておられますが、サスペンスもファンタジーでもない市井の物語。
その設定は全くもってよいのです。同窓会で再会した冴えない先生と、立派に成長したいい男との恋。
しかしこの先生が、めんどくさすぎる。というか、地文がめんどくさすぎる。
感情の起伏がほとんどないけど、ぽつっと放つ言葉は辛辣でも的確で優しい、そのキャラはすてき。しかし地の文の思考がいじけた乙女そのもので延々同じところをループするので読んでいて疲れました。
ひたすら、攻めの棚橋の忍耐にかかっているお話。こちらの忍耐が持たなかった。。
文章もいつもの切れがみられずテンポもよくない。
やはり英田さんはコミカルを入れないとのらないのかな。
でもDEADLOCKはコミカル要素なかったなー。
攻め視点の「いつか終わる恋のために」、受け視点の「恋ひめやも」の2編で構成されています。
「いつか終わる恋のために」
主人公は、そろそろ結婚も考えている25才のリーマン・棚橋。
高校の同窓会で7年ぶりに担任だった水原と再会し、彼女がいるのにどんどん水原に惹かれていく様が描かれます。
この棚橋がね〜。リアルっちゃあリアルなんだけど。
彼女がウザい、先生といる方が楽しい。
でも僕はゲイじゃないからこれは恋愛感情なんかじゃない。恋だとしても一時の気の迷いだ。
彼女と別れる気なんてないし、僕は悪者になりたくない。などなど。
自覚もしてるけど、かなりの最低男です。
自分から離れようとする水原に『そばにいさせてください』なんて言ったり。
一度は離れてこれで良かったんだ、とグチグチと。
挙句に遂に彼女と別れて。
水原の言う通り『自分さえよければ、それでいいのか?』
この話がここで終わったら本当にトンデモ男でしたよね。
「恋ひめやも」
こちらは受けの水原視点で進みます。
「いつか〜」の後、棚橋が彼女と別れて告白してきてからの展開です。
水原は一見毅然として棚橋を拒絶しているけど、その内面は、棚橋の恋人を傷つけ、棚橋の将来を歪め、いつか棚橋に捨てられる事を恐れ、そんな自分が嫌だという負の世界に陥っています。
そんな水原の元に懲りずに棚橋はデートに誘い、部屋を訪ねてくる。優しい棚橋の存在が辛い。
イジイジしている水原の面倒くささ。
でもこの水原のやるせなさがあって初めて、この一作が重層的になって迫ってくる。
ただ、やっぱり棚橋の行動はイマイチだなぁ。女の子を抱いてきた、なんて言って。わーイヤだ、と思ってしまいました。
このお話はエロシーンはもっと抑えめでも良かったかもしれませんね。
登場人物はほぼメイン2人、そこにおまけ設定程度に攻めの彼女と受けの元彼がいます。その両名とも、完全な当て馬。
結果、攻めと受け共々、自意識過剰な中学生レベルの恋愛観でしか行動していないように思いました。
こんな人たちに振り回される周りは大変だわ。
ノーマルだった攻めが受けの先生を好きになった経緯がゆるすぎてよくわからず、先生がこの攻め君を好きだったんだか好きになったんだかのアレも、なんだか曖昧すぎてよくわかりませんでした。
この先の幸せをあんまり思い描けない2人です。
でも、生徒×教師っつーシチュエーション萌えなので、それはそれでいいか。
棚橋は結婚も考えていたノンケだったのに、同窓会で水原先生に再開してから、水原先生にはまっていきます。
一方の水原先生は恋に臆病。
いつか終わる恋で自分が傷つくことも、自分が誰かを好きになることで相手やその周りの人を悲しませんることも耐えられません。
過去のトラウマから本当は好きなのに素直になれない先生の葛藤がせつなかったです。
最初は彼女と別れないまま「好きだ好きだ」と水原にせまる棚橋の強引さに共感できない部分がありましたが、自分から殻を破れない先生だったので最終的には良かったように思います。
いつか終わる恋かもしれないけど、水原先生には「恋してよかった」と思ってほしい!!
表題作と続編の中編二本立てです。
棚橋(攻め)の彼女と元彼女、水原(受け)の元彼氏が登場します。直接の描写はなくても、それぞれと肉体関係はあっただろうなという感じはありますので、苦手な方はご注意ください。
「いつか終わる恋のために」
棚橋の目線です。同窓会での再会を機に、元担任の水原の家を訪問する仲になります。棚橋は親しくするうちに、いつしか水原に惹かれてしまいます。しかし水原は、以前不倫で付き合っていた大竹と寄りを戻すと言い…。
「恋ひめやも」
水原の目線です。前作の続編になります。
好きだと言う棚橋に、水原は素直に俺もだと言えず、優しくされるのが辛くて泣いてしまい、棚橋の気持ちが迷惑だと言ってしまいます。それからしばらく棚橋の足は遠のき、久しぶりに家に来たかと思えば、女を抱いたと言い…。
もう、ひとつひとつがツボでした。セリフ、描写、イラスト、何もかもがです!携帯電話を額に押し当て、目を強く閉じた棚橋の姿が目に浮かび、涙腺が緩みました。棚橋に、何故大竹先生に抱かれたふりをしたのかと問われ、水原先生が返したセリフで「だって」が2回繰り返されているとか、可愛すぎます。
彼女がいるのに、同性である水原に惹かれていく棚橋の心情が自然でした。棚橋は結婚を前提に付き合っている彼女を、親に紹介する直前にフリます。私はあまりそういう展開は好きじゃないのですが、棚橋を酷い男だと思えませんでした。仕方がない、と思ってしまうほど、彼の心情に流されてしまいました。
水原は恋に臆病なうえ強情で素直になれず、偽りを口にしては容易に本心を見せません。そんな水原を慎重に観察し、今だと思えば機会を逃さずどっと攻めていく。棚橋は優しいけれど意外とハンターだなと思ったものです。両思いになってからのベッドシーンでは、「先生」呼びなのに、先にイッてしまった水原を「仕方がないなぁ」というのが微妙な力関係を表しているようで、とても萌えました。
恋はいつか終わる、永遠を約束してくれないというのが二人の認識で。
でも、恋が終わっても傍にいてくれる。そんな予感がする、というのが胸にきて泣けて仕方がなかったです。
元生徒の年下攻め、教師の年上受け、優しくて丁寧口調の攻め、素直じゃない受け、両思いになるまでの経過が好きな方に、絶賛お勧めです!
余談ですが、私はこの二人が好きで好きで好きで!
特典ペーパーとか、フェアの小冊子とかにSSが載っていないかと探したのですが見つからず。唯一発見したのが、2010年発売のドラマCDのブックレットに掲載されていた「恋ひ恋ひて」でした。今日現在は作者様のブログに掲載されておられます。「恋ひめやも」の後日談で、お正月の二人の幸せそうな様子に泣きました。最後まで泣かされた作品でした(笑)
ちょっとした衝撃でした!
英田先生の裏社会物ではない普通の?物語とのことで急に読みたくなって電子版で読んだのですが…
(最近電子版に手を出すようになってちょっとヤバいです。簡単に購入出来てすぐ読める。でもどんどん口座からなくなっていくものがw)
元担任教師でゲイの水原先生と婚約者がいる元教え子の棚橋の物語。
同窓会で再会してから、棚橋は水原先生と過ごす時間が少しずつ増えていきます。
先生の元カレ、棚橋の婚約者、それぞれ切り離せない人たちがいて、二人はそれぞれの中でブレーキをかけようとする。
それでも止められない気持ちを棚橋が告げますが…
それが物語の中盤、そこからワタシがダメでした(T_T)
なんかそのあたりからずっと泣き通しで。
切なすぎる。でも、二人の気持ちが凄くわかる。
これはもう男同士だからということも関係なく人としてどう誠実でいるべきかってことでもあるから。
少年時代のトラウマとか元カレとの関係とかいろんなことが絡まって、水原先生は棚橋を突き放してしまうんですよね。
棚橋は一大決心をするのですが、先生は受け入れられない。
でも棚橋はあきらめない。もう切ないっす。
「紫草のにほへる妹を憎くあらば 人妻ゆゑに我恋ひめやも」
「長月の有明の月のありつつも君しきまさばわれ恋めやも」
本の貸し借りをしている二人が「風立ちぬ」の話から上記の句を引用して話すシーンがいいです。
先生の苦しい胸の内がわかります。
最後の最後、棚橋の想いが先生を溶かしてようやく素直になります。ちょっと強引に迫ったりもしてね。
もう良かったよー。また泣いたよ。
こんなに心をかき乱されてそして穏やかな気持ちにさせられて、あぁ「恋」って凄い!って思わされた素敵な小説でした。
ダブルバインドで知った作者様。
そのカラーを払拭させられた作品です。
素直にすごい・・と思いました。
こんなに心に沁み込むような、恋の話を書ける方とは思っても・・いや、失礼しました。
きっと、こっちが本命、いや得意な方なんじゃないかな、と思いました。
淡々とハードボイルドもいいけど、大人の不器用な恋愛模様も絶品です。
受けの先生は、頑なツンデレなので、本音を聞き出すためのやり取りにハラハラ・・、根負けしたような先生の捨て台詞には、読んでるこっちがテーブルに突っ伏しそうになりました。読み進めてく内、もう俄然攻めの元生徒を応援です。
勿論、読後感爽快・・v
文章力、表現力、共にBLの枠に収まりきらない作品です。
誰でも安心して最後まで読み切れる話だったんじゃないでしょうか。
一冊でひとつのストーリー。
ものすご~く穏やかに進むお話でした。
でもその中は・・・
それぞれのキャラクター本人たちの個性はもちろんのこと、
パートナーが居たり辛い過去があったり、
読んでいると悲しくなったり切なくなったり
はたまた笑えたりと、盛りだくさんで読み応えありました。
やっぱり共通する趣味って大事ですねw
そこからお互いを深く知る・・というきかっけにも
深く知りたいと感じるきっかけにもなりますもんね。
2人の心情の移り変わりがシッカリ見えて
とても楽しめました。
今さら、当たり前のことを書くようですが、英田先生、さすがです。
なんというか…正座して読みたいBL本。背筋が伸びるBL本とでも言ったらいいのか。
英田先生、いやBLの中でも一人称語りで始まる作品というのはそう多くないはず。
たしかに一人称語りは書き手としては入りやすいんですが、自爆しやすい。
視点や場面の切り替えが書けず、作品世界の広がりが作りにくい。
ゆえに独自の世界観を構築していくラノベやBLではあまり採用されないんでしょうね。
本作はきわめて私小説的な形式をとり、目の前に広がる世界ではなく、
主人公の「棚橋」という聡明でやさしい青年(25にしちゃデキすぎてる気もするがw)の
目を通して、内なる心の世界へ向かう点が新鮮でした。
相手の元・教師・水原はかなり冴えない年上男なのですが、
恋のきっかけなんてわからんものです。
たまたま同窓会めいたところで再会し、何かがひっかかっている。
同じようにパッとしない教師に恋する小説で、木原音瀬先生の「情熱の温度」
や「眠る兎」があったと思いますが、正直言ってこの二作、とくに「情熱の温度」は
自分的に最後まで「なにが楽しくてこんな冴えない男に恋するんじゃーー!」と
抵抗してましたが(笑)、なぜか英田先生のテにかかると「地味で弱い」から
惚れてしまうんだな、と妙に腑に落ちた。
ありふれたショッピングモールのベンチでさんざめく家族を見つめる「先生」に
正直ときめいて困った。
タイミングよすぎる偶然の対面がいちいち出てくるのにはまいったが、
圧巻は「先生」のアパートで「好きでいることを許してほしい」と告げる局面。
「好きです」でもなく「愛している」でもなく、どうにも止められない気持ちが
あふれていく様子をこうも激しく書けるとは…すげぇ。
そして、恋をしているのに、それと向き合えない「先生」
自らが全てを破壊しているのではないかという自責と、ほころびかけた心の間で
苦しむ「先生」、実はそういう先生の怖がりなやさしさが愛おしいんじゃないだろか?
閑話休題。
小学生で万葉集に惹かれた英田先生…をいw
小学生で万葉集だとぉー!?血の気が引いたw
わけわからんまま百人一首で家族内かるた取り大会やるのがせいぜいのオイラときたらw
さすがBL界で不動の地位を築くだけのことはある。栴檀は双葉より芳し、ってことか。
痛くない方の作品。
英田サキ先生はヤクザ者が多くてバイオレンスだから。
チャカや麻薬取引など出て来ません。
普通の人の恋愛話です。
ゆっくりと進みます。
先生(受け)が元教え子(攻め)の将来の事を真剣に考えるのは当たり前。
攻めがノンケだもん。
すぐに女に走れる可能性大ですもん。
先生はゲイだから男同士が続かない事も経験しているし。
そりゃあ 悩むよ。
一方の攻めは楽天的です。
ぜんぜん先を考えていない人で俺の道を行く人です。
対照的な二人だからこそ 恋の炎が燃え上がったんだろう。
英田先生 やっぱり構成うまいです。
これからも二人仲良く暮らしてほしいなあ。
読み返しました。レビューの皆さまも英田先生ご自身も、地味と言われることの多い作品ですが、恋する心情をメインと考えると、とてもドラマティックに感じました。
恋の病は心の内に内に入っていくものだと思うので。
ある意味外の世界を遮断する?
乗っ取られる感覚とでも言いましょうかw
この作品はBLなんですが、BLの域を超えたお話でもあると思います。
恋だと自覚するまで、棚橋が長く葛藤する。
相手が同性だから、長く葛藤しているという見方もありますが、
相手が男女間でも同じ。
どこからが恋なのか・・・わからないのが恋。それを象徴してる作品のように思えます。棚橋と水原の心情メインで進行し、余計な設定が少ないのでよりシンプルに葛藤が描かれていてよかったと思いました。
とくに。棚橋がショッピングセンターで水原に会い、車で送っていくシーン。水原の呟きにのって、勢いでそのまま海にいくことにした棚橋。
水原の口癖の「好きにしろよ」を聴いて、
「はい。好きにします」と答えた後の、
『僕は直進するつもりだった信号を右折した』
↑この文章におお!と感嘆。棚橋がまっすぐ進む予定だった人生を、右折しようとする衝動。複雑な心情がだんだん恋にシフトしていく気持ちを、巧く的確に含めていると読んで、萌えました☆英田先生の表現技巧に恍惚♪
こうゆう比喩的文章大好きです(><)
恋をすると、すべての景色が変わる。
映画の内容も、テレビの内容も、本の内容も、恋の浮き沈みによって左右されてしまう。
水原は教職者であり棚橋よりも年上なのに、時に弱く、幼く見える数々のシーンから、恋は年齢も性別も関係なくコントロールできない普遍的なものなんだと強く思いました。
相手を想うがゆえに、臆病になる気持ち。
相手を想うがゆえに、止められない衝動。
どちらも本当だと思うと、切なくて、痛かった。。。
想えば想うほど自分と対話して、内面が露呈されていき、自分の自己防衛なのか、相手への思いやりなのか、わからなくなる混沌。
一番ほしいものなのに、失くすくらいなら選びたくない。
甘い水に浸かれば、失くした後の残酷な日々が想像を絶する苦痛になるからと、どんどん頑なになっていく水原に、読んでいて暗くてやりきれない思いになりましたが、なぜか今回読み返して一番彼に共感しました。
でも。それは今の景色。
別の恋をしたら、今度は棚橋に共感するかもしれない。
みんな水原でもあり、棚橋でもある。そんなお話♪
じっくり恋のねっとりした感情に転がされたい方におすすめwww
英田先生の巧いタイトルにも神降臨!!
最近レビュが自己満足で長文傾向に。。。(汗)
お読みいただた方、お付き合いいただきありがとうございました!!
恋を知らない男 棚橋(攻)と辛い恋を知る男 水原(受)の切ないオトナの恋愛を描いたお話。
7年振りに同窓会で再会した教え子と元担任。
何事にも関心の薄い棚橋は同級生も担任の顔もうろ覚え(笑)
彼女に結婚を迫られ、嫌いじゃないから良いか・・・と婚約までしてしまう非常にドライな男です。
そんな棚橋が初めて本気の恋をします。
理由を見付けてはせっせと水原に連絡を取り、会いに行く日々を過ごす棚橋ですが、さすが恋を知らない男。なぜ水原が気になるのか分かりません。
ふとした瞬間に甦る忘れていた高校時代の記憶、呼び起こされる水原への想い。
一方の水原も家庭環境や過去の辛い恋愛から臆病になっていて、自分の気持ちに素直になれない。最後の方まで元カレとゴタゴタしているので、ヤキモキ感がはんぱない!!
色々な事情が絡み合う二人の恋愛が丁寧に描かれた作品。
ゆったり、でも着実に進んでいく大人の恋。
棚橋視点と水原視点、2つのお話が収録されてます。1冊で2度美味しい。
オススメです。
いいですねー、普通の恋を描く英田サキさんも。
ヤクザものなど黒社会のお話を描いてる英田サキさんも好きだけど、こういう「普通の恋」を描いてる英田サキさんも大好きです。
こういう作品もガンガン書いてもらいたいな。
心理描写に生身の人間らしさを感じ、とても説得力がある物語となっていました。
個人的ツボは、年下攻めだったこと。やっぱ好きだ、年下攻め大好き。
年上受けの面倒くさいツンデレっぷりも、エッチな場面での恥じらいと積極的な部分の兼ね合い具合いも、全部がツボでした。
いい感じに焦らされて、かゆいところを掻いてもらって、キュンキュン切なくなって、とてもいい気分にさせてもらいました。
黒社会を描く英田サキが好きだって方には物足りなく感じる作品かもしれませんが、良作だと思います。
オススメ。
教え子が社会人になって、高校時代の担任に再会し、恋をする。教え子は今は眼鏡キャラで、担任は昔は同僚とつきあっていて。榎田さんの『はつ恋』と被るなあ。しかも絵師まで一緒とは。
タイトルがすごくよかったです。『いつか終わる恋のために』『恋ひめやも』。どうして恋などするだろうか、いやしない。恋なんてしない、と自分に言い聞かせるのがすでに恋なんですね。
「恋ひめやも」は「あかねさす紫野ゆき~」への返歌。『風立ちぬ』の誤訳問題と絡めて、議論する。なかなか本音を言わない先生と古文の解釈が重なって、だんだんと心に沁みていく。最後の最後でやっと言った先生の「好き」は何よりも感慨深い。
地味なっていうか、普通の設定の話。
7年ぶりのクラス会であった元担任。
話してみるとなんだか落ち着く、それにちょっと可愛く見えたりして,どきっ?
自分には、結婚を考えている可愛い恋人がいて、
自分も先生も男で、
それなのに恋は!
小説家、究極の命題、
「恋に落ちたら」
そんな命題に、ヤクザだの麻薬だのって言う、派手な舞台なしで、
普通のサラリーマンと、さえなかった元担任という、地味な設定で真っ正面からぶつかったような、ストレートなお話。
「いつか終わる恋のために」だけだと、何か「普通BL」で、物足りないが
表題作の「恋ひめやも」で明かされる、先生の胸の内。
何で先生が、そこまで往生際悪く、天の邪鬼で依怙地なのか
そして棚橋は、の全てを、先生本人も気付かなかった痛みとして、受け止めて
こういう前向きなハッピーエンド
素敵です。
結婚を意識した彼女がいる棚橋が
同窓会で再会した八歳年上の高校教師・水原に惹かれていくお話。
別に高校時代に恋をしていたわけじゃないのに
卒業してからも記憶になかったはずなのに
再会して、ぽろりぽろりと水原の思い出を呼び覚ましていくんですよ。
心地よい時間は、いつしか恋になっていくという。
25歳という年齢の棚橋は、結婚を前に
はじめて恋というものを知るんですよね。
しかも婚約者ではない相手にw
振られた彼女には、相当な精神的ショックだと思う・・・
突然振られちゃうんだもん。笑顔で優しい恋人を信じられなくなるはず。
はじめて人を傷つけて恋愛をする棚橋。
人を傷つける恋愛に臆病な水原。
ふたりとも、根本的にいい人。
自分の気持ちに正直に生きるって誠実な生き方だけど
実際やると誠実っていう言葉はにつかわしくない感じがする。
それが恋なんでしょうね。
やさしすぎる棚橋と水原がやっと恋をしようと決意する。
それは、さほど美しくもなく、醜くもなく、すごく絵になるわけじゃない
どこかにあるような普通の恋のお話だと思いました。
地味だからこそ、心に残るそんな読後感がある作品。
表題の『恋ひめやも』は
『恋秘めやも』ではないんですねw
『恋しよう、いやできないだろう』という意味だと知ると
ああ、なるほど。
『恋ひめやも』だったのは水原だけでなく棚橋もそうだったんじゃないかな。
【いつか終わる恋のために】
あきらめきれなかった二人のお話。棚橋目線で語られます。
高校時代の担任の教師・水原と同窓会で再会した棚橋は、それまで忘れていたくらいの存在だった水原にどんどん惹かれていきます。
結婚を前提に付き合っている女性がいるのに、水原への思いは大きくなるばかりで・・・
生徒と教師という関係だった頃の記憶、大人同士という今、趣味や価値観が似ていて居心地のいい場所・・・
恋人に抱く責任感、浮気の線引き、結婚という現実・・・
男同士という関係、恋はいつか終わるものという解釈、よりを戻したがっている先生の過去の恋人・・・
結構スマートに生きてきたと思っていた自分が、自己嫌悪に陥るほど嫌な奴に思え、さらには自分に正直になろうと人生を賭ける決意をする棚橋。
水原の答えがないままお話は終わるのでした・・・
というわけで、棚橋は覚悟を決めて恋人と決別し、水原を思っていることを受け入れるのですが、水原はキスに答え抱き返す程度でこのお話は終わっています。
その後のお話が【恋ひめやも】で、こちらは水原目線でお話が進みます。
もともと棚橋に好感を抱いていた水原は、いつか終わる恋というものに怯えているような人です。恋愛恐怖症と言ってもいいかもしれません。
自分のせいで若い棚橋の将来を歪ませてしまったとか、どうせ終わりが来るのだからと自分の本当の気持ちに向き合わず、早く諦めて欲しいとばかり思っているのに、彼に誘われると嬉しく、否定されると泣くほど悲しいのです。
とうとう迷惑だと振ってしまってから、自分の気持ちに正直になり、棚橋を好きだと認めるあたり、あまりのマイナス思考にちょっとウザさを感じちゃいました。
簡単に諦めなかった棚橋が、それまでの優しさを捨てて強引に迫ったことによってハッピーエンドに向かうのですが、言葉だけでは信じられなかったって、先生棚橋くんの我慢の日々はどうしてくれるんですか?って感じ。
あとがきにて英田さんも言っているように、地味で普通のお話でしたが、煮え切らない先生にヤキモキしながらも、そうなってしまう気持ちもわかり、普通に優しい普通の男子・棚橋くんが水原先生という思いがけない波に翻弄され、悩みながらも全てに責任を持てるような行動を取ってくれたことを嬉しく思いました。
貧乏くじは元恋人の友梨奈ちゃんですが、彼女にはきっと早々にふさわしい人が現れることでしょう。
っていうか、家庭的で可愛いのは結構なんですが、25やそこらの彼氏に5万もするプレゼントをさらりとねだってしまうところに、私からのダメだしをしたいと思います。
結婚したいならなおさら、堅実な言動を取っていただきたいものです。
だから、あんまりかわいそうだとも思えなかったわけです。
読み終わって、先月読んだ榎田尤利さんの「はつ恋」を思い起こさせました。
ただ、先生と生徒というだけじゃなくて、登場人物達の性格も全く違うものなんですが、根底に流れるものが同じ匂いのするものかな?などと・・・
英田さんもおっしゃってるように、地味な作品ですが丁寧に丁寧にセリフも心もたどられた文章なので、それぞれの気持ちが胸に響いてきます。
「いつか終わる日のために」は元教え子の棚橋視点
「恋ひめやも」は先生の視点
終わる恋ならしないほうがよいと、最後まで頑なに拒む先生のトラウマも含めた苦悩が切ない。
そして、棚橋と別れて初めて自分の心の素直になれる先生の恋心が、棚橋の仕掛けた簡単なトラップで暴露されるシーンに、やっと解放されたんだと安堵させられました。
棚橋は、同窓会で久しぶりに先生に再会したこと、そして電話を聞いてしまったこと、その後先生と話をすることで、少しずつ高校時代の事を思い出してゆきます。
それが、恋心に気が付くきっかけになっています。
恋愛に一生懸命になれない、人当たりのよい棚橋が、結婚までしようと言う女性を振って先生のところへ駆け込むシーンでハッピーエンドになるのかと思いきや、とっても意地っ張りの先生だからそこへ行きつくはずもなく「恋ひめやも」へ続くので、雑誌掲載を読まれていた方はきっと待望の単行本だったでしょうね。
上原は万葉集や古文の引用を出してきますが、古文であるからわかりずらい、それが上原に似ている気がします。
胸に秘めた心は誰よりも熱い、そんな印象さえ与えました。
丁寧に綴られているので、不自然さも感じず、前向きな棚橋と後ろ向きの上原先生が接近していく姿は、心地がよかったです。
この中でもそれぞれに関係する人々が出てきますが、結局はイヤな人は一人も出てこずに、それぞれの事情で、それぞれの態度をとっていたのだと、納得させられました。
とってもよかったな、、と余韻を残します。
元教え子・棚橋と元担任・水原が同窓会で再会して徐々に気持ちが近付いていくお話。
「いつか終わる恋のために」
棚橋視点のお話。
同窓会で再会した水原は在学当時とはまるで印象が違っていて。
あることをきっかけに自分の知らない水原の姿に遭遇し、少しずつ不可解な感情を抱くようになっていく棚橋。
けれど、自分はゲイではないし彼女との結婚も約束しているし…。
少しずつ距離が近付くにつれて棚橋の心は水原に向いていきます。
それでもそれは棚橋自身一過性のものとしか考えていなくて。
彼女とは結婚するし、それまでの間だけ好きでいさせて下さいとか水原に言っちゃうし。
なんて身勝手な男!!としか言いようがない。
水原が好きな気持ちは確かにあるのにそこまで踏み込んでないというか…。
まだこの時は欲望というよりも一緒にいると穏やかな気持ちになれるとかそんな気持ちの方が上回っているというか。
水原はなかなか本心を口にしない人なので、その嘘に振り回されることにもなるのだけれど、最終的には元カレの発言もあって棚橋が水原を選ぶことに。
「恋ひめやも」
水原視点のお話。
棚橋は水原が好きで、水原も棚橋のことを好きで。
けれど、恋人にはなれないと言い。
でも、デートのようなことはして。
水原の感情面を整理して前向きになっていこうとするようなお話。
過去の恋愛経験とか家庭環境とか、いろんなものがあって水原は自分の気持ちを相手に伝えることに臆病で。
それが誰かの犠牲の上に成り立つものなら尚更。
棚橋は結果的に彼女と別れることにもなったのだし。
そういうのもあって「好き」と口にすることもない。
棚橋に幾度となくそういう雰囲気に持ってこられそうになってもはぐらかしたり強情を張ったり。
当然、キスも何もないままに1カ月以上の健全なお付き合い。
そう考えるとすごく棚橋という男がイイ男だとも思えたり。
自制心があるというか辛抱強いというか…。
「水原はそういう人だから」ってのをよく理解した上で焦らず付き合おうとしているというか。
一度離れてしまうような感じになるんだけども、それからの水原がなんだかまた切なくて。
それまでセーブしていた分、会えないけれど会わないから何に気兼ねをすることもなく棚橋を想ってみたり。
最後にはちゃんと結ばれるのですが、その際の水原の気持ちもまた何とも言えないというか…。
ここまで少しも手出しされてこなかったから本当はゲイでもない棚橋にとって自分は欲望の対象と見られていないのではという思いとか。
いつもの英田作品のように警察もヤクザもなければ事件も起きないし大きな展開もない。
ただ淡々と2人の心の動きが綴られている静かな物語。
でも、それがなんだか胸にじんわり沁みてくるのです。
とても良かったです…。
もう何というか、二人が過ごす時間のさりげない描写の積み重ねや、切なさの演出の巧みさにじわじわとやられました。これ良いわー…。
生徒×先生で再会ものというのが個人的にツボだったというだけではないと思います。大きな事件の起こらない作品(ヤクザもマフィアも警察も犯罪者もでてきません@あとがき)でありながら、この充足感。もう今更なんですが、英田先生って本当にお上手な方なんですね。地味とおっしゃいますが、決してニーズに背いてなどいないと思います。そう思いたい。
具体的に萌えたポイントは、
・先生が酔った場面
・五回尋ねて六回目で…(特に好き)
・そんなの言うはずがない
など。
表題作の書き下ろし部分は、なっかなか先生が落ちなくてやきもきしました。納得できる理由なだけに切なくて…。万葉集の歌との関連付けも自然で良かったです。でも響きとしては、『いつか終わる恋のために』がタイトルの方が好みだったかな。
また、小山田あみさんのイラストが、表紙・口絵・挿絵と雰囲気が本当に良くて眼福でした。
特に最後の挿絵とかじんと来ます。
やー…上手く書けないのがもどかしいです…。
攻めか受けに恋人か婚約者がいる設定も実は好きなのかも、とも読んでしばらくして思い付きました。
というより単純に生徒×先生が好きなのですが。
〈オーソドックス〉の魅力を存分に味わえた一冊でした。
※色々鑑みて、再読もして評価を少し変更しました。