美女と野獣と紳士 ~愛と混乱のレストラン 2~

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美女と野獣と紳士 ~愛と混乱のレストラン 2~
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神38
  • 萌×220
  • 萌9
  • 中立3
  • しゅみじゃない8

--

レビュー数
17
得点
300
評価数
78
平均
4 / 5
神率
48.7%
著者
高遠琉加 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
麻生海 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
シリーズ
愛と混乱のレストラン
発売日
価格
¥619(税抜)  
ISBN
9784576081823

あらすじ

久我をシェフに迎え、再スタートを切ったフレンチレストラン『ル・ジャルダン・デ・レーヴ』。
「君が必要なんだ」――そう言って店を辞めようとした修司をなりふり構わず慰留した理人だが、彼には老舗の『ゴルド』を手中にするという野望があった。食への興味を持たず、上司の叶の助力を得てそれを成し遂げようとする理人。久我はそんな理人に対して嗜虐心と、心から料理を美味いと言わせたいという相反する気持ちが芽生えてしまう。お互いを意識し合う二人。ところが久我のフランス修業時代の恋人が店に現れて――
出版社より

表題作美女と野獣と紳士 ~愛と混乱のレストラン 2~

久我修司,フレンチシェフ
鷺沼理人,支配人

レビュー投稿数17

面白かった!続きが気になる~

シリーズ2冊目も、相変わらずBL的な進みはゆっくり。だがそれ以外のところがとても面白く、また理人の心理描写が素晴らしいので、ぐっと引き込まれていった。
ラストは続きが気になりすぎる終わり方。次巻を用意しておいて良かった。

主な新キャラは久我の元彼女。理人がモヤる描写はあるものの明確な形にはなっていないため、よくあるヤキモチ焼かせ要員としては活躍していない。次巻で登場させた意味が見えてくるんだろうか。

久我は理人への気持ちを自覚する。最初から気になる存在だったのが、ここにきてはっきり“つかまった”と認識する。劇的な出来事があったわけでなく、ちらちら見える理人の内側を覗き続け、その結果久我の中に蓄積された何かが溢れた瞬間だったのかな。
分かるような分からないような趣味だな……と思わんこともない。なんとなくこの男に好かれる理人に同情したくなる気がしたりもして。まあ一言で言うと面白い。

で、BLそっちのけだが本題は理人。叶と『ゴルド』買収の話は確かに1巻でしていたが、あれが本気だったとは。その後も叶の存在感は久我のそれを上回りそうだと思っていたら、理人の過去絡みで一つの事実が明かされる。
驚きなのは、こんな立ち位置でこれはBL小説なのに叶がメインカプでも当て馬でもないところ(今のところ)。が、叶の意図が一番興味深い。足音を消して現れるとか、理人に対し同情や罪滅ぼし以上の感情がありそう……あるといいな。

長年秘密にされてきた真実を知り、同時に心の支えを失くした理人に、久我は結果的に付け込む形になってしまった。今作では叶に持って行かれた感があり、久我の新たな魅力は見いだせなかったため、次巻で挽回して欲しいと思う。
現状では叶の方が好感度が高い。

BLとして萌えるかといわれると困るが、ストーリーに読み応えがあり、小説として読んでいて楽しかったので神。次巻も期待大。

0

3巻完結 シリーズ2巻目

3冊合本版で読みました。

前巻「愛と混乱のレストラン」のレビューで"まさに1冊の本の3分の1あたりまで読んだなという感じ。"と書きましたが、こちらも同じで、この1冊だけだと少々物足りず…3冊揃ってやっと萌えどころもあり完成する印象でした。
特にこの巻、主役2人含め登場人物からどんどん心が離れていく…『ル・ジャルダン・デ・レーヴ』のメンバー(主役2人除く)は好きなんですけどね。修司と理人はなんとも自分勝手としか言いようがない。コメディ然とした作品ならまだしも、そうでもないからな〜

0

あしながおじさんが明らかに

愛と混乱のレストラン2作目。
レストランはだいぶ回復し、スタッフのチームワークも良くなってきましたが、理人だけは未だに一線をひいて心を開けていません。

でも明らかにお互いの視線を意識し始めた久我と理人。
「やばい」「かわいい」と心でつぶやいて恋に落ちた瞬間のシェフは可愛かったです。

一方の理人はついにあしながおじさんと対面し、放心状態に・・・。
(どちらも可哀想で切なかった)

そして動揺した理人を前に歯止めがきかなくなってしまったのは、やはり久我でした。
壊されたのか、救われたのか。
続きが気になります。

2

皿に命が載る

文豪の本を読むと、その繊細で緻密な表現に『自分には作家は到底無理だ』と思わされますが、高遠先生の作品を読む際も毎回こう思わされます。
文章がキラキラ輝いていて、すごく切ない。
短い言葉一つ一つに感動させられて、本当に文字通り胸が痛くなります。

このシリーズは、3冊とも素晴らしいんですが、中でもこの2冊目が好きでした。
特にジビエの調理シーン。
理人とは違い、私は割りと食事に対して嫌悪感は持っていないけれど、それでも『食べるのが面倒だから、ゼリーだけでいいや』って思う時もあるので、「命の味」という言葉に改めて食に対する想いを強めました。
この作品は、私のように食事を面倒とか苦痛に感じ始めた方にこそ是非読んで貰いたい作品だと思います。

そして、この調理シーンに続く、修司が理人への恋に落ちるシーン。
高遠先生の、こういう理屈ではなく気づいたら落ちてしまったという書き方は凄く上手です。
まるで実際に目の前で展開されているかのように鮮やかに書かれてあり、この場面は読んでいてずっと胸が痛かったです。

最後、無理矢理の場面もあるので、苦手な方は苦手かもしれませんが、全体的にはそれを越えるくらい優しい作品だと思います。

食事を摂るということは、生きるということ。
当たり前ですが、そんな大切なことに気づかせてくれる作品です。

7

俺様シェフが恋に落ちた瞬間

一冊目はレストラン再建し始めの仕事描写がっつりな内容だったが、二冊目からは修司と理人の心情にじっくりと浸る事ができる。
タイトルの『美女と野獣と紳士』について、作者の高遠さんは美女=理人ではないと明言されているが、私はどうしてもサラではなく理人を当てはめたくなる(笑)。

ところでこの小説は時折キャラクターの視点が変わっている場面がある。
一人称、三人称とかの視点が定まっていない小説って作家によっては読みづらく感じる時もあるが、この話では気にならずに読める。
多分それは他の人のレビューにあるように、私も高遠さんの書くキャラクターの感情表現に惹きつけられるからだと思う。
あと個人的に、読んでいて妙な回りくどい表現ってのがないなと感じた。

その中でも修司視点で、反発していたはずの相手、ディレクトールの理人に対して惹かれていく様子やはっきりと恋に落ちた瞬間にはグッときた。
恋を自覚した途端に理人の事を好きで好きで堪らないという衝動、自ら作る料理で彼の笑顔を見たいという想いが強く出ている。

但し、この巻でも理人はまだ頑ななままなので彼が美味しそうにフレンチを食べるシーンを読めるのかどうか、最後まで引っ張られているけれど。

今回は理人が長年気にしていた足ながおじさんの素性に、上司・叶との関係がどう変わっていくのかも気になるところ。
理人自身は上司・部下の線引きをきっちりと意識していても叶のほうには別の感情が育っているようで…。

1

どうしても無理です。

たぶん、キャラクターが好きになれたらこの上なく面白いと思うんですよ。

逆に、私はキャラクターがまったく許容不能なので、どこがどういいのかさえわかりません。←どうして人気があるのかはまあわからなくはないんですよ。私の好みとはまったく相容れませんが。

とにかくキャラクターに苛立ちと嫌悪しか感じないので、どんなに感動的な演出が用意されていようと『ふ~ん、そう』としか思わないんです。
それどころかワザとらし過ぎて醒めたくらいで、まったく(特にラブ)ストーリーに入り込めない。

つくづく『俺様・傲慢攻』と『ツン過ぎ受』が心底キライだと実感しただけでした。もううんざりです。

続き・・・正直どうでもいいけど買ったからには読みました。次でようやく終わりです。

10

好きと意識する前はなかなか優しくできないものですね

シリーズ2作目。
美女と野獣と紳士、美女は、まさかサラじゃないよね(笑)
ジビエ・・・私も苦手かも。
冒頭、ジビエのくだりで、美味しくいただかれちゃうのかな~なんて軽い気持ちでいたのですが、理人の辛い過去があきらかになります。
本部長の叶も絡んできて・・・大混乱。
それにもまして修司の軽率な行動に唖然呆然。
理人ってそれがいいとは言わないけれど苦労してきた割に打たれ弱いんだから、もう少し気を遣ってあげないと・・・(修司は反省する回のようでした。まったく・怒)

1

萌抜きにして面白い!

一巻を読んだ時は大丈夫だったのですが、二巻以降は持病の笑い病が発症してしまいました。

色気たっぷりな大人の男性、胸を打つ名台詞、思わずよだれのしたたる料理描写、多視点を利用した客観的な語りの手法。

文句なしに素晴らしいと思っていたのですが、どうも某美食漫画好きが裏目に出たようです。フランス仕込みのうんちく片手に食の尊さを語る攻に山岡○郎を連想してしまい、シリアスな場面なのに吹き出しそうになってしまいました。

せっかくのみなしごなのに・・・寂しい受なのに・・・切なさに浸れませんでした。

少女漫画の「美味しい関係」や「パティスリーMON」を読んだことがある人も要注意かもしれません。粗暴だけど、親しみやすく、美女に好かれるシェフが出てくるので、つい比較してしまいます。こういう男の人って好きなんですけどね。

笑いのツボにハマってしまいましたが、知的ながら人懐っこい文章は天下一品なので、きっちり最終巻まで読ませて頂きました。

萌抜きにしても面白かったです〜

0

3巻を持っておかないと自分を恨みたくなりますよ

きっと死ぬまでに何度も何度も
読み返すであろう傑作の第2巻。

この巻では、修司の昔の恋人サラが登場したり
修司が理人への気持ちを自覚したり、
理人の信頼する上司の叶が、実は失踪した父親だと思っていた
『あしながおじさん』の正体だと判明したり、
事実を知りショックを受けた理人を修司がメチャクチャにしたりと
怒涛の展開です!!
とんでもないとこで終わってますから、3巻と同時購入必須です!!

冒頭からお互いのことをたぶん意識してるんですよね~
ちょこちょこ目があったりするとか。思わずニヤニヤしてしまいます。
そして中盤、理人が修司の作ったジビエの試食をする場面から
キス、そして修司が気持ちを自覚するまでが
もう何とも言えない萌えが凝縮されていると思います。
最後は…理人が気の毒で…

次巻でラストです。
理人はトラウマを克服できるのか、
レストランはどうなるのか、
修司と理人の関係は!?叶はどーする!?
問題山積みで3巻に続くです。

3

俺様攻めがへこたれる瞬間

本編をキュンキュン胸痛めながら読んで、あとがきで「そうそう、そこがツボなんだよ~!」と思わず高遠琉加さんに話しかけてしまいました。
いわく「俺様攻めが反省するのは楽しいですね!」
そう、楽しいんだよ。
キュンキュン心が痛いんだけど、快感でもある。
俺様攻めって「徹底的に貫く」か「途中思いっきりヘタレる」か、どちらかがあって魅力が増すと思う。たまに物凄く中途半端に「デレ」がくる俺様攻めがいるんだけど、私はそういうのはダメ。

二巻です。
受けの不器用な突っ張らかり方も、無防備な部分を覗くかれたときの弱さも、どっちも好きです。
吃音萌えなんていうと不謹慎なのかもですが、吃音が出るたびに可愛くて可愛くてめちゃくちゃ萌えてしまいました。こんな読者は私だけではあるまい。
なんとなく仕事の上では近づくようになって互いへの信頼関係も出てきた矢先の、この本のラスト近くにある怒涛の展開ときたらもう(涙)
並みの書き手なら、「受けは最初は嫌がってるが、途中から気持ちよくなって…」というBLの必殺技を繰り出して攻めの罪を軽減しただろう。そうしない高遠琉加さんが大好きです。

あと、高遠琉加さんの小説をレビューすると毎度のように書いてしまうんですが、文章が好きです。
たとえば攻めが恋心を自覚した瞬間の、

……負けた。やられた。もうだめだ、と思った。
 そのかわいくないところが、たまらなく──
「くそ、だめだ……」
 つかまってしまった。

ああもう上手いよー!
どんな書き方するかは作者さんのセンスで、たまんないですこの日本語の並べ方。
あと最後の二行も素敵。

 こんなに誰かを欲しいと思ったことはなかった。
 誰かを抱いて、死にたいと思ったことも。

3

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