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お願い…も…、許して…ぇ
今回はちょっと危ない性癖をもった新進気鋭の芸術家と
真面目な大学生のお話です。
出会いから告白してまとまるまでのモンモンと
なかなか普通の恋人同士になれなくてモンモンする2本を収録。
単願だった大学受験に失敗してしまった受様は
気がつくといつのまにやら流れる川面に足を踏み入れ、
正に自殺寸前のところを散歩をしていた攻様に助けられます。
世間を知っている大人な攻様に諭されて前向きになった受様、
無事に二次募集にて大学に合格したからは
バイトと称して攻様のアトリエに出入りするようになり、
徐々に彼の特別になりたいと思うようになります。
恋と憧れの違いに悩むほど幼くなかった受様は
自分の恋を自覚すると悩むなら砕けてしまえと告白するのですが、
はっきり返事をもらえません。
その理由を経験が無いからかと思い悩む受様に
『アナタはソレを我慢出来ない』の受様を思い出させましたね。
『アナタは・・・』の攻様は
誰にも渡したくなくて恋人になってくれと告白したのに
あまりに純粋な受様を抱けなかったのですが、
『大人の・・・』の攻様は
好きなほど苛めてみたくなるSM趣味だと自覚しているだけに
受様に引かれたくなくて「好きだ」と言えなかったのです。
二人とも結構ガテン系な攻様な所も似てますね。
お題の「大人の恋」は「アダルト=SM」だそうですが、
作者後書きにあるように本格派なSMがお好きな方には
Hシーン的にはかなりぬるいです。
相手を大切にしたい気持ちがあって
行き着く所までいけなくて悩む過程がお話の重点で
相手の性癖に耐えられるかどうかと言う意味でのSM設定だと思うので
本作でHシーンが激しくSMである必要は無いと思いますが、
SM趣味=Hも過激というイメージだと面白くないお話かと思います。
主人公の気持ち重視と言う展開がいかにも火崎さんらしいお話ですね。
本格的にSMなHまでご希望でしたら
秀香穂里さん『誓約のうつり香』をお薦めします。
トーンほのぼの なのに、H度変態って、どーいう作品!? って、思われた方もいるかも?
でも、そういう作品なんです。
主人公は大学受験に失敗したショックから自殺しようとしていた青年 三鈴・受け、
それを助けたのが、今をときめくアーティストの隈黎一(くまれいいち)・攻め
これが二人の出会いです。
その後、三鈴は隈の助けを借りながら二次募集をしている大学を探し、
見事入学します。でも、もうその時点で三鈴の心にはお勉強なんてない!
隈に恋してしまったからです。
大学に通いつつもバイトとしてアトリエで働きだす三鈴。
そのアトリエは隈のアシスタントが何人も出入りし、
活気が溢れ、なんとなくガテン系で和気藹々とした雰囲気です。
その辺りの描写はほのぼの。あまり恋愛云々って感じじゃありません。
でも三鈴は隈に恋してるんです!
なのでなんとかして、隈に思いを伝えようとします。
男なら告白とかしないで体からでもいいじゃんって気もしますが……、
女の子とも未経験な三鈴にはそんな発想あるはずもなく、普通に告る。
けど、隈の反応は「………」。
断るわけでもなく、OKもしないのです!
まさに三鈴、生殺し状態!
私はそのワケが最初は全然分らなかった。
というか単なるキープにしときたいのかな?と考えるのが順当だと思いました。
しかし、このワケこそがこの話のキーポイントでした。
そのキーに関しては伏せます。
まぁシリアスな話ではないので、ネタバレしても問題なさそうだけど、
ここまでの時点でこのレビュかなりネタばらしちゃってますし(^_^;)
一番のミソはバラさないでおきます。
って、引っ張っておきながら、分ってみればありがちといえばありがちかも。あ、あらすじとかキャッチをじっくり読めばなんとなく予想もできるかも。
だけど、それ読む前に分っちゃったとしても、
ほのぼのとエロのミスマッチな感じが実はマッチしてて面白いので良いですよ!
面白かったです。
二人の出会いはともかくとして、尊敬できる大人の隈さんにとにかく惚れ込んじゃった三鈴くんがグルグルアタフタするお話です。
隈さんは、アーティストの割りに非常に分別があり、我慢がきく人です。(火崎作品の醍醐味、「いい意味で分別くさいセリフ」も隈さんから発せられます。)
それまで、成績がいいだけで甘やかされて育ったと思える自信家の三鈴くんを、うまい具合に自立の方向に持っていけたのも隈さんのおかげだと思います。
ただ、ちょっと性癖に難有りなだけで。
三鈴くんが思いを告白するまでには、それほど時間を要さなかったのですが、隈さんのほうが大変慎重なものだから、エッチする気満々なのになかなかいい感じにならない。
それはそうです、隈さんは三鈴を責めたかったんだもの。でも、その気持ちを抑える事ができるくらい分別のある大人なんです。
それでも、あるきっかけで思いを遂げることになるまでが表題作。ちょっと不満が残る終わり方でした。
しかし、そのフォローが「大人の世界へ連れてって」でされています。
ただ恋愛経験が乏しいだけで、ゲイというわけでもないのに隈さんのことが好きになっちゃった三鈴くんは2回目のエッチに尻込みしちゃっています。
“頭でっかち”なものだから、様々な手段で“隈さんとの特殊であろうエッチ”の為にSMについての情報収集をしちゃって、なおさら尻込みしてしまう状況に・・・
自分の将来と隈さんの仕事事情も絡め、グルグルしちゃうわけですが、最終的に大人な隈さんにおいしくまとめられるわけです。
三鈴は自分のことを子供だ子供だと思っている事が多いのですが、隈さんの方はちゃんと大人として扱っているんですよね。そこの部分がいいと思いました。
火崎作品は、分別くさいところが好きです。今回は、「大人として自立する」がテーマだったような気がします。
好きなセリフは隈さんの『可哀想だと思われることより、カッコイイと思われることを考えろ。受験に失敗したところで終わればカッコ悪いが、そこから起死回生すりゃカッコイイだろう。お前は人生の見せ場を作るチャンスを与えられたんだ。問題のない人生よりずっといいだろう』です。三鈴も惚れちゃうわけですよね。
表紙の艶っぽいイラストに、帯「お願い…も…、許して…ぇ」、あらすじの「大人のエッチの世界」で怯えていたのですが、それほどでなかったです。期待された方には拍子抜けでしょうが、SM初心者がんばれといった内容でした。
表題作と続編の中編2作品が収録されています。
「大人の恋が騒ぐので」は、三鈴(受け・M役)は7歳年上の隅(攻め・S役)に勇気を出して好きだと告白するも、3か月放置されます。詰め寄ると、好きだけど自分はSMの趣味があると打ち明けられ、頑張るからと初エッチをするまでです。
「大人の恋が騒ぐので」
初エッチをしたものの、二回目が怖くて踏み出せない三鈴。そんな中、隅にアメリカで1年間の仕事の話が持ち上がります。隅に待っているからと告げるつもりが別れたいと誤解されてしまい、ちょっと強引に二回目のエッチへ。その後、誤解は解けますが、やはり今後のエッチが不安な三鈴でした。
2作品とも三鈴の目線で進んでいきます。友人にそれとなく恋愛相談をしたり、SM講釈を聞いたりと、大学生同士でわいわいと騒いだり、ネットで検索してひとりでぐるぐる悩んだりする場面が結構長く、肝心の隅との恋愛模様はいまひとつだった印象でした。エッチでも、「こんなことで感じてしまうなんて」という色っぽさより、Mっ気がないので戸惑っている感じだと思いました。
こんなことで感じるんだ…とネット検索をしながら驚く三鈴に共感できると面白い作品です。読み始める前に思っていた程のエロさはなかったですが、感じて直ぐに慣れる子よりも予想外で、私は楽しめました。