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なら、俺の声しか聞こえないようにしてやるよ。
作家さんの新作発表
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八島正宗(ヤクザ 八州会会長 ゲイ)×篝十火(元殺し屋 女好き)
バーに立ち寄った十火に意味深な声をかけてきたのは、東日本を牛耳る広域暴力団の会長・八島正宗だった。なりゆきで十火が鉄砲玉から八島を助けたことから、客人として八島の元に招かれるが、ゲイだという八島に日々口説かれることになり……。
ストーリーを楽しむというよりは、正宗と十火の軽妙な掛け合い(「やらせろ」「断る!」)でどんどん読み進んでしまうという作品です。後半はちょろっとだけヤクザっぽいきな臭い展開になりますが、全体的にはコミカルな印象が強く、ヤクザや元殺し屋が主人公の割には全然ディープな話ではありません。また十火を口説く正宗とそれをあしらう十火の憎まれ口でおよそ色っぽい雰囲気にはならないのですが、二人がじゃれ合っている様な感じが結構可愛くて良かったです。
ただ、正宗が霊感!?的なものがあるらしいという設定と、十火の過去のトラウマの設定が所々で出てくるのですが、その辺がもうひとつピンとこなかったことがちょっと残念でした。読み応えという点ではちょっと物足りなさは感じますが、いつの間にかに読み終わってたという位テンポよく読める楽しい作品でした。