ふばば
デビュー作「他人同士」の同人誌。
タイトルは「他人同士4」。2001年発表です。
内容は、暁がハワイ旅行を福引で当て、2人で行く「夏季休暇番外編」、途中に諒一の回想として入る「冬の週末」。
3段組で72ページ。かなり読み応えあり。
ハワイ旅行編では、元々バリタチの諒一が暁相手に受けになることにあがいている、素直に暁への好意/信頼を認められずすぐ喧嘩腰になってしまう、という諒一の心象風景が描かれています。
ここでは諒一同様、暁も感情を言葉にせずお互い探り合っているような雰囲気なのですが、そこに諒一の携帯にメールが入り、諒一がそのメールの相手との間に昔何があったのかを暁に話して聞かせる、という構成になっています。
この過去編が「冬の週末」という章になっているのですが。
そう。本編「他人同士」の2巻で鮮烈な印象を与える氷の女王・オビ、です!
帯拓誠(たい たくみ)との偶然の出会い、帯の方から誘われ、すぐに溺れ、そして切って捨てられた過去…
BLでこんな失恋が描かれる事ってあまりないと思うんです。
オビの初めの優しさたおやかさ、大人の余裕、そして激しくて厳しい断罪、底に流れるハングリーさ。
若い諒一の恋心をメッタ打ちにし、木っ端微塵に打ち砕いた年上の静かなひと。
久しぶりにオビに再会しましたが…はあ〜やっぱりすごい。
こんな失恋の描写のある作品、他にも無いかなぁ。
甘々も好きだけど、たまにはこういうのもいい。すごくいい。