電子限定版
tensaigaka ni narisokonatta tomo he

七緒夕日先生のデビュー作『天才画家になりそこなった友へ』の番外編集。
ピリッとシリアスな緊張感が漂っていた本編とは一味違い、コミカルだったり甘やかな二人の様子が見られるのが嬉しい番外編でした(*´˘`*)
発売時の販促特典ペーパーと、小説Chara vol.51掲載の番外編の2つのお話が収録されています。
前者が直樹(受)の後輩くん視点、後者は直樹視点で二人の新たな道、”これから”に繋がる未来の見えるお話です。
小説Chara掲載の方は本誌で拝読していたのですが、後輩視点のお話は今回初めてで、これがとっても面白かった!
後輩指導に悩む新橋が、先輩デザイナーである直樹に声をかけられ、相談に乗ってもらいー
というお話なのですが、新橋の方から相談を持ちかけるのではなく、悩む様子に気付いた直樹が彼を呼び出す、というのがなんだか個人的に深く響きまして。
決して「人当たりがいい」とは言えず、周りからも恐れられ敬遠されていた直樹。
そんな彼を、麻人との恋が少しずつ、柔らかに変えていったんだなあ…と。
以前の直樹も、今の柔らかな直樹もどちらも好きです、ときっぱり言い切ってくれる後輩・新橋のキャラも好き。
まっすぐ尊敬の念を向けられ、照れっ照れでしどろもどろになる直樹の姿が可愛らしくてクスっと笑いました(*´艸`)
後半のもう一編、「レモンとブルーな僕だけの画家」は、美大時代の同級生・堀に誘われ直樹がグループ展に参加するお話。
来てくれたお客様から直接感想を聞き、じんとする直樹の気持ちがダイレクトに伝わってきます。
クリエイターにとって、こんなに嬉しい瞬間はないよね…✨
そしてとても素敵だな、と思ったのが、グループ展用に直樹が描いた絵です。
小説なので、もちろん実際にその絵を目で見ることはできないけれど。
綴られた文章の中からイメージが広がり、思い浮かんだ優しく美しい絵をじっくり鑑賞しました。
美大生時代、時には拳で”分からせ”てきたという当時の直樹の絵とは全く違うテイストの一枚。
麻人に「恋の幸せを感じた」と言われて照れちゃう直樹が、また可愛いのですよ(*´◒`*)
遠いNYから、サプライズで展覧会にまで足を運んでくれた、優しい恋人。
そこから思わぬ形で、ギャラリーでの扱いを提案されて…
”人生の全てを絵に捧げる”ように描くのではなく、カジュアルに、自由に描く。
そんな新しい道、可能性に気付いて驚き、ハッとする直樹の興奮が伝わってきます。
そういう道を、今の日本で歩むことは現実的に難しい…という現実には胸が痛みつつ、ニューヨークで麻人と共に生きる道が見えたこと、覚悟を決めた直樹には盛大な拍手を送りたい!・:*+.
(日本も欧米のように、もっともっとアート文化が浸透し大切にされ、政府の後追しなどが当たり前になったらいいですよね…)
その後の二人、NYでの様子もぜひぜひ、見たいなあ…!
散歩しながら微笑み合い、肩を寄せ合う二人の姿が、目に浮かびます(*´◒`*)
後輩視点のコミカルなお話と、興奮と甘やかな空気に満ちた後編。
どちらも幸せな気分に浸れる、心地よく素敵なストーリーでした✨