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yoake niwa yasashii kiss wo
主人公の西塔は、過酷な労働に自分を置き
DV男の暴力のもとに自分を置き
自分に罰を与えているんですよ。
そんな西塔に手を差し伸べる
同じくフリーターの公平という年下の男の話なのですが
私は公平よりもDV男の加瀬にどうしようもなく
心を持っていかれてしまいました。
自分の心の弱さを暴力でしか外に出せない人間は最低だと思うのですが
加瀬の気持ちもすごくよくわかってしまって
最後の最後に加瀬の優しさがでたときは涙が止らなかったです。
ああ、私だったらこんな加瀬を放っておけないのになぁ・・・。
なんだろう・・・高階佑さんのイラストのせいもあるけど
加瀬のことが好きで仕方ありませんw
公平も、すごくいい奴かもしれないけど
私にはちょっとうっとおしい感じにうつりました。
アメリカナイズされた自己主張とポジティブ精神
それを育むまでにはきっと公平にもいろんな過去があったようですが。
実際、これっくらいずうずうしくなければ
西塔みたいなタイプの心の扉をこじあけるのは無理なのはわかるんだけど
加瀬を選んだんだったら、加瀬を見てあげてよーっ!
加瀬の暴力は許しがたいが、とにかく加瀬に涙した。
欲しいものを奪われていく、誰も自分を受け入れてくれない
子供みたいに「欲しい欲しい」から
やっと加瀬の心が大人になって
自分から西塔に“与える”ことができたんだな。
それがさよならなんて悲しすぎて泣いた。
好きな人に何かをあげるって、何かを持っているという自覚がなければ
できないことなんですよね。
それぐらい加瀬は何も持ってないって思った子供だったんですよ。
「どうぞ」→「ありがとう」→「自分もうれしい」っていうことを
覚える時期に奪われるばかりだったんだろうね。
もうほんとにそれ考えたら悲しくて悲しくて
あとがきにて、書き下ろしで西塔と公平のラブラブっぷりを
書く予定だったとか。
それなくてよかったかも!
書くなら加瀬編をプリーズ!!
重い。とにかく重い。
要はある過去の出来事のせいで自分は幸せになってはいけないと思って暮らしています。
なので毎日のように繰り返される恋人・加瀬からの暴力に抵抗することなく、むしろ自分は罰を受けるべきだと暴力を受け続けます。
DVものですね。DV言えば水原とほるさんの『青水無月』が思い浮かびますが、こっちの方が酷かったです。ほんと殴る殴るでしたからね。でも「捨てないでくれ」って縋ったり。典型的なDVです。
暴力を受け、バイト先の理不尽なやり方に文句も言わずただ耐え続ける要を心配するのが攻め・公平。
公平は同じバイトで年下。彼がいいキャラだった!というかこの重い話の唯一の癒しですw
年下わんこで、自分の意志をしっかり持っているため間違ったことはちゃんと口に出して言います。
なので要がいつも黙って耐えているのがわからないといった感じで、要を気にし始めます。
要の過去がまたね・・・。切ないというか苦しい。要が自分を痛めつけるのもわかる気がします。
公平がいてくれて本当によかった。
要が誰とも関わりたくないと思っていても、無理矢理にでも要に心を開いてほしいと何度も電話したり。公平の一生懸命さが要を救ったんだと思います。
あと公平が真っ直ぐに要を好きなことですかね。いい年下攻めだった!
そのおかげで要は自分の過去とも加瀬とも向き合うことができたわけで。
最後はちょっと泣いてしまいました(;_;)もちろんハッピーエンドです*
エロもありましたよー加瀬には何も感じなかったのに公平だと感じまくってる要とか、ちょっと意地悪する公平が良かったw
ただ加瀬のことがね・・・。
彼もただのDV男ってわけじゃなくて悲しい過去を持っています。
加瀬もちょっと可哀想でした。ずっと寂しかったんだろうなあと。
加瀬の話も読みたいですねー加瀬にも愛する人ができて幸せになってほしい。
痛い系や切ない系好きな方にはおすすめです!
凪良ゆうさんの初読み作品がこれでした。
正直、地雷だらけでした。
まず主要登場人物三人が三人とも、私の地雷。
攻めの押し付けがましい正義感にイラつく。
受けの自虐やマイナス思考っぷりにイラつく。
DV男は言うまでもなくムカつく。
ストーリー的にも色々と地雷でした。
なんだこの「愛は地球を救う!」的なストーリーのもっていきかた…と思いました。
でも、そう思いながら泣いてたんですよ。
号泣に近い。
思考を涙腺が裏切っているというワケワカメな状態。
さらに、再読率が高いんです。
何度となく読み返してしまっている。
同じ場所でイラつきながら読んでいる。
よく分かんないけど、私はこの作品がとても好きみたいです。
地雷なのに好きなんです。
重かった
痛かった
くさかった
登場キャラも、
自己陶酔、
DV
押しつけがましい、
でも、ガッツリ泣かされちゃいました。
この表紙、このタイトル、この帯だと切ない系かなあと思って
でも、レーベル的にハードエロ方向でガッツリ系だし…???
よもや、ハードなエロじゃなく、ヘビーな過去でBlack認定されていたとは。
公平のキャラが絶妙です。
下手すると、善意を押しつけるうざいキャラで嫌いってなりそうなキャラなのに、バランス感覚がとってもよくて、引くべきポイントと、押すべきポイントが完璧。
DV男・加瀬にもちゃんと救いがあってよかった。
これ、続きがあるとしたら、加瀬編が読みたいです。
「お菓子の家」の前作にあたる作品。これは良かった。要と加瀬の心情の移ろいに矛盾がなかった。
この作品のすごいところは、何といっても加瀬の存在。男同士の三角関係である点もすごいけど。3人のうち1人はDV男で、1人は「幸せになる権利、放棄しました」男。共依存がかなり進んでいるこの2人の間に、もう一人、公平というさわやか青年が入ってくれるから、まだましになった。しかし、公平が要にちょっかいをかければかけるほど、加瀬の執着が強まり、要は夜ごとぼこぼこにされるという・・・いたいいたい!!
それでも要は公平のことが好きだと自覚し、公平の助けを借りて過去と加瀬に向き合う。自分と逃げずに向き合ってくれる要に、加瀬もだんだん変化していく。このあたりがもう、すごくよかった。一時期、どうしようもないほどこじれることがあったけれど、最終的には3人ともが納得できる結論に至れてよかったよかった。
決して特別ではない、日常の風景を二人で重ねて、これからも二人で幸せになってくださいと願う。
また、「お菓子の家」が読みたくなった。
過去の事件を一人で抱え込み、人生を諦めてしまっている要。
大学時代にボランティアで関わった登校拒否の少女の自殺が、自分の責任だと思っている。
そしてその少女の家族や要と関わってきた人達ばかりではなく、
事件をニュースで知った関わりのない世間の人々も皆、
要が少女を弄んで自殺に追いやったと、要はもちろん要の家族まで攻めている。
ものすごく極端な設定だと思いますが、
(実際だったら、要に味方してくれる人が家族以外にも必ず居るはず)
自分を責め続ける要があまりにも痛々しく、涙なしでは読めませんでした。
確かに当時の要の行動は、少し自信過剰で行きすぎていたのかもしれません。
少女を自分が助ける事が出来ると思い込んでいたのは、若気の至りだったと言えるでしょう。
でも、真剣に相手を思いやっていたのは本当だし、
セクシャルな事は全くなかったのも事実です。
自殺してしまった少女は可哀そうだと思います。
いじめなんて卑劣な行為はあってはならないと思うし。
だけど、要に対する世間の仕打ちと心の深い傷を思うと、
「要さんに捨てられました」などと遺書を書いて自殺した少女は、
やはり自分本位だったと思わずにはいられません。
そして加瀬。これまた強烈に痛い人物。
要に対するDVは目に余るものがありますが、
あまりにも要に対する依存が強くて哀れです。悲しい位に痛々しい・・・
加瀬の過去にも少し触れてますが、
幼いころに虐待を受けた人は大人になって自分も同じことをする事が多いといわれてます。
だけど、皆が皆そうなるわけではないし、
加瀬の要に対する仕打ちが肯定される訳ではないですが・・・
それでも、加瀬が要に暴力を振いながらそれ以上に自分も傷ついている様が、
なんとか自分自身を変えたいと思ってあがいているところが、
ただ要に愛され大切にされたい、でもその人として当然の方法を知らない哀れさが、
もう、胸が痛くなるほどの切なさです。
最後に、要にプレゼントされた包装の包みを、
チラチラと盗み見ている子供の様な姿には、思わず涙が出てしまいました。
公平に関しては少し微妙。私は余り好きではありません。
基本的に、自分の権利ばかり主張すタイプは嫌いです。
社会の中での権利とは、その人が社会生活の中で果たすべき義務を、
ちゃんと果たして上で初めて発生するものであって、
その義務を果たして無い人には、それこそ「権利を主張する権利」は無いと思うので。
自身の果たすべき義務さえ知らず、何もしてない人に限って権利ばかり主張するものです。
公平も私から見たらそんな感じ。
それでも、要にとっては、事件の後初めての光だった事は事実だし、
要や加瀬のように重すぎる過去を抱えた人達には、
公平の様なタイプが関わる事は良かったのだと思います。
重たい過去や複雑な過去などが絡み合う、ドロ臭い話は大好物です。
一歩間違ったら辛気臭く感じるような、グルグル悩んじゃってる話とか(笑)
でも、もちろんそれを乗り越えてのハッピーエンドが大前提ですが。
私は公平より加瀬の方が好きだったので、
今度は加瀬にも幸せになってほしいです。
「お菓子の家」既読。
表紙の美しさとタイトルに反して痛い話であることも、知って読んだ。
今月書き下ろしつきの新装版が出るのは分かりながら、ずっと探していたこの作品、
出会ったときが読むべき時と読んでみた。
こちらを先に読んだとしたら、また違った感想なのだろうか?とも思うが、
主役の二人ではなく、加瀬に感情移入して読んでしまった。
(勿論、私はDV女ではありません……念のため。)
要と加瀬、それぞれ暗く痛ましい過去がある。
己を罰するように生きる要、愛を乞い続ける加瀬。
加瀬に暴力を振るわれしがみつかれながら、明るい公平に惹かれていく要。
その経緯の中で、自分の過去と向かい合って
人生を自分で選び直していくところが、物語の肝だと思う。
お互い思いあっているのに、要が公平を選ばずに加瀬に寄り添うことを決めた後、
加瀬が性の匂いなく後ろから要を抱きしめて眠るシーンが、心に残る。
その後の加瀬の行動は、あまりに出来過ぎでリアリティとしてはどうか?と思うが、
余計に加瀬が不憫でいじらしく、正直主人公二人は背景に霞んでしまった
感想でした。
勿論二人には幸あれと願わずにはいられませんが……
語りたい系BLでした。
なぜかというと、登場する人物を悪役や善人などの型に押し込んでいないからです。
そのように人物をカテゴリにあてはめることは気持ちがよいし読んでいる方も楽ですが、人を人として見ることが不可能になってしまうのですよね。
なかなか難しいけど…
この作品は人を善悪ではなく痛みとか弱さから捉えています。
それは誰もが持ちうるものだし、良い悪いとはまた別次元のことだと思います。
もちろん、やってはいけないことを肯定しているわけでもないし、時にはその弱さこそ許せないと思う時もありますが、
自分がこの人の立場に立った時にどうだろうって考えると一刀両断できませんでした。
こんな風にいろいろ考えてしまう作品は読んでいて決して楽ではないけど、貴重でもあると思います。
現実の世界では一番見えにくく、疎かにしてしまいがちな部分だと思うからです。
そういう意味では、攻めの公平の正義感には少々うんざりしました。
でも6年も前に進めなかった要にとっては無理やり扉をこじ開けることが必要だったんだなと思います。
それに、「この人の役にたちたい」という純粋な気持ちは間違いなく人を救うのだと思いました。
その連鎖が公平から始まって人から人に伝わっていく様にとても感動しました。
しかし私は加瀬に心を残しまくりだったので、そっちでどうぞお幸せに!って感じでしたw
限りなく神に近いですが、萌え萌えになったのはそこのところです。
あとがきで加瀬のスピンオフがあると知って、いち早く読みたい気持ちでいっぱいです。
しかも受け…?!
DVや自殺、虐待など、かなり重めな内容が軸となっているので
どことなくBLとは少し離れているような感じを受けそうですが
主人公がDVで苦しむのも、また新しい恋を切り開くのも
同性の彼なので、辛いSEXも幸せなSEXも両方が存在するストーリー。
ひどく辛い過去を持ち世の中にも人間にも、何も信用できず
恋人に乱暴をしながらも離れられないでいる加瀬と
その加瀬を愛してもいないのに、自分の過去を引きずりながら
痛めつけられることで、過去の自分に目をつぶりつづける要。
その要をなんとか助けたいと一途に思い続け
優しく支え続けようとする、バイト先の公平。
誰にも忘れてしまいたい過去や、消してしまいたい記憶があり
その自分と闘いながら、時には逃げたり立ち止まったりする加瀬と要。
要に乱暴する要は自己中心的で本当に嫌な奴なんだけど
それまでの彼の人生を振り返ると、性格がひねくれても仕方がないのか、
と思うほど、壮絶なもので苦しみは本人しかわからないもので・・・
要を乱暴に抱いたり、殴る蹴るの暴行を加える加瀬は最低だけど
ふと我に返って許しを請う加瀬もまた同じ人間で・・・
要も要で、高校生の少女の自殺により自分に非はなくても
彼女を助けられなかった事実と、周りから浴びせられた非難の声に
自分を追い込む日々を送り・・・
二人共に、人間の弱さのようなものが浮き彫りになり
BL以前に、考えさせられるものがありました。
辛いことから目を背けないことを、前に進むことを教えてくれた
自分の背中を押してくれた公平を、あえて選ぶことなく
加瀬を支えた要を、最初は「なんで?」と思いましたが
読み進めるうちに、気持ちの切り替えができたことで
加瀬の要への態度も変わってくることに安心しながら
最後には「ちょっと加瀬、何?いいやつ?」とあまりに急な展開に驚きました。
悲しいことばかりが続く話だったので
最後に、公平と要が幸せになり
加瀬にもちょっとだけ、幸せの兆しが見え始めたところで
このお話は終わりますが、その乱暴者の加瀬が幸せになれるか・・・
というスピンオフ「お菓子の家」も続けてぜひ読んでほしいです。
「お菓子の家」を読むと、加瀬の見方がちょっと変わるかも・・・
どこかで「お菓子の家」のレビューを見て気になってたらこちらが先のようなのでこちらから読み始めた。
重い、重すぎる。
だけど読了感はわりとすっきり。
DV男なのに加瀬に心惹かれた。
要を信じて庇ったご両親に泣きそうだった。
凪良さんの本はこれが初めてなんだけど、この本はBLだけに収まりきらないようなものもあってすごく好き。