ベータ
anti pheromone

もうずっと、年単位で、加納×伊吹の続編を待ってました。
本編のssなどで匂わされていた通り、二人らしく初々しくて可愛い恋に萌えた〜!
伊吹なんか本編ではちょろっと登場してたぐらいなのに下の名前も控えめな言動もギャルソンとしての矜持も、何もかも彼らしくて、掘り下げられるごとに加納と一緒になって恋に落ちていく感じ。
加納の独特なキャラとその存在は言わずもがなで、読み終わるのが勿体ないぐらいいちいち萌えながら読了。
数年経ってのスピンオフを刊行してくれて感謝しかないです。
が、ぜひとも二人のアフターストーリーやバース性ならではの波乱(クラブであれこれとか、加納のラット事情とか)とか、あったら読みたいな〜と思っちゃう。
ベータの恋人の嘉納さんのスピンオフ!楽しみにしてました。嘉納さんはフェロモンを頼りに生きてきたんだなぁとしみじみ感じるお話。安西リカ先生のオメガバースって(大事なのはやっぱり本人の気持ち)なのがベースにあって好き。
伊吹が可愛らしいですよね。自分の気持ちにも他の人の気持ちにも鈍感な嘉納さんに恋をするのはなかなか大変だったと思うけれどあの二人の助けもあり恋が実ってほんとうによかった。
自分の気持ちに気づいたら愛してるを惜しみなく言える嘉納さんもグッジョブです!
私は断然嘉納派。
くっ付くのはあり得ないって分かっちゃいたけど、保住より嘉納を選んで欲しいと強く願っていたほど、嘉納というキャラクターが大好きでした。
そんな嘉納が盛大にフラれてから、ギャルソンの伊吹といい感じにまとまりそうな雰囲気をキャッチしていたものの、あんまりしっくりこないなーなんて、有とのカップリングを未練がましく思っていたものです。
それもこれも、安西先生が当て馬を魅力的に書きすぎるから良くない(笑)
自分の運命を何がなんでも手に入れようとする嘉納の強引な行動力は、当時の私の胸を最高潮にたぎらせました。
本編の『普通〈ベータ〉の男』は3年前の作品ですが、メインカプの保住より嘉納の方がインパクトが強く、今でも記憶に残っているキャラクターです。
彼がメインの今番外編では、お相手はやはりあの伊吹くん。当時は、先にも書いたように"しっくりこない"と思っていたけど、くそぅ……そう思った自分をブン殴りたいです。゚(゚´Д`゚)゚。
番外編……良かったです。めちゃくちゃ良かった。
伊吹こそが嘉納の運命だと思わせてくれる恋愛模様に素敵に酔いしれました。
周りの人を威圧的に思わせてしまう嘉納には、ピリピリオーラを中和してくれるような癒し系のお相手がピッタリではなかろうか。
伊吹のように、仕事柄気配りができる性格だったり、穏やかな気質だったり、所作の美しさだったり。伊吹のキャラクター性をよく知ると、嘉納のベスト恋人だと確信するしかなかったです^ ^
αとβの組み合わせは、オメガバース世界においてイレギュラーカップルなのは間違いないですが、身体が惹かれるのと心が惹かれるのとは全然別のところにあるんですよね。
名前も覚えられない、話す内容にも興味のないΩと本能的に番ったところで、それが幸せに直結するとは限りません。フェロモンやバース性でしか番う理由のない相手と結婚したところで、心はそれで満たされるでしょうか。
一緒にいて安心する、満たされる、もっとこの人のことを知りたい、考えるだけで胸が熱くなる……いくらバース性上番うことができなくとも、相手への好意感情まではコントロールは効きませんよ。
"好き"と"愛してる"が、一緒にいる大きな理由になってるのはとても幸せなことだと思います。
これまでそんな感情に触れてこなかった鈍感αは、相手の気持ちを読み間違えて色々とやらかしていましたが、そんな不器用な嘉納の一面も含めて私は熱烈に推したい!
ワイナリーを経営したり、ハーブ農園を作る2人の未来が私には見えしたが、さてどうなるんでしょ^ ^
嘉納にもちゃんと心を動かされる"運命"の相手が見つかって良かったです。
そんなにページ数はないストーリーだけど、大満足な読後感。読み応えのある幸せにたくさん浸ることができて感無量です。
あーーーーーーーとんでもなく良かった...
スピン元カプより、実はこちらの嘉納×伊吹カプの方が
より”によによ”しながら見ることができ、好きなのです。
スピン元作品の、以前書いた自分のレビューを見に行ったところ
「嘉納さんを何とかしてあげて!!」と書いてあって
やっぱり自分の好みは変わってないんだな、と笑ってしまいました.(*´艸`)
こちら、2022年刊行『普通<ベータ>の恋人』のスピンオフ作です。
スピン元カプの受け・有を追いかけていた当て馬・嘉納(α・攻)と
彼の行きつけレストランのギャルソン・伊吹(β・受)とのお話。
スピン元カプもちょこっと出てきて嬉しい限りです☺︎
スピン元を読んでいないと関係性を掴むのが難しいかと思うので、
『普通<ベータ>の恋人』を読んだ上で、こちらの番外編に進む形をおすすめします。
何が良かったって、人一倍鈍い攻め・嘉納の天然ポンコツなところと、
覚悟を決めた時の無自覚スパダリ感のギャップじゃないでしょうか…!
伊吹が、もう二度と会えないことを覚悟して
「あなたのことが好きでした」
と言った言葉を、”「でした」は過去形だから、今は好きではないってことだな”なんて解釈しちゃう、とんでもな鈍ちんです(罪!!!!)
言葉を額面どおり受け取ってしまい、その”裏”を読んだり想像する、ということが
出来ない人なんですよね。。
(でもだからこそ、彼が語る言葉は常に恥ずかしいぐらい一途で真っ直ぐで、
心に響く)
で、今までΩとしか関係を持ってこなかったαの彼が、
”匂いで気持ちや発情状態が分からないβ”である伊吹とどう関係を進めていけば良いのか、作中でおおいに悩むことになる。
自分に対する好意も、発情の兆候も、
αとΩなら嫌でも匂いで感じ取り合ってしまうのに、
βの伊吹とはそういったコミュニケーションが出来ない。非常に面倒くさい。
で、ここで”面倒くさい”なんてひどいな、と思わせないところが、
安西先生のすごいところだなあ…と、唸ってしまいました。
それを嘉納が好む車に例えて、心情吐露するシーンが本当に素敵で…
(このあたりで、「アンチ・フェロモン」というタイトルが深く刺さってきます)
派手なスポーツカーよりも、細かな手入れの必要なクラシカルカーを好む嘉納。
彼はメンテナンス、手をかけることに喜びを感じる人間で、
つまり、”面倒”を愛することができるー
という自覚、気付き。
そして一度自分の気持ちに気付いてしまえば、
それをはっきりと口にすることを厭わない。
二人を見守りながら、進展のなさに痺れを切らした有に
「伊吹のことをどう思っているのか」と問いただされた際の、
「愛している」(しかも繰り返した…!ハートがドゥグンドゥグン言いました)の言葉にひっくり返りそうになりました。萌えすぎて...
下の名前を聞き出すのだけにもドキドキして、
お付き合いがやっとやっと始まってからも、
いつ手を出していいものか戸惑って。
年上スパダリが、まるで初恋のように初々しくもだもだする様子。
そしてα×Ωという”運命じゃない”恋に踏み出し奮闘する様子。
そんなものが、ぎゅぎゅーっ!!と凝縮された67ページでした✨
本編の後に、伊吹視点での「ハーブガーデンであなたと」、
そしてスピン元カプ二人のお話「horiday morning」が収録されています。
「horiday morning」では、初めて体を重ねた後の、
あまーい空気の嘉納×伊吹の姿が見られて、自然と顔がにやけてしまう...
大好きな鈍ちん当て馬・嘉納の救済に、大きな拍手を送りたくなるー
そんな最高の萌え悶えてしまうお話でした・:*+.