発熱バスルーム

hatsunetsu bathroom

発熱バスルーム
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神78
  • 萌×219
  • 萌12
  • 中立2
  • しゅみじゃない5

--

レビュー数
12
得点
504
評価数
116
平均
4.4 / 5
神率
67.2%
著者
ARUKU  

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
バーズコミックス ルチルコレクション
発売日
電子発売日
価格
¥700(税抜)  
ISBN
9784344847576

あらすじ

ブラック企業に勤める夕日坂見晴(ゆうひざかみはる)はある日、自宅アパートのドア前に小型カメラが仕込まれているのに気づく。心当たりもなく気に留めずにいたが、やがて会社は倒産、見晴は再就職のあてもなく絶望するしかなかった。そして気づいたときには見知らぬ浴室に監禁されていた。狂気じみた愛情を注いでくる監禁犯「マナト君」は過去に見晴と会ったことがあるというが!? 15平米足らずの古びたバスルームで繰り広げられる濃密な愛憎劇

表題作発熱バスルーム

マナト君・監禁男
夕日坂見晴・元訪問販売員

その他の収録作品

  • 描き下ろし

レビュー投稿数12

ほんーーーーーとに評価が難しい!

ARUKUさんの新刊「雨傘で凌げないほどの恋」が思ったより読みやすかったので、その反動(?)でずっと先延ばしにしていた鬼畜攻めと評判(?)の本作に手を出しました。
ってどんだけ鬱展開期待しとるんよw
ってィェしてないですw
「嫌い、大嫌い、愛してる。」がギリOKどころか神作だったので、本作も大丈夫かな なんて。
(なんの自信?)

「反社っぽい謎の男x不憫なリーマン」による監禁ものBL。

凌辱モノ苦手なんですが、そこはそれ、ARUKUさんなのでもう諦めました。
今まで読んできた著作の中で一番評価が難しかったです。
ストックホルム症候群だ、と作中でも警察関係者に言われますが、ハピエンはハピエンです。
そもそも父親のしでかしたことに、そこまで残された家族が責任を持たないといけないと "思いこんじゃう" ところから理解不能で。
てか「そもそも守るだけでいいのになんで傷つける?」というWHYがいつまでもモヤモヤと残りました。
もしかして、
「人生のすべてを捧げて守る相手」だったのに
→「こいつのせいで俺の人生台無し」な心情に変わっちゃってああなったのかな?
ううむ、わからん。
なので、ファンとして甘目の評価です。

前髪をおろした攻めがギロリとこちらを睨む4話表紙のなんと美しいこと。
上の表で「トーン:コミカル・シュール」にタグ入ってるとおり、本作こんなにヤヴァイ内容なのに、ギャグがいつもよりちょっと多めなのが個人的にだいぶ助かりました。。
えろもかなり多め。

ていうか今偶然30%オフですね、ビックリ!
気になる方はこの機会にぜひ。

0

ARUKU先生のお家芸

まだ数作しか読めてないけど、ヤベエ攻めと不憫美人受けの組み合わせ多いですね。
ARUKU作品で普通の出会いからの恋愛ストーリーってあるのだろうか?
ここまでとんでもない設定に慣らされたらただ出会って恋に落ちる話は物足りなくなりそう。

これでもかってくらいずーーーっと監禁陵辱が続いて途中からはこんな事されるの嫌なのに感じてしまう、なんでだろう?ってなってくんの。
逃げてもいいよってなっても戻ってくるし。
ストックホルム症候群なのか、愛が芽生えたのか私にはわかりません。

幾ら、まなとくんにもそこまで執着する理由があったといえど、監禁して無理やりやりまくるのは違うんじゃないかなー。自分のことを好きにさせる努力して時間を掛けて開発して身も心も絆されてから肉体関係に持ち込むとかせーよ、と。
この始まり方なら加害者と被害者が逆で最初は復讐のつもりが愛情に変わったって理屈の方が私はしっくりくる。父親の罪を償いたいってところから生まれた執着でなんでアンタもひどいことをするかな?と。

ラストにっこり海外に逃避行してたけどさ、偽造パスポートだから足つかないの?
だって、逃避するコツは「現金払い」「住民登録しない」「携帯電話不所持」「人と関わらない」「保険証未所持」「銀行口座作らない」ってまなとくんが言うてた。
警察に追われる身なのにリスキーにも見晴を迎えにきて連れ去るってさー。
まぁ、それくらい一緒にいたいって事なんだろけど、相変わらずすんごいファンタジーだなー。ポエティックで乙女チックだったし。

ARUKU作品は中毒性があるからたまーに読みたくなるけど、あまりにも昼ドラのようなトンデモない展開で、んなアホな?と私はなってしまう。
感動で涙が……って感じにはならない。
今まで読んだのは時代設定がちょい昔なのが多かったのですが、今作はリアルタイムなコロナウイルスの事が出てきていて驚きでした。
しかし、毎日バスタブで寝るって硬いし狭いし嫌過ぎる。私なら寝室に監禁されたい。トイレまで届く鎖付きでお願いしたい。

シーモアで購入
白抜き修正。

0

ダークでシュール バスルームが舞台の愛憎劇

『嫌い、大嫌い、愛してる』がとても好きな作品で、こちらは試し読みしたらすごく面白かったので読んでみました。
あまりネタバレしては面白くないと思うので、ネタバレ少なめでレビューします。

受けの見晴が失業後、突然攻めのマナトにバスルームに監禁、陵辱されるお話です。始まりはどこか『嫌い〜』に似た、ほの暗い雰囲気の作品です。

理由を明かさず「何年もずっと触りたかった」と、ただただ強い執着で狂気じみた溺愛をしてくるマナト。初めから最後まで一貫して見晴に愛を囁きながら、鬼畜な行いをしてくるサイコパスなマナトがとても怖いです。『嫌い〜』以上に狂気をはらんだ攻め様です。

前半まではずっと受け視点です。
身寄りのない天涯孤独な見晴が、訳もわからず監禁され陵辱される…。もの哀しいモノローグが切ないです。
後半には攻め視点も少しありますが、新たな謎が出てきて、マナトの狂気じみた執着が強調されるだけでした。

終盤、見晴がマナトに愛を伝える場面があります。かなり切ない展開が続いていたので、その場面には救われるような気持ちになりました。

最終盤、とうとうマナトの素性が明かされます。そこからはもう切なさのオンパレードで、涙なしでは読めませんでした。
最後は甘い終わり方で、キュンとしてほっこりしました。カバー下漫画も可愛らしいです。

正直最後まで読んでも、マナトがなぜあそこまで鬼畜な行いをするんだろう…と思う部分はあるのですが、非常に面白く拝読しましたので、神評価としました。

『嫌い、大嫌い、愛してる』同様、初めのうちは攻めがかなりの鬼畜なので、読み手を選ぶ内容と思います。まずは必ず試し読みされることをおすすめします。『嫌い〜』がお好きな方にはおすすめしたい作品です。

最後に…。
「消えてしまいたいとあのとき君は言った
 それなら俺がもらうことにした」
このセリフのシーンがすごく好きです。

紙本購入 白抜き修正

1

とんでもないARUKUワールド

いや~この作品はさすがに読む人を選ぶというか賛否別れるだろうとは思うけど、でもやっぱり面白いんだよなー。さすがARUKU先生。

バスルームで繰り広げられる監禁愛憎劇。設定からしてファンタジーでしかないんだけど、マナトの正体がわかった時グッと現実味を増す。というかマナトの拗れた執着愛に何故だか共感してしまう。
とある死亡事故の加害者家族と被害者家族としてそれぞれに辛い日々を過ごしてきたマナトと見晴。見晴への償いの気持ちがいつしか愛情へと変化し、見晴を守りたい、辛い目にあわせたくない、という思いが募っていくマナト。想いが拗れすぎてストーカー、監禁、レイプというどう考えても犯罪でしかない行為に至ってしまうけれど、その裏側には深い深い見晴への愛情が感じられて切ない。
バスルームのふたりは小さな金魚鉢で泳ぐ2匹の金魚。1匹じゃ寂しい、でも2匹になったとたん相手を嚙み殺してしまう。そしてまたりひとり。
でもマナトの愛は確かに見晴を救ったし、見晴の優しさにまたマナトも救われる。
とんでもない犯罪から始まるラブストーリーだけど間違いなくハピエン。
この犯罪行為に嫌悪感を抱いてしまう方は多いと思うし、そういう方にはただの地雷作品にしかなりえないと思うけど、私は非常に楽しくこのARUKUワールド堪能させていただきました。

1

涙が止まらなかったです

執着ストーカーのヤンデレ×無職のかわい子ちゃん。
執着ストーカーの攻めに監禁されてしまう受け。ダメヤダ言いながらもエロテクに流されて感じまくる姿が可愛いです。
攻めのヤンデレ溺愛っぷりとセリフの一つ一つに愛が詰まっていて萌えましたし、言葉選びが素晴らしくて読んでてボロボロ泣きました。

受けが逃げ出したり、攻めが警察から逃げるため2人が離れ離れになったりしたのですが最後はハピエンです。
ストーリーもよく練られていて凄く面白かったです。

1

人を愛せる強さ

 甘さとシリアスとエロがそれぞれバランス良く詰まった作品でした。ARUKU先生といえば痛々しい展開、という方程式があるかと思いますが、本作は少なくとも私が今までに読んだ先生の作品の中では甘さは多めに感じました。マナトは見晴を軟禁ではなくしっかり監禁していてレイプもしたけれど、全身全霊で見晴に尽くしたい、見晴をあらゆる危険や汚れから守りたいというスタンスは終始徹底していて、暴力や暴言などがなかったからかもしれません。歪んだ一方的なものではあったけれど、彼が見晴を心底愛おしく感じているのは最初から感じ取れました。ARUKU先生作品を初めて読む方にも勧めやすい方かと思います。

 もちろん、マナトが見晴を見初めたのは一目惚れなどではなく、もっと深い理由があって。成人もしていなかった時分に途轍もなく重い業を背負わされた彼。1人が犯した犯罪は、被害者だけではなく、加害者家族も地獄に落としてしまう。加害者家族を責めることには本当に慎重になって欲しいと、常々思います。それでも、最初は義務感から見晴を見守っていたマナトが、徐々に彼を愛するようになっていった。これは怪我の功名というには怪我が重過ぎたけれど、人生が変わってしまって以降、運命がマナトにようやくもたらしてくれた幸福なんだと考えてもいい気がします。

 監禁もレイプも許されはしない。けれど、きちんと見晴に選択肢も与えた上で、最終的に彼がマナトを選んだのなら、もう彼はすべて許されたと考えてもいいんじゃないでしょうか。どちらの辛さにも共感しました。そして、序盤では人生に疲れ、生き甲斐を失っていた見晴が、監禁生活の中で折れない気概や逃げる勇気を見せてくれ、今まで1人で生きてきた強さを秘めていたのだなと彼への印象が変わっていくのも読んでいて楽しかったです。痛々しくも甘やかな愛が、心に沁みた作品でした。

3

やっぱりARUKUワールドでした

ARUKU先生が大好きなので毎回楽しみにしています。独特の世界観で毎回惹き込まれるのですが、今回はいつものふんわり感が少なくて初めのうちはヒリヒリとした緊迫感まで漂っていました。

たまに肌色率の高い作品はあるのですが、これも最初はレイプというARUKU作品には珍しい展開で、マナトの見晴に対する執着は見えてくるものの、果たして見晴はマナトを愛するようになるのかと思ってしまいました。

ところが中盤からマナトの抱えるものが見えてくるにつれて、1つの出来事が2つの家族を崩壊させた事を知ります。
見晴の言う通りマナトもその母親もそこまで罪悪感と責任を感じて、生涯を見晴に捧げる事は無くても良かったと感じました。
世間って本当に恐ろしいと思ってしまいました。

でもあの出来事があったからこそ2人は出会ったのですけれども。

見晴がマナトの元に自ら戻った辺りから2人の関係は変わって、いつものようなARUKU作品の可愛いらしい受けに変化して行きます。そしてマナトの幸せそうな笑顔…。

マナトの犯罪が明らかになった時に、2人は離れ離れになります。見晴はストックホルム症候群と言われ治療を受ける事になりますが、それは見晴のマナトへの気持ちを追加確信するだけでしかありませんでした。

干支の辰の折り紙のメッセージに気がつく件が大好きでした。そこからはいつものARUKUワールドで、最後の2人の逃避行に幸せになって欲しいと思いました。

3

えぐいほどに

絵が上手い作者さんではないので、敬遠していました。
恥ずかしながら、先生の作品は今作以外の他に高評価の二冊しか読んでいません。
それを読んだ後での今作、先生は執着攻めが作風なのかしらと思いつつ、今作もそれが全面に出ている印象です(とても好きです)
前半までは無理矢理系のエロが多いです。

後半から受けが子供返りをしている描写もあります(エロい)が、ほぼ監禁または軟禁の精神状況を考えるとそうなってしまうのかなとも思います。

ページ数も多く、読み応えがあります。
纏め方には疑問もありますが、買って良かったと思える神評価の作品です。
そこで持った疑問も、先生の作品でこそのものだと思います。

5

贖罪と復讐。その恩讐の彼方に

私にとっての神作家・ARUKU先生の新作「発熱バスルーム」。
表紙一枚めくっての肌色に驚いた…
そして読んでみると、近年にないセックスシーンの多さ。それも無理やり系な。
この主人公・見晴は不幸不幸不幸、不幸の只中に暮らし働き、ある日目覚めると見知らぬ男に監禁され、そしてレイプされた…
怖すぎる。
読んでるこちら側も、この犯人が誰なのか、なぜ見晴なのかが全くわからない状態で、ただ見晴がいじられたり裸にされたり犯されたりを読む事になる。
ARUKU先生の描くセックスシーンはどこかカクカクとして、エロチックさや滑らかさや官能性というものはなく、まるで操り人形が無理やりな方向に手足を動かされているよう。
見晴は自殺未遂をしたり、なんとか一度は逃亡もするけれどその先でも不幸。7ヶ月後見つかってまた監禁…
そして読者はようやく犯人・マナト側の事情を知る事となる。
そこには不条理はなく、マナト側にも非常に現実的な不幸があった事がわかる。
わかったところでマナトの極端な行為が腑に落ちるわけでもなく。
マナトの愛、それはマナトの母から受け継いだ贖罪。
そしてその全身全霊の贖罪を受け取ってくれなかった見晴への復讐でもあったのかも。
許してくれ。
愛してくれ。

見晴がかつて旅岡母子に手紙を書いたのは、拒絶ではなく家族は恨んでないお金なんて送らなくていい、という気持ちだったのかもしれない。事故を忘れたかったのかも。
だけど、その事で旅岡母子は逆に何も終わらせられなくなってしまったのだと思う。
これが悲惨な事故の悲惨な側面なのだろう…
マナトの真実を知って、見晴は彼の言動のわけを知ったのでしょうね…
加害者への同情、または愛?やっぱりストックホルム症候群?でももうどっちでもいい。
片や贖罪と、復讐にも似た愛。
片や恐怖や憎しみと、それを超えた後に出てくる何か。
恩讐の彼方。その言葉がしっくりくる。

11

金魚鉢の外はこんなにも美しい

15平米のバスルームという名の金魚鉢に、小さな赤い金魚と真っ黒な金魚が泳いでいる。
外界は危険がたくさん潜んでいるから、自由はなくとも金魚鉢の中でなら命がおびやかされることもない。だけど金魚鉢はあまりにも小さすぎて、二匹がずっと一緒に生きていくのはほぼ不可能。
やがて真っ黒な金魚は、赤い金魚を生かすために決断する。唯一のものと引き換えに自由を手に入れた赤い金魚は、真っ黒な金魚に語りかける。金魚鉢の外の世界はこんなにも美しいよーー。

BLにおいて、監禁という題材と常に表裏一体にあるテーマは執着愛。今作ももちろん踏襲しているものの、多義的寓話のARUKU節によって唯一無二の後味を堪能させてもらいました。
ARUKUさんは絶望を知っているんじゃないかと思う。どん底を味わった人が夢見る希望というのは、知らない人に比べて遥かに純度が高いのかもしれない。

18

この作品が収納されている本棚

レビューランキング

漫画(コミック)

人気シリーズ

  • 買う