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瞬間、恋に堕ちる
帯『瞬間、恋に堕ちる』
バラエティ番組の敏腕ディレクター征充[受]と、行きつけの居酒屋店員遼太郎[攻]との業界モノかな?
征充は明るくて人見知りしないタイプで、遼太郎は落ち着いててどちらかと言えば寡黙ですが聞き上手。
店の料理と遼太郎の雰囲気が気に入って征充は疲れた心を癒すべく居酒屋へと一人で通います。
そして遼太郎はバイトを掛け持ちしつつ劇団に属している俳優志望の青年だという事を知ります。
遼太郎は穏やかだけど妙な所で頑固で、拙いキスも良かったし、エロシーンも含めて実にいい年下攻っぷりでした。
年齢やキャリアの違いが上手いこと出ててその2人が恋に落ちる感じがいいのだな。
最初から最後までダレる事無く一気に面白く読みました。
登場人物が皆魅力的なんですね、それこそ居酒屋の店主や劇団の主宰者まで生き生きしてます。
そしてこの作品の面白さの一因は人気俳優苫篠の存在。
彼が実にいい味出してて当て馬で終ってしまうのは勿体ない位。
スピンオフ出ないかな~とか思っちゃいました。いい男だー、苫篠。
攻・幸塚遼太郎(24) 居酒屋バイトで役者の卵
受・藤崎征充(30) バラエティ番組のディレクター
征充は「彼に気に入られれば番組に起用される」と噂される敏腕ディレクター。
タレント本人の売込みを避けて番組の打ち上げから抜け出した征充は、偶然通りかかった居酒屋に入る。
地味な佇まいの居酒屋は料理も美味いし、バイト店員の遼太郎とは話も弾み、楽しいお酒を堪能します。
酔いつぶれてしまった征充は、居酒屋の2階で一晩過ごします。
酔った征充を介抱してくれた遼太郎と個人的な話をして、ますます居酒屋にはまってしまい、以来通いつめては閉店間際まで腰を落ち着けるほどに。
親しくしている俳優の苫篠に誘われ、とある劇団の千秋楽に脚を運んだ征充は、舞台に立つ遼太郎を発見。
遼太郎が役者を志したきっかけやらを話しているうちに「テレビは嘘の世界だから」という言葉が。
自分の仕事を否定されたようで、征充はショックを受けます。
売り言葉に買い言葉。
喧嘩別れした後は、居酒屋にも脚が遠のきますが、自分が大人気なかったという自覚はあった征充。
遼太郎の頑固さは若さと純粋さでもあります。
自分の中にも若さを見つけ出した征充は、遼太郎に負けたくない気持ちもあって、新しい番組の企画を作りました。
今までの実績を排除した実験的な企画の目玉として、苫篠が出演を承諾します。
だだし…。
苫篠は征充が好きで、征充が遼太郎にこだわるのは彼を好きだからにちがいない、と確信していました。
ほんの1ヶ月前に知り合った若造に征充を取られたくなくて、企画への出演と引き換えに…と征充を押し倒しますが。
苫篠の行動で自分の気持ちに気づいた征充は、その場から逃れ遼太郎のところへ向かいます。
派手な設定のキャラクターなのに、物語はスタンダードで地味です。
でもその定番が居心地いい作品です。
なにより「悪人」が独りも居ないところが、イイ。
焦って征充を押し倒しかけた苫篠も、
「お前の気持ちには応えてやれない。だけど友人を辞めるつもりはない」
と征充の言葉で理性を取り戻す。
「諦めて友情だけでガマンしろ」とムチャを言われてるのに、大人な苫篠は失恋を受け入れるし。
両思いだと知った遼太郎と征充は、恋に溺れるだけじゃなく。
遼太郎は征充に並び立つくらいに成長したいと望んで努力をし、征充は遼太郎に刺激を受けて保守的な自分からの脱却を目指す。
誰もが誰かによい影響を与えるような関係。
成長し合えるような関係。
とても難しい理想ですが、物語だからこそソレがあってもいいと思うんです。
仕事を頑張って、恋愛を高めて、さらに刺激されて仕事する。
そんな大人たちの、純愛ですね。
ハードなBLに疲れたら是非この作品をどうぞ。
主要人物は全て美形で、ひどい裏切りや暴力といったこともなく、主人公を真剣に思う人は2人いますが、ドロドロとしたところもなく、安心して読める作品でした。
この恋で、三人が前向きに自分の人生(主に仕事)を進んでいくところも、爽やかでよかったです。
その分、物足りなさも感じるかもしれませんが、気軽に楽しめる作品だと思います。
で、よかったのはキスシーン。初めての遼太郎とのキスシーンは、萌えました。相手のことが好きだと気付いてないでするキスは、ドキドキしました。
居酒屋のバイト・遼太郎(24)とバラエティ番組の敏腕ディレクター・征充(30)という多少スレていてもおかしくない立場にある大人の、純情な恋愛でした。
二人が出会い、恋が芽吹き、少しずつ育っているのにそれに気付かず、誤解と横槍でかきまわされ、ふと気づき、とまどい、身を引き、追いかけ、まとまる。
なんて王道で、先が読める、はずれが無いお話でしたね。(ビジュアル的にもよすぎるほどカッコイイ二人であります。イラストの街子氏の絵は好きですが、若く見える設定の征充が、本当に若く見えすぎるのが難点と言えば難点。カバーより口絵の方が大人っぽくてよろしいかと。)
横槍係・苫篠君なども出てきますが、人気俳優のくせにおごったところが無くて、優しくて、なぜにこっちはダメなのか?と思っちゃうくらいいい人だし。読んでいて気持ちがいい。
それだけだと、もの足りなさを感じても仕方が無いのですが、テレビ局とか演劇とかのお仕事の裏が垣間見えたりして楽しかったのと、二人のヤキモキするような純情な関係に結構ドキドキしました。大人になってもこんなドキドキした恋ができるなんていいなぁと・・・で、最終的に誘い受けっていうのも大人だなぁと思いました。
第三の男・苫篠くんの救済ストーリーを希望します。