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作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
猫は家につく。
といいます。犬は一途に主人のことを思い、獅子は放浪の末生涯の伴侶を手に入れ、猫は家につき、蛇は体を絡ませあう・・・・・・というのが、私のこのシリーズの印象です。
その中で、猫は家につく。冒頭から3回も繰り返してしまいましたf(^^;
シリーズが完結しているので、4作目の蛇のことも含めますが、「猫」というのはこのシリーズに出てくるペットたち、犬、獅子、猫、蛇の中で、一番淋しがり屋なのではないかと思います。しかし、孤独というのを愛してもいる。
基本的にほっといて欲しいけれど、かまってくれないのは嫌。誰もいないのは悲しい。そういう生き物。・・・・・・だから家について、誰かがかまってくれるのを待っているのかな・・・なんて。
この作品の猫は2回も家出しますけどねf(^^;
好きな作品過ぎて上手くまとめられなくなってきました。
では、最後に、一番好きなシーンを。
カラーイラストのあのシーンも好きなのですが、私が一番好きなのは、階段で舘さんと、雨宮が真っ赤になって、言い合うシーン。コッチまで赤くなっちゃいます。すごく温かいシーンだと思うのに、ちょっぴり切なくもなる(その先を知っているので)。
とても魅力的な作品です。私の読んだBLの中では一番好きな作品です。いえ、BLに限定せず、他ジャンルと合わせて考えても、やっぱり大好きです。
表紙に猫が6匹、嬉しい!これだけで感激の本作♪
読み進むうちにBL以外に心が向いていました。
だから、遺産のヒントを捜す孫3人や雨宮と舘のくだりは、読み終わる時には添え物になっていました。
(だからBLレビューじゃないです^^;)
ジイさんの日記や雨宮の生い立ちから思うのです。
ジイさんは自分理由で、雨宮は両親から与えられた「孤独」を。
年を重ねてこれからが無い者と今までが無い子供が、
今ある孤独を諦め、受け止めるしかない、そう確信した時の辛さを思うと、すごく悲しくて寂しくて泣きたくなりました。
諦めた2人が巡り合えて(Pet Loversのお陰です)良かった。
ジイさんは決して無情の人ではなかったから、雨宮に情を示せたし、雨宮も時間を重ねてその気持ちが通じたのに、
「無償のつながり」を手探りで作っていった2人の、死での別れ。
雨宮は、また失ってしまったのです。
涙さえ忘れる程の喪失感を、榎田先生はシビアに流して書かれました。
孫3人とも、この遺産相続の件で、今まで知らなかった従兄弟達との良いつながりを得ました。
寂しかったジイさんが作ったつながりが、本の先で孤独を悲しんだ自分(読み手)を救ってくれるのです。
舘と雨宮のラブ部分も、可愛くてすっきりして良かったです。
自分ちの歴代の猫達を見ていて感じたのですが、どうででしょうか?
好きな人には無償の愛をくれます。
自分の要求もはっきり言います。
孤独が好きな訳じゃないです。
何かを受け止める器は大きいと思います(自分の死も)。
この本のキャラに被っている、そう思うのですが^^
家族や恋人を大切に思う。
とても心に響いた作品でした。
今作はPetLoversシリーズ4作品中、3作目。今作のペットは猫です∩(´∀`)∩ワァイ♪ 猫の生態が詳しく描かれ、そこら辺も楽しく読ませて頂きました。
さて、前作までは4作品とも別個のお話と思い込んでおりました。確かにこの3巻目まではどこから読んでも支障はありません。ただし本作にわき役として登場の仁摩が、実は次作にてスピンオフで登場!4作目を読む前に本作を読んでおくとより楽しめるかと思います。なんたって志水先生描く仁摩のイラストがめちゃくちゃ素敵で…( *´艸`)ムフフ 4作目を読まれる方には外せない1冊だと思います。
「う~ん」と唸ってしまったのは、「人を信じることが出来ない」という受けの性格。「愛とは信じること」と私は思っています。ゆえに相手を信じられないのに、相手を愛することは不可能だろうと心配でした。でも、どうやら「信じて裏切られるのが怖い」というのが受けの正直な気持ちで、もしも受けの心を持ったまま攻めがほかの誰かのところへ行ってしまったらと、それが怖かったのですねぇ。
この気持ちはめちゃくちゃ分かります。本作の受けはゲイですが、攻めはノンケでプレイボーイ。であるならば、受けのこうした不安は男女の恋愛における不安の比ではないのでしょう。そう言えば攻めの祖父も誰も信じないまま他界しましたが、いみじくも日記に綴っております。
「こんな人生はつまらない」
「すべての失敗は、人を信じられなかったことに起因している」
祖父は自分と似たところのある受けを不憫に思い、自分と同じように寂しくつまらない人生を送ってほしくはないと、あのような遺言を残したのですねぇ。さいわい今作の攻めは単純で素直。真っすぐで勇気があって正直。人を好きになったら告白する勇気もある。ちょうどお互い一緒にいれば足りないところを補い合うことのできる、まさにピッタリのCP。
「おまえが俺を信じなくても、俺はおまえを信じている」
「待てるさ、おまえにベタ惚れなんだから」
誰も信じられないのだと言う張る受けでしたが、攻めのこのような熱いセリフを聞けてそれは幸せを感じたことでしょう。いつか攻めに対し「心から信じる」の言葉を伝えてあげて欲しい。その時こそ、祖父の最期の賭け(=遺言)が実を結ぶ瞬間だと思うからです。
最後になりますが、タイトルにもある「シュレディンガー」、興味があったのでググってみました。すると面白いことに1997年にタカラから出されたゲームに「シュレディーガーの猫」というタイトルが!!それは主人公の女の子が行方不明になった愛猫を探すため、時空を超えた6つの世界を旅をするお話。最終目的がこちらの小説と同じ、シュレディンガーを見つけること。もしや榎田先生はこちらのゲームにヒントを得たのかもしれませんね? ということで、長々と有難うございました<(_ _)>
シリーズ通して読んでいる・・というか、ペットシリーズで仕組みが分かっている読者ならば「シュレディンガー」がどの猫かっていうのは
薄々・・・ほぼ確実に気づいていた人が多いのではないかと思ってしまったのだが、これまでは、派遣されるところから始まっていたシリーズが
下から居る。という設定で始まるのはまた面白かったかなと思う。
死んだじいさんが残した遺産を孫で争奪戦。
遺産を手に入れるためには「シュレディンガー」という名前の猫を探すこと。探し出せなければ~から始まるお話。
正直、攻もタイプじゃなく、ちゃくちゃくと進んでいくな~という印象だったのですが、最後のなんともワンコ・・・や、一生懸命な攻に思わずギュンと心をつかまれてしまった。
「猫を探しています」
ヨヨョョ。+゚(ノД`)゚+。ョョヨヨ∃
逃げてしまった秘書さんの真意がイマイチわからなかったんですが
必死で探す攻の行動にとても萌えました
受のことをすきすぎる攻が好きだw
いつか素直になるのか受!
だけども、いつまでも素直にならないで居て欲しいと思ってしまうのは贅沢な願いなのか否か(笑
大好きなこの作品をレビューしてないことに気付いて今頃。
榎田先生に志水先生。なんというカップリング。
無敵じゃん。
話よし、絵よしで、このシリーズは全部神評価もんです、私には。
表紙を見るたびに、この攻めさんの苦虫つぶしたみたいな顔が
おかしくておかしくて笑います。
志水先生、よくぞこの表情を描いてくださいました!
ありがとうございます~
受けさん攻めさんも好きですが、個人的に一押しは、
亡くなった爺さん。
猫にそそぐ、あふれんばかりの、でも やや変化球?見えない魔球?みたいな愛情。
それだけで、うるうるしちゃう。
ありがとう、受けさんを拾ってくれて。
愛してくれて。と感謝の気持ちでいっぱいです。
受けさん、ツライこともいっぱいあったけど、
爺さんのおかげで、いろんな人に出会えて、救われたよね。
家に、ちゃんと居ついてね。
何でこんなに好きなのか、
何がツボに入ったのか自分でもよく分かっていないため
正しくお伝えできず申し訳ないです。
不幸体質な受けさんか? 不器用そうな攻めさんか?
榎田マジック?かなあ。
読んでからずいぶん経つのに、未だにちょっと思い出すだけで
想いがふつふつ湧いてきます。
当レビュー内でも様々な評価のようですが、私としては
不幸受け好きな方には ぜひぜひご一読いただきたい一冊です。
PetLoverシリーズとしては、前2作とは全く違う展開で最初はあれ?いつPetLoverが出てくるのかなーと思ってたんですが、成る程~~~こう来ましたか!
PetLoverシリーズの設定を上手く生かして、他作品とはちと違った話に仕上がってます。
資産家の老人が亡くなり、身内である孫3人が集められて約9億の遺産をかけた推理ゲームを行う。
推理モノっぽい幕開けで古い館やメイドなど推理小説っぽい舞台で物語はすすみます。
老人が残した謎解きに参加している孫の1人、館[攻]は金利貸し業を営んでいて金に困っている訳ではないけれど、金が手に入るなら当然欲しいと考えている男。
その謎解きには猫が絡んでくるのですが、館が男前でやり手なのになんと激しい猫アレルギーなんですな、それがなんともマヌケというか可愛い。
館でずっと老人の秘書として働いている、雨宮[受]は館への第一印象は最悪なんですが、そんな館のマヌケな一面に笑いツボをつかれてしまったり、館は館でからかったつもりで雨宮に誘いをかけたのに、逆に誘い受されてしまいそのセックスの良さにまいってしまうという所もなんか可愛げがあるんですよね、館って男は。
PetLoverシリーズと知らなければ、謎の正体は最後まで分からなかったかも。
ゴージャスに始まるのに、最後はなんか妙に庶民的に大円団的に終る所もほのぼのしてて好きでした。
猫、好き。そして、今回ヒロインとなる雨宮さんさんは、秘書で淫乱で女王で、気まぐれでゲイ。私の大好きな要素がいっぱい!!
遺産を相続するための条件は、「シュレデンガーを正しく指摘すること」
絶対に分からないように封印していたこの答えに唯一正しくたどり着くことのできた男が、舘義隆。この舘は最初、傲慢で金と女に汚く、快楽に従順。ザ、攻めって感じの人。舘は顔のきれいな雨宮さんを挑発するんだけど、実は雨宮さんのほうがそっちの経験が豊富だったというから素敵。
マウントを取って、舘を組み敷いてしまう。「ざまあみろ。人を見かけで判断するからこういうことになる」と舘のチンコをくわえながらほくそ笑む雨宮さんがかっこよかった。
その後もずっと主導権は雨宮さんが握る。いいですねえ。体を起こそうとする舘を絶対に起こさせないところがすごくよかった。「あなたは下」って言って。
過去が痛いゆえに人を信じられない雨宮さんをずっと待ち続けてくれた舘に私からもありがとうと言いたい。雨宮さんをずっと可愛がって甘やかしてやってほしい。続編も甘々でとっても良かった。
今回は飼い主とペット、という関係性ではなく、『飼い猫』だったシュレディンガーを探せ、という内容に沿って物語が進んでいきます。
いわずもがな、私たち読者は『シュレディンガー』がなんなのか解っているだけに、ジレジレーモヤモヤーなんですが。
今回もピッタリ、『猫』がハマっているなぁ…と感心しました。
孤独で不器用で臆病な『シュレディンガー』。
早く、早く見つけてあげて。
舘さんにそう思わず願ってしまうぐらい、切ない気持ちにさせられました。
遺産相続のために始められた『遊び』のような猫探し。
その裏にあったおじいちゃんの切なる気持ちに、より一層胸がキュウッとなりました。
猫を探す、のではなく『猫』が選ぶ──臆病な雨宮が、人を信じることができるように…。
猫は難しい。
気が短くては到底付き合いきれない猫を待つために、舘は気が長くなったと独白しています。
健気なぐらいに待ち続けた舘さんの粘り勝ち、なんでしょうか。
一枚一枚丁寧にポスターを貼っていく舘さんと、一枚一枚じっくりと目に焼き付けていく雨宮。
その情景が頭から離れません。
このあとの雨宮からの一歩は、とてつもなく大きなものに感じました。
不器用で臆病なシュレディンガー。
でも、もう決して孤独ではありません。
舘さんはこれからも気難しい猫に振り回されながら、徐々に手懐けていくんでしょう。
どうか、お幸せに───。
シリーズ3作目ですが全部はつながってないのでこれだけで全然読めます。
むしろこの本に関してはPet Loversという単語がほとんど出てこないので最初に読んでもいいかもしれません。
遺産相続を出来るのは6匹の中からシュレディンガーという名前の猫を探すこと。
そんな中から猫探しをはじめるのですがオチがなんとなくわかってしまったのがちょっと残念でした。
でも全体を通して面白かったです。遺産相続の話なんでドロドロしてるのかなと思ったんですがそんなことは全然なかったです。
猫好きな方におすすめしたい作品です☆
猫が棲まう古い屋敷で、1人の孤独な老人が死んだという。
PetLoversシリーズの3作目の動物は猫。
それぞれ独立したお話となっていますので、こちらの作品からでも楽しめます。個人的にはシリーズ未読の方にはこの3作目からをおすすめしたいです。
スレンダーからふっくらとした子まで、愛らしい猫ちゃんが登場しますよ。猫好きの方もぜひ。
どの作品も素敵なのですが、猫→犬orライオン→蛇の順番で読みたかったかもと読み返すたびに思います。
顔も名前も知らない祖父が遺した莫大な額の遺産を相続するチャンスを与えられた3人の孫。
3人の中で猫の「シュレディンガー」を正しく当てられた者には全財産をと、そんな突拍子もない遺言を受けて屋敷内に棲まう猫探しをすることに。
既刊を読んでいる読み手、またはピンと来た読み手にはシュレディンガーがどの猫なのかがすぐに分かってしまうんですよ。
なので、今作の攻めであり故人の孫である舘と、故人の秘書として長年仕えていた受け・雨宮の両視点で、孫たちによる猫探しの行方と、人を信じられず孤独だった故人の痕跡を追っていく…そんな視点違いの面白さが楽しめるかなと。
答えを知らない者と答えを知る者、そして相性最悪な2人の視点違いって読んでいて面白いんですよね。
攻めと受けのお話ももちろん良かったのですが、私が1番好きだったのは舘の祖父で雨宮の主人だった毱崗老のエピソード。
彼が遺した、そっと導くような深い愛情が猫探しの合間合間であちこちに散らばっていてなんだかすごく良かったなあ。じんわりします。
人を信じることが出来ず、不器用で非常に分かりにくい人ではあったのだろうけれど、悪筆で綴られた淡々とした日記の1部や遺言から確かな優しさと愛情を感じるんです。
彼の存在なくしてはこの物語と2人の出逢いもきっとなかったでしょう。
実を言うと、舘と雨宮にはそこまで惹かれるものがなかったのです。
だというのに、猫探しも終盤に向かうに連れてどんどんキャラクターが魅力的になっていって、思わず惹かれてしまうではありませんか。
特に舘は後半がものすごくかわいげのある攻めと化していて、序盤の不遜さは一体どこへやら。いやあかわいい。
これからもきっと雨宮は舘に初めての感情をくれるんでしょうね。
孫3人の関係性と物語の締め方もほど良く丸みのある雰囲気で素敵な1冊でした。