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自分だけが溺れて、縋るように抱かれた。
Gin no Gokai Kin no Koi
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
1冊丸ごと表題作です。暁の目線でストーリーは進んでいきます。
天涯孤独な少年・暁(受け)が、資産家の刑部家に引き取られて、13歳年上の圭一郎(攻め)に恋愛感情をもちます。両思いになるのですが、反対する刑部の親族に引き離されてしまい、4年後に再会する…という内容です。
身分違いカップルの再会ものとしてはベタな展開です。親族が黒幕で、圭一郎に嘘を信じ込ませて暁を憎むようにしたというのは直ぐに分かります。自分から連絡をしなかったことや真実を告げなかったことを、暁自身が認めて反省もしているので、もやもやはありません。ただ、圭一郎が暁を自分で探そうとせず、叔父の言葉をそのまま信じたのはちょっとどうかなとは思いますが。
正直メインの二人だけだとどうということのない話なのですが。
傷ついた暁を拾い、世話をしている小林さん(男)と絵里(女)の二人がとても良いキャラでした。
絵里は暁と同居をしているのですが、その理由もしっかりとしていて違和感ありません。絵里は、小林のパパに健気なところを見せたいから「手当てしなきゃと言った」などと言いますが、それが本音としても世話好きで優しい女性で、恋をしている可愛らしさもあります。
小林さんも入院中の妻がいる身で絵里と不倫しているというのに、それをカバーするほどの良い男で、素敵な二人でした。
正直、メインの暁たちがうまくいっても、この二人が「私たちの分まで幸せになってね…」なんていう展開でしたら、許せないくらい気に入ったキャラでした。
BLだからって男同士にせず、傍から見て同棲していると誤解されるという利点も考慮された、NLカップルの活躍が楽しい作品でした。
BLだって、素敵な女性が活躍して幸せになってもいいよね!
という方にお勧めの一冊です。
今回は大手商社の御曹司と彼に引取られた少年のお話です。
二人の出会いと別れ、再会してから元の鞘に収まるまで。
二人の出会いは受様の両親が事故死した10歳の時。
親しい親族がいなかった受様に後見役として
両親の会社の御曹司が名乗りを上げます。
この御曹司が今回の攻様です。
攻様は受様を引取った時、
会社で働き始めたばかりでしたが、
仕事以外の多くの時間を自分の為に割いてくれる
優しくて何でも出来るとってもカッコいい男の人でした。
攻様の親戚達が縁もない受様を引取る事に反対した為、
受様は攻様に迷惑をかけないよう何事も一生懸命に励みますが、
彼への感謝の気持ちは徐々に変化し、
高校生になる頃には攻様を一人の男として意識するようになります。
常にきらびやかな美女や洗練された男達とともにいる攻様に
恋を告げれば嫌われるかもと何も出来ない受様ですが、
攻様の父親が亡くなった夜、
漠然とした不安にかられて攻様に抱いて欲しいと迫ります。
素直に自分を慕う受様を愛しく思い始めていた攻様は
優しく受様を受け入れ、二人は恋人として幾夜も過しますが、
攻様が海外出張に出る朝、攻様にキスしている現場を
彼の叔父夫婦に見られた事から状況は一転!!
知られてはいけなかった関係を知られた結果、
受様は攻様を誑かしたとして激しい暴行を加えられ、
どことも知れない場所にゴミのように捨てられてしまいます。
それから4年、
死体寸前のところを銀座のママとそのパトロンに助けられた受様は
彼女の家では居候兼家政婦、店ではバーテンという暮し。
元から世界の違う二人だったので
自分があきらめれば攻様は幸せになれると思っていた受様ですが、
ママのパトロンの助っ人として行ったパーティで偶然攻様と再会します。
かつての甘やかさなど欠片も無く受様を蔑む攻様。
さらにはママのパトロンを彼のパトロンと思い込んだ彼は
ホテルで激しく犯す程、受様に憎悪の念をぶつけます。
過ぎた時間の分だけ深まった攻様の誤解。
捻じ曲がった真実を解きほぐす糸口はドコに?
最後の最後で攻様が誤解に至った原因と真実が暴露される本作。
その後はお約束のハッピーエンドなので、
無事に元の鞘に収まるまでの過程を
ハラハラしつつ楽しむお話かとは思いますが、
攻様がもっと早く受様を探していたらココまで拗れなかったのでは?
受様が思い悩むモノローグが多いので
テンポ良くパタパタ進むお話がお好きな方には楽しくないかな。
今回は引取った受様に惹かれていく攻様という共通点で一作。
柊平ハルモさんの『籠の中で恋を唄う』はいかがでしょう。
柊平さんの年の差ものは受様が悶える感じが結構萌え♪