忌まわしき金眼の王子は黒狼の愛に煌めく

imawashiki kimme no ouji ha kokurou no ai ni kirameku

忌まわしき金眼の王子は黒狼の愛に煌めく
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神1
  • 萌×22
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
2
得点
13
評価数
3
平均
4.3 / 5
神率
33.3%
著者
水杜サトル 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
羽純ハナ 
媒体
小説
出版社
心交社
レーベル
ショコラノベルス
発売日
価格
ISBN
9784778136680

あらすじ

ヴァルミラ王国の第二王子、カノンは金眼のせいで悪魔憑きとされ、長年幽閉されていた。十八歳になると、父の命で崖から落とされ処刑されてしまう。しかし人狼族の領地の一つ、テイルーンダリの族長・イザナに命を救われ、彼のもとに身を寄せることに。イザナは寡黙そうな見た目によらず気さくで、政務の合間にカノンと食事をしたり、色々と気遣ってくれる優しい男だった。「なぜ悪魔憑きの僕に」と困惑しながら、カノンは彼に心を開いていく。領地での暮らしに慣れたある日、カノンが他領地の族長・アオギと楽しげに話していると、イザナがなぜか怒った様子で現れ…。

表題作忌まわしき金眼の王子は黒狼の愛に煌めく

人狼族の若き族長、65歳(人で言う30過ぎ)→75歳
悪霊憑きとされる第二王子、18→28歳

その他の収録作品

  • それぞれの未来
  • あとがき

レビュー投稿数2

王道スタイルの良し悪し

始まりの方から話の終わりが何となく見えてしまって、もう一捻り、もう一展開あって欲しかったなというのが読後すぐの感想です。

良くも悪くも不憫受けの古典的スタイルの作品かなと思います。
忌み子と呼ばれた王子・カノンが、不吉の象徴である金眼を持って生まれてきたことから幽閉生活を強いられるという、初っ端からハードな不憫っぷり。父や兄からは見向きもされず、世話人からは意地悪をされる孤独な生活の中、唯一味方であった母親が亡くなって処刑宣告を受けてしまいます。
が、運良く助かり通りがかりの人狼族の長に拾われて(当然ながらイケメン)、過去の傷を癒しながら2人は良い感じの関係なっていく。……まぁ、忌み子系不憫ストーリーにはよくある感じのお話です。

相思相愛の関係なのに主人公のネガティブ思考で、一方的な別れを決意したりと先々の展開的にもなんやかんやあったりします。不憫受け・健気受けのフォーマットに則って作られたかのような王道の展開は、先の出方が読めるぶん安心して読めましたが、個人的はもっとワクワク感が欲しいとこ。個人的にはハラハラドキドキの感情をあまり抱くことなく、サクサクと読めてしまいました。

設定以上に期待できるプラスアルファがなかったのは非常に勿体ないと思いました。
物語の広がりや深まりがもっと期待できる余地があるのに、こじんまりと終わってしまった感じがしなくもない。例えば、カノンの父親が治める人族の国については、スルーで終わって欲しくなかったことの1つです。ギャフン展開含めカノンに酷い仕打ちをしてきた報いが、彼の国に少しでもあったら良かったのに。
結局カノンの処刑を申し遣わせたのは、国家としての判断なのか父としての判断なのかも曖昧で、家族の情の部分は母親のみだったのが物足りなかったですね。父と兄のカノンへの直接的な感情にも出来たら触れて欲しかったなと思いました。

とはいえ、スタンダードなストーリーは分かりやすく、また攻めのイザナ安心安定の溺愛はグッジョブでした。異種族の禁断の恋ムーブもあり、恋愛的にも見どころ良しの物語です。
初心者さんには入りやすく、話が錯綜していない、ややこしくない、キャラの立ち位置が分かりやすい、登場人物の名前が読みやすいなどなど、読みやすさの部分ではとても良い作品だと思うので、気になっている方…特に不憫受けストーリーが好きな方にはおすすめです^ ^

0

人狼族族長×不憫受け、溺愛に浸るファンタジー

水杜サトル先生、初読みの先生です。
羽純ハナ先生の表紙が麗しい…!
表紙だけで、期待とテンションがぐぐっと上がり⤴︎
ワクワクしながら読み進めました。

年の差(人間の30代×18歳)、ケモミミ尻尾、溺愛攻めに不憫受け..
きゅん、と心に刺さる要素盛りだくさんのファンタジー。

人外シンデレラストーリー、とでも言うのかな。
不憫な受けが溺愛攻めに優しく守られ、愛される物語です。

片目が金眼のせいで「悪魔憑き」として忌み嫌われ、
12歳の頃から囚われの身だった第二王子・カノン(受)。

それまでカノンを庇い守ってくれていた母親が
亡くなったことをきっかけに、王からカノン処刑の非情な命令が下ります。

そして崖から突き落とされたところを、
人狼族族長・イザナによって助け出され、
彼の館で共に生活するようになりー

と続きます。


まず、身長2メートル近くあるという攻め受けの体格差、
そして人間で言う一回り以上の年の差が良い...!

カノンを気遣い、哀れな境遇に心を痛めながら
寄り添うイザナの優しさにも、カノンと共に心癒されます。

そんな溺愛スパダリ・イザナがカノンへの恋心を自覚し、
欲情してカノンを隅々まで可愛がる濡れ場描写も
甘くて濃厚で蕩けました(*´◒`*)

乳首を吸って舐めて、窄まりも舐めて
身体中にキスの痕を...
(”皺を伸ばすように”丁寧に...という描写にドギマギ)

共に生活するようになり、互いの心の距離が近づいていく描写も
穏やかで優しく、甘やかです。

特に微笑ましかったのが、ふたりで”雪人形”(=雪だるま)を
作るところ。

イザナに忠実、カノンのことも大好きな飼い狼(?)・ライが
使いきれない量の小枝を得意げに集めてきちゃうシーン、
羽純先生のイラストも可愛くて愛おしくて、癒しでした(ˊ˘ˋ* )

母と牧師、そしてほぼ会話などしてくれない世話係たちとの
最低限の交流しか持たなかった(持てなかった)カノンが、
初めて愛と自由を知り、素足で芝生の感触を感じたり、
雪に触れてはしゃいだり。

ああ...イザナに出会えて本当に良かったね、とうるうるしてしまう。

二人の想いが重なり合うロマンチックな展開の中、
人狼族は異種族との恋愛・婚姻が禁忌であることから生じるすれ違い。

ここー....!

自分が大好きなのは、「運命に流されず、自ら切り開いていこうとする」
精神的に自立していて強い受け、なのです。

で、その自分の萌えポイントからすると
ここでのカノンの思考や行動が、それとはかけ離れていて...;

そして、イザナの覚悟を決めさせるためとはいえ、
うぶなカノンを誘い出したアオギの言動も
あまり納得はできなかった...かもです;

とはいえ、その生い立ちから人一倍
”嫌われる”(忌み嫌われること)に敏感なカノンが、
悩み悩んで決断したのだろうな、ということは理解できます。

一回り年上のイザナが、懐の大きな攻めで本当に良かった...!
独占欲、嫉妬、怒りは全部アオギへ。
自分が至らなかったせいでカノンを不安にさせてしまった、すまない...と
謝る姿は慈愛に満ちたスパダリそのものでした✨
(そんなことないよ、とは思いつつ)

欲を言えば、意外にも割とあっさり解決された
”異種間の婚姻禁止”というハードルを乗り越える様に
もう少し噛みごたえを感じたかったかなあ、と。

そしてせっかくのケモモミ尻尾、特に尻尾を生かした
もふ寝(+濡れ場もあったら...)をもっともっと見たいな、と
思ったりしました。

不憫で不幸で一度は死にかけた健気なカノンが、
大きな愛に包まれ、幸せを得るまで。

二人の恋愛に異議を唱えるキャラクターも多少いますが、
温かく見守る人々(人狼)が多く、終始甘やかな気持ちで読める
優しいファンタジーでした(*´˘`*)

嬉しかったのが、”結婚してめでたしめでたし...”で終わらず、
彼らの10年後が描かれていたこと!

”人とは違う”ことで忌み嫌われ、悩んだカノンだからこそ
力になれるという場面があり、嬉しくなりました。
二人の愛は10年経っても深まるばかりで、いまだに嫉妬したり
心配したりしている夫・イザナが可愛らしかったです(*´艸`)

3

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