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glass no hanataba
ものっすごい泣きました。切なくて、悲しくて。
胸が痛くて仕方がなくなります。
全然受けが報われないんですよ。
攻めは優しいんですが、その好意は思いやりや
過去の出来事から申し訳なさから来る贖罪のようなもので、
受けのことが恋愛感情で好きだからではないんです。
受けも攻めが自分に気持ちを向けてくれるとは
思っていないので、好きになってほしいと思いつつも
頭のどこかであきらめながら一緒に暮らしています。
砂浜を二人で歩くシーンがあるんですが、
受けの歩いた足跡をなぞるように後ろから攻めが
ついていくんです。決して横には並ばない。
そのシーンが印象的でふたりの関係性を顕著に表していて
すごーく切ない気分になりました。
ハイジさんの挿絵の数々も感情を引き起こす要因になっています。
キーワードは受けの兄で、もう死んでしまっているんですが、
生前、受けの兄と攻めが付き合っていたんです。
そして兄が死んでから、ふたりの関係は歪になりました。
兄が亡くなった後、少しの間だけ受けと攻めは関係を持つんですが
その行為の時に、攻めが兄の名前を呟きます。
それをきいて求められているのは自分ではないと、絶望します。
知っていた筈で、代わりでもいいと関係を持ちかけたのに
決定的なその言葉で一気に現実へと意識が引き戻されます。
共通の友達である男(円城寺)が家にやってきたときに
受けの様子がおかしいことに気づいて
攻めが受けに何かしたのか、と訊ねるんですが、
「もうすぐ自分のことを好きになってくれる」
「だから攻めには言わないで」と受けは友達に頼みます。
そこからのシーンは何回読んでも、胸がいたくなるほど
暗くてつらい展開でした。
「俺のことをちゃんと好きになってくれる」
そういう受けが痛ましくて、仕方ありませんでした。
攻めはそんな受けに愕然として「許してくれ」と言います。
以上が過去の話で、ふたりの関係性がどうしてこうなったのか
が理解できる部分なんですが、後半に差し掛かったあたりで
描かれるので、やきもきしながらページをめくった覚えがあります。
前半は何故こんなにも奇妙でひどく危うい距離感なんだろうと
疑問に感じていたら、そんな過去があったなんて
思いもしなかったので暫くページを開いたまま、茫然としていました。
最後はもちろんBLなのでひっつくんですが、
それまでのやりとりや展開が、上記にも書いたように
読んでいるこっちが倒れそうになるくらいに
重苦しいものなので、昼ではなく、
いっそのこと感傷的になりやすい夜に読むことで
気持ちを落ち着けることにしています。
個人的には共通の友人の円城寺さんがすごく好きです。
杉原さんがハイジさんのイラストだということで
眼鏡にしたというこのキャラクター、すごい良い味を
出してくれていますし、いい仕事をしてくれました。
きっと二人だけでは動かないお話だったと思うので、
受けの兄のことが好きだった生徒と
この円城寺さんの働きかけによって物語が進んでいきました。
もう、本当に暗くて、気分も落ち込んでしまうんですが
でもその分最後でのふり幅が大きいので、そういう構成が好きな人には
ぜひ読んで頂きたい一冊です。絶対になけますよ!
兄弟と親友という三角関係。
兄は亡くなってしまって、残された親友と弟は身体を重ねはしたけど
心が結ばれずに4年。
ずっとそばにいるけど、恋人にはなれないふたりの
とてつもなくじれったい恋のお話。
ふたりともすごく視野が狭くてまわりがまったく見えてないw
一途といえば聞こえはいいけど、とにかくまわりが見えてないw
基本的に自分の気持ちに盲目的な攻めと受けw
それをそばで笑顔で支えてきた円城寺は、本当にいい奴だなと思いました。
そんなに好きなのに、同じ部屋に住みながら一度は重ねた身体を
求めずに過ごせる攻めと受けのストイックさにもびっくりする。
なんだかすごくややこしい人たちだなw
傍からみたら、やっかいな人たちだけども
そんな風に一途に盲目的な恋情を自分に向けてもらえたら?って
俺だったらもっと幸せにしてやるのにって思っちゃうよね。
強引にかき回してしまう人は、ひとりもでてこない。
傷つくのが怖いと思う人はいないけど
傷をつけるのをみんな非常に怖がってる感じがしました。
恋なんて傷をつけたもん勝ちでしょ?え?違うの???
挿絵・・・瑛と脩一と雅紀が3人並んだところは
まるで三つ子のようでしたOTZ
受けと攻めも身体の縮尺だけ違うだけで、顔かたちが同じにしか見えなかった。
好きな相手は死んだ兄の恋人だった人。
でも、彼に出会ったのも好きになったのも自分の方が先だった。
兄の死をきっかけに壊れてしまった脩一は一時期瑛をその代わりのようにして抱いていた。
瑛はそれでもいつか自分を好きになってくれればと一抹の望みを捨てきれずにいたけれど、我に返った脩一は瑛の思いを受け入れてくれず、しかし自分に出来ることは何でもすると、瑛のそばにいる。
決して触れることのなくなった脩一と、脩一への想いを捨てられない瑛は、微妙な均衡を保って一緒に暮らしている。
辛いですねー。
瑛の想いはホントに途中読むのが辛かった。
こんな状況のところへ、昔兄が家庭教師をしていた本宮(もとみや)と言う青年が現れ、今では直接聞くことの出来なくなった兄の想いを知る彼が、瑛と脩一の関係を動かすきっかけを作る。
それによって、兄・雅紀や脩一の気持ちがゆっくりとわかってくるんだけど、彼らだけでなく、出演者誰の気持ちをとっても切ないですね、これは。
一番ダメだったのはやっぱり脩一かなと思うけど、彼はまともな人だから自分のダメさに気づいたあとはさぞ辛かったでしょうね。
自分の気持ちがどこにあるのか気づいたとしても亡くなった人につぐないはできないし、傷つけた瑛に「それでは・・・」ってわけには・・・。
同じ出来事を取っても人の数だけ感じ方があって事実がいろんな側面を見せるんだなぁ。
彼らを見守ってきた円城寺(えんじょうじ)だって、本宮にだって、それぞれに秘めた想いや切なさが当然あるわけですよね。
みんな優しい人たちだなぁと思いました。
もっとわがままに声高に自分の気持ちを主張したっていいのにね(笑)
そうしないところが杉原さんなのだけど。
静かで優しくてちょっと寂しい、良いお話だったと思います。
大学生の瑛は、兄の恋人だった脩一と一緒に暮らしている。
数年前、兄・雅紀の死に落ち込む脩一と一時期関係を持っていたが、兄を思う脩一の気持ちに耐えきれず、二人の関係は、一度はそこで終わってしまう。
けれど、どうしても脩一のそばを離れたくない瑛と瑛を傷つけてしまったことを申し訳なく感じる脩一との間に成立してしまったいびつな関係。
ところがそこに、現れたかつて雅紀が家庭教師をしていたという青年・本宮。
彼が現れたことにより、二人の間に築かれていた危うい均衡が崩れ始める……
という話でした。
どっちもちょっとずつ、壊れている二人が共依存している関係がとても好きなので、萌えました。
それでも暴力的な描写は一切なくて、うちへうちへと潜り込んでくる感じがとてもよかったです。
穏やかでどこか壊れている話が好きな方にはオススメです。
『萌え』はこれっぽっちもないので『中立』にしましたが、杉原さんの作品の中ではマシな方です。でもやっぱり『萌』にはできないんだけど。
面白かったかと訊かれれば全然としか答えられません。とにかく、すべてに靄がかかってるというのか『だから何が言いたいの!?』って感じで、何もかもが曖昧でもうイライラしました。
私は『切ない』『焦れったい』『すれ違い』自体は結構好みです。でも、これを『切ない』とか『焦れったい』と表現していいんだろうか、と。
それに結局、脩一(攻)と雅紀(瑛の兄)の気持ちが見えなくて、なんとも消化不良です。ただ、瑛(受)は結構好きです。ぐるぐる悩む健気受は大好きなので。
まあ、瑛のキャラクター以外によかったところは何もないというか、相変わらず雰囲気だけだなあとは思いましたね。
杉原さんの作品でいつも感じるんですが、すごい単調な描写続きで長々と引っ張っておいて、ラストが『いきなり・あっさり』片付いてしまって拍子抜け。これを『失速』と言っていのかわかりませんが、毎回のように繰り返すからにはいわば『配分誤り』ではなくワザとなのか?書き癖の一種?
私、やっぱり杉原さんは無理だ、と改めて思ってしまいました。
ただ、杉原さんの他の作品比べれば、不快感は少なかったです。なぜって三人称だったから。
私はもともと『受一人称』が苦手なんですが、とりわけ杉原さんの一人称がホントにダメなんです。気持ち悪い。なんというか『独善的』『自分語り』としか感じられなくて疲れるんですよ。
そういう意味では『三人称』というだけでマシでした。
そして佐倉さんのイラスト。この方もともと苦手なんですが、この作品には特に合ってなかった気がします。キャラクターの描き分け以前に、子どもも高校生も大人もみんな同じにしか見えませんでした。特に子ども。単純に大人を縮めただけで、なんとも不気味でした。
どんだけガラスのハートやねん、どんだけ繊細やねん、とツッコミながら読みました。
ずっと好きあってる二人がなかなか結ばれない切ない話なんですが、すれ違いやもどかしさの方向性が私には合わなかったかも。
幼馴染みモノも、すれ違いモノも、話の要素自体は好きなんですけど。
なんていうか、古い少女漫画みたい、と思ってしまった。
もっとずるくて汚いのが人間で、ピュアすぎると浮世離れして感じてしまう。