花にして蛇シリーズ 3 ムーンストラック

moon struck

花にして蛇シリーズ 3 ムーンストラック
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神4
  • 萌×20
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
2
得点
20
評価数
4
平均
5 / 5
神率
100%
著者
オンリー・ジェイムス 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
市ヶ谷モル 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
モノクローム・ロマンス文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784403560651

あらすじ

アティカス・マルバニーは風変わりな億万長者の長男で、真面目なサイコパス。兄弟同様、腐敗した司法を正す使命を持つ。ジェリコ・ナバロは普段は車のメカニックだが、冷酷な殺し屋の一面を持つ。共通の敵を前に偶然出会った二人は熱い一夜を共にするが……激しい愛と暴力の物語、「花にして蛇シリーズ」、第三弾!

レビュー投稿数2

毒を以て毒を制す。マルヴァニー兄弟、長男の物語

な、なんって面白いんだろう…!!!

全435ページの分厚い一冊、”読み切れるかなあ…”と不安で
まずは50ページ読んでみよう、と本を開いてみたら。
文字どおり時間を忘れて読み耽り、気付けば数時間経っていました。
圧倒的ボリュームに、圧巻の内容。
文句など一切なし!の、「神」評価一択です。

書店で見かけ、モル先生の素晴らしい表紙に惹かれて購入。
赤毛でブルーの瞳でメガネ×そばかすの組み合わせ、最高に萌えます。

タイトルの「ムーンストラック」とはなんぞや?と気になり
調べてみたところ...

『Moonstruck』とは、形容詞で「気が狂った、気のふれた」という意味だそう。
法に則らず、”毒を以て毒を制す”殺人一家の長男と
これまた同じく私刑を執行するメカニックというカップル、
まさに傍から見れば”気のふれた”二人と言えるよね、と納得です。


ちなみに…邪道であること、こんな読み方をする方が珍しいということは
十分に自覚していますが、実はシリーズ、初読みです;
初読みでも全く問題なく、世界観に入り込めます。
夢中になれます。

自分のように”興味は持っているけれど、3冊も出ているしなあ…”と
躊躇している方がいらっしゃいましたら;
この3巻目からでも読めますので、ぜひ…!

1・2巻のあらすじのみ読み、とんでもない殺人一家の
血の繋がりのないサイコパス7人兄弟のお話だと把握。

こちらのシリーズ3冊目は、兄弟の長男・赤毛でそばかす、
アラフォーのアティカスが主役です。

ハートウォーミング…とはとても言えないかもしれないけれど、
切なくも甘い「愛」の物語。グッときました。

冒頭から血なまぐささMAX、攻め受け二人の出会いも衝撃的…なのですが、
一途健気に愛を求める、根っからのサブミッシブ(服従者)なアティカスに
すっかり夢中になってしまいました。
後述しますが、たまらなくいじらしい姿を見せてくれるのですよ…
ジェリコの征服欲を刺激するのも分かる。


本日のターゲットを仕留めに、森の奥の小屋へと向かったアティカス(受)。
しかしそこには既に先客・ジェリコ(攻)がおり、
ターゲットを痛めつけている最中でー

と始まる復讐劇のこちら。

ジェリコがターゲットの指を2本と耳を片方切断したところに
アティカスが現れ…と、冒頭から血飛沫が舞ってます。

その後もそういった場面はガンガン出てきますが、
お話のもう一つの主軸である二人の恋愛が、とにかく予想以上に甘い!
(そしてエロエロ)

衝撃的な出会いから人を殺めた後の興奮そのままに抜き合い、
そこからアティカスの中に秘められた「愛されたい」「求められたい」
という願望を見抜くジェリコ、さすが。

「私はゲイではない」と頑なに言い張り、
ジェリコからの「言え」という命令/誘惑にも抗おうとするけれど、
争いきれずに陥落するアティカスの愛がまた、最高にたぎるのです。

互いにどうしようもなく惹かれ、
愛してやまない唯一無二の存在へと昇華されゆく
二人の関係性の変化の描かれ方の、なんと甘いこと…!

萌え転がったのが、終盤、テレビ好きなジェリコのために
アティカスがテレビを購入していたー
と発覚するシーンです。

首筋や耳を真っ赤にしながら、
意地っ張りな&健気な発言をするアティカス。
ジェリコ視点で私も抱きしめたくなっちゃうよ..
(問答無用で首刎ねられそう)

何気なく「うちに着替えを置いておけばいい」と呟き、
自分の発言にハッとなって赤面するー

恋と愛に落ちたアティカスの言葉・仕草ひとつひとつが
愛おしいのです...

そんな二人の甘く、くすぐったくもある恋愛模様に身悶えつつ進む
もう一本の柱であるジェリコ妹のための復讐劇も、
ハラハラドキドキのサスペンスで読み応えたっぷりです。

悪役の処され方はもう、当然予想はつくのですが…
それでも、黒幕へと辿り着くまでのピリつく調査過程、
敵地へ乗り込んでの臨場感あふれる銃撃戦と、
最後まで息つく間のない展開に心臓バクバク。

ジェリコがあわやー...!
という場面で、アティカスにかけられた
アダムの一言に、震えました。

このアダムとアティカスの兄弟間の関係性の変化、
3巻だけ読んだ自分にもぐわっと刺さったので、
1巻2巻と読み続けてきた方々にはきっと
より感慨深く思えるのではないでしょうか。

一つ予想外だったのは、ジェリコの元彼・警官のゲイブについて。

事件に深く関わっていはいなかったことに安堵しつつ、
何かちょっとそこにも仕掛けを期待していた自分もいました;

これからの展開で俄然気になるのは、
アヴィ(マルヴァニー兄弟の双子)×フェリックス(ジェリコの弟)の関係性。

次巻は誰と誰とのお話になるのかな!?と
今から気になって仕方ありません。

初めて「自分を解放すること」「愛し愛されること」を覚えた
”ミラー”サイコパスと、そんなアティカス以上に執着心を見せる男。

読み進めれば読み進めるほど、ジェリコの言うように
アティカスは生粋のサイコパスとは言えないのではないか、
愛を知り愛を得た彼のこの先はどうなるのかー
という思いが頭を巡り、読後の今も興奮が冷めやりません。

まさかの、そっちから!?という
ラストの甘く男前なプロポーズにも萌え転がりました。

1巻・2巻も早速購入、年末年始にかけて
じっくり読んでいこうと思います。

モル先生の美麗すぎるイラストにより
妄想...いや想像力をこれでもか!と掻き立てられる、
圧巻の殺し屋×殺し屋の物語でした。ため息...

0

最高に刺激的で、最高にクレイジーな愛に心酔

マルヴァニー家の長男・アティカスのターン。
過去2作にも登場し、他の兄弟から若干ウザがられているポジションの彼がどんな風な恋愛をするのか……正直なところ、アティカスがBLの世界線でどう動くのか想像がつきませんでした。

というのも。アティカスには、サイコパス兄弟がウンザリするような強烈な元彼女がいたのはご存知のとおり。彼が女を見る目がないのは分かってましたが、悪女に好き放題させるくらいなのですっかりノーマルだと思ってました。
ところがどっこい。
蓋を開けてみれば、どこがノーマルじゃいという心酔っぷり!^ ^
ターゲットのお掃除現場でジェリコと運命の出会いを果たしてからいうもの、アティカスの身体の熱は昂る一方。死体を目の前に官能の戯れに興じる2人の姿はなかなか刺激的で、最高にクレイジーでした。

アティカスって、どこか良い子ちゃんであんまり冒険とかしなさそうな感じだったのに、この展開には驚きでした。
発情のスピードが早ければ、セックスへGOするのも早い。そして、ここん家の兄弟はすぐに恋に落ちるのも早い(笑)
彼らは養子で繋がる兄弟関係だけど、みんなあっという間に想い人に骨抜きになるのは兄弟そっくりです。
今巻の場合は、お相手のジェリコもアティカスと同じ熱量で(それ以外かも?笑)アプローチしてくるのが、アダムとオーガストのときとはちょっと違うところかな。
アダムとオーガストは粘り勝ちで恋人ポジションをゲットしたのに対し、アティカスは最初っからジェリコとラブラブ濃厚な戯れを見せつけてくれています。

何がすごいって、この2人。ちょっと会っただけでも、視線がぶつかっただけでも、すぐに勃起オンモードになります。いつでもバキバキ臨戦態勢のジェリコと、いつでも受け入れ態勢万全のアティカスのセックスシーンは本巻の随所に投入されているので、拷問現場やお互いの家…などなど色んなシチュエーションでのプレイをお楽しみ頂けることでしょう♪

ジェリコが本当にいい男でね。アティカスのことを大事に扱い、そして誰よりもアティカスを理解している寄り添いにグッときます。
アティカスはサイコパスといっても、ちょっと人間くさいところがあって、なかなか憎めない奴なんです。そしてアティカスのそんなところにジェリコは惚れています。
サイコっぽくない隙あり感が、他の兄弟から馬鹿にされたり揶揄われたりもするんですけど、ジェリコがアティカスを弟たちのイジりから守ってくれる姿がカッコいい…!
暗殺集団のサイコパスたちにも怯まない度胸と、アティカスを守護する姿勢……萌えゴコロがそそられました〜( ´∀`)


ジェリコの妹がとある団体に殺されたことをキッカケに、その真相と犯人たちを追うアティカスとジェリコ。マルヴァニー家とジェリコ軍団の協力体制で、犯人どもを追い詰めて殲滅する作戦にはドキドキハラハラしました。
アダムのときは小児性愛者、オーガストのときは拷問ショー、そしてアティカスのときは人体実験と臓器売買……海外の小説ならではの規模感にいつも引き込まれてしまうストーリーは、今巻も最高にヤバかった。恋愛的にも最高にホット&クールな読み応えでした。

マルヴァニー家の世直し規模もメンバーが増えてどんどん拡大していくのも面白く、先の読めない動きと人間模様の深みに魅力されていくストーリーに終始沼でした。
ジェリコとアティカスの愛の育みの裏で、今後行方が気になるカップル候補も複数登場し、楽しみが尽きることがありません。
続刊としては、イケオジ父のトーマスターンをぜひ^ ^
彼が恋愛でどう乱れるのか見てみたいです。

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