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koori no ouji ummei no omega wo dakkanseyo

とてつもなくハッピーで爽快な気分にしてくれる
真船るのあ先生のオメガバース、大好きです(*´∀`*)
新刊のこちらは、先生初の四六判。
あとがき入れずに309ページ、大ボリュームで嬉しい読み応え。
もーーーーまず、笠井あゆみ先生の表紙絵だけでも
テンション爆上がり⤴︎
まるで一枚の宗教画のよう…
Xに笠井先生ご自身がアップされているラフ画があるのですが、
そちらと見比べるのも楽しい♪
剣を構え、しっかりエミール(受)を抱きしめながら
こちらを見つめるテオドア(攻)、男前すぎて眩しい。
長髪美人攻め最高。
そしてエミールの腕の中にいる、金髪(テオドア譲り)で
濃緑色の瞳(エミール譲り)の赤ちゃん・レイの愛らしさたるや…!
表紙についてだけでもまだ大分語れる気がしますが、
以下、内容についてレビューを。
主人公は義母に虐げられ、父親の借金を返すために
王宮で下働きをしている男爵家婚外子・Ωのエミール(受)。
手入れをしている温室を時々訪れる美貌の王太子・テオドア(α攻め)に
淡い恋心を抱いていますが、初めての発情期が来た際、
偶然居合わせたテオドアに抱かれてしまい、その後妊娠発覚。
堕ろそうか、どうしようか…と迷い悩んでいるところ、
必死の形相で追いかけてきたテオドアから
王位継承の事情を踏まえた”契約結婚”を提案され、了承します。
ところが結婚式当日、王弟(攻めの叔父)が謀反を起こし、
二人は王宮を追われ、逃亡生活が始まることとなりー
と続く、王座奪還を目指すオメガバースラブストーリー。
まず”きゅん”としたのが、序盤、攻め視点で描かれる
テオドアの無自覚な恋愛感情!
温室で仕事をしているエミールを盗み見ることが
密かな楽しみになり、彼に会えないと寂しさを感じ、
この感情は一体なんなのか、と側近に聞いて「恋」だと言われ驚く。
無自覚の初恋、良いー...
二人が初めて身体を重ねた日も、
「この私が一夜を恵んでやる」などと”上から目線”の言い方をしているのですが、実はこの時、嬉しくてたまらなかったんですね。
テオドア視点で”怪我の功名だった”なんて書かれていて
不器用な一途さにきゅん..としてしまう。
咄嗟に口にした「契約結婚」ですが、まずは形から入って
徐々にエミールを懐柔していこう、そうすれば大丈夫だー
なんて思ってるところが可愛らしすぎる。
「氷の貴公子」というニックネームとのギャップに
萌え転がりました(*´◒`*)
王宮にエミールを連れてきてからも、
「ピアノは胎教にいい」なんて言いながら暇を見つけては
ピアノを弾きにエミールのもとに来てくれたり、
子どもの名前は何がいいか?と、
30近い数の名前候補を考えてきたり。
もーーーーその気持ち、言葉にして口にしようよ!
エミールだって喜ぶよ!と言いたくて、
焦ったくて仕方ない。。
だけど、このじれじれ感がたまらない(*´艸`)
そして一方の受け・エミール。
その男前な性格に、読みながら何度も惚れ惚れしました。
男爵家の婚外子とはいえ、市井で育った彼は
やんちゃで逞しい。
その逞しさは、テオドアとの逃亡生活の中で明らかにされます。
森の奥の小屋で始まった平民としての潜伏生活に、
慣れないテオドアは当初、文句ばかり言うのですね。
「こんな粗末な部屋で寝ろと言うのか?」と言い放ったり、
二人を色々手助けしてくれるエミールの友人・アランに対しても
”やってもらって当然”という態度をとる。
また、信頼していた叔父から裏切られたということが信じられず、
そのショックから何日も何もせずただぼうっとしていたりする。
と、そんな時!
「落ち込むなんてテオドア様らしくない」
「アランにちゃんとお礼を言ってください」
と、エミールからの”説教”発動!
でもこれは、実はエミールなりの必死の励ましでもあるのですね。
今はとりあえず庶民として暮らし、働き、
生まれてくる我が子を一緒に育てて欲しい、
父親としての自覚を持って欲しいー
と、そんな思いが言葉になって出たもの。
「そなた、猫を被っていたな!?このようにきつい性格だとは思っていなかった」
なんてムキーっと言い返しながらもw、
ハッとして態度を改めるテオドアの意外な素直さも、
グッときて萌えるポイントでした。
攻め受け二人のキャラがどちらも立っていて
好感が持て、掛け合いが最高に楽しかったです✧
そして「王座奪還」へと動くストーリーも、
陰謀やサスペンス好きな自分としては外せない”見どころ”の一つでした。
ここでもエミールの男前っぷり、その覚悟が光ります。
王座奪還のための準備が整うまでの時間稼ぎのため、
レイを連れ一人王宮へ戻ることを決意するエミール。
王宮へ戻ってからのメイビス(テオドアの叔父)との対決は、
ややエミール側に都合よく運んだかな?
メイビス、詰めが甘いかな?と思うところもあったのですが;
受けの大ピンチ!に颯爽と駆けつけてくれる攻め、
王道と分かっていても萌え転がらずにはいられません。。(ˊ˘ˋ* )
このシーンの笠井先生の挿絵、テオドアが格好良すぎて
ひっくり返りそうになりました。
ページを凝視してしまうこと、間違いなし。
で、じんと沁みたのが、剣の切っ先を叔父の喉元につきつけた
テオドアが言う一言です。
「恐怖や支配ではなく、民と共に生きる王になりたい」
この言葉…!エミールと共に小屋で暮らし、
市井の人々の暮らしを目で見て実感したからこそ出てきた言葉なんですよね。
エミールと出会ったことで初めての恋と愛を知り、
愛しい我が子という守るべき存在も得、意識も変わって…
テオドアの内面の成長っぷりにグッときます。
エミールに酷い仕打ちをしてきた義母にも
きちんと制裁が下り、読後感はスッキリ。
「契約結婚」を終え、しっかりとうなじを噛んで/噛まれて
番になる二人の描写に歓喜しました。
甘さとシリアスの配分が絶妙な、
王座奪還・オメガバースファンタジー。
もう一度読み返して、男前な二人に繰り返し惚れ惚れしたいと思います☺︎