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1冊丸ごと表題作です。
紫(受け)の目線でストーリーは進んで行きます。
紫と朝日は従兄弟。年下の和雅を入れて、3兄弟のように仲は良い。
紫は朝日に、子供の頃と高校生のときで、二度プロポーズされたことがある。断って気まずい別れをしてから会っていなかった二人であったが、紫がフォト雑誌の編集長として忙しくする中、突然朝日と同居をする羽目になり…という話です。
紫は、朝日の「嫁になれ」には「男だから嫁にはなれない」、「恋人になろう。一緒に人生を歩もう」には「仕事を持ち家を買えるくらいの人間でないとプロポーズを口にする資格はない」と断ります。
紫は嫌いと言っていないにも関わらず、朝日はそれから姿を消し、紫は嫌われたと誤解して逃げたのかとガッカリするのですが…実は、朝日は紫に認められるよう仕事をして家を買う手はずをしていたという展開です。
紫の言葉の裏、「嫁にはなれないけど好き」は分からなかったけれど、「資格を得てプロポーズして」は分かったという朝日でした。
紫は冷静かつ真っ当な男で、仕事を引き受けるから身体をよこせという誘惑を躊躇なく蹴散らす態度など、読んでいて好感が持てます。ただ、感情がゆさぶられるというまでには至らず、淡々とした印象を受けました。
紫も朝日も和雅もそれなりの社会人であり、強烈なインパクトのある人物でないので、地味なイメージになるかもしれません。ただ、朝日が写真家ということもあり、二人が出会った実家の桜など、美しい光景が目に浮かぶようでした。
従兄弟の和雅にも画家の彼氏がいるそうで、彼らのスピンオフを探してみましたが発見できませんでした。残念。
幼馴染の再会モノ、ぐうたらそうで実は有能な攻め、真面目な編集長受け、一途な恋、がお好きな方にお勧めです。