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kotonohadayori
『言ノ葉ノ花』刊行が2007年…!
なんと、約20年前の作品なのですね。
こちらの番外篇集は旧版の内容に加筆修正が加えられ、
さらに書き下ろし「言葉のあとさきーさきー」が加わったもの。
旧版の番外篇集は未読のため、全てのお話が初めて読むものでした。
もう、三池先生による表紙と口絵の幸せそうな恋人同士の二人の様子に、
読む前から胸がいっぱいに。
口絵は夏祭りの二人(このシーンのお話は、この番外編集・上巻にはなかった
ような…?)、そして水族館デートをする二人。
手を繋ぎ、余村の顔を嬉しそうに見つめる長谷部の視線が、甘いよー...(*´˘`*)
上巻を読み終えてもう一度表紙・口絵を見返し、余韻に浸りました。
番外篇集の内容は、レビュータイトルどおり
幸せと切なさ薫るもの。
書き下ろしは短いながらも、同居した二人の幸せな日常が
垣間見えるものでした。
「いってらっしゃい」と長谷部を送り出す余村、
洗濯物として干された、お揃いのハンカチ。
このハンカチ、さらっと「お揃いなんて可愛いな」と読んでしまったんですが、
後に出てくるお話の中で話が繋がり、
「あの時果奈ちゃんからもらったハンカチが、
ひとつ屋根の下に並んでるなんて…!」と感激しきりでした。
そして妹・果奈からもらった日記帳に、
たった一言ぎこちなく書かれた一文。
うー...沁みる...
気持ちを言葉にするのが極端に苦手な長谷部が、
どんな顔で、どんな気持ちで書き記したのかな。。
そんなことを想像すると、くすぐったくて甘酸っぱくて
たまらない気持ちになりました。
付き合い始めてから”寂しげな笑み”ではなく、
心からの笑みを浮かべるようになった余村の表情の変化、
その笑顔を感慨深く見つめる長谷部。
余村・長谷部と交互に入れ替わる視点で綴られる短いお話の中に、
紆余曲折を経た後の二人の”幸せ”が詰まっています。
けれど、二人の関係が長谷部の妹・果奈に知られることとなった時に
すれ違いが生まれー
後半の展開は、切なさ際立つものでした。
両親が亡くなり、兄と妹、手に手を取り合い歩んできた仲だからこそ、
兄にはいわゆる”普通の幸せ”を望み、それを心から祝いたかったー
と話す果奈。
兄の選んだ道を応援したいと葛藤する果奈の葛藤と、
そんな思いを知った余村の迷い。
そのどちらの気持ちも理解でき、胸締め付けられる描写でした。
長谷部が常に揺るがない気持ちを伝え、
ぶつけてきてくれているだけに…
いつまでも決心がつかず、覚悟の決められない余村には
正直やきもきさせられましたが;
やっとやっと腹を決めた後の余村の言葉は、
迷いがなく、まっすぐで力強かった…!
「よく言った!」と心の中で思い、うんうん頷いていました。
果奈から送られてきた結婚式の招待状を見た余村のシーン、
自分もツンと鼻にきて、涙がこぼれそうになったー...
最初から理解し合うことはできなくても。
思いを素直に正直に言葉にし、言葉を重ね、
相手に差し出す勇気を得た余村の行動、
”男気”とはちょっと違う?けれどカッコ良かったです。
続く下巻は、どんな内容なのかな。
切なさ成分少なめ、甘め成分多めで読めたら嬉しいな...なんて
思いながら、下巻もじっくり味わいたいと思います。