あなたも込みで、この城を買ったのですよ。

征服者は貴公子に跪く

seifukusha wa kikoushini hizamazuku

征服者は貴公子に跪く
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神6
  • 萌×27
  • 萌14
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
12
得点
100
評価数
27
平均
3.7 / 5
神率
22.2%
著者
いつき朔夜 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
金ひかる 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
価格
¥560(税抜)  
ISBN
9784403522185

あらすじ

両親、そして財産を失い、先祖代々の居城を手放すことになったパウル。ところが、契約書にサインを済ませたとき、売却先である日本のホテルチェーンから来た牟田は、かすかな笑みを浮かべて告げたのだった。「あなたも込みで買ったのですよ」と。男の倣岸さに最初は反感を覚えたものの、無表情ながら冷血漢ではない牟田と徐々に心の距離が近づいてゆき……? 日本人ホテル王×ドイツ青年貴族でおくる、古城の恋の物語。

表題作征服者は貴公子に跪く

29歳,日本人ホテル王
24歳,ゴルドホルン城の城主・ドイツ人

その他の収録作品

  • 貴公子は騎士に護られる
  • あとがき

レビュー投稿数12

タイトルはちゃんと最後まで読みましょう

イラスト買いしたものの、あらすじで躊躇して積み本箱に入っていたのを発掘。
「征服者」とか「傲慢」とか、私としては地雷臭芬々な単語で、
没落貴族の居城を買い取った傲岸な日本人実業家が「あなたも込みで城を買ったのです」とか言っちゃったら、普通は有無を言わさず陵辱コースって思うじゃない。
ところが全然そうじゃなかった。
攻めの牟田のキャラ付けとしては「無表情ながら冷血漢ではない」の方が肝で、無表情の下に実は「王子様」に対する憧れを隠しているけど、自分から力ずくで奪ったりしようとしないどころか、愛して貰おうとすらしない奥ゆかしさ。
対するパウルも天然というか純粋というか、ウブな恋愛初心者で、
そんな二人が、言葉や宗教観によるすれ違いを徐々に埋めてようやく結ばれるロマンティックなお話だった。
で、読み終えてから改めてタイトルを見ると「征服者は貴公子に跪く」
征服者だけど最初から「ひざまずいて」いるのね。
ロマンティックなお話になるのはタイトルでちゃんと明らかにされていたのね。

0

読んでよかった

タイトルをみて、これは自分には合わないんじゃないかと思いながらも、私と趣味が似ているかもしれない、と注目している方が「神」レビューを書いていらっしゃったので、読んでみました。

改めて、ランキングに入っていなくても、読むべきものはたくさんあるのだと思いました。

舞台になっているお城、街や森の様子が楽しく描かれていて、いつき先生は実際に行って見られたのかなと思っていたら、あとがきで、ドイツに住んでいたことがあると仰っていて、とても納得できました。

本を一冊読んだだけで、古城でのロマンスを疑似体験できました。

1

タイトルに惹かれた

タイトルを惹かれて購入に至りました。
いや~。楽しかったです。
個人的に、外国人もの、売られちゃった受もの
は、あまり読まないジャンルなのですが、
まるまる楽しませていただきました。
日本人のホテル王であり、裕福でお金も自由に使える身でありながら、
どこか硬質で人を寄せ付けないような様子が、
徐々に変化していく様子が良かったです。
また、自分が愛されてこなかったことから、愛を知らず、
不器用な性格であることも、物語に深みがあったように思います。

また、「買われた受」という展開だと、どうも流されるだけの性格に
なりがちに感じますが、
今回の主人公は貴族のパウルは芯がある様子が良かったです。

お約束なお話になりがちの物語ですが、
最後まで楽しく読むことができました。

0

あらすじを深読みした自分を罵倒したいくらい面白かった!

これ、イラスト買いしたものの、しばらく寝かせてたんですよね。とにかくあらすじから『金で買った相手を無理矢理~でも実は好きだから』みたいなど~しようもない(でもよくあるんだよ、これが・・・)展開を予想してしまったんです。私はその系統がものすごくキライなので、これもなかなか手が伸びなかったんですよ。

でも、思い切って読んでみたら全然違うよ!いつき先生ごめんなさい。穢れた私の妄想をお許しください・・・

なんというか、とても誠実な純愛です。全編通して、ホントに優しくて微笑ましい、可愛らしいストーリーでした。

とにかくキャラクターがよかったですね。メインの2人はもちろん、脇まですべて。
牟田(攻)の強引なんだかヘタレなんだかよくわからん、でもいざとなると余裕のないところがなんかツボでした。駆け足シャワーとか、たいして時間変わらないって。

パウル(受)も、健気なんだけどそれだけじゃなく芯が強くて、カトリック信者としての心の葛藤も、乗り越え方も、とても真摯でしみじみよかった。

しかし、牟田は『征服者』じゃなくて『騎士』だよね。台詞がいちいちとても日本人とは思えなくて、なんとも言えず『・・・』でした。あれは外国語だから(作中ではほぼ英語)、と自分を納得させるべきだったんでしょうか。

終始パウル視点なんですが、なぜか牟田の心情がよくわかる。ひとつひとつの描写が丁寧で、地味ながらとても素敵なストーリーでした。

いやもう読んだ当時、こんなに清々しい、読後感がいいBL読んだの久し振りだという気がしましたね。

2

kirara

むぼちさま。

『答えて姐さん』のコメントも拝見しました(この作品についてではありませんでしたが)。
むぼちさまのレビューもコメントも本当に『読んで欲しい!』という熱意に溢れていると感じます。私も好きな作品ですので、少しでも多くの方がそれらをきっかけに読んでくださったら嬉しく思います。

コメントありがとうございました。

むぼち

kiraraさんに、レビューを「素敵」と言っていただいて、感激です。

未読の人がこれを見て、読まなきゃいけないと思ってくれたら嬉しいです。

kirara

むぼちさま。

少しでもお役に立てたのなら嬉しいです~。

どんどんレビュー書いてくださいね!むぼちさまのレビューはまさに『読まなきゃいけない』気になります。素敵です。

コメントありがとうございました。

むぼち

とても面白くて、読み終えてからkiraraさんのレビューを再読すると、ほんとうにそのとおりだと思いました。
ここで紹介して下さってありがとうございます。
私も、人のレビューを読ませていただくだけでなく、まだ読めていない人のために、レビューを書かなくてはいけないと思いました。

なんか結構かわいい。

日本人×外人で外人が主人公です。

先祖代々の居城を手離さなくてはならなくなったパウル。
そんな城を買い取ったのは日本人の牟田で。
牟田はそこを古城ホテルとして利用しようとして。
出て行こうとしたパウルに「あなたも込みで買ったのですよ」と言って…。

こういう煽りだとやっぱりパウルが牟田に虐げられるというか、慰み者にされるというかそういう展開を想像しそうですよね?
けれど、このお話はまるで違うのです。
牟田はそういう意味でパウルの存在を欲したわけではなくて。
この城を運営していく上で「王子様」という登場人物として利用しようとしている部分があったからで。
けれど、パウルと話してるのを聞いてる感じだとなんだか最初っからパウルのことを助けたかったんじゃないかな?と思える部分も。
パウルが欲しがるものを何かと備品のように見せながら与えたりして。
愛されたことがないから愛し方がわからないという牟田なりの愛し方だったようにも見えて。
それに牟田ってなんか結構かわいいんですよね。
一番のお気に入りシーンはハンナに鍋を混ぜさせられてるシーンでしょうか。
すっかり馴染んでる感じがいいです。
あとはホテルでのシャワーがせっかちなところもなんかかわいい。
どんだけガッツいてんだよ!って感じで。
ベッドで最初に言わせた言葉の理由もなんかいいな。

0

すてき~

面白かったです!

相手役が外国人っていう設定はありがちですが、主人公が外国人っていう今回みたいなケースは珍しいような気がします.

舞台がドイツhCcの田舎の冬ってことで、出てくる料理は美味しそうだし、森の中を歩いたりと、田舎ならではの自然溢れる風景が目に浮かんで素敵でしたhLhLĂn[g

最初、パウルが住む古城を買い取った牟田が
「あなたも込みで買ったのですよ」
って言った時はBLでお決まりの権力のある攻めが金で買った受けを性欲処理に使う
とかいうパターンかと思ってしまいました´`

でもこの物語ではそんな非現実的な(笑)ことは起こらず.
あくまでも「商売のために」牟田は王子様的な外見のパウルを利用できると考えてるんですよねー^^

だから、牟田が会ってすぐパウルを気に入ってパウルの言う通りに事を運んでくれるとかそんな甘いことも無く…

パウルの意見には耳を傾けるけどちゃんと利益を考えて、採用したりするんです.
そんな牟田の徹底的なビジネスマンぶりには好感が持てたし、一筋縄ではいかない分、パウルのアイデアが受け入れられると妙に嬉しくなるんですよ~炫

牟田はきっちりした完璧な男かと思いきや、台所でハンナの作った卵酒を好んで飲んで、そのついでのようにちゃっかり家事を手伝わされてたりと、意外に可愛い隙もあったりして.

パウルがどんどん惹かれていくのと一緒に自分も好きになれたし、パウル自身すごく魅力的に書かれてましたڂn[g

二人の距離の縮め方が上手で面白く読めました!!

1

王子様ってオプション?

「私はこの城をあなたも込みで買ったのですよ」
このセリフで、私はすっかり借金のカタに取られちゃって、速攻カラダの関係に持って行かれ、あれこれやられちゃうんだ! って思いこんだんですが、あれ? このお話の作者さんはいつきさんだよ。そんなお話書く??
あれこれ考えながら読んでいったら、なぁ~んだ、違ったよ。自分の腐った考え方に大笑いしちゃいました。
でも、お話は面白くてサクサク読んじゃいました。王子さまはお城のオプション(?!)だったんです。

代々ドイツの侯爵で、お城のお館様であるパウル。でも、子どもの頃に両親を飛行機事故で亡くし(そのせいで今も飛行場にすら近寄れない)、後見人となった叔父にいいように財産を使われ、果てには借金まで背負わされ、どうにもならなくなり、日本のホテルチェーンから来た牟田に居城を売ることになりました。
でも、牟田は「あなた込みでこの城を買った」と言いだし、出ていき仕事を探すつもりだったパウルは、ホテルの城主(白馬の王子様)という看板を背負うことになるのです。

それぞれの生い立ちやトラウマとか考え方の違いとか、いろんなことが邪魔をして、想いが通じ合ったあともなかなか甘いムードになれない二人。
焦れったいなぁ、でもこういう展開が美味しく感じたりもするわけで。

騎士は密かに貴公子を護っていたんですねぇ。それもこれも、貴公子にすっかり惚れていたからこそ。
貴公子も素直になれなかった分、しっかりと騎士に甘えて欲しいなぁ。どれほど甘えても、騎士はしっかり守れるほどの器の持ち主ではないかと思います。
そして、二人で支え合ってホテル兼城を守っていって欲しいなぁ。
なんだか、二人の甘さにしてやられたお話でした。

1

いつき朔夜さんにハズレ無し

いつき朔夜さん、相変わらず文章がしっかりしてて、やっぱいいなァと思いながら読みました。
毎回いろんな設定で楽しませてくださるいつきさんですが、今作はドイツの貴族が主役。
没落し、城を手放すことになり、そこをホテルにしようと日本からやってきた金持ち男と恋に落ちることになります。
凛としてて健気で頭のいいドイツ青年な受けに好感を持ちました。
外国人が受けでしかも主役で、相手役が日本人っていうの、珍しいですよね。
アラブもの含めて外国人が苦手な私なんですが、全然大丈夫でした。面白かったです。

最初は俺様に見えた攻めの牟田がどんどん可愛くなっていく様子が微笑ましかったです。
城にいる家政婦のハンナにミルクやチョコレートで味付けした米料理を食べさせられたり(どんな味がするんだろw)、鍋をかき混ぜさせられたり、お酒のおあずけさせられたりしてるところ、大好き。
この手のちっこいエピソードを重ねて登場人物の魅力に厚みをもたせていくのって、作家さんの技なんですよねー、まんまとハマりましたw

ただ、
牟田は日本人ぽくないw
騎士みたいなそぶりを臆面もなくやっちゃえるって、どんな日本人だw

1

いい意味で裏切られました

王道の俺様な征服者をイメージしてましたが、紳士的でかなり違います。
そっち方面には飽きていたので、こういう騎士道精神溢れるお金持ちは新鮮でした。
二人ともおくてな感じでそのもどかしさがいいです。
80年代はバブル真っ盛りで、この時代は日本人があちこちで高価なものを買いまくって顰蹙も買っていたのでなんだか懐かしかったです。

秘書の薬師寺とその恋人も気になります。
スピンオフで是非おねがいします。

1

同じ童話で心を踊らせる

発売予定の本が延期され、その前に全然違うタイトルの本が出ました。「征服者」も「貴公子」も自分の萌キーワードにはないのですが、いつきさんのだから読んでみようと! あと、登場人物がカタカナだとなかなか共感できなくて避けて通ったりするのですが、すんなり読めました~。
というわけで、日本人のホテル王×ドイツ人青年貴族。借金で城を手放すことになったドイツ人受に、傲岸な日本人が「あなたも込みでこの城を買ったのですよ」なんて言っちゃうのですが、BLにありがちなドナドナ=愛人になれとかいう意味ではなく、ホテルの従業員として王子様役を演じろと。惨めな思いをしながらも、執事と家政婦も一緒という条件で、それを引き受ける。でもお互いにすぐ惹かれあうのがわかるんですよ。食べるものや風呂の習慣が違っても、同じ音楽を美しいと思い、同じ童話で心を踊らせる。
日本人はグリム童話で物語の世界を知る、ってそのとおりだなあ。白雪姫やシンデレラ、狼と七匹の子ヤギなど。子供のころに読んだ身近な物語。当たり前のように知っている。種族や宗教は違っても、同じものが根底に流れている。遠い国なのに、隣の人みたいに。
相手を大切にしたいと思い、その人の幸せを守ろうとする。祈り、跪く。一歩一歩、愛を確かめるその姿勢が素敵な物語でした。

3

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