獅子は獲物に手懐けられる

shishi wa emono ni tenadukerareru

獅子は獲物に手懐けられる
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神38
  • 萌×227
  • 萌21
  • 中立5
  • しゅみじゃない5

--

レビュー数
22
得点
366
評価数
96
平均
3.9 / 5
神率
39.6%
著者
榎田尤利 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
志水ゆき 
媒体
小説
出版社
大洋図書
レーベル
SHYノベルス
シリーズ
犬ほど素敵な商売はない
発売日
価格
¥860(税抜)  
ISBN
9784813011781

あらすじ

「他の男を気にしてる場合か? 俺だけ見て……俺だけ感じていろ」 呼吸器内科の医師である鶉井千昭は、ある夜、自宅で突然見知らぬ男に襲われた。それが会員制デートクラブ Pet Lovers のライオン、蔵王寺真との出会いだった。足首に見えない鎖を繋がれている千昭と、金で愛を売る不遜なライオン、真。千昭の義兄の企みの下、不本意な出会いを果たしたふたりだが、いつしか強く惹かれあうようになる。しかし、ある過去が千昭を苦しめ…… 究極のビースト・ラブ!!
出版社より

表題作獅子は獲物に手懐けられる

蔵王寺真(シン),完全会員制クラブ「PetLovers」のライオン,27歳
鶉井千昭,呼吸器内科医師,29歳

同時収録作品獅子は獲物に手懐けられる

深見伊織,病院事務長
鶉井千昭,呼吸器内科医師,29歳

同時収録作品獅子は獲物に手懐けられる

モブたち
鶉井千昭,呼吸器内科医師,29歳

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数22

非力なガゼルは牙を剥けるか?

「犬ほど素敵な商売はない」に続く、完全会員制の高級クラブ・PetLoversシリーズの2作目となりますが、それぞれ独立したお話なのでこちらだけでも読めるかと思います。
やっぱりこのシリーズはいつ読んでも面白いですね。

とんでもない上にろくでもない下衆…もといどクズが登場したり、前作の犬編と比べると大分ヒリヒリ成分が強いライオン編。
というのも、主人公である千昭の義兄による所業の数々が胸糞もので、心身共に徹底的に痛めつける暴力的なものばかりなのです。
ここを許せるか許せないか、読めるか読めないかによって評価が変わってくる作品かなあと思います。
泥沼を通り越してまるでドブのような日々から抜け出すことが出来ず、雁字搦めになってもがくことすら忘れてしまった草食動物と化していた千昭が痛々しくて。
けれど、逃げようと思えばいつだって逃げられるのに無気力で動けない様子が気になって仕方がなくなっていく。
脚が折れたガゼルはどう抜け出していくのか?
どろどろとした重苦しさを抱えた千昭の心理描写に読み応えがあって個人的にはありでした。

そんな苦しい日々の一方で、シンとの出逢いによってある意味凪いでいた千昭の内面が少しずつ変化していくわけなのですが…2人のセックスよりもキスよりも何よりも、車内での他愛もない会話に1番萌えを感じました。なんだかすごく良いんですよ。
ベタベタとはしていないのにとても甘くて、不思議な清涼感があるCPだったなあ。
受けのピンチに颯爽と現れる攻めの図は王道中の王道でありながらも、その後の受けの行動と衝動がおっ!となるもので、ただ助けられるだけではない受けの図は非常に好みでした。

惜しい点があるとすれば、義兄がただのクズだったこと。
かなりの拗らせ気質の方でしたので、もうちょっと愛憎めいたものがあっても良かったかなーと少々残念。
そして、サブキャラクターの別所先生が好きなツボを押して来る方で、毎回彼のことが気になっています。すごく印象的な人ですよね。

1

涙が出た

前作に続いてかなりストーリーが読ませる作品です。
犬は先入観と意外性に引き込まれましたが、この作品はガゼルの立ち位置にハマりました。

自分自身なら、多分千昭のようには生きられない、例え母や妹を思っていても、義兄に罪悪感を持っていたとしても。でも、千昭は自己犠牲の上で、耐えている。。。
そんな時にライオン、シンに出会うんですが、シンが良い男(なんか安っぽい表現ですが、運命的に出会えたんでしょうね)で千昭の一部を壊してしまう。ヒビの入った心は最終的に決壊し、義兄を殺すところまで進みます。
でもその決壊を塞ぐのもシン。

一番、グッと来たのは、お母さんが亡くなり、ベランダから飛び降りようとした前に最後に電話をしたのはシン。千昭が電話で「…ゲームをしよう…」というところ。
涙が自然と出てきました。

最後は、未来が拓けて行く終わり方なので救われますが、良い作品でした。さすが榎田さんです。脱帽。

2

下衆キャラが出てくるので嫌いな人は要注意!!

真と千昭だけの関係だけなら神評価したいところなのですが、なんせ深見の下衆度にずっと読んでいる間、喉にタワシを突っ込まれたままのような気分だったので萌2にします。深見のような人間て、存在するんですよ世の中には実際。10年長かったけど、千昭は真に出会えてよかった!!

2

君を守るため…「らいおんハート」(人*´∀`)

良かったです♪私は、不幸受けが最後に運命の人と出会ったことで幸せになるというハッピーエンドの物語が大好きなのです。ご都合主義と言われようが、ベタと言われようが、お約束事と言われようが構いません(^^ゞ 受けがピンチ!と言うときに助けに来てくれる攻めこそ、本物のヒーローだと私は信じております。

まぁ…今作のクライマックスシーン、攻めがもうちょっと早めに来てくれたら、って言うのは正直ありましたが…。それくらい今回の受けはイカれてる義兄から手酷いリンチに遭い、ボッコボコにされます(>_<) これでもか、これでもかと肉体的に痛いシーンが山ほど出てきます。

今作は、PetLoversシリーズ4作品あるうちの2作目。それぞれの作品が独立しているため、シリーズものにありがちな全作品読まねば意味が分からなくなるといった危惧は一切ありません。どの巻からでも自分が興味あると思った作品のみお手に取り、気軽に読むことが出来ます。それゆえ暴力シーンが苦手、という方にはあえてこの巻をお勧め致しません。

今作の攻めは「PetLovers」から派遣されたライオン。ビースト・カテゴリに属し、非常に獰猛なイメージがあります。ところが読み進めていくと分かるのですが、テクニックもスタミナもあるし、武術の心得もあって強いのに、心が優しい~んです。

最初、義兄が「ライオンが獲物を貪り食うショー」を観たい、ということで攻めを派遣し、受けを襲わせようとしました。ところがそうした行為は「規約違反」だとし、強引に受けを襲ったり、痛い目に遭わせたりしませんでした。どれほどホッとしたことか。私はこの時あたりから、攻めを獰猛なイメージではなく、「らいおんハート」のイメージで読み進めることになります。

私の好きなほのぼのシーンの一つに、攻めが「暇つぶしにゲームをしよう」と受けに持ちかけるシーンがあります。ヘビースモーカーの攻めに、受けが「恋人として禁煙を説得する」という、ディベート遊びのようなゲームです。

「俺はタバコが好きなんだ。タバコのない人生なんか味気ない。何で止めなくちゃならない?」

これに対し受けは恋人として反論するのですが、この二人の掛け合いが実に楽しかったです。私はまだ「交渉人シリーズ」を読んでおりませんが、まるでその前哨戦の様な一コマで、なるほど、うまい!と思ってしまいました。これはきっと、榎田先生お得意の分野なのでしょう。

逆に私が思わず泣いてしまったシーンがあります。それは受けの母親の突然の訃報のあと、自宅のベランダで攻めに電話を掛けるシーンです。今度は受けの方が「ゲームをしよう」と攻めに持ち掛けます。

「僕は今、ベランダにいて飛び降りようかと思っている。-中略-僕が飛び降りるのを止めたら、君の勝ちだ」

この時の受けの心情がたまらず、思わずうるっ。守るべき家族の一人、母親が亡くなり、義兄には心身ともに蝕まれボロボロになってしまった受け。悲しみと辛さと絶望で生きる張りを失ってしまったんですねぇ…。

そしてもう一つ心に残ったシーンが…。ついに、ついに!受けが(過去に起こった不幸な事件以来)一度も逆らったことのない義兄にナイフを突き立てます。もうホント、受けの気持ちは痛いほど分かります。ずっとずっと、どんなに虐められ続けても耐えてきたのですから。気持ちが爆発してしまったのでしょう。でもね、どんなに憎い相手でも殺したら刑務所行です。そこは攻めが必死に止めます、ところがそのセリフたるや、

「分かった。俺が殺す。こんなクソのせいで、あんたの人生を台無しにする必要はない。俺が殺してやる」

ええっ!でもそうしたら受けの代わりに攻めが刑務所行きですよー!でも、ここでようやく受けは目が覚めるのです。自分のために攻めが人を殺し刑務所に入る、そんなことは望んでいない、嫌だ!と。

いろいろあり、波乱万丈なシリーズ2巻目でしたが、私は読んでよかったなと思いました。悔しさや腹立たしさなど、本を通していろんな経験が出来ました。有難うございました。_(_^_)_

9

2作目は甘く

Pet Loversシリーズ2作目。1作目の犬が、独特の設定で緊張感のある甘いカップルで面白かっただけに、期待が大きすぎたのか、なんとなく普通だったなという印象。

今作はPet Loversというペット派遣の設定はほぼ活かされていない。プロローグのあおりでどんな猛獣がという期待マックスの中、攻めのシンはほぼ獅子の顔をみせることなく一途攻めで終了(金髪以外)。
一方受けの千昭は確かにガゼル。義兄に弱みを握られ脅される日々。雇われたシンに陵辱されそうになるも、優しいシンに淫らな体を開かれ、メロメロに。

基本、ラブラブなカップルなので、ライオンに喰われるガゼル、という構図ではなかった。ヒーローのように千昭を救うかっこいい攻め、というストーリーで、それはそれなりに楽しめたけど、シリーズとしてはやや勢いが落ちた。

顔が好み、で千昭に興味を持ったシンだが、本気で愛するまでの課程があいまい。千昭の芯の強さが出ていればもうちょっと納得できたかも。

辛口になってしまいましたが、単独のお話しとしては楽しめたので、中立より1つ星をつけて萌評価です。

2

ペットシリーズ2

電子にて。
ペットシリーズ2。
終始読んでて胸が痛くなる展開でした(。>_<。)
千昭が不憫すぎるし、深見は救いようのないクズで結局制裁を受ける事なく失踪しちゃったし。
シンの雄ライオンの例えは好きだな。ほんとにそんな感じがする!
穏やかだけど獰猛なライオンに守られて千昭は幸せになって欲しい。
そして二人でいつか千昭が夢見る草原に行ければいいな。

2

話は面白いが痛過ぎて

犬の次はライオンです。
前作の犬のお話が面白かったので、かなり期待していたのですが、とにかく痛い部分が多過ぎて…
でも話としてはすごく面白かったです。

百獣の王のライオン、真(攻)と、非力で憐れなガゼルの千昭(受)が、義兄の深見の策略により、プレイという名のレイプを仕掛けられます。
この時点で深見の最低最悪度は半端無いんですが、さらにエスカレートしていきます。
しかし、何をされても我慢する千昭が可哀想でもあり、何故?と…

昔、二人の喧嘩の末の事故により深見の傷は
男性としての精神的に深い傷になってしまったと言う事で、千昭は謝罪の為、深見の奴隷状態になってしまっているのですが、
深見もホモには嫌悪を示すのに、自分でお膳立てして真と千昭が抱き合う場面をわざわざ見物したにも関わらねず、嫉妬からか自分のを咥えさせたりと執着を見せて、どんどん千昭に対して暴力等がエスカレートしていきます。
しかも千昭はずっと諦めているから余計に救われないし。
ほぼ全編痛いシーンがあって、読み進めるのが辛かったです。

真が千昭に対して救い出したい守りたいという感情の変化がどんどん増してきている様子と、千昭の深見を殺そうとした時の愛情深い説得に、千昭の葛藤を考えたらせつないのですが、真があまりにも男前で格好良くてキュンキュンしてしまいました。

最後まで最低な深見が逃げているのが気になりますが、真が禁煙するしないでイチャイチャとやり取りしていたりと、最後はやっぱり手懐けられたライオンの拗ねた様子も可愛いかったです。

友達の所属するモデルクラブって倖生の事ですよね。二人が絡んだ場面も読みたかったな〜。

2

今度のペットはライオンです。

前作は犬だったけれど、今度はライオン。
ライオンってことは…今度はペットが攻めなんですね。

帰宅してすぐに、見知らぬ男に襲われかける千昭。
必死になって拒む千昭に違和感を抱いたライオン─シンは行為を途中で止め、初めからいた第三者にどういうことだ?と問いかける。
なにがどうなっているのか混乱する千昭は、クローゼットに隠れていた男、義理の兄である深見が現れて理解する。

深見がライオンを呼び、千昭を襲わせた。
帰ってきたところを猛獣のような侵入者にレイプされる。
そういったプレイを深見は楽しみたかった。

深見から虐待を受け非道な振る舞いをされても、抵抗せずただ言いなりになる千昭。
そこまでして深見に反抗しないのには、理由があった──。

不幸受け。
もうね、義兄がドグサレ野郎すぎて救いの余地なし!でした。
確かに一生ものの傷を負った彼の、道連れにしてやりたいというものはわからんでもないけど、結局やることやってて千昭を騙し虐げていたと知り、余計に義兄に嫌悪感を抱きました。

気まぐれで自由奔放だったライオンが、千昭のために必死になっている姿にきゅん。
一方すべてを諦めてしまった千昭の心は頑なです。
ライオンを『買った』から客はどんなリクエストをしてもいいはずだと理由付け、恋人みたいに抱いてくれと頼む姿が痛々しい。

最後の最後まで義兄に苦しめられたぶん、千昭にはとびっきり幸せになって欲しいです。


少し気になるのは、シンがお見舞にいったのって誰?ってところ。
「最初の客に見初められて、恋人になって、クラブをやめた」ってなってるけど…ユキ?
でもバイクで事故だしなぁ…過保護な轡田がバイクに乗るの許すかしら。

モデルを始めるきっかけの友人は、ユキだよね。
ちょこっと出てくるなら、完全に登場してほしいと思ってしまうのは、前作のカップルがお気に入りだから。笑

手懐けられたライオンなら飼ってみたい。
いや、千昭だから手懐けられたのか…。

4

幸薄っぷりが痛かった。

この作品は、千昭が義兄の深見からどうやって解放されるのかという所が一番気になりました。
ただでさえプライドの高い深見が、火傷をして雄としての矜持を傷つけれられ、一生女性と関係を持つことができないという傷は確かに相当なものだと思います。
なので加害者である千昭を道ずれにしたい気持ちも、幸せになることを許さない気持ちも理解できました。
しかし、実際は過去に数人の女性とちゃかり関係を結んでいたんですよね。
そのことが判明してからはあれほどの恨みがどこから来るのかがぼやけてしまいました。
単なる頭のおかしい人に映ってしまいました。
深見の歪みの部分をもっと丁寧に書いてほしかったけど、そうすると本題とずれてしまうのでしょうか。
千昭の幸薄気質も、深見に傷を負わせたことだけが原因じゃないような気がします。(ヤクザが病院で暴れた一件など)
解決されているようないないような、なんだかモヤモヤした感じが残りました。

そちらばかりが気になってしまって、攻めの真がライオンと評されるほど印象深くなりませんでした。
あくまでペットなので、飼いならされた感がありどことなく犬くさい感じがして野性味もあまり感じませんでした。
千昭の救世主という印象で、カップリングとして萌えることもあまりなかったです。
可もなく不可もなく…という印象でした。

2

他の男を気にしている場合か?俺だけ感じていろ

 ペットラバーズシリーズ第2段。そうか、ユキの続編じゃなかったのか。ちょっと残念だったけど、今回の二人もイケメンだったので満足。
 しかし、今回はとっても痛かった。榎田さんて、こんなに痛い話書くのかーってびっくりしたくらいだもの。

 受けである千昭の不幸っぷりがすごい。義兄に殴られ蹴られの日常を送る千昭。挙句の果てに、義兄に男を雇われて襲われそうになる。私は、この義兄こそ下衆キャラに入れるべきだと思った。まあ、そのおかげでライオン属性の蔵王寺に出会えたわけだけれど。

 しかし、その後の千昭の犯されっぷりもすごかった。いや、実際にセックスしたのは蔵王寺さんとだけなんだけど、その他名前も付けられていない、サービスエリアにいた男とか、義兄の借金取り立てるやくざとか、なんというかまあ、やたらめったら襲われる。普通に生きていて、こんな短期間に、そんなに何人もの男に犯されかけるものかぁ?とさすがに突っ込みをいれてしまいました。
 あー、もうあかーんってなったところで、お待ちかねの真打登場というね。分かってるんだけど、やっぱりほっとする。後半になってもなかなか痛い分、ハッピーエンドだったので2割増しでほっとした。

3

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