徒花は炎の如く

adabana wa honoo no gotoku

徒花は炎の如く
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神0
  • 萌×23
  • 萌5
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
3
得点
27
評価数
8
平均
3.4 / 5
神率
0%
著者
名倉和希 

作家さんの新作発表
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イラスト
海老原由里 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
シリーズ
徒花は炎の如く
発売日
価格
¥855(税抜)  
ISBN
9784344817616

あらすじ

清廉な美貌を持ちながらも、一度キレると手がつけられなくなる瀧川夏樹。ヤクザの組長の嫡男である夏樹は、幼馴染みで隣の組の幹部・西丸欣二と身体を重ねることで、度々キレそうになる精神を抑えていた。欣二には他に女がいても、自分と離れなければいいと思っていた夏樹だが、ある日しつこくにつきまとっていた男・ヒデに
脅される。欣二との関係を周囲にバラすと匂わされ、彼に迷惑が掛かることを畏れた夏樹は、ヒデを抹殺しようとするが…。

表題作徒花は炎の如く

33歳,ヤクザ,西丸組顧問
28歳,ヤクザ,瀧川組若頭

その他の収録作品

  • 徒花は夜に咲く

レビュー投稿数3

切れると怖い女王様を溺愛

好きだなあ、こういうヤクザものも。
受けにぞっこんで溺愛し仕事も家事もできる男 欣二。
お相手は、わがまま気ままで仕事はそこそこできるが生活能力のないキレると怖い女王さま 夏樹。
ま、女王さまっていうのは、細かいことなど何もせずとも周りがしてくれるもんだし…。

全編、夏樹への想いが溢れ恋人のためならなんでもしてやりたい欣二の熱い気持ちでいっぱいでした。
能力があり懐も深い男の余裕なんでしょうか、次期組長候補の幹部でありながら終始夏樹の尻にしかれていいなりに見せつつ、ある時は保護者あるときはオカンでありボディーガードとなってつくしまくるところがかっこいい。
それを当然なことと受け止めつつも、心の中で感謝したりかっこいい自分のオトコの姿にときめいたりする夏樹も可愛い。
ヤクザらしい抗争や血なまぐさい事件もやりきれない出来事もありましたが、二人の愛が深まった結末でした。
溺愛され守られる夏樹ですが、守られてばかりじゃない、ダンナの危機には先頭に立って突撃し守り取り返しに行く気概のある漢っていうのがまたいい。

こういう対等なオトコとオトコが愛し合うストーリーに萌えました。

欣二の秘書役の側近が気になりましたが、夏樹の側近である竹内でスピンオフ作品があるとのこと、こちらもぜひ読みたいです。
夏樹を守るためそのダンナである欣二も立てる仕事のできる部下にはどんな恋バナが…

1

凶暴でワガママ、でも結構健気

攻・西丸欣二(33) 西丸組顧問
受・瀧川夏樹(28) 瀧川組若頭

互いに別の組に所属するヤクザの幹部ですが、先代組長が兄弟杯を交わしているので、関係は良好だそうです。
(隣組だそうで…幼稚園の組みたい(笑))

夏樹は13歳の時、上級生(男)に襲われます。
キレた夏樹は無自覚の状態で上級生をバットで撲殺寸前まで殴りつけました。

その後閉じこもった夏樹を幼馴染の欣二が訪ね、夏樹にキスをし、
「キレるのはフラストレーションが溜まっているからだ。俺との行為に抵抗がないなら、発散させてやろうか」と。
自分の行為を間違っているとは思わない夏樹でしたが、周囲は過剰防衛だと頭を悩ませていました。
精神的ショックを受けている夏樹を欣二だけが肯定し受け入れてくれた。
以来15年、2人の関係は続いています。

夏樹の周辺をヒデという男がうろつきます。
「舎弟にしてくれ」と言っていたのが「個人的に付き合いたい」と言い出し、最後には欣二とのセックスの盗撮写真を楯に脅します。
ヒデは最近ヤクザまがいの組織を作って好き勝手していた素人グループのリーダー。

写真を返して欲しければ…と呼び出された夏樹は、バットを持って向かいます。
15年前の再現です。

自分が陥れられるのはかまわない。
しかし欣二に害をなす人物なら、見逃せない。
今回夏樹がキレたのは、欣二のためでした。

間一髪間に合った欣二に止められた夏樹。
欣二が他に女を抱いていても、自分にわからないようにするなら目をつぶる、と約束するくらい夏樹は彼に惚れてるのですが、欣二もそれ以上に夏樹にメロメロですよね~。
夏樹が小学生の時から惚れてたらしい。
最初に抱いた15年前から、夏樹一筋だったらしいです。

尽くす夫と、ふんぞり返ってる妻。
そんなカップルでした。

書き下ろしの「徒花は夜に咲く」は15年前の事件の関係者の係わる話。

夏樹がバットで殴った上級生が15年経って亡くなります。
兄を看取った弟の尚人が夏樹に復讐をするために欣二を拉致。
それを救出に行く夏樹(手にはバット)…という話。
囚われの旦那を助け出す奥さん…尻に敷かれてるなぁ。

尚人は欣二を慕ってました。
定期的に兄を見舞い、自分を気にかけてくれていた欣二。
事件の結果、両親は離婚し離れ離れに、兄は田舎の病院で植物状態。
義務でとはいえ気にかけてくれていた欣二を慕うのは…仕方ないですよねぇ。

欣二に拒絶された尚人は、夏樹に復讐するため欣二を拉致するのですが、そのために協力を頼んだ松葉組のヤクザどもに酷い目に合わされてて…。

あとがきで書かれているように、是非、尚人の救済話をお願いしたいです。

5

ヤクザなのに可愛い攻め

スピンオフとして、夏樹の部下である竹内の「ひそやかに降る愛」が出ています。私は先にそちらを読んで、竹内の「あの二人のすごいってところは…」というセリフに惹かれて購入しました。

すごかったです、いろいろと(笑)一気に読み終えました。

「徒花は炎の如く」「徒花は夜に咲く」の中篇2本立てです。
「炎」は、夏樹目線が主人公。欣二との馴れ初めと二人が同居するまでの話です。
「夜」は欣二目線が主人公。夏樹と欣二が身体を重ねるきっかけとなった事件の15年後の話で、欣二に惚れた男が登場します。
どちらも、夏樹の母親である皐月の登場で話はシメられます。

ヤクザものなのですが、夏樹・欣二の二人だけでなく、加賀、竹内、皐月とサブキャラもコミカルで可愛らしいです。

夏樹は美人だけど、乱暴でワガママ。自分が半殺しにした相手の顔も覚えていない薄情ぶりですが、どうにも憎めません。チーズを挟んだかまぼこの場面では笑ってしまいました。

そして、そんな夏樹にベタ惚れの欣二。185cm超の身長で三白眼ぎみの眼をもつ強面なのに、行動は健気で可愛いです。ずっと夏樹ひとすじなのに、他に女がいると思われていた気の毒な男です(笑)

流血・暴力シーンはあるのですが、さらっと読み流せる程度です。
コミカルな雰囲気が漂う作品が読みたいときにオススメです。

3

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