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97年に出版された文庫の新装版で、
この作品が椎崎さんのデビュー作(投稿作)だそうです。
可哀想な主人公を書かせると上手い椎崎さん。
やはりデビュー作の主人公も可哀想で健気で、痛々しい人でした。
若くして亡くなった姉の忘れ形見・桃子を育てながら、
姉の残した喫茶店を切り盛りする玲一。
穏やかに幸せに暮らしていた二人の前に、
行き倒れの男・西崎が現れます。
玲一・桃子・西崎の奇妙な同居が始まったと同じ時期に
玲一の店に立ち退きの話が持ち上がり、
お話はなにやら不穏な雰囲気に……
姉の残した店を守ろうと立ち退きを拒否し、たちの悪い連中と戦う玲一。
店を守るためなら我が身を省みません。
なぜ玲一がここまで店にこだわるのか。
この理由がまた、泣かせるのです!
桃子に尽くし、自分を大切にしない玲一が、痛々しくてたまりません。
そんな玲一を守ろうとする西崎。
何もかも自分一人で背負い込んでしまう玲一に、
もどかしさや苛立ちを感じる西崎も切なくて。
後書きで作者も書かれていますが。
今回は恋愛要素が非常に薄いです。
でも本は非常に分厚いです。
恋愛要素が薄い分、人間ドラマが充実しています!
玲一が逃げた海辺の町での、おばあさんのエピソードには涙しました。
読み終わって『帰る場所』というタイトルが、じーんと心に響きます。
ちなみにこの作品の続編『隣りに居るひと』も発売が決定しているそうで、
楽しみです。
攻・西崎征一(32) 謎の行き倒れ
受・室瀬玲一(23) 喫茶店経営
両親を亡くした姉弟は記憶喪失の行き倒れの男を拾います。
やがて姉と男の間に子供が生まれますが、男は行方不明に。
姉も亡くなり、姪の桃子と2人で姉の喫茶店を引き継いで暮らしています。
周囲の人々に助けられ穏やかに暮らしていた所に、様々な問題が一度に降りかかります。
まず、西崎という男が喫茶店の前で行き倒れていました。
身元を示すものを持たない男は、記憶があやふやでハッキリしない、と言います。
そして地上げ屋の陰湿な嫌がらせが始まり、桃子の祖父「香月」の代理人と名乗る人物が現れ玲一から桃子を奪おうとします。
桃子の祖父は、土地と店を守るのと交換条件に桃子を渡せと迫るし、大学時代の顔見知りで言い寄ってきていた不動産屋の男は、ツテで立ち退きから守ってやると交換条件を持ち出します。
玲一にとって重要なのは、桃子との生活を守ることでした。
たった一人の家族という以上に、玲一にとって桃子は大切な存在。
それは玲一が桃子と本当の意味での血縁ではないから。
姉家族と暮らすようになった経緯を思うと、玲一はどれだけ周囲から愛されても孤独だったんじゃないかな?
桃子から向けられる愛情に救われ、それを失ったら生きていけないと思ってた。
一度に沢山の問題を抱え、それでも桃子と平穏に暮らすために努力する玲一ですが、周囲の人々が作為的な事故でケガを負います。
桃子にまで危険が及びそうになって玲一は、不動産屋の男との取引を承諾しようとします。
ところが、その男が黒幕の一人だった。
逃げ出そうとして追って来た西崎に助けられます。
しかしそこで玲一は、本当は「西崎」ではなく「香月」だったと知ってしまいます。
混乱し、ホテルを飛び出る玲一を不動産屋の男が捕らえ、玲一を探して道路にとこびだした桃子を撥ねてしまいます。
玲一自身も大ケガを負ったのですが「香月」の人間に激しく責められ、自分さえ居なければ桃子がケガをする事はなかった…と思いつめ、病院から姿を消しました。
玲一を求める桃子と、桃子の幸せだけを考える玲一と。
攻様の分け入る余地はないですよ(笑)。
玲一は桃子のコトしか考えてませんから。
もともと西崎が下手を打たなければ、玲一はこうまで悲惨な思いをすることはなかったハズ。
精神的に弱っている玲一に付けこまなかった点は評価しますが…後は全て後手後手のダメダメっぷりを披露してます(笑)。
玲一のために色々と頑張ってはいたんですけどね。
帰ってきた玲一には、元の穏やかな日常が戻ってきました。
生活と精神が安定すれば、西崎のことを考える余裕も出てきます。
西崎を悪くは思っていない玲一ですから…頑張るのはこれからです。
災難が次から次へと襲いかかる主人公の玲一。姉の亡き後、めいの桃子を育てながら姉が残したカフェを切り盛りするが、店の前に征一が倒れており。。。
桃子の親権を奪われそうになり、店も狙われ、挙げ句の果に我が身まで。不幸しかない主人公なのはわかるのですが、途中自分を卑下して自暴自棄になり、行方不明になるところなど。。。
その位どん底なのはわかるのですが、もう少し早くに救ってあげてと、懇願しちゃいました。
これだけ不幸が続いたので、それはそれはラブラブな征一と玲一が見れるのかと思いきや、続き物でした。
なので、本作ではラブラブは少なめ。あまりBLっぽくありません。
じっくり読むのに良い作品。
桃子が、玲一と一緒にいたいと享子に自分の気持ちを打ち明けるシーンは泣きました。
どれだけこの二人の時間が幸せなものだったかがわかる場面。
だからこそ、征一の心遣いが暖かく感じます。桃子との生活も幸せなのですが、玲一には自分自身の幸せも得て欲しい。
早く続きが読みたいです。
家族は桃子しか残っていなくて、桃子と喫茶店を守り育てることだけが生き甲斐な玲一。桃子と喫茶店に関しては、本当に自分を忘れて必死になってしまうんです。
「なぜ、ここまで頑張れるんだろう」と周りの人間が不思議に思うほどに。(私も思った)
それに対して西崎ですが、なんだコイツ、役立たず! と罵りたくなりましたよ。
たしかに見た目もいい男で仕事も出来るんだろうけど、肝心なときにまるっきり玲一の役には立ってないんだから、そらあかんわ、です。
ここらあたりは、マジでイラッと来た。
イラッと来させるのが、椎崎さんの目的だったとしたら、大成功ですね。
もうね仕事を放り出してでも、玲一を探してやってくれよと、哀しみに何も見えなくなってた玲一を、何とかしてやってくれよと、ホントにそう思いました。
さて、西崎と玲一の恋愛の部分は、チュー止まりです。ラブなんて、ホント欠片ほどしかありません。
ということで、続編出版が決まっているそうです。
お互い憎からず思っているのは自覚してるだろうから、ラブがどう進展していくのか、期待大です。
室瀬玲一のたった二つの生き甲斐は姉の残した小さな喫茶店と、彼女の忘れ形見の姪、桃子の成長を見守ること。
この小さくてささやかな世界を守ることだけに心を砕く玲一の前に、一人の男が現われた。
ある日店の前に倒れていた男は自分に関する記憶がないという。
その状況は七年前に姿を消した桃子の父親の時に酷似していた。
そんな時喫茶店が地上げの標的になって嫌がらせが始まって……
生まれ育ちのせいで自分自身よりも家や家族を大切にしようとする玲一がとにかく痛々しくて切ない。
繊細な心理描写には色々ぐっときます。
もっと欲張りに、わがままになればいいのに一人で全部抱え込もうとする彼が幸せになることだけを祈りつつ読み進めた。
そしてそんな玲一を放っておけなくなくなってしまった攻の西崎ですが、玲一相手に微妙な距離感を保ち続けるその鉄壁の自制心はなんだ。
話のメインがラブというよりは、自分の大切なものを必死に守ろうとする玲一とそれを見守る西崎という構図なので、恋愛面はあんまり進んでません。
これは続編に期待するしかないな。
しかしうっかり梶山先生があの梶山先生だって気づくのに相当時間がかかったのは秘密。
姉が残した娘・桃子と二人、
姉が残した喫茶店を守って生きている怜一。
ある日、店の前で一人の男が行き倒れていて、
それは、7年前にいなくなった桃子の父との最初の出会いを・・・。
なんというか、いろんな要素満載。
思いっきり頑なな主人公に、謎の男。
肉親のように親身になってくれる死んだ姉の親友。
元気なバイトの女の子。
地上げ屋とその手先。
離島のお婆さん。
そして、姉が残していった桃子。
店と桃子を守ろうとしてとった怜一の行動が、諸々裏目に出てしまい、自分も、桃子も怪我したあげくに、失踪。
そこまで怜一が思い詰める理由は・・・。
なんというか、
これでもか、
これでもか
って、
そして、怜一の性格もあって
これでもか、
これでもか
って、次々ネタ満載。
盛りだくさんで、ある意味お得かも。
再文庫化というだけあって、なんとなく昔っぽいノリですが、反発しながらも惹かれていくじれったい関係を楽しめる人にはお勧めです。
とにかく、受けがウザいほど、じれったいです。
評価の「中立」は決してマイナス評価ではありません><
私の中ではこの作品は非BLジャンルに分類されてしまいます。
なので、「中立」ということで……。
西澤と冷二のラブというよりは、冷二と桃子のホームドラマとして読めました。
まず、ラブ要素が少ないです(^^;)ゞ
というより、ゆ~~っくり進行。
最近はこういうゆっくりの作品をよく読んでいたのですが、ここまでのはなかなか無いかも。
次の「隣に居るひと」とあわせて、やっと完結です。なんというスローペース……。
それでも、主軸には冷二と桃子の家族の問題があります。
それに、西崎の恋愛が絡んでくるという印象でした。
それと、BLには珍しく女性視点、子供視点があります。驚きました。
私の経験が浅いだけかもしれませんが(T_T)
BL小説で、攻め、受け以外の視点が入っている話は初めて読みました!!
だからといって、話がダレるわけではありません。
複数の視点で読むことで、冷二の思いとか、周囲の冷二に対する思いが分かるようになって良かったです。
感動ししました。